酸化焙焼によるバイオセレンからのセレン分離の検討

日本金属学会誌 第 79 巻 第 6 号(2015)330337
酸化焙焼によるバイオセレンからのセレン分離の検討
大 塚 治1
1芝浦工業大学
簗 場 豊2
吉 川 健2
山 下 光 雄1
SIT 総合研究所レアメタルバイオリサーチセンター
2東京大学生産技術研究所
J. Japan Inst. Met. Mater. Vol. 79, No. 6 (2015), pp. 330
337
 2015 The Japan Institute of Metals and Materials
Investigation of Selenium Recovery on Oxidizing Roasting of ``Bio
Selenium''
Osamu Otsuka1, Yutaka Yanaba2, Takeshi Yoshikawa2 and Mitsuo Yamashita1
1Research
2Institute
Organization for Advanced Engineering, Shibaura Institute of Technology, Saitama 3378570
of Industrial Science, The University of Tokyo, Tokyo 1538505
We have developed a method for recycling selenium from Secontaining wastewater using the seleniumoxyanionreducing
aerobic bacterium Pseudomonas stutzeri NT. The treatment of Secontaining wastewater with the NT strain provided bio
selenium, which is mainly composed of organic matter and 1114 mass of Se. In the present study, we investigated the recovery
of Se from bioselenium by oxidizing roasting and chemical reduction. After thermodynamic calculations were performed to estimate the oxidation behavior during the roasting process, roasting experiments were conducted on bioselenium under varying
roasting conditions. The selenium in bioselenium was recovered in the form of solid SeO2 with a purity of 99 in a maximum
yield of 97 after roasting at 700°
C. Furthermore, the chemical reduction of SeO2 to Se was carried out, and metallic Se with a
purity of 99 (based on metal) was obtained. [doi:10.2320/jinstmet.J2015008]
(Received January 26, 2015; Accepted March 31, 2015; Published June 1, 2015)
Keywords: bioselenium, selenium oxyanionreducing aerobic bacterium, Pseudomonas stutzeri NTI, oxidizing roasting, purification,
thermodynamics, selenium dioxide, metallic selenium
め Se 回収を目的とした廃水処理に NT株を適用できると
緒
1.
言
考えた.
Se は,主に銅の電解精製工程で発生するアノードスライ
現在セレン( Se )の精製工程や火力発電所では,可溶性の
ムから製造される1114) .アノードスライムを 700 °
C 以上で
Se 酸化物イオンであるセレン酸イオン{selenate, Se()}や
酸化焙焼し, Se を気体の二酸化セレン{ SeO2 ( g )}として揮
亜セレン酸イオン{ selenite, Se ()}を高濃度で含む廃水が
発し, 340 °
C 以下の低温度域で固体の二酸化セレン{ SeO2
発生している1,2).これら Se 酸化物イオンは生物に対して高
(s)}を凝縮させる焙焼工程と,凝縮した SeO2(s)を水に溶解
い毒性を有するために,日本では一律排水基準が定められて
して亜セレン酸溶液とし,亜硫酸ガスを通じる還元工程を経
いる3) . Se 含有廃水の処理方法には電気還元方法や凝縮沈
て精製 Se が得られる.
降法が用いられている4,5) .広く用いられている凝縮沈降法
我々は NT株を利用して模擬廃水中の Se の浄化と濃縮
では, Se を一律排水基準値以下まで低減するために多量の
分離を試み,廃水中の Se 濃度を低減するとともに,有機物
凝縮沈降剤を要することが課題であり,加えて沈殿物中の
を主成分とし Se ( 0)を 11~ 14含有する沈殿物を回収する
Se 含有率は小さいため Se の回収,再資源化には至らずに廃
ことに成功した.以降この沈殿物をバイオセレンと呼称す
棄されている.近年日本では生産量の 5にあたる約 40 t の
る.バイオセレンは Se(0)と微生物菌体由来の有機成分と,
Se
が再資源化されずに廃棄・排出されている6).
廃水中の Se を浄化し,Se を濃縮分離する手法として,微
Ca, K, Mg, Na, P, S 等の無機成分から構成される.バイオセ
レンを酸化焙焼に供すると有機成分とともに Se は酸化揮発
生物の Se 代謝を利用する処理方法が提案されている7,8).既
し,低温凝縮部にて焙焼後の反応ガスから SeO2(s)を凝縮分
知の微生物処理法に関する報告の多くが嫌気性微生物を用い
離できると考えられる.また,酸化揮発傾向や,焙焼生成物
たものであり,微生物の増殖が遅く Se の代謝に時間を要し
の水溶解性や還元性の相違から,無機成分の分離も期待でき
ていた.そこで著者らは曝気条件での処理を可能とするため
る.一方で,有機成分と Se は競合酸化し,Se の酸化が不十
に,好気性セレン酸還元細菌 Pseudomonas stutzeri NT株
分な場合には Se(0)が凝縮することが予想される.
