平成27年度学校経営計画を掲載しました

平成27年 4月 1日
東京都立青峰学園校長
伴
光 明
平成27年度
Ⅰ
1
学校経営計画
全校(学校全体としての項目・共通する項目)
今年度の基本方針
東京都立青峰学園は、肢体不自由の児童・生徒たちが通う肢体不自由教育部門小学部・中学部・高等部普通
科と、知的障害の軽い生徒たちが通う知的障害教育部門高等部就業技術科の2部門がある特別支援学校である。
平成21年の開校以来、
「青梅の地」にある特別支援学校として地域に支えられ、実習先、進路先、学習活動
の発表の場などを拡大することができた。また青峰学園は、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門のある「併
置校」であり、児童・生徒数が両部門合わせて約150名と他の特別支援学校と比べ「小規模」である。これ
までの青峰学園はこの「青梅の地」
「併置校」
「小規模校」という特色を活かした学校経営を進め、着実な成果
をあげてきた。
一方で、現在の周囲の環境に目を転じると、国際都市東京としての社会の変化に対応していく進取の姿勢が
重要になってくる。開校以来の着実な実績に甘んずることなく、時代の変化、社会の変化に応じて変わり続け
ることこそが重要である。そこで、学校経営の「一体化」と指導の「一体化」を掲げた昨年度の方針を踏襲し
つつ、新たな局面を迎える平成27年度の学校経営の基本姿勢を「継承・発展・開発」とする。「継承」すべ
き理念や堅実な取組も本計画に明記し、さらなる「発展」が期待できるもの、また「発展」させねばならない
ものについては数値的な目標も明確にしながら掲載していくこととする。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災を契機に、万一の災害時には「自助・共助」の取組が重要で
あるとの認識が広まった。青梅市にある特別支援学校として、災害発生の際に自校の児童・生徒が安全を確保
することとともに、特別支援学校だからこそ、地域の方々との「共助」の力を発揮できるような取組を「開発」
していく。
また、2020年オリンピック・パラリンピック開催都市東京の都立学校として、新たな学習の機会を設け
たり、学習内容を相互に関連付けたりすることを通して、国際協調の精神の涵養や体力の向上、健康の保持・
増進に向けた方策を「開発」していく。オリンピック・パラリンピックの開催は、交通機関や公共空間のバリ
アフリー化をもたらし、大会関連施設はレガシーとして大会開催後も有効に活用されることが念頭におかれて
いる。青峰学園で学ぶ児童・生徒が社会人として生活していく時代はまさしくそのレガシーを活用していく時
代である。さらに言えば、レガシーはいわゆる「箱もの」に留まるものであってはならない。社会全体で、誰
もが心豊かに暮らしていくことができる共生社会の実現を目指している中にあって、青峰学園が「開発」する
新たな指導方法や成果物の発信が来るべき共生社会における教育の礎となるよう、学校経営を進めていく。
2
ビジョンと方策
○ 学校経営の「一体化」
発展
(1) 過去と未来の「一体化」 ~これまでの成果を未来に伝える学校運営~
ア 各分掌・各委員会において、整備したマニュアル等を、10 年後に新しい教員が見ても分かるマニュ
アルとして検証、改善を加えていくこと。
イ これまで進めてきたキャリア教育、人権尊重教育、ICT 教育等の研究成果と、それを受けて改善し
てきた指導法等を実践していくこと。
継承
ウ 理念や内容、方法の継承を、具体的なOJTとして次世代の教職員に実践させていくこと。
-1-
(2) 学校と地域の「一体化」 ~「青梅の地」を活かした学校運営~
ア 学校公開や学科説明会、青峰フェスタなど、積極的に公開する機会を設ける。
イ 「のんびりカフェ」や、パン・花の販売、観葉植物のリース、公園等の植栽など、地域との交流、
地域へ貢献する機会を設ける。
