JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 日本水道協会規格 JWWA 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 K 116:0000 Unplasticized polyvinyl chloride lining steel pipes for water supply 適用範囲 1 この規格は,使用圧力 1.0 MPa 以下の水道に使用する硬質塩化ビニルライニング鋼管(以下,ライ ニング管という。 )について規定する。 引用規格 2 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これ らの引用規格は,その最新版(追補を含む。 )を適用する。 JWWA Z 108 水道用資機材-浸出試験方法 JIS B 0203 管用テーパねじ JIS B 7502 マイクロメータ JIS B 7507 ノギス JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件 JIS G 3442 水配管用亜鉛めっき鋼管 JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管 JIS K 6741 硬質ポリ塩化ビニル管 JIS K 6742 水道用硬質ポリ塩化ビニル管 JIS K 6911 熱硬化性プラスチック一般試験方法 JIS S 3200-7 水道用器具-浸出性能試験方法 JIS Z 8401 数値の丸め方 JIS Z 8703 試験場所の標準状態 用語及び定義 3 この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 3.1 使用圧力 通常の使用状態における水の圧力であって,“最高使用圧力”(静水圧)。 3.2 原管 内面ライニング及び/又は外面塗覆装を施す以前の鋼管。 3.3 内面ライニング 原管内面に内面用ビニル管を接着した状態。 3.4 外面被覆 1 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 原管外面に硬質ポリ塩化ビニル樹脂を接着した状態。 3.5 常温 JIS Z 8703 に規定する標準状態の温度を 20 ℃ とし,その許容差を JIS Z 8703 の 3.1(標準状態の 温度の許容差)の温度 15 級(±15 ℃)とした温度状態で,20 ℃±15 ℃。 種類及び記号 4 ライニング管の種類及び記号は,表 表 1 による。 表 1-種類及び記号 種類及び記号 種類 記号 原管 水道用硬質塩化ビニル ライニング鋼管 A 外面 SGP-VA JIS G 3452 の黒管 一次防せい(錆)塗装 SGP-VB JIS G 3442 亜鉛めっき SGP-VD JIS G 3452 の黒管 水道用硬質塩化ビニル ライニング鋼管 B 水道用硬質塩化ビニル ライニング鋼管 D 適用配管例(参考) 屋内配管 屋内配管及び屋外 露出配管 硬質ポリ塩化ビニル 地中埋設配管及び 被覆 屋外露出配管 性能 5 5.1 5.1.1 内面 物性 ライニング管の内面性能は,10.4~10.6 によって試験を行い,表 2 に適合しなければならない。 表 2-ライニング管の内面性能 ライニング管の内面性能 単位 MPa 性能項目 性能 適用試験箇条 接着力 0.2 以上 10.4 曲げ性 (呼び径 50 A 以下) 割れ及びひびがない。 10.5 へん平性(呼び径 65 A 以上) 割れ及びひびがない。 10.6 5.1.2 浸出性 給水装置に用いるライニング管の浸出性は,附属書 附属書 A による。また,水道施設に用いるライニング 管の浸出性は,附属書 附属書 B による。 5.2 外面 ライニング管 D の外面は,10.4 及び 10.7 によって試験を行い,表 表 3 に適合しなければならない。 2 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 表 3-ライニング管 ライニング管 D の外面性能 単位 MPa 性能項目 6 性能 適用試験箇条 接着力 2 以上 10.4 ピンホール 火花が発生しない。 10.7 外観及び形状 ライニング管の外観及び形状は,次による。 a) ライニング管の外観は,使用上有害なきず,割れなどの欠点があってはならない。 b) ライニング管の形状は,実用的に真っすぐで,その両端面は管軸に対して直角でなければならな い。また,内外面は滑らかでなければならない。 c) ライニング管の内面用ビニル管の色は灰色とする。また,ライニング管 A 及びライニング管 D の 外面色は,それぞれ濃い茶色及び青色とする。 