を分離した9,10) . NT 株は Se 酸化物イオンを固体の金属
バイオセレンからの Se 精製が達成できれば,現在廃棄さ
セレン{ metallic selenium, Se ( 0)}まで還元する, Se 代謝能
れている廃水中の Se を再資源化する一連のプロセスが構築
を有している10).さらに NT株は曝気条件で増殖と同時
できる.そこで本研究では, NT 株を用いた微生物処理
に Se 代謝を行うために,短時間で反応が終了する.このた
で得られるバイオセレンの酸化焙焼による, Se の分離回収
第
6
号
酸化焙焼によるバイオセレンからのセレン分離の検討
331
の基礎検討を行った.第一に熱力学計算によってバイオセレ
Se に帰属される微小な回折線を示した(Fig. 2(a)).非晶質
ンの焙焼条件を検討した.それを踏まえて,バイオセレンの
Se の X 線回折測定による動径分布から,Se 中の第 1~第 3
酸化焙焼を試み, Se の酸化挙動を調査した.加えて酸化焙
近接原子間距離として 0.113, 0.173, 0.342 nm が報告されて
焼と,生成物の溶解・化学還元による, Se の精製効果を確
いる17).これらの原子間距離は,MoKa 線での Bragg 回折
の 2u= 36.6°
に相当し,ハローピークの中心近
, 23.8 °
, 11.9 °
認した.
傍にあたる.よって,赤色バイオセレンは主に非晶質であ
2.
バイオセレンの調製と評価
り,一部が三方晶へ結晶化が進行していることが示唆され
た.黒色バイオセレンは複数の回折線を示し( Fig. 2 ( b )),
g ・ L-1
の TSB 培地
三方晶 Se と同定した.非晶質の Se ( 0 )は 50 °
C を超えると
(Tryptic Soy Broth, Becton Dickinson)を用いた.100 mL の
三方晶 Se の結晶へ相転移することが報告されている18).こ
P. stutzeri NT株の培養には濃度 30
三角フラスコに TSB 培地を 50 mL 入れ,NT株を 1 白金
のことから NT 株が還元した直後の Se ( 0 )は非晶質であ
耳植菌し培養温度 38 °
C, pH 9.0 ,攪拌速度 120 rpm の条件
り, 60 °
C の乾燥中に非晶質から三方晶へと相転移したと推
で好気的に 24 時間培養を行った後,4°
C, 8000 rpm, 20 分間
定する.
の遠心分離により集菌した.集めた菌体に殺菌済み生理食塩
これら 2 種類のバイオセレンの元素組成について,誘導
水を加えて OD600=1.0 に調製し,これを前培養液とした.
結合プラズマ発光分光分析装置(iCAP 6300 Duo,サーモフ
5 L 容量のジャーファーメンター{Bioneer
C500N 型 5L(S),
株 ,ICP
ィッシャーサイエンティフィック
AES)を用いて定
株 丸菱バイオエンジ}に TSB 培地 3 L を入れ, 101.33 kPa,

量分析を行った.定量分析の結果を Table 1 に示す.バイオ
121°
C の条件で 15 分間オートクレーブ滅菌処理を行った.
セレン中の無機成分として,Se に加えて Ca, K, Mg, Na, P,
滅菌処理後の TSB 培地に Se 終濃度が 5
mmol ・ L-1
となる
S の 6 元素が含有されていた.調製時にバイオセレンを純水
ようにセレン酸ナトリウムを加えて模擬廃水とした.この模
で洗浄し,TSB 培地由来の夾雑物を取り除いているために,
擬 廃 水 に 前 培 養 液 30 mL を 植 菌 し , 培 養 温 度 38 °
C, pH
Ca, K, Mg, Na, P, S は微生物菌体由来であることが示唆され
9.0 ,攪拌速度 250 rpm ,通気量 1 L ・ min-1 の条件で 48 時
る.赤色バイオセレンは平均 Se 含有率 11 massであり,
間培養した.模擬廃水中の Se ()は NT 株によって 12
黒色バイオセレンは平均 Se 含有率 14 mass であった.赤
時間後にはほぼすべて Se()に還元され,さらに 48 時間後
色バイオセレンよりも黒色バイオセレンの Se 含有率が大き
には約 90 mass の Se ()が Se ( 0 )へと還元される.培養
いことは,主に試料中の水分量に起因すると考える.またバ
開始から 48 時間後に通気を止め,その後 24 時間培養を続
イオセレンは大気中で吸湿して質量増加する傾向にあること
けた15).
から,表中の±は主に吸湿による試料質量の変動誤差に相当
培養終了後に 4°
C, 8000 rpm, 20 分間の遠心分離により沈
殿物を回収した.沈殿物に純水 600 mL を加えて混合し,遠
心分離を行う操作を繰り返し行い洗浄した後,沈殿物に 70
mass  エ タ ノ ー ル を 600 mL 加 え て 混 合 し , 4 °
C, 15000
rpm, 20 分間の遠心分離により沈殿を回収した.この沈殿物
をバイオセレンとした.バイオセレンを定温乾燥器により
40°
C もしくは 60°
C で 24 時間以上保持して乾燥した.乾燥
後のバイオセレンを Fig. 1 に示す.