ウ 青梅地域の企業等と連携したインターンシップや現場実習、地元自治会を交えた防災教育推進委員
会等の防災対策、警察と連携した健全育成、消防と連携した避難訓練を実施する。
エ センター的機能を発揮し地域の小学校・中学校等の支援を行うとともに、地域イベント(「青梅マラ
ソン」
「かすみフードフェスタ」等)に計画的・積極的に参加する。
継承
(3) 両教育部門の「一体化」 ~「併置校」「小規模校」を活かした学校経営~
ア 「のんびりカフェ」の共用や、両部門の長所を活かしたキャリア教育を推進する。
イ 両部門で協力し進路開拓を行い、生徒の長所や特性に合わせた進路先を確保する。
ウ 知的障害、発達障害、肢体不自由等さまざまな障害に対応できる教育相談を実施する。
エ 物品や教材等を融通しあうことにより、経費の節減に努める。
オ 全教員・学校介護職員等がいる職員室を活用し、各教職員間の意思疎通を円滑にする。
(4) 教育と行政の「一体化」 ~教育職・行政職のそれぞれの専門性を融合した学校運営~ 継承
ア
イ
ウ
エ
オ
カ
教育系職員は教育の視点から、行政系職員は行政の視点からその専門性に基づいた助言を校長へ行
い、学校運営に参画する。
都財政の厳しい現状を十分認識し、本校の教育活動充実に向けて無駄な経費の支出をなくし、予算
を効率的、効果的に編成、執行する。経営企画室職員と教員は連携し、予算の計画的で効率的な適正
執行に努める。
就学奨励費制度や高等学校等就学支援金制度など、経営企画室職員と教員が連携し、支給に誤りが
ないよう徹底する。
経営企画室職員と教員が連携し、事務の適正な処理と効率化を図り、保護者等への丁寧な説明と対
応に努める。
全教職員の一人一人が自己の役割や責任を自覚して、学校運営に携わるとともに、教育公務員とし
て都民の信頼を損ねないよう責任ある職務を遂行し、服務の厳正を図る。
教職員一人一人は、お互いを尊重し、働きやすい職場環境と健康管理に努め、心身ともに健康な状
態で職務を遂行する。
○ 指導の「一体化」
(1) 指導と支援の「一体化」 ~ICF の理念に基づいた指導~
発展
ア WHO が示した ICF(生活機能分類)の理念に基づき、児童・生徒の成長を促す指導だけでなく、障害を
克服するための環境を整える支援を行う。
イ 「個別指導計画」と「個別の教育支援計画(含:「個別移行支援計画」)」が、ともに関連性を持ち、
学習指導要領第一節教育目標の「障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し自立を図るため
に必要な知識、技能、態度及び習慣を養うこと」に一致する内容にする。
ウ 生徒や保護者から受けた相談等は関係する教職員間で共有し、指導や支援に活かしていく。
エ 特に個別指導計画においては、本人、保護者との相談を活かして具体的な到達目標を設定していく。
発展
(2) 評価と指導の「一体化」 ~評価に基づいた指導~
ア 授業における評価は、児童・生徒の学習到達度等を表すものであると同時に、教員の指導の結果を
表すものでもある。よって、評価を授業改善に活かし、より充実した指導に結び付ける教育を行う。
イ より充実した指導が可能となるよう、教職員の研修・研鑽の方法を工夫する。
(3) 生活指導と進路指導の「一体化」 ~ライフキャリアに基づいた指導~
継承
ア 生活指導も進路指導も、ともによりよく生きていくための生き方指導である。ライフキャリアの視
点にたち、幅広い視点から指導を重ね、
「生きる力」を培う教育を行う。
○ 時代の変化を見越し、新しい時代に生きる児童・生徒をはぐくむ
(1) 安全に暮らす、安心に暮らす~地域の一員として~
-2-
開発
ア 災害時二次避難所(福祉避難所)の協定締結を契機に、青梅市とのいっそう緊密な連携を通して、
児童・生徒の「自助・共助」の精神を養う。
イ パソコンやスマートフォンなどの情報通信媒体を有効に活用するとともに、児童・生徒が適切に情
報を取捨選択することができる力を養う。