d) ライニング管の管端における内面ライニング部の軸線方向の縮みは,内面用ビニル管の厚さまで とする。 e) ライニング管の両端は,プレンエンドとする。 7 寸法及びその許容差 ライニング管の寸法及びその許容差は,次による。 a) ライニング管の寸法及びその許容差は,表 表 4 による。 b) ライニング管 D の外面未被覆長さは,特に指定のない限り,表 表 5 の長さまでとする。 3 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 表 4-ライニング管の寸法及びその許容差 ライニング管の寸法及びその許容差 単位 mm ライニング管 鋼管部 呼び径 外径 15 A 21.7 20 A 27.2 25 A 34.0 32 A 42.7 40 A 48.6 50 A 60.5 65 A 76.3 80 A 89.1 100 A 114.3 125 A 139.8 150 A 165.2 内面用ビニル管部 a) 外径の 厚さ 許容差 外面被覆部 b) 鋼管部厚さ 長さ c) 厚さの (参考) 厚さ 許容差 1.5 以上 ±0.5 1.5 1.2 以上 ±0.2 4 000 ±0.7 2.0 ±0.8 1.5 以上 2.5 ライニング管 の近似内径 (参考) 2.8 13.1 2.8 18.6 3.2 24.6 3.5 32.7 3.5 38.6 3.8 49.9 4.2 64.9 4.2 76.7 4.5 101.3 4.5 126.8 5.0 150.2 注 a) 内面ビニル管部厚さは,ビニル管製造時の数値とする。 注 b) 外面被覆部厚さは,ライニング管 D だけに適用する。 注 c) 長さは,特に指定のない限り 4 000 mm とする。 表 5-ライニング管 ライニング管 D の外面未被覆長さ 単位 mm 呼び径 15 A 外面未被覆長さ 20 A 25 A 15 32 A 40 A 20 50 A 65 A 80 A 100 A 125 A 30 150 A 35 材料 8 ライニング管の材料は,次による。 a) 原管は,JIS G 3452 の黒管又は JIS G 3442 に規定するものを用いる。 b) ライニング管の内面用ビニル管は,JIS K 6742 の箇条 8(材料)によって製造された硬質ポリ塩 化ビニル管で,附属書 附属書 A~附属書 附属書 C を満足しなければならない。 c) ライニング管 D の外面被覆用樹脂は,附属書 附属書 D を満足しなければならない。 d) 原管の内外面に使用する接着剤は,ゴム系又は合成樹脂系のものを用いる。 製造方法 9 9.1 内面ライニング ライニング管の内面ライニングは,次による。 a) ライニング管の原管内面及び内面用ビニル管の外面に付着した有害なごみ,油分,ミルスケール 4 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) などは,機械的又は化学的方法によって除去する。 b) a)の処理が終わった原管に内面用ビニル管を差し込み,内面用ビニル管の加熱膨張によって,接 着剤を介し,ライニングを行う。 9.2 外面処理 ライニング管の外面処理は,次による。 a) ライニング管 A の外面処理は,一次防せい塗装を行う。 b) ライニング管 D の外面被覆は,原管外面に付着した有害なごみ,油分,ミルスケールなどを,機 械的又は化学的方法によって除去した後,原管の外面に,押出成形機で接着剤を介して外面被 覆用樹脂を被覆する方法で行うか,又は,あらかじめ成形された管状の外面被覆用樹脂を原管 に被せて加熱収縮させ,接着剤を介して被覆する方法で行う。 10 試験方法 10.1 外観及び形状 ライニング管の外観及び形状は,目視によって調べる。 10.2 寸法 ライニング管の寸法は,JIS B 7502 のマイクロメータ,JIS B 7507 のノギス若しくは円周メジャー 又はこれらと同等以上の精度をもつものを用いて測定する。 なお,測定はライニング前後のどちらで行ってもよいが,内面用ビニル管部の厚さに限っては,ビ ニル管の製造時又はライニング前に測定する。 10.3 外面被覆厚さ試験 ライニング管 D の外面被覆厚さ試験は,供試管の一端の円周上の直交する任意の 4 点について,電 磁微厚計などを用いて測定する。 10.4 接着力試験 ライニング管の接着力試験は,供試管の任意の箇所から軸線方向に長さ 2 cm のものを 3 個切り取 り,試験片とする。その試験片を常温において受け台上に水平に置き,図 図 1 及び図 図 2 の方法で徐々に 荷重を加えて接着面が剝離したときの荷重を測定し,3 個の試験片それぞれについて,次式によって 接着力を算出する。 