乾燥前のバイオセレンは赤色であり, 40 °
C で乾燥して得
られたバイオセレン(赤色バイオセレン)は Fig. 1(a)に示す
赤色のまま,60°
C で乾燥したバイオセレン(黒色バイオセレ
ン)は Fig. 1(b)に示すように黒色を呈した16).
2 種類のバイオセレンを X 線回折測定した結果を Fig. 2
に示す.赤色バイオセレンはハローピークに加えて,三方晶
Fig. 1
Fig. 2 XRD patterns of (a) red and (b) black bioselenium.
Measurement condition: Mo target 50 kV 300 mA, sampling
・min-1, (b) 2°
・min-1.
step 0.01°
, scan speed (a) 0.04°
Photographs of (a) red bioselenium prepared by drying at 40°
C and (b) black bioselenium prepared by drying at 60°
C.
332
日 本 金 属 学 会 誌(2015)
第
79
巻
験的な値)19) ,そして 11 mass の Se と 1.8 mass の S で
すると考えられた.
模擬廃水中の Se()を Se(0)に還元した直後の微生物と,
株 日立ハイ
2 種類のバイオセレンの電子顕微鏡( TM3000 ,
構成されるとし,Se,S 以外の無機成分は燃焼に寄与しない
とした.
テクノロジーズ,SEM)観察結果を Fig. 3 に示す.(a)~(c)
酸化焙焼後の反応ガス組成の推算結果を Fig. 4 に示す.
に矢印で示した約 100 ~ 200 nm の白色の粒子が Se ( 0)であ
ここで Se の蒸発成分の多数の多量体のうちで,蒸気圧の高
り,大部分は微生物の表面に存在していた.(b), (c)の赤色,
い Se2(g)と Se5(g)のみを図示している.Fig. 4(a)の 700°
C
黒色バイオセレン中で Se 粒子は偏在する傾向にあり,バイ
におけるバイオセレンと純酸素との反応では,設定範囲の純
オセレン回収処理中に Se(0)が凝集したことが示唆される.
酸素量で Se の蒸気種はほぼ SeO2(g)のみであり,有機分,
Se ともに酸化状態となることが予想された.純酸素量の増
3.
バイオセレンの酸化焙焼の熱力学計算
加に伴い,希釈効果で他の成分の蒸気圧は減少している.焙
焼温度 700 °
C と 500 °
C では傾向は一致したため,図示を省
バイオセレンを酸化焙焼する際に,有機成分と Se を十分
略した.一方 Fig. 4(b), (c)の乾燥空気の場合,乾燥空気量
に酸化揮発し,焙焼後の反応ガスから SeO2(s)を低温域の凝
が 50 mL より小さい際には炭素,水素が優先的に酸化し,
縮部にて凝縮分離可能とする条件を検討するため,熱力学計
Se はセレン化水素{H2Se(g)}と金属セレン{Se2(g), Se5(g)}
算ソフトウェア( FactSage6.4 )を用いて相平衡計算を行っ
の還元状態で揮発することが予想された.乾燥空気量が 75
た.ここでは,酸化焙焼温度 500~700°
C における焙焼条件
mL より大きい場合には,有機分, Se ともに酸化揮発する
と,焙焼ガス下流の低温域における SeO2(s)の凝縮条件を検
ことが予想された.焙焼温度 500 °
C と 700 °
C では蒸気種の
討した.本研究の酸化焙焼では, SeO2 ( s )の凝縮は 150 ~
挙動は概ね一致しているが,500°
C の場合には乾燥空気量が
180°
C の温度帯で生じていたため,凝縮部の相平衡計算温度
35 mL 以下で黒鉛の凝縮が予想された.実際に,酸化焙焼
を 150°
C と設定した.
の予備実験で乾燥空気量がこれに近い条件では,タールの発
酸化焙焼実験時には,純酸素もしくは乾燥空気を焙焼ガス
として流通させて 10 mg のバイオセレンを, 1 分ごとに焙
生が見られた.
次に,焙焼温度 700 °
C の酸化焙焼後の反応ガスを 150 °
C,
焼反応に供した.炉内に 1 分の間に導入される焙焼ガスと
101.33 kPa にて平衡状態とした場合のガス組成と,生成凝
バイオセレンが反応して平衡状態となることを仮定し,バイ
縮相の推算結果を Fig. 5 に示す.焙焼温度 700 °
C で酸化が
オセレンに対する適切な焙焼ガスの流量を予測するために,
十分に進行する純酸素を焙焼ガスとした場合には,SeO2(s)
10 mg のバイオセレンと 25 °
C の 20~ 200 mL の純酸素もし
と硫酸溶液の凝縮が予想された.一方,乾燥空気の場合に
くは乾燥空気を投入物質とした 101.33 kPa における相平衡
は,焙焼時に不十分な酸化が予想された 50 mL 以下では黒
計算を行った.ここでは Table 1 の赤バイオセレンの組成を
鉛と Se(0)の凝縮が予測され,75 mL 以上では SeO2(s)の凝
参考とし,バイオセレン中の無機成分を除いた 84 massの
縮が予想された.また SeO2(s)が焙焼ガスと平衡共存する場
菌体由来の有機物(モル比 C H  O  N = 5 7  2  1 は経
合,焙焼後の反応ガス中の SeO2 ( g )分圧は飽和蒸気圧で一
定となるため,導入した焙焼ガスの量が大きいほど Se の収
率は低下する.例えば,150°
C で平衡反応に到達した後にそ
Table 1 Concentrations of inorganic components in red and
black bioselenium (mass). The values in parenthesis were
the standard deviations after three times measurements.