(2) オリンピック・パラリンピックの開催を契機とした教育の充実を目指す
開発
~国際社会の一員として~
ア 基本的な健康の保持や増進に努め、自らの体力に応じた運動能力の向上を目指す。
イ 国際社会の中の日本を意識し、進んで世界の情報を取り入れ、伝統や文化などの日本の魅力を知り、
的確に伝える態度や力を育てる。
ウ 併置校の特色を活かし、
「共に生活する」ことを大切にする態度を身に付け、そのために必要なお
互いに配慮すべきことなどを知り、将来の社会参加に向けた基礎的な姿勢を身に付ける。
3
今年度の重点目標と数値目標
(1) 学習指導
ア 自立と社会参加に向けたキャリア教育を推進する
イ 人権教育を推進する。また生徒の人権を尊重し、人としての尊厳を大切にした責任ある指導を実践す
る。
ウ 学習指導の充実を図るため、児童・生徒全員の個別指導計画、個別の教育支援計画を保護者や関係機
関等と連携して作成する。
エ シラバスに基づく週ごとの指導計画を作成し、授業実践する。
オ 人権教育、道徳、自立活動、性教育の指導の充実を図るため、全体計画を作成し、各教科等での学習
活動に取り入れる。
カ 各教科等において各種検定を奨励する。
キ 児童・生徒の実態や特性に合わせた ICT 教育を進める。
ク 生徒及び保護者等による授業評価アンケートを実施し、授業改善に役立てる。
ケ 先進校や指導教諭の取組を活用し、授業改善に役立てる。
■ 数値目標 教材・教具 年間製作数 1200 以上
継承
■ 数値目標 各種検定合格 200 名以上
■ 数値目標 授業の満足度 (生徒・保護者) 80%以上
■ 数値目標 個別指導計画の目標達成度
80%以上
発展
■ 数値目標 先進校等の視察回数
のべ 10 回以上
(2) 職業教育及び進路指導
ア ハローワーク青梅や地域の企業等との連携を強め、インターンシップや現場実習先、就職先の開拓を
進める。そのため、地域の企業の人事担当者等を対象とした学校見学等を積極的に設ける。
イ 卒業生の職場定着のため、卒業後3年間を目途にアフターケア(追指導)を組織的・継続的に実施して
いく。
ウ 就業体験先と連携し、年 3 回インターンシップ協力事業所連絡会を開催し、就労や生活の支援及び方
法等について研究・開発する。また就労先と連携し、年 3 回雇用事業所連絡会を開催し、卒業生の職
場定着、就労先の継続的な確保をしていく。
エ 両部門が協力して進路開拓を行う。
オ 「のんびりカフェ」を全校で活用するとともに、組織的に運営する。
■ 数値目標 インターンシップ・現場実習実施事業所 120 社以上確保。
継承
(3) 生活指導
ア いじめ調査を実施するとともに、いじめはいつ、どこにでも起き得ることを自覚し、未然にいじめの
芽を摘み取る指導を徹底する。
-3-
イ
ウ
エ
オ
カ
問題行動等への適時適切な対応を図るため、臨床発達心理士を活用する。
緊急対応及び防災マニュアルを活用し、迅速かつ適切に対応する。
現実に即した避難訓練を設定し、児童・生徒の安全の向上を図る。
不審者対策及びセーフティ教室の充実を図り、安全対策の確立を図る。
自転車通学については、6月に自転車安全講習を交通公園の協力を得て行うとともに、自転車通学検
継承
定を行い、合格した者の自転車通学を認める。
■ 数値目標 学校評価アンケート(生活指導項目)満足度 80%以上
(4) 特別活動・健康教育・防災教育・国際理解教育
ア 教育活動全般にわたり体罰が行われていないか調査を行うとともに、部活動等において適切な指導が
行われているか管理職が巡視し、体罰禁止を徹底する。
イ 厳粛かつ清新な雰囲気の中で、入学式・卒業式等を挙行する。
ウ 各学級の学級経営計画に、整理、整頓、清潔、清掃の 4 S 励行を明記し、就労する意識と自覚を育成
する。
エ 宿泊行事等校外での活動が中心となる行事においては、児童・生徒の生活経験の拡大を図り自立と社
会参加に向けた指導を行うとともに、地震・津波・火災・風水害などの災害や、アレルギー・発作・
