`Innovative Made in Japan`を導くブルー・ホワイトワーカーの混合

JQ International Review 2015 May Vol.5
新製品開発におけるフロント・エンド・ローディング
― ‘Innovative Made in Japan’を導くブルー・ホワイトワーカーの混合 ―
(株)ジョンクェルコンサルティング 落合 以臣
A Front End Loading in New Product Development
“Conversion from Blue to white worker for the 'Innovative Made in Japan' ”
Shigemi Ochiai, Jonquil Consulting Inc.
Keywords: ブルー・ホワイト・ホーソン効果・知・労・思考・製品
わが国では、明治時代の殖産興業を経て1910年代以降より急速に工業化が進み、1910
年代頃から高等教育卒業者をホワイトカラー、中等教育卒業者・小学校卒業者をブルーカラ
ーと呼ぶようになったと言われています。ブルーワーカーのもともとの語源は、ブルーカラー
(青い襟)から発して、主に作業服や私服を着た現場の作業員など現業系や技能系の職種の
人々が青色の服を着て、主に肉体労働をしたことが始まりで、その対義語がホワイトカラー(白
襟)となります。咀嚼しますと、ブルーが肉体労働、ホワイトが知的労働というわけです。
少し歴史を振り返りますが、サブプライムローンクライシスで世の中が一変したといわれた時
期も過ぎ、米国もわが国も今は上り坂基調にあるといえます。こうした中で米国では、1940年
代に試されたホーソン効果が話題をよんでおり、すでに絶版となっていますが“Management
and the Worker(経営と労働者)”に新たな脚光が浴びせられています。長い解説は抜きにし
て、要するにホーソン効果は大勢の人は試すことが大好きであると同時に、チームの要になり
たがり、自分はチームの要だと信じ込むと、人々は互いに協力し合うようになり、そのためにリ
ーダーの仕事までどんどん自分でこなし、この結果、生産性が30%上がるというものです。こ
の根底には、ブルーとかホワイトという区別はなく、両方を兼ね備えた人材が生産性を上げると
いう概念です。この概念は、新製品開発におけるフロント・エンド・ローディングの思想にも共通
しています。
ではなぜ、今にして成果主義を貫く米国で、このようなオーソドックスとも言える見方に戻ろう
としているのでしょうか。それは、リサーチをするエンジニアは、あまりにも完璧なリサーチのやり
方を求め続けた結果、視野がどんどん狭くなり、ついには何も見えなくなってしまった。つまり、
リサーチの段階で起こり得るものごとの相乗作用・効果について、見過ごしてしまったことが多
いということです。言い換えますと、働く人々が頑張って偉大な実績を持つ企業に飛躍させた
背景には、情報の量が多かったのか、質が高かったのか、ということではなく、入手した情報を
無視できない情報に変えることができるかどうかが大きなカギとなると言及しています。まさに
‘Innovative Made in Japan’の製品を作り出すためには、今までの思考を背景にした見方では
なく、こうした新たな視線で情報をとらえ、そこに自分なりの斬新さを加えた知・労を混在する人
材が必要となるのではないでしょうか。また、そうした中で生まれる新たな製品が‘Innovative
Made in Japan’として認知されると思います。
近代においては、まさしく目標を達成するには、目標に向かう道筋の中で、遭遇する課題、
企業風土、人の思いなどを入手から変換へと相乗作用として捉え、これを効果に結びつけて
いくことが、本当の目標に辿り着くと言えるのかもしれません。
この JQ International Review が、愛読される方の背中をさらに押すことができれば幸いと思
います。
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Publication: 1st May 2015