Ca
K
Mg
Na
P
S
Se
Red bio
selenium
Black bio
selenium
0.3(± ―)
0.9(± ―)
0.3(± ―)
0.9(± ―)
1.9(± ―)
1.8(± ―)
11 (±0.2)
0.4(± ―)
1.1(± ―)
0.4(± ―)
1.1(± ―)
4.2(± ―)
2.7(± ―)
14 (±0.4)
れ以下の温度帯では SeO2 が凝縮しないことを仮定すると,
純 酸 素 量 50, 100, 200 mL の 際 の Se の 収 率 は そ れ ぞ れ 約
98, 97, 94 massとなる.よって過剰な焙焼ガスによる収率
低下も留意する必要がある.
以上,相平衡計算では,10 mg のバイオセレンに対して乾
燥空気 50 mL と 75 mL の間で酸化挙動が大きく異なること
が予想された.
Fig. 3 SEM images of (a) NT microbes after 48 hours in culture, (b) condensed red bioselenium, and (c) black bioselenium.
White arrows indicate metallic selenium particles.
6
第
号
酸化焙焼によるバイオセレンからのセレン分離の検討
333
Fig. 5 Thermodynamic estimation for the formation of
precipitates at 150°
C by oxidizing roasting of bioselenium
under a flow of (a) oxygen and (b) dried air.
Fig. 4 Thermodynamic estimation for oxidizing roasting of
bioselenium at (a) 700°
C using oxygen, (b) 700°
C using dried
air, and (c) 500°
C using dried air.
バイオセレンの酸化焙焼
4.
4.1
実験手法
バイオセレンの酸化焙焼には,Fig. 6 に示す石英反応管を
株 アサヒ理化製作
炉心管としたカンタル炉( ARF 30KC ,
Fig. 6 Apparatus for oxidizing roasting. T.C. means thermocouple.
所)を用いた.炉心管の上部は,横穴を設けた丸底の石英管
が炉心管内部まで突き出た形になっており,上方より丸底部
に落下させた試料が焙焼ガスと効率的に反応するようにし
mL ・ min-1
スの偏流を防いだ.炉内温度は,炉心管の中央の高さに熱電
の焙焼ガスの炉心管胴部の反
対を横から設置し,制御した.炉心管大径部の上下端の温度
応容積での滞留時間が 1 分以上となるように炉心管内容積
は,中央の熱電対の指示温度より 15~20°
C 低温であった.
をとってあり,また石英ウールを充填することで焙焼反応ガ
焙焼ガスの流量はマスフローメーターで制御した.炉心管の
た.流量 50 ~ 200
334
日 本 金 属 学 会 誌(2015)
第
79
巻
下小径部は 15 cm の長さであり,SeO2(s)の凝縮を促すため
で流通させて,700°
C で酸化焙焼を行った.Fig. 7 に炉心管
にリボンヒーターで 50 °
C 以上に加熱した. SeO2 ( g )の捕集
下 部 の 凝 縮 状 況 を 示 す . 乾 燥 空 気 量 100 mL ・ min-1 で は
液として,炉心管から下流側にケラミフィルターを備えた希
Fig. 7(a)に示すような白色の針状結晶が 150~180°
C の温度
硝酸溶液 30 mL を入れたガス洗浄瓶を 2 個配置した.炉心
域 で 凝 縮 し た . こ の 白 色 針 状 結 晶 は 潮 解 性 が 高 く , HT
管とガス洗浄瓶の間はテフロンチューブで接続した.酸化焙
precipitation から高濃度で Se が検出されたことから SeO2
焼用の試料は,バイオセレンを粉砕して十分に攪拌して得た
(s)であると同定した.乾燥空気量 200 mL・min-1 の場合と
粉末約 10 mg を直径 3 mm のペレット状に成形したものを
純酸素を用いたいずれの条件でも,白色結晶の凝縮挙動は同
用いた.
様であった.一方で,乾燥空気量 50 mL・min-1 の場合には,
酸化焙焼は, 500~ 700 °
C に制御した炉心管内に焙焼ガス
180~200°
C の温度域では黒色の膜状物質が,150~180°
Cの
として純酸素もしくは乾燥空気を 50 ~ 200 mL ・ min-1 の流
温度域にて Fig. 7(b)に示すような赤色の膜状物質と白色の
量で流通しながら,ペレット試料を 1 分置きに 10 個炉内に
物質が凝縮した. 180~ 200°
C の温度域で凝縮した黒色膜は
落下させることで行った.酸化焙焼条件を Table 2 に示す.
