プロクター & ギャンブル

導入事例
プロクター & ギャンブル
マルタイリングはいかにしてコストを抑えつつ国際特許出願の大幅な増
加をサポートできたのか
背景
北米、ヨーロッパ、アジアに研究施設を有するプロクター & ギャンブル(P&G)は、石鹸、洗剤、洗
浄製品、化粧品などの新製品開発に、毎年数十億ドルを費やしています。P&G は 31 を超える
国で毎年数百もの特許出願を行い、約 35000 の特許をポートフォリオに抱えることで、世界最
大の最も価値ある特許ポートフォリオの 1 つとなっています。
重要な課題
2001 年、P&G は、予算の制約から、コスト削減を実行するか海外での特許出願数を減らすかと
いう重大な決断に直面し、 翻訳コストの増加、マーケットおよび海外事業範囲の拡大、管理運営
の複雑性の加速から、P&G では大胆な変革の必要性が明白でした。
国際特許出願において必要不可欠でありながら、主要なコストとなっていたのが翻訳作業であ
り、P&G の国際出願予算のほぼ 40 パーセントを占めていました。 この時点では P&G は自
社の特許翻訳を海外に点在するエージェント、個別の翻訳者、その他管理運営人員に委ねて
いました。
もう 1 つのコストの要因となっていたのは、特許を翻訳する国内法律事務所のネットワーク膨張
に関連した、不均一で分散型のプロセスでした。 これらの事務所は、翻訳文書の機密性や、翻
訳に必要とされる特殊技術の教育と専門性を有した翻訳者の希少性を理由に、高額な料金を正
当化することが頻繁にあったのです。
複数の法律事務所との取引の煩雑さは P&G 運営経費の増加を招き、書類処理に関わる人員
が多すぎることから、エラーのリスクが高まる原因でもありました。
解決手段
コスト、リスク、煩雑性の低下を目標に、P&G は、以下の条件を含む包括的な構想を立ち上げま
した。
• 翻訳者は現地国在住で、翻訳先言語のネイティブスピーカーであり、対象素材に対する
適合能力の審査を受けていること
• 翻訳者は特許特有の翻訳経験だけでなく、翻訳案件の技術分野での専門知識を持ち
合わせていること
• P&G が翻訳先言語の知的所有権を所有、統括し、用語は 1 箇所で集中的に管理する
こと
• P&G は特許審査コストを、全体で 20 パーセント削減すること
高度な専門性を備えた人材資源を持ち、一元化された担当連絡先があること、すべての言語に
おいて適切で一貫した用語を使用できる用語管理能力、翻訳済み文書を再活用できる翻訳メモ
リの使用、そして組織的な品質保障管理などの要素も考慮していました。
徹底的な探索と調査の後にたどり着いた結果として、P&G は、翻訳とその言語別知的財産の管
理にマルタイリングを選びました。 P&G は、マルタイリングが持つ効率的な独自の集中型モデ
ルを高く評価しました。このモデルは、専門分野に特化したチーム、集中化されたプロセス、用
語管理、品質管理、最先端のテクノロジーといった、多言語の知的財産翻訳に必須な 5 つの要
素を含んでいます。
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特許翻訳サービスのプロバイダをわずか数社に整理し、マルタイリングと共に社内での作業を
合理化することによって、P&Gでは、翻訳コストを削減し、品質を向上できるだけでなく、翻訳に
関連するエラーのリスクと社内管理経費を大幅に削減し、全プロセスにおいて人材を効率的に
利用できるようになることがわかりました。
融合
マルタイリングが信頼できるパートとなるにつれ、P&G は マルタイリングに対して、P&G 社内の
特許情報にオンラインでアクセスできる権限を与えることにより、P&G の社員が特許を翻訳する
準備が整ったことを マルタイリングに通知する必要がなくなりました。 現在では、翻訳の必要性
が発生すると、マルタイリングのスタッフはオンラインで通知を受け、翻訳作業を直ちに開始でき
るようになっています。 自社開発されたテクノロジーと 24 時間無休のオンラインアクセスにより
、マルタイリングは各プロジェクトのライフサイクルを通じてスケジュールや追跡を行い、P&G は
そのステータスのアップデートをリアルタイムで入手できます。
今日、300 人以上のマルタイリング専用の翻訳者が P&G をサポートしており、過去 4 年間で行
われた翻訳は、31 カ国で 2500 案件、8300 万語を超えています。 2002 年以降、マルタイリン
グは 10 万件を超える固有のコンセプトを社内のデータベースに蓄積しており、P&G に対して、
意思決定時に注目すべきデータならびに言語知的財産の全統制能力を提供しています。
結果
マルタイリングは P&G との、数年に及ぶ大規模なプロジェクトに関わり、特許翻訳と国際特許出
願の処理を効率化してきました。 その過程では特に次の成果を上げています。
• コストは比較的同様に抑えつつ、効率の向上によりおよそ 2 倍の特許出願数を実現。
この効率向上の 40 パーセントは直接マルタイリングに起因するものです。
• 管理費、維持費、データ処理コストの削減。
• 以前に翻訳した文書を有効活用することによる、ターンアラウンド・タイムの短縮。マル
タイリングの翻訳が遅れたために P&G が出願期限を逃したことはありません。
• エラーリスクの軽減。エラー発生率は ISO の基準以下となっています。
• 従業員満足度の向上。翻訳の整理番号管理作業が排除され、フルタイム従業員 2
人をより重要な部署へ転属させることが可能になりました。
• 低品質の翻訳が原因の拒絶通知などの隠れたコストを排除。
• 付与までの時間の短縮。
• 訴訟リスクの低減。
• 翻訳された請求項の海外エージェントによる見直しの削減。P&G は英語の原文が正し
く書かれている限りは、翻訳文も正確であることを実証しています。
• 特許審査コストを削減する目標を、全体で 20 パーセント上回る成果。
結果として、P&G は大幅なコスト削減を達成しつつ、高品質、低リスクであり従業員への負担を
軽減できる方法で、より多くの特許を国際的に出願しています。
(801) 377-2000
[email protected]
multiling.com
導入事例は、2012年9月のIQPCで行われた、マルタイリングとP&Gの共同発表を基にしています。