服薬管理などの健康管理等、さまざまなリスクを想定した計画を作成する。
オ 日々の活動において、それぞれの身体の発達段階や障害特性に応じた運動を積極的に行い、体力の向
上を図る。
カ 児童・生徒それぞれのアレルギーや発作、既往症、服薬等について、担任や学年だけでなく、管理職、
保健室や給食担当など広く共通理解し、事故の未然防止に心がける。
キ 災害時二次避難所(福祉避難所)として青梅市、警察、消防及び地元自治会と緊密な連携のもと、防
災教育推進委員会を開催し保護者と連携した防災対策を作成する。
ク 節電や CO2 削減に向けた教育活動を展開する。
ケ 非構造部材(天井財・照明・外壁・バスケットゴール等)の耐震化や緊急時の物品の整備を図る。
コ 一泊二日の宿泊防災訓練を実施し、参加生徒の「自助・共助」の精神の涵養を図るとともに、全校規
模での災害に備えた具体的な対策を作成する。
サ オリンピック・パラリンピックを契機に、日本や東京、多摩地域の良さを見直し、スポーツや文化活
動を通して都外からの来訪者や外国の人々と交流する。
■ 数値目標 体罰事故 0、管理職による部活見回り週 1 回以上
■ 数値目標 健康・運動に関する満足度評価(生徒・保護者) 80%以上
■ 数値目標 一泊二日の宿泊防災訓練実施
1学年以上
■ 数値目標 外国人や来訪者との交流
5 回以上
継承
開発
開発
開発
(5) 地域に開かれた学校、センター的機能の充実
ア 青梅市教育委員会と協働し、本校特別支援室を活用した特別支援教育への理解啓発と研修会等を計画
的に実施する。
イ 「のんびりカフェ」を本校児童・生徒の学習や製品の販売の場だけではなく、地域の方々のいこいの
場、本校の情報発信の場として活用する。
ウ 大学等と連携し、特別支援教育に関する研究等を行う。
エ ホームページでの情報発信や地域への広報活動を通じて、地域の本校の周知と理解を高める。
オ 地域の就学前施設や小・中学校、都立高校等の要請に基づき、特別支援教育コーディネーターが必要
に応じて巡回指導するなどして、特別な教育的支援を必要とする児童・生徒への支援及びアドバイス
等を実施する。
継承
■ 数値目標 ホームページの更新、毎週 1 回定期更新
発展
■ 数値目標 「のんびりカフェ」及びパン・花販売の地域認知率 75%以上
-4-
(6) ICT(情報、コミュニケーション技術)の活用と個人情報の管理
ア 第一・第二パソコン室の機器の更新を図るとともに、タブレット端末や電子辞書を活用し、教育活動
全体の活性化を図る。
イ ICT リーダーを校内で指名し、ICT を活用した教員の指導力の向上を図る。
ウ 指導要録の電子化や職員会議資料の電子化等により、ルールに基づいた ICT の活用を行い、教材作成
や校務処理の効率化・高機能化を図る。
エ 個人情報の安全管理の基準に基づき、保有する個人情報の保護について厳正、適正な管理を行い、服
務事故防止の徹底を図る。
オ 個人情報に係る記録媒体、処理経路、保管方法等の個人情報の管理状況について点検表により、定期
的又は随時点検する。
カ 服務事故防止月間を活用し、個人情報保護の重要性等に対する理解と遵守の徹底と研修会を実施する。
キ 試験の解答用紙等紙ベースの個人情報の管理について、保管方法の再確認と再度の徹底を図る。
■ 数値目標 服務事故件数 0 件
継承
(7) 学校運営・組織体制
ア P D C A サイクルによる組織的な学校経営を行う。組織運営は適正かつ効率的に実施する。
イ 主幹教諭会議の定期実施とともに、企画調整会議の円滑で適正な進行管理を行い、学校経営計画の目
標達成を図る。
ウ ライン組織の構築により適正な部門運営体制を確立する。校務分掌および各委員会は主幹教諭・主任
教諭が積極的に進行管理を行う。
エ 経営企画室の職員は効率的かつ法令に基づいた事務を遂行する。
オ 経営企画室の職員は学校の窓口として、親切で丁寧な対応を行う。