酸に難溶であることから有機物由来の炭素であると推測され
所定量の試料が落下してからそのまま 5 分保持した後に,
た. 150~ 180°
C で凝縮した白色の結晶は純水に容易に溶解
焙焼ガスを流通したまま炉を冷却した.冷却後,炉心管下部
し,赤色の凝縮膜は沸騰希硝酸に溶解し,ともに溶解液に
を切断して管内の凝縮物を純水に溶解した溶液(HT precipi-
Se が高濃度で検出されたことから,それぞれ SeO2 ( s )と
tation ),テフロンチューブ内 に繰り返し純水を通してチ
Se ( 0 )であると同定した.よって,乾燥空気量 100 ~ 200
ューブ内の凝縮物を溶解した溶液( LT precipitation ), 1 個
mL ・ min-1 と純酸素量 50 ~ 200 mL ・ min-1 で焙焼した場合
目,2 個目の捕集液(Absorption liquid 1, 2)中の Se 濃度を,
には,バイオセレンの酸化揮発が十分に進行したと考えられる.
赤色バイオセレン試料が落下した炉心管上部の丸底部に
ICPAES を用いて定量分析した.
4.2
は , 試 料 質 量 に 対 し て 約 2 ~ 4 mass  の 残 渣 が あ っ た .
焙焼ガス流量の影響
SEM 観察により残渣は 5 mm 以下の不定形粒子と一部それ
焙焼ガス流量がバイオセレンの燃焼挙動に及ぼす影響を調
らが溶融相で覆われた性状であった( Fig. 8 ). EDX 分析に
mL・min-1
より Na: 15~20, K: 3~10, P: 14~30, O: 40~60 molの組
べるために,乾燥空気もしくは純酸素を 50~200
成であり,また Mg, Ca が 1 ~ 2 mol 検出された.さらに
Table 2 Experimental conditions for oxidizing roasting of bio
selenium and recovery rate of SeO2 (mass).
X 線回折測定により NaPO4 や NaCaPO4 の回折線と非晶質
Recovery
Roasting
Bio
Experimental
Roasting
Flow rate,
rate of
selenium
No.
gas
V/mL・min-1 temperature,
T/°
C
SeO2 ()
color
オセレン中の微生物菌体由来の P,アルカリ金属 Na, K,ア
No.
No.
No.
No.
No.
No.
No.
No.
No.
No.
No.
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
Red
Red
Red
Red
Red
Red
Red
Red
Red
Black
Black
Black
Oxygen
Oxygen
Oxygen
Dried air
Dried air
Dried air
Oxygen
Oxygen
Dried air
Oxygen
Oxygen
Oxygen
50
100
200
50
100
200
100
100
100
50
100
200
700
700
700
700
700
700
500
600
500
700
700
700
96
91
78
72
89
85
92
92
54
97
88
82
相に起因するブロードピークが見られた.したがって,バイ
ルカリ土類金属 Ca が酸化焙焼時にリン酸化物の残渣として,
Se と分離されることが示唆された.
赤色バイオセレンの酸化焙焼後の HT precipitation, LT
precipitation ,と Absorption liquid 1 中の Se 収量の,酸化
焙焼に供したバイオセレン試料質量に対する質量比を Fig. 9
に示す.いずれの条件においても Absorption liquid 2 中の
Se 収量は 0.1以下であったため,図中では省略した.純酸
素を焙焼ガスとした場合(Fig. 9(a)),Se の総収量はほぼ一
定でありバイオセレン中の Se 質量と概ね一致したことから,
Se をほぼすべて凝縮物と Absorption liquid 1 で捕集できた
ことが分かった.焙焼ガス量が増加するにつれて, 150 ~
180°
C の凝縮域での SeO2(s)の収量が減少し,捕集液での捕
Fig. 7 Photographs of precipitates formed by oxidizing roasting of red bioselenium at 700°
C. Flow rate of gas (oxygen or
dried air): (a) 100 mL・min-1 and (b) 50 mL・min-1.
Fig. 8 SEM image of residue collected from the bottom of the
gasinlet tube.
第
6
号
酸化焙焼によるバイオセレンからのセレン分離の検討
集量が増加した.これは 3 節で予測したとおり,ガス流量
が増加することでガス中の SeO2 ( g )が下流に輸送されたこ
とによると推測する.
焙焼ガスを乾燥空気とした場合(Fig. 9(b)), 100, 200 mL・
min-1
335
況で酸化すると考えられた.
4.3
焙焼温度の影響
焙焼温度がバイオセレンの酸化焙焼に与える影響を調べる
の流量では,Se 収量はバイオセレン中の Se 質量と一
ために,純酸素もしくは乾燥空気を流量 100 mL ・ min-1 と
致した.50 mL・min-1 の場合では Fig. 5(b)で予測されたと
して,焙焼温度 500~700°
C にて赤色バイオセレンの酸化焙
おり Se(0)の凝縮が見られたため,凝縮物を硝酸で溶解し,
焼を行った.酸化焙焼後の Se 収量を Fig. 10 に示す.
その Se 収量を Fig. 9 ( b )中に白色で示している.この実験
純酸素流通下では,いずれの温度でも Se をほぼすべて
では炉心管上部の小径部に赤色の凝縮物が生じており,焙焼
HT precipitation と Absorption liquid 1 で捕集できた( Fig.