F1 = W 1 S1 S1 = 3.14 × d1 × l1 ここに,F1:接着力 W1:接着面の剝離荷重 (MPa) (N) S1:接着面積 (mm2 ) d1:原管の平均内径 (mm) l1 :試験片の長さ 20 mm 図 1-内面接着力試験 内面接着力試験 5 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) F2 = W 2 S2 S2 = 3.14 × d2 × l2 ここに,F2:接着力 W2:接着面の剝離荷重 (MPa) (N ) S2:接着面積 (mm2) d2:原管の平均外径 (mm) l2 :試験片の長さ 20 mm 図 2-外面接着力試験 外面接着力試験 10.5 曲げ試験 ライニング管の曲げ試験は,供試管の任意の箇所から適当な長さのものを 1 個切り取り,試験片と する。その試験片を常温において,半径が D×8(D は原管の外径)のジグに沿って 10°以上曲げる。 なお,ライニング管 D は,外面被覆前後のどちらで行ってもよい。 10.6 へん平試験 ライニング管のへん平試験は,供試管の任意の箇所から長さ 50 mm 以上のものを 1 個切り取り, 試験片とする。その試験片を常温において,図 図 3 のように 2 枚の平板に挟んで,平板間の距離が原管 の外径の 2/3 以下の高さになるまで徐々に圧縮する。 なお,ライニング管 D は,外面被覆前後のどちらで行ってもよい。 図 3-へん平試験 へん平試験 10.7 外面ピンホール試験 外面ピンホール試験 ライニング管 D の外面ピンホール試験は,外面全面にわたってホリデーディテクターを用いてピン ホールの有無を調べる。この場合の電圧は,接触形の場合は 10 000 V~12 000 V,非接触形の場合は 20 000 V~40 000 V とする。 10.8 浸出試験 浸出試験 給水装置に用いるライニング管の浸出試験は,附属書 附属書 A による。また,水道施設に使用するライニ ング管の浸出試験は,附属書 附属書 B による。 10.9 試験結果の数値の表し方 10.2~10.4 の試験結果は, 規定の数値より 1 桁下の位まで求め, JIS Z 8401 の規則 規則 B によって丸める。 6 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 検査 11 ライニング管の検査は,次による。 ライニング管の検査は,表 表 6 の検査項目及び試料数について行い,箇条 5~箇条 7,箇条 12 に適 a) 合しなければならない。 表 6-検査項目及び試料数 検査項目及び試料数 検査項目 試料数 外観及び形状 寸法検査 全数行う。 a) 外面被覆厚さ検査 呼び径 15 A~50 A は,呼び径ごとに 2 000 本又はその端数を 1 組と b) して 1 本抜き取る。 接着力検査 呼び径 65 A~125 A は,呼び径ごとに 1 000 本又はその端数を 1 組と 曲げ検査 して 1 本抜き取る。 呼び径 150 A は,500 本又はその端数を 1 組として 1 本抜き取る。 へん平検査 外面ピンホール検査 b)c) 全数行う。 浸出検査 一定期間及び品質変更の都度行う。 表示検査 全数行う。 注 寸法検査のうち,内面用ビニル管の厚さは,ビニル管製造時に行う。 a) 注 b) 外面被覆厚さ検査及び外面ピンホール検査は,ライニング管 D だけに適用する。 注 c) 外面ピンホール検査は,被覆後に行う。 接着力,曲げ又はへん平検査が箇条 5 に適合しなかった場合,JIS G 0404 の 9.8.2.2 a)(試験単位 b) が製品 1 個のとき)によって,不適合品を除いたその組から,再検査を行うことができる。 なお,この検査で全てが適合した場合,その組は合格とする。 12 表示 次の事項は,容易に消えない方法で,ライニング管の外面に表示しなければならない。 a) ) | ( の記号 b) 給水装置用及び水道施設用の共用を示す記号又はその略号 c) 製造業者名又はその略号 d) 種類の記号 e) 呼び径 f) 製造年月 7 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 附属書 A (規定) 浸出性及び浸出試験方法(給水装置) A.1 浸出性 給水装置に用いるライニング管の浸出性は,給水装置の構造及び材質の基準に関する省令によるこ ととし,表 表 A.1 の基準に適合しなければならない。 表 A.1-ライニング管の浸出性 ライニング管の浸出性 項目 基準 鉛及びその化合物 給水装置の構造及び材質の基準 亜鉛及びその化合物 に関する省令の別表第一“給水 有機物[全有機炭素(TOC)の量] 装置の末端以外に設置されてい 味 る給水用具の浸出液,又は給水 臭気 管の浸出液に係る基準”によ 色度 る。 濁度 残留塩素の減量 A.2 mg/L 0.7 以下 共通的な条件 共通的な条件は,JIS S 3200-7 の 5.(共通的な条件)による。 