カ 教職員の専門性の向上を図るため、計画的で組織的な研究・研修会を開催する。
キ 教育公務員としての使命感と責任感のある人材を育成する。
ク 学校運営連絡協議会による外部評価を実施する。外部評価を学校改善へ反映させる。
ケ 西部学校経営支援センター支所や教育庁都立学校教育部・指導部と綿密な連携を図る。
コ 本校の実情をもとに節水・節電等目標を設定し、計画的に取り組む。
サ 大きな災害が発生した時は、教育庁関係機関とも連携し、帰宅支援ステーションを適時適切に設置す
る。
シ 管理運営規程に基づく文書による意思決定を適切に実施するとともに、電子起案を励行し職務の効率
化を図る。
■ 数値目標 外部評価による学校満足度(保護者等) 80%以上
継承
■ 数値目標 今年度学校は改善されているという学校運営委員による評価 80%以上
■ 数値目標 年度末の予算執行率 90%以上
発展
■ 数値目標 起案文書の電子化に向けた実務研修 3 回以上
Ⅱ
肢体不自由教育部門 (小学部・中学部・高等部普通科)
1
目指す学校
児童・生徒一人一人の人権の尊重、また ICF(国際生活機能分類)の理念に基づき、障害による学習上ま
たは生活上の困難等に応じた教育を、外部専門家と協働して行う、専門的で安全・安心を目指す学校。また、
児童・生徒一人一人の個性を伸長し、確かな学力、健康や体力、そして豊かな人間性など生きる力を養い、
地域社会の一員として、主体的に自立と社会参加に取り組み、生涯にわたって心豊かに生きていく人材を育
成することを目指す学校。
2
ミッションと方策
-5-
(1) 外部専門家の専門性を活用した安全で安心な学校づくり
ア 学校介護職員の専門性を活かし、教員と連携・協働して安全な排泄介護、摂食介護等を推進する。
イ 医療や大学の専門家の指導により、教員及び学校介護職員の摂食指導や医療的ケアの研修を進める
ウ 医師会や青梅総合病院等、地域の医療機関との連携を強化する。
エ 特に自立活動の時間の指導においては、理学療法士(PT)
、作業療法士(OT)
、言語聴覚士(ST)視能
訓練士(ORT)等とのチーム・アプローチ(よい教育や支援を行うためのチームとして各職種それぞれ
の専門性を活かす)を展開する。
(2) 地域社会の一員として生涯にわたって心豊かに生きていく人材を育成する
ア 児童・生徒、保護者、教職員、関係機関等と協働し個別指導計画及び個別の教育支援計画を作成し、
一人一人の教育ニーズに応じた教育を実施する。
イ 障害による学習上または生活上の困難等に応じた専門的な教育を実践する。
ウ 学校へ通学して教育を受けることが困難な児童・生徒に対し、訪問教育を実施する。
エ 地域の良さを知り、地域外の人々との交流を深め、生活圏を拡大に努める。
3
今年度の取り組み目標と方策
(1) 学習活動
ア 小学部・中学部・高等部を通じて、自立と社会参加に向けたキャリア教育をいっそう推進する。
イ 全ての学部において、人権を尊重した教育を行い、生活年齢等に配慮した人としての尊厳を大切にし
た責任ある教育を実践する。
ウ タブレット端末や AAC(拡大代替コミュニケーション)の活用など、肢体不自由教育における ICT 教
育を進める。
エ ICF の理念に基づき、児童・生徒が安心して学習できる環境づくりを推進する。
オ 児童・生徒の実態に応じて、教材・教具の改善工夫や視聴覚機器・情報機器等の活用を図り、児童・
生徒が興味・関心を持って意欲的に学習に取り組めるよう創意工夫した授業改善を推進する。
カ 大学への進学に向けた教科指導の充実を図る。
(準ずる教育課程)
キ 学習習得状況把握表(GSH)を活用し、知的代替の教育課程や自立活動を主とする教育課程の児童・生
徒の実態把握や課題設定、授業内容の選定等を行い、指導の充実を図る。
ク 保護者・医療機関との密なる連携の下、訪問教育の指導充実を図る。
ケ 先進校や指導教諭の取組を積極的に取り入れるとともに、本校の取組例の発信に努める。
(2) 職業教育及び進路指導