ガス流量と焙焼ガス中の酸素量ともに不十分であったために
10 ( a )).焙焼温度 500 °
C では 600, 700 °
C に比べて SeO2( s )
バイオセレンから Se2( g )が揮発し,炉心管の下流のみなら
としての収量が低かった.500°
C では炉心管下部の凝縮物が
ず上流にも輸送されて凝縮した結果, Se の総収量が著しく
僅かに赤色であり,焙焼温度が低いために十分な酸化に至ら
小さくなったと考えられる.赤色バイオセレンを酸化焙焼に
ず,SeO2(g)以外のガス成分が生じ,下流の Absorption liq-
供した実験の中で,純酸素 50 mL・min-1 で焙焼した際に,
uid 1 で捕集されたと考えられる.乾燥空気を流通した場合
Se の総収量のうちの SeO2( s)としての収率が最も大きく,
には,焙焼温度 500°
C では SeO2(s)としての収量が著しく低
96 massであった(Table 2).
く,また Se(0)の凝縮物も見られた(Fig. 10(b)).
3 節の熱力学計算では,1 分間で炉内に投入されるバイオ
500°
C でのバイオセレンの酸化焙焼は,相平衡計算結果に
セレンに対して所定量の乾燥空気もしくは純酸素との閉鎖系
よると乾燥空気 75 mL ・ min-1 以上では Se と有機物が酸化
での平衡反応を考えた.乾燥空気を 50 mL・min-1 の流量で
揮発することが予想されたのに対し,実際の酸化焙焼では酸
流通した場合に Se(0)が凝縮したことと,700°
C の平衡計算
化不良を生じ,特に乾燥空気の場合には Se(0)の凝縮を生じ
による乾燥空気 50
mL ・ min-1
の反応での Se2 ( g ) , H2Se ( g )
の生成が予測されたことが一致した.焙焼ガス中の酸素量が
より大きい条件では Se の十分な酸化が進行したことと,相
平衡計算結果で焙焼ガス中の Se 主成分が SeO2(g)であるこ
るなど顕著に相違が見られた.
4.4
バイオセレン中セレンの相状態の酸化焙焼への影響
バイオセレンの乾燥温度の相違により,バイオセレン中の
とともよく一致した.よって,焙焼温度 700 °
C でのバイオ
Se(0)は異なる相をとる.この相の違いがバイオセレンの酸
セレン焙焼傾向を,平衡計算により概ね予測可能であること
化焙焼時の Se の挙動に及ぼす影響を調査するために,黒色
が分かった.また同温度では,バイオセレンが平衡に近い状
Fig. 9 Mass yield of selenium against the charged weight of
red bioselenium after oxidizing roasting at 700°
C with a
varying flow rate of (a) oxygen and (b) dried air.
Fig. 10 Mass yield of selenium against the charged weight of
red bioselenium after oxidizing roasting at 500~700°
C under a
flow of (a) oxygen and (b) dried air, at the rate of 100 mL・
min-1.
336
第
日 本 金 属 学 会 誌(2015)
79
巻
バイオセレンの酸素 50 ~ 200 mL ・ min-1 流通下における酸
P はバイオセレン中で比較的高濃度であったものの, HT
化焙焼を行った.酸化焙焼後の Se 収量を Fig. 11 に示す.
precipitation ならびに下流の Absorption liquid からは検出
赤色バイオセレンと同様に酸化焙焼で SeO2(s)の白色針状の
されず,4.2 節で述べたとおり,バイオセレンの焙焼過程で
凝縮物が生成した.赤色バイオセレンと同様に, Se の総収
リン酸化物として残存したと考えられる. HT precipitation
量は概ね一定で,酸素流量の増加に伴い Absorption liquid 1
と Absorption liquid 1 からは Na, Ca, K が検出されたが,
での Se 量が大きくなる傾向が見られた.さらにバイオセレ
いずれもその全量はバイオセレン中質量より小さかったこと
ンを酸化焙焼に供した一連の実験の中で,黒色バイオセレン
から,揮発時に Se との分離が進んだと考えられた.また
を純酸素 50 mL・min-1 で焙焼した際に,Se の総収量のうち
HT precipitation に比べて Absorption liquid 1 中の Na, Ca,
の SeO2(s)としての収率が最も大きく, 97 mass であった
K 含有率が著しく高いことから,SeO2(g)の凝縮時にも分離
(Table 2).
が進行したと推察された. S も同様に Absorption liquid 1
以上より,バイオセレン中の Se(0)相の違いは,酸化焙焼
で高い収率であったが, HT precipitation 中でも 1 mass 
においては大きな影響を与えないことが分かった.
4.5
前後の含有率があった.よって,酸化焙焼と SeO2(s)の凝縮
過程で,ほとんどの成分の除去が可能であり, Se と同族の
酸化焙焼と化学還元による Se の精製効果の検討
S が微量混入するのみであった.