A.3 浸出液の調製方法 浸出液の調製方法は,JIS S 3200-7 の 6.(浸出液の調製方法)による。ただし,残留塩素の減量の 試験に用いる浸出液の遊離残留塩素濃度は,1.0 mg/L~1.2 mg/L とする。 A.4 試料液の調製 試料液の調製は,JIS S 3200-7 の 7.1.2(給水管)及び 7.3(試料液の保存)による。 A.5 供試管 供試管は,給水装置用として製造する最小呼び径のライニング管,又は内面用ビニル管を用いる。 A.6 分析方法 検水の分析方法は,JIS S 3200-7 の 8.(分析方法)による。 A.7 評価(判定 評価 判定) 判定 評価(判定)は,A.1 に適合していなければならない。 8 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 附属書 B (規定) 浸出性及び浸出試験方法(水道施設) B.1 浸出性 水道施設に用いるライニング管の浸出性は,水道施設の技術的基準を定める省令によることとし, 表 B.1 の基準に適合しなければならない。 表 B.1-ライニング管の浸出性 ライニング管の浸出性 項目 基準 鉛及びその化合物 “水道施設の技術的水準を定め 亜鉛及びその化合物 る省令”の別表第二による。 鉄及びその化合物 有機物[全有機炭素(TOC)の量] 味 臭気 色度 濁度 残留塩素の減量 B.2 mg/L 0.7 以下 共通的な条件 化学分析に関する共通的な事項は,JWWA Z 108 の 5.(共通的な条件)による。 B.3 浸出用液の調製方法 浸出用液の調製方法 浸出用液の調製方法は,JWWA Z 108 の 6.(浸出用液の調製方法)による。 B.4 浸出試験における浸出液の調製 浸出試験における浸出液の調製は,JWWA Z 108 の 7.(浸出試験における浸出液の調製)による。 B.5 供試管 供試管は,水道施設用として製造する最小呼び径のライニング管を用いる。 B.6 洗浄 洗浄は,JWWA Z 108 の 7.1.1(洗浄)による。 B.7 コンディショニング コンディショニングは,JWWA Z 108 の 7.1.1 b)(コンディショニング)による。 9 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) B.8 浸出 浸出は,JWWA Z 108 の 7.1.1 c) (浸出)による。 B.9 空試験 空試験は,JWWA Z 108 の 7.3[空試験(浸出試験) ]による。 B.10 分析方法 検水の分析方法は,JWWA Z 108 の 8.(分析)による。 B.11 評価(判定 評価 判定) 判定 評価(判定)は,B.1 に適合していなければならない。 10 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 附属書 C (規定) 内面用ビニル管(硬質ポリ塩化ビニル管) C.1 性能 内面用ビニル管の性能は,表 表 C.1 に適合しなければならない。 表 C.1-内面用ビニル管の性 内面用ビニル管の性能 内面用ビニル管の性能 性能項目 引張降伏強さ MPa 23 ℃における引張降伏強さが 45 以上 耐圧性 破損があってはならない。 へん平性 割れ及びひびがあってはならない。 ビカット軟化温度 C.2 性能 ℃ 76 以上 試験方法 内面用ビニル管の試験は,表 表 C.1 の性能項目について,JIS K 6742 の箇条 9(試験方法)によって 行う。ただし,耐圧試験の試験水圧は 1.0 MPa 以上とする。 C.3 検査 内面用ビニル管の検査は,ビニル管製造時に C.2 によって行い,C.1 に適合しなければならない。 なお,試料採取方法は受渡当事者間の協定による。 11 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 附属書 D (規定) 外面被覆用樹脂(硬質ポリ塩化ビニル樹脂) D.1 性能 外面被覆用樹脂の性能は,表 表 D.1 に適合しなければならない。 表 D.1-外面被覆用樹脂の性能 外面被覆用樹脂の性能 性能項目 引張降伏強さ ビカット軟化温度 体積固有抵抗率 D.2 D.2.1 性能 MPa ℃ Ω・cm 23 ℃における引張降伏強さが 45 以上 76 以上 1015 以上 試験方法 引張試験 引張試験は,JIS K 6741 の 9.1.1(引張試験)による。 D.2.2 ビカット軟化温度試験 ビカット軟化温度試験は,JIS K 6741 の 9.1.6(ビカット軟化温度試験)による。 D.2.3 体積固有抵抗率試験 体積固有抵抗率試験は,JIS K 6911 の 5.13(抵抗率)による。ただし,試験時の温度は 23 ℃±2 ℃ で行う。 D.3 検査 外面被覆用樹脂の検査は,D.2 によって行い,D.1 に適合しなければならない。 