ア 小学部段階から自立と社会参加を目指したキャリア教育を推進するとともに、保護者会等で常に進路
の話題提供をするなど、保護者の理解啓発を図る。
イ キャリア教育の全体計画を作成し、小・中・高一貫した進路指導を展開し、主体的に考え、選択し、
決定する力を育成する。
ウ キャリア教育推進のために、
「のんびりカフェ」や畑を活用する。
エ 大学への進学も含めた多様な進路希望に応えた進路指導を行う。
オ ボランティアの活用やショートステイなど、卒業後を見据えた福祉制度の活用を促進する。
カ 職業教育及び進路指導の充実を図るため、高等部生徒全員の個別の移行支援計画を作成し保護者に提
示する。
■ 数値目標 進路先決定率 100%
(3) 生活指導
ア 学校教育全般を通じ、自立し社会参加するために必要な生活経験を積ませるなど、児童・生徒が社会
で生きる力を培う教育を推進する。
イ 高等部生徒は生徒心得(校則)を遵守することを通して規範意識を高め、主体的に善悪を判断し、健
-6-
ウ
エ
オ
■
康で安全な学校生活や社会生活が送れるよう指導する。
緊急対応及び防災マニュアルを作成し、迅速かつ適切な対応する。
「スクールバス安全乗車の手引き」に基づく安全指導行う。またスクールバス保護者会を開催する。
公共交通機関等を利用した一人通学を推進し通学指導を行うとともに、通学路の安全確保に努める。
数値目標 安全に関する研修会 年間 2 回開催
(4) 自立活動
ア 自立活動に関する指導は、自立活動の時間における指導を設定するとともに、学校の教育活動全体を
通じて適切に指導を行う。
イ 外部専門家と連携し、児童・生徒一人一人の身体の動きやコミュニケーション等の指導の充実を図る。
ウ 学校介護職員と教員が連携して食事指導や排泄指導にあたり、児童・生徒の ADL の確立に努める。
エ 家庭・地域関係機関等と協働して、基本的生活習慣の確立を図るとともに、社会規範が身に付けられ
るよう指導を充実する。
オ 外部専門家と連携し、教員の専門性の向上を図る。
(5) 特別活動
ア 宿泊学習や遠足など特別活動全体において、生徒相互の好ましい人間関係や社会性の育成、教員と生
徒の信頼関係の確立を図る。
イ ハンドサッカーなどの体育的活動を実施するとともに、対外試合への参加を推進する。
ウ 各教育委員会と連携を図り、副籍制度に基づいて地域指定校との間接的、直接的交流を推進する。
エ 近隣の各学校との学校間交流や、副籍による交流及び共同学習においては、相互の連絡を密にし、内
容の充実を図る。
オ 学校行事の機会をとらえ、生活経験拡大に向けた12年間の順序性を意識した指導計画を作成する。
(6)
ア
イ
ウ
エ
オ
■
健康教育
医療的ケアの実施や健康の保持増進に関する指導において、指導医や各関係機関との連携を図るとと
もに、教員・学校介護職員の三号研修を促進する。
学校保健安全計画を 5 月まで作成し、児童・生徒及び教職員の健康保持・安全の確保を図る。
安全な医療的ケアの実施のため、環境整備を行う。
計画的な食育推進のため、摂食指導について家庭と学校が共通理解をもち、外部専門家と連携し、個
に応じた摂食指導の充実を図る。
薬物乱用防止と正しい薬物使用について理解啓発に努め、計画的に指導を行う。
数値目標 摂食指導の全体研修会及び個別相談、年間各 1 回開催
(7) 教育相談・広報活動
ア 高等部入学を希望する生徒と保護者の事前相談を、1月まで計画的に実施する。また、小学部、中学
部は学区域の教育委員会と連携を図り、就学相談、転学相談、教育相談を実施する。
イ 学校案内リーフレットを、青梅市教委ならびに奥多摩町、多摩教育事務所に管理職等が直接配り広報
活動を行う。
ウ 学校公開日を 5 月、2 月に設定する。
Ⅲ
知的障害教育部門
(高等部就業技術科)
1
目指す学校
生徒一人一人の人権を尊重し、将来の職業的自立を目指した教育を推進することにより、知的障害が軽い
生徒の自己実現と、自立と社会参加を促進し、