バイオセレンの酸化焙焼時の各成分の挙動を調査するため,
次いで,HT precipitation に化学還元処理を施して Se(0)
HT precipitation と Absorption liquid 1 中のバイオセレンの
を生成させ,その不純物濃度を測定することで,化学還元処
構成成分の濃度を定量分析した.SeO2(s)の収率が高かった
理による Se の精製効果を検討した. No. 1, No. 9, No. 10
No. 1 と No. 10,酸化が不十分で収率が低い No. 9 の各溶液
の HT precipitation 10 mL を採取し,塩酸を終濃度 6 mol ・
内の成分濃度と,測定成分の濃度分率を Table 3 に示す.
L-1 となるように添加した後に,亜硫酸ナトリウムを終濃度
No. 9 については凝縮物の硝酸溶解液内の成分濃度も示して
6 mmol ・ L-1 となるように添加することで溶液中の Se ()
いる.
を Se ( 0 )へ 化 学 還元 し Fig. 12 ( a ) に示 す 赤 色の 沈 殿 を 得
た20).赤色の沈殿を孔径 0.2 mm のろ紙でろ別し,40°
C で乾
酸化が十分に進行した No. 1, No. 10 では, SeO2 ( s )は,
金属成分の総和に対する Se 分率が 99 mass以上であり,
燥した後に SiC 単結晶上に塗布して斜入射 X 線回折測定を
酸化が不十分であった No. 9 では 97 massとやや低かった.
行ったところ(Fig. 12(b)),SiC 単結晶由来のシャープピー
ク以外で,Fig. 2(a)と同様に非晶質 Se の原子間距離に相当
するハローピークが確認された.また SEM EDX によっ
て,沈殿物が Se のみで構成されることも確認している.よ
って,還元生成した沈殿は非晶質 Se であると同定した.
HT precipitation を化学還元して得られた非晶質 Se を酸
溶解し,バイオセレンの構成元素を定量分析した.各成分の
濃度と測定成分の分率を Table 4 に示す.すべての条件で
Se 含有率は 99 mass以上であり,Ca, K, Na, S を極微量検
出したのみであった.
以上のことから,バイオセレンを酸化焙焼に供し,生成
SeO2 を溶解して化学還元することで,Se 含有率 99 mass
以上の Se(0)を得られることが分かった.
5.
Fig. 11 Mass yield of selenium against the charged weight of
black bioselenium after oxidizing roasting at 700°
C under a
flow of oxygen.
Table 3
論
本研究では,好気性セレン酸還元細菌 NT株の Se 代謝
Mass concentrations of cationic components in solution (left: mg・L-1) and their fractions (right: ).
No. 1
HT precipitation
Ca
K
Mg
Na
P
S
Se
結
No. 9
Absorption liquid 1
HT precipitation
No. 10
Precipitation
(HNO3 dissolved)
Absorption liquid 1
HT precipitation
C/mg・L-1
()
C/mg・L-1
()
C/mg・L-1
()
C/mg・L-1
()
C/mg・L-1
()
C/mg・L-1
0.08
0.25
N.D.
0.27
N.D.
0.71
107
0.1
0.2
0.03
0.04
N.D.
0.11
N.D.
3.86
3.91
0.4
0.6
0.06
0.33
N.D.
0.26
N.D.
1.52
75.0
0.1
0.4
0.05
0.14
N.D.
0.23
N.D.
0.03
12.9
0.4
1.0
0.02
0.03
N.D.
0.07
N.D.
1.54
90.4
<0.1
<0.1
N.D.
0.07
N.D.
0.06
N.D.
1.18
147
0.3
0.7
99
N.D. means not detected.
1.3
49
49
<0.1 means less than 0.1.
0.3
2.0
97
1.7
0.2
97
0.1
1.7
98
()
0.1
<0.1
0.8
99
Absorption liquid 1
C/mg・L-1
()
0.01
0.03
N.D.
0.05
N.D.
5.78
3.26
0.2
0.3
0.6
63
36
6
第
号
酸化焙焼によるバイオセレンからのセレン分離の検討
337
り小さかったことから,酸化焙焼による精製効果が認められ
た.


酸化焙焼で得られた SeO2 溶液に化学還元処理を施す
ことで,Se 含有率 99 mass以上の Se(0)が得られた.


赤色バイオセレンを焙焼温度 500 °
C で酸化焙焼した
際, Se の酸化が十分には進行せず,一部 Se ( 0)が凝縮する
とともに下流の捕集液で Se が捕集され, SeO2 ( s )の収率は
低かった.


40°
C と 60°
C で乾燥した赤色,黒色バイオセレン中の
Se の結晶構造は,それぞれ非晶質,三方晶と相違するが,
700°
C でバイオセレンを酸化焙焼する際には酸化挙動に違い
は見られなかった.
以上の結果より,バイオセレンを酸化焙焼に供した後に,
生成 SeO2 を溶解して化学還元処理を施すことで Se 含有率
99 mass以上の Se(0)が得られることを示した.
本研究の一部は文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支
援事業「微生物機能を用いたレアメタル回収技術開発研究」
(S1191004)の研究費によって支援された.
