第29回管理栄養士国家試験 解答速報 日本医歯薬研修協会 1 2 51 3

第29回管理栄養士国家試験 解答速報
科目 問題番号
解答案
科目 問題番号
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日本医歯薬研修協会
科目 問題番号
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※ この解答速報は、日本医歯薬研修協会の見解です。厚生労働省の発表と異なる場合があります。
問12について
(1) 旧厚生省は、1996年に公表した「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について」のなかで、「「成人病」は加齢に着目した疾患群であり、生活習慣に着
目した「生活習慣病」とは概念的には異なるものである。」と謳っている。
一方、厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」では、「以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発
症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。」と、生活習慣病は新しい概念ではなく、成人病からの改称と謳って
いる。
そのため、ブリタニカ国際大百科事典には「生活習慣病は、1997年に厚生省が成人病の改称として提唱した。」と示されており、その他多くの辞典において、「成人病
からの改称」「成人病と同義」と示されている。
したがって、「成人病」と「生活習慣病」は同義語ではないとは断言できない。
(5) 「国民衛生の動向2014/2015」には、「現在では、がん、心臓病、脳血管疾患を合わせた生活習慣病が死因の約6割を占めている。」と記載されている。したがっ
て、選択肢がこの引用であれば正解となる。
しかしながら、「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」において、生活習慣病の死亡割合として、平成22年人口動態統計での悪性新生物、心疾患、脳血管疾
患、糖尿病、高血圧性疾患の死亡率の合計を57.4%と示している。同様に平成23年、平成24年の上記5疾患の死亡率を合計すると、平成23年:55.7%、平成24年:
56.0%となる。確かに四捨五入すれば60%となる。しかしながら、国の政策として生活習慣病の減少を目指しており、実際に減少傾向を示しているにもかかわらず、
56%を約6割と水増しして減少していないと見せかける必要はないと考える。
問142について
(1) Harris-Benedictの式を用いて、患者の基礎エネルギー消費量を算出すると、1,003kcalとなる。安静時エネルギー消費量は、基礎エネルギー消費量の1.2倍と考え
ると、1,204kcalとなる。さらに、COPD患者では健常者に比べ安静時エネルギー消費量が1.3倍程度亢進していると考えると、患者の安静時エネルギー代謝量は
1,565kcalとなる。「COPD診断と治療のためのガイドライン(第4版)」では、「体重を増加させるためには、実測安静時エネルギー消費量(REE)の1.5倍以上のエネル
ギー摂取が必要である」という記載があり、実測ではないものの上記の安静時エネルギー消費量に1.5を乗じると2,348kcalとなる。したがって、エネルギー摂取量
2,400kcalは多すぎるとは断言できない。
(3) 第20回国家試験問140において、「血漿分枝アミノ酸濃度は低下する」という選択肢が「COPDについて専門書等により記載が異なる」という理由で、不適切問題
(解なし)となった経緯がある。
「COPD診断と治療のためのガイドライン(第4版)」では、「COPDの栄養障害に対しては高エネルギー、高蛋白食の指導が基本であり、蛋白源としては分岐鎖アミノ酸
を多く含む食品の摂取が勧められる」と記載があるものの、そのエビデン スは示されておらず、最適な栄養治療法についての」コンセンサスは得られていない。