「社会に貢献できる人材」を育成する学校。そして、
「生徒全
-7-
員の企業就労」の実現を目指す学校。
2
ミッションと方策
(1) 生徒全員の企業就労達成
ア ライフキャリアの視点に立ったキャリア教育を進め、基礎・発展・応用の各段階における各教科の指
導内容・方法の充実を図る。
イ 指導と評価の一体化を図り、授業の改善・充実に努める。(PDCA サイクルの確立)
ウ 二学期制により授業時数を確保する。
エ 1 年次に企業等と連携したトライアル実習(校内模擬現場実習)及びインターンシップ(就業体験 4
~7 社)
、2 年次に現場実習及びインターンシップ(就業体験 1~2 社)を実施する。3 年次に、現場実習
及び必要に応じてブラッシュアップ体験を実施する。
オ 職業に関する教科を 2 系列 4 コース(流通・サービス系列〔エコロジーサービスコース・ロジスティ
クスコース〕、家政・福祉系列〔食品コース、福祉コース〕)を設定し、1年次にトライアル実習等で
全てのコースの基本を学習するとともに、2・3 年次に各コースに分かれて発展・応用の学習を行う。
カ 3 年次からの専修学校等への進学を目指すキャリアアップコースを必要に応じて設置する。
キ 社会のルールや職場のマナー等を体験的に学ぶ「キャリアガイダンスの時間」を設置する。
ク 市民講師(外部の専門家)との協働を図る。(園芸、ビルクリーニング、物流事務、食品、福祉、喫
茶サービス等)
ケ これまでの研究成果をもとに、2月に公開研究会を開催する。
コ 3月に技能成果報告会を実施する。
サ 日本語ワープロ検定や漢字検定など資格取得のための講習会を長期休業中に実施する。
(2) 社会に貢献できる人材の育成
ア 普通教室に国旗・都旗・校訓「切磋琢磨」を掲示する。
イ 「生活指導検定」を実施し、生徒心得にもとづく生徒指導の徹底を図る。
ウ 臨床発達心理士や警察の少年指導の専門家との連携により、生徒指導の充実を図る。
エ 生徒全員参加の部活動、委員会活動を推進する。
オ 適正に儀式的行事を実施する。
カ 「のんびりカフェ」での接遇、花や食品の販売、公園等での植栽、部活動等の地域イベントへの参加
などを通じて、地域のさまざまな方々と接する体験を積ませる。
キ 学校保健安全計画に基づき健康の保持増進・安全の確保を図る。
ク 生徒の自尊感情を高め他の人を思いやる心を育てる人権教育を推進するとともに、食育や薬物防止教
育等を実施する。
ケ 自助・共助の精神を身に付け、日常の生活や災害時に適切に行動できる社会人としての望ましい態度
や習慣を育成する。
コ 国際社会の中で、周囲と協調、協力してよりよい社会を築こうとする姿勢や態度を育成する。
3
今年度の取組目標と方策
(1) 学習指導
ア 就業技術科の全ての教科等において、自立と社会参加に向けたキャリア教育を推進する。
イ 全ての教科等において、人権教育を推進し、生徒の「規範意識」や「自尊感情」を高める教育を推進
する。また生徒の人権を尊重し、人としての尊厳を大切にした責任ある指導を実践する。
ウ 電子辞書の調べ学習への活用や、ネット上の HP づくり・顧客管理など ICT 教育を進める。
エ シラバスに基づく週ごとの指導計画を作成し、授業実践する。また、キャリア教育の視点から各教科
の指導の見直しを行い、シラバスの改定を行う。
オ 体育の授業を始め、学習活動全体において体力の向上、基本的な運動習慣の確立を目指す。
-8-
(2) 職業教育及び進路指導
ア 職業教育及び進路指導の充実を図るため、生徒全員の個別の移行支援計画を作成する。
イ 職業に関する各コース専門教科の充実を図るため、市民講師との協働を行う。
ウ 生徒の職業適性の的確な把握と勤労への意欲や態度の育成を図るため、企業等における就業体験(4 社
以上)を計画実施し、そのシステム化を図る。
エ キャリアガイダンスの時間においては、実際の職場を想定した模擬職場体験などを行い職場における