Fig. 12 (a)Photograph of metallic selenium after chemical
reduction of HT precipitation, and (b) its grazingincidence
XRD pattern (measurement condition: Mo target 50 kV 300
・min-1, oblique incimA, sampling step 0.01°
, scan speed 0.06°
).
dence angle 3°
Table 4 Mass concentrations of cationic components in solution dissolving purified selenium (left: mg・L-1) and their fractions (right: ).
No. 1
C/mg・L
Ca
K
Mg
Na
P
S
Se
N.D.
N.D.
N.D.
0.02
N.D.
N.D.
85.5
-1
No. 9
()
<0.1
99
N.D. means not detected.
C/mg・L
0.01
0.02
N.D.
0.02
N.D.
N.D.
52.1
-1
No. 10
()
C/mg・L-1
()
<0.1
<0.1
N.D.
N.D.
N.D.
0.04
N.D.
0.01
130
<0.1
<0.1
99
<0.1
99
<0.1 means less than 0.1.
能を用いて得たバイオセレンについて,酸化焙焼による Se
の分離回収の基礎検討を行い,以下の知見を得た.


バイオセレンを 700 °
C で酸化焙焼したところ,酸素
量が大きい場合には Se は十分に酸化され, SeO2 ( s )が得ら
れた.焙焼ガス流量の増大につれ,SeO2(s)の凝縮量が減少
し,下流の捕集液での捕集量が増加した.一方,焙焼ガス中
の酸素量が不十分な場合には, Se の酸化が不十分となり,
Se(0)が凝縮した.本実験では,黒色バイオセレンを酸素 50
mL・min-1 の流量で焙焼した際に,Se の総収量のうち SeO2
( s )としての収率は最大 97 が得られた.酸化焙焼時の Se
の酸化挙動と,熱力学計算による予測はよく一致しており,
700°
C ではバイオセレンが平衡に近い状況で酸化することが
分かった.


生成した SeO2 ( s )は Se 含有率が 97 mass 以上であ
り,バイオセレンに含まれる Mg, Ca, P, S の含有率が Se よ
文
献
1) A. M. K. Gustafsson, M. R. St. J. Foreman and C. Ekberg:
Waste Manage. 34(2014) 17751782.
2) P. K. Petrov, J. W. Charters and D. Wallschl äager: Environ. Sci.
Technol. 46(2012) 17161723.
3) Ministry of the Environment, Government of Japan: Ichiritsu
haisui kijun, http://www.env.go.jp/water/impure/haisui.html,
(accessed 2015
0326).
4) M. Lenz and P. N. L. Lens: Sci. Total Environ. 407(2009) 3620
3633.
5) S. Soda, M. Kashiwa, T. Kagami, M. Kuroda, M. Yamashita
and M. Ike: Desalination 279(2011) 433438.
6) Ministry of Economy, Trade and Industry, Government of
Japan: Syuukei kekka no kouhyou, http://www.meti.go.jp/
policy / chemical _ management / law / prtr / 6.html, ( accessed
20150326).
7) Y. Zhang and W. T. Jr. Frankenberger: J. Environ. Qual. 32
(2003) 16501657.
8) M. Lenz, A. M. Enright, V. O'Flaherty, A. C. van Aelst and P.
N. L. Lens: Appl. Microbiol. Biotechnol. 83(2009) 377388.
9) M. Kuroda, E. Notaguchi, A. Sato, M. Yoshioka, A. Hasegawa,
T. Kagami, T. Narita, M. Yamashita, K. Sei, S. Soda and M.
Ike: J. Biosci. Bioeng. 112(2011) 259264.
10) T. Kagami, T. Narita, M. Kuroda, E. Notaguchi, M. Yamashita,
K. Sei, S. Soda and M. Ike: Water Res. 47(2013) 13611368.
11) W. A. Dutton, A. J. Van Den Steen and N. J. Themelis: Metall.
Mater. Trans. B 2(1971) 30913097.
12) J. D. Scott: Metall. Mater. Trans. B 21(1990) 629635.
13) J. Biswas, R. K. Jana, V. Kumar, P. Dasgupta, M.
Bandyopadhyay and S. K. Sanylz: Environ. Waste Manage. 831
(1998) 216224.
14) Y. Kilic, G. Kartal and S. Timur: Int. J. Miner. Process. 124
(2013) 7582.
15) M. Yamashita and O. Otsuka: J. Jap. Soc. Water Environ. 37
(2014) 6670.
16) X. Xia, Y. Enokida, K. Sawada and T. Ohnuki: Proc. Int.
Sympo. on Eco Topia Sci., (EcoTopia Sci. Inst. Nagoya Univ.
Japan 2007) pp. 10741078.
17) L. Horovits and E. P. Miller: Phys. Rev. 51(1937) 380.
18) V. S. Minaev, S. P. Timoshenkov and V. V. Kalugin: J.
Optoelectro. Adv. Mater. 7(2005) 17171741.
19) P. L. McCarty and C. S. Criddle: Delivery and Mixing in the
Subsurface, (Springer Science+Business Media, New York,
2012) pp. 752.
20) H. Sakurai and K. Hirokawa: Bunseki Kagaku 45(1996) 799
804.