なお,引張降伏強さ及びビカット軟化温度の検査は一定期間ごとに,また,体積固有抵抗率の検査 は,材料及び製造方法に大幅な変更があった場合に行う。 12 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) 附属書 E (参考) 取扱い上の注意事項 保管及び輸送上の注意事項 E.1 保管及び輸送する上での注意事項は,次による。 ライニング管の保管は,なるべく平たんな場所を選び,必要な場合には枕木を敷いて,管の自重 a) による曲がりなどが発生しないように保管する。 なお,保管は屋内とする。やむを得ず屋外に保管する場合は,直射日光又は雨を防ぐため,シ ートなどによって覆いをする。 b) 落下などによって,曲がり,変形が生じるような衝撃を与えてはならない。 c) 火気又は熱源に近付けてはならない。 d) 運搬には,ナイロンスリング,クッション材などを使用し,外面にきずが付かないようにする。 E.2 配管上の注意事項 配管上の注意事項は,次による。 配管に当たっては,内外面の状態をよく確かめる。万一,取扱い時に発生した有害な欠点が認め a) られた場合は,その部分を切断除去する。 管の切断に当たっては,自動金のこ盤,旋盤などを用いて,切断部に高温が発生しないようにする。 b) なお,ガス切断,アーク切断,高速と(砥)石,及びパイプカッターを使用してはならない。 c) 管の接合は,ガス溶接及びアーク溶接を行ってはならない。 d) 管をねじ加工するときは,ねじゲージなどを用い,JIS B 0203(管用テーパねじ)の寸法に仕上 げる。また,切削油は水道用ねじ切り油剤を使用し,管内及びねじ部に付着したねじ切り油剤は, 水洗いする。 e) 管端の内面ライニング部は,面取りを行う。 f) 防食シール剤は,水道用液状シール剤を使用する。 g) ねじ継手には,水道用ライニング鋼管用管端防食形継手を使用することが望ましい。また,埋設 するときは,同継手の外面をプラスチックで覆った外面被覆継手を使用することが望ましい。 h) 管のねじ込みに当たっては,表 表 E.1 に示す標準トルクを参考に行うことが望ましい。 i) ねじ戻しは,漏水,管端腐食の原因となるため,行ってはならない。 j) 外面のきず及び余りねじ部は,補修剤,仕上げ塗料などで処理する。 k) 地中埋設配管に使用する場合,SGP-VD 以外は,防食テープ,ポリエチレンスリーブなどの被覆 を施すといった防食対策を講じる必要がある。 ライニング管 D の取扱いは,次による。 l) 1) 被覆のきずを極力避けるため,外面被覆鋼管用専用治工具(チャック,パイプレンチ,万力歯) を使用する。 2) ねじ込みは,その管径に適合した外面被覆鋼管用パイプレンチを使用し,無理なねじ込みをし てはならない。 3) ライニング管 D に外面被覆継手を使用する場合は,管と継手との隙間をパテなどで十分シール 13 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。 JWWA K 116:0000(水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管) 規格改正案(公開縦覧版) する。また,管の鋼面に達するような著しいきずは,防食テープなどで補修する。 表 E.1-標準トルク 標準トルク 単位 N・m E.3 呼び径 標準トルク 15 A 40 20 A 60 25 A 100 32 A 120 40 A 150 50 A 200 65 A 250 80 A 300 100 A 400 125 A 500 150 A 600 分水栓の取付け上の注意事項 分水栓の取付け上の注意事項は,次による。 分岐に当たっては,水道用サドル付分水栓の“鋼管用”を用いる。ただし,ライニング管 D の場合 a) は,外径が若干大きいので,専用のものを用いる。 せん孔は,通水中に行う。分岐サドルのコックを開放の状態でせん孔すれば,開孔時の排水に伴 b) って切削くずがよく排出される。 なお,せん孔時においては,内面ライニング部の剝離,及びライニング管 D における摩擦熱に よる外皮の損傷が起きないように,適当なきりの送り速度で行う。 せん孔用きりは,ホールソー形のものが適している。 c) E.4 その他の注意事項 その他の注意事項は,次による。 a) 寒冷地における解氷作業には,直火を用いてはならない。 なお,解氷には,蒸気又は熱湯を使用する方法,電気的な方法がある。 b) 電気的に解氷する場合は,ライニング管 D では,外面の防食効果を低下させないよう端子などの 取り方に注意する。 14 これは公開縦覧用の規格案です。正式な規格書ではありません。
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