基礎的な表現能力、対人関係能力の向上を図る。
オ トライアル実習等において、生徒及び保護者による実習アンケートを実施し、改善を図る。
カ トライアル実習において、財務局と連携し都庁花壇の植栽整備活動を年 2 回実施する。
キ 3 学年の生徒を対象とした技能成果報告会を 3 月に開催する。
ク 両部門が協力して進路開拓を行う。
ケ 「職業に関する教科」において畑の効果的活用等の改善を進めるとともに、新たな検定等の導入につい
て検討する。
コ 職業に関する教科やキャリアガイダンス、各教科等の知的障害が軽い生徒を対象とした高等部職業学
科の教育課程の研究・開発を行う。
■ 数値目標 企業就労率 100%
■ 数値目標 既卒の企業就労率(再就職を含む) 90%以上
(3) 生活指導
ア 平成25年度の人権尊重教育推進校としての研究成果を踏まえ、生徒の「規範意識」の醸成、「自尊
感情」の育成を図り、自他ともに大切にできる「社会に貢献できる人材」を育成する教育の研究・開
発を行う。
イ 教育活動全般を通し生徒心得(校則)を遵守させるなど、生徒一人一人の規範意識を高め、主体的に
善悪を判断し、健康で安全な学校生活や社会生活が送れるよう指導する。
ウ 「生活指導検定」を実施し、社会人として活躍できるための自ら生活を整える力を育成する。
エ 学級担任と生活指導担当の役割を明確にし、生徒が常に相談できる体制をつくり、真に生活指導上の
問題が解決されるようにする。
オ 問題行動等への適時適切な対応を図るため、臨床発達心理士や警察の少年指導の専門家を活用する。
カ 緊急対応及び防災マニュアルを作成し、迅速かつ適切に対応する。
キ 職業に関する教科等における植栽等の地域での活動を通し、奉仕の心を育成する。
ク 現実に即した避難訓練を設定し、児童・生徒の安全の向上を図る。
(4) 特別活動
ア 厳粛かつ清新な雰囲気の中で、入学式・卒業式等を挙行する。
イ 部活動は全員参加を基本とし推進するとともに、対外試合(特体連大会等)や地域イベント(「フェア
西風」
「青梅マラソン」等)に計画的・積極的に参加する。
ウ 部活動においては、体罰等不適切な指導のないよう徹底する。
エ 生徒会活動を奨励し、生徒の自主性を育成する。
オ 各学級の学級経営計画に、整理、整頓、清潔、清掃の 4 S 励行を明記し、就労する意識と自覚を育成
する。
(5) 健康教育
ア のんびりカフェやパン販売での衛生管理やアレルギー対策の徹底を図る。
イ 薬物乱用防止の啓発に努め、正しい薬物についての理解と、授業等において計画的な指導を行う。
ウ 学校保健安全計画を 5 月まで作成し、生徒及び教職員の健康の増進と体力づくりを推進する。
エ 自立と社会参加に向け、健康な心と体を育成するために、生徒のライフステージに応じた健康教育や、
学習指導要領に基づいた性教育を行う。
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オ
家庭科や総合的な学習の時間、キャリアガイダンス、給食指導等において食育を推進し、将来にわた
る健康づくりを支援する。
(6) 広報活動
ア 入学を希望する生徒と保護者、学校関係者のニーズを満たす学科説明会を 5 月から 11 月まで延べ 11
回開催する。
イ 学校案内パンフレットを使い、JR 青梅線・五日市線・西武拝島線沿線の教育委員会を中心に、管理職
等が直接配り広報活動を行う。
ウ 入学を希望する生徒と保護者の個別説明を 7 月から 11 月まで、計画的に実施する。
エ 学校公開日を 6 月、2 月に設定する。
オ 地域の学校、教育委員会に本校の教育の様子を周知するため、地域の特別支援学級の担任や教育委員
会等を対象とした入学者選考説明会を開催する。
■ 数値目標 生徒と保護者の個別説明件数 (100 件以上)
■ 数値目標 募集の志願者数(100 件以上)
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