県職ニュース№1509 15/04/03

(回覧用は5人に1枚の割合で配付しています。)
春闘期における知事交渉において、組合員の
生活や士気への影響を踏まえ、賃金・労働条件
の改善を始め、引き続く課題にしっかり話し合
う姿勢を確認した。
また、時間外勤務の縮減や、仕事と家庭生活
の両立支援策について、県として積極的に進め
ることを確認した。
組合は、今後、具体的な要求の実現に取り組
んでいく。
適正な財政運営に努めるとした。
「しなやか県庁創造プラン」では、「臨時的・
緊急避難的措置に頼らない予算編成を目指す」
としていることや、人事局長交渉において、適
正な財政運営に努め、賃金・労働条件に影響を
及ぼさないとするなどの確認を得た。
② 人事委員会回答では、──
職員の利益擁護機関の中立・第三者機関とし
て役割・責務を発揮するとの基本姿勢を確認す
るとともに、組合要請を踏まえ、27年度の給与
勧告作業を適切に進めるとした。
③ 以上の回答から、組合が求めた基本姿勢は確
認でき、引き続く職場要求・総合要求の取り
組みや、賃金確定闘争につながる回答が得ら
れたと判断し、今春闘の取り組みを収束する。
1 春闘の位置づけと経過
3 今後のとりくみ
①
組合は、今春闘回答を踏まえ、次の取り組み
を強固に進めていく──
① 賃金・労働条件の改善につながる個別の課題
について、組合員の意見をつぶさに聞きなが
ら、5月から取り組む「総合要求」「職場要
求」、そして秋の「賃金確定闘争」等の取り
組みで要求を具体化し、当局に「組合と誠意
をもって真摯に話し合う」とした姿勢を確実
に実行させ、要求実現を図るよう取り組んで
いく。
また、依然、厳しい財政状況にあるとし、
管理職員については、勧告によらない給与削
減が継続することは残念であり、給与削減に
対する一般職員の懸念・不安があることから、
組合は、引き続き、勧告制度に基づく給与を
追及していく。
② 春闘相場を引っ張る自動車や電機業界を中心
に、昨年を上回るベースアップの実施など、確
実に賃金改善の流れにある。
この結果は、我々の給与勧告のもととなる公
民比較の基礎となることから、人事委員会に対
して、私たち公務員給与の改善に結びつく報告・
勧告を行うことを求めていく。
回覧
2015年4月3日
№1509
2015春闘
3月30日
知事・人事委員会回答
発 行 所
名古屋市中区三の丸3-2-1
愛知県東大手庁舎4階
愛知県職員組合
www.aichikenshoku.gr.jp
[email protected]
代
表
052-951-4036
F A X
0120-930-340
財政部 052-212-8034
組織部 052-212-8032
政策部 052-212-8033
2015春闘に関する要求書に対する回答(平成27年3月30日
要
求
1 組合に対する知事の姿勢とし
て、これまで築きあげてきた信
頼関係を尊重すること。
また、職員の賃金・労働条件
について、人事委員会勧告制度
を尊重するとともに、労使の交
渉を踏まえて決定する姿勢を遵
守すること。
2 職員の生活や士気を向上させ
る観点から、賃金・労働条件の
改善を最大限図ること。
3 適正な財政運営に努め、職員
の賃金・労働条件に影響を及ぼ
さないこと。
また、節々で財政状況を明ら
かにすること。
4 時間外勤務縮減に向け、組合
と十分協議し、実効ある具体的
な施策を講ずること。
知事交渉)
回
答
これまで培ってきた労使関係を維持し、今後とも信頼関係を大切にしながら、
誠意をもって職員組合とよく話し合っていきたい。
職員の給与を始めとする勤務条件については、人事委員会勧告の尊重を基本
姿勢とし、社会一般の情勢に適応したものとするとともに、県民の理解と納得
が十分に得られるものでなければならないと考えている。
職員の生活や士気への配慮の必要性については、十分認識している。
勤務条件の改善については、社会一般の情勢に適応したものとなるよう、職
員組合とよく話しあっていきたい。
これまでも累次の行革大綱に基づき、行財政改革に取り組んできたところで
ある。
今後も、昨年12月に策定した「しなやか県庁創造プラン」に沿って、健全で
持続可能な財政基盤の確立に取り組み、適正な財政運営に努めてまいりたい。
なお、財政状況については、適宜、情報提供に努めていきたい。
時間外勤務の縮減に向けては、これまでも職員の心身の健康の維持を図る観
点から、様々な取組を実施してきたところであり、今後も職員の意識改革や業
務のさらなる効率化など、より実効性の高い方策を検討していきたい。
なお、取組を進める際には、職員組合と話し合っていきたい。
5 仕事と家庭生活の両立支援に 仕事と家庭生活の両立支援に向け、これまでも、職員が安心して働くことが
向け、組合と十分協議し、具体 できる職場環境となるよう努めてきたところであるが、本年3月改訂の「職員
的な施策を講ずること。
の子育て応援プログラム」などにより、今後、さらに取組の充実を図っていき
たい。
なお、取組を進める際には、職員組合と話し合っていきたい。
6 平成27年度から取り組む「し 「しなやか県庁創造プラン」の取組にあたっては、必要な人員を確保しなが
なやか県庁創造プラン(愛知県 ら、引き続き事務事業の廃止・縮小、民間委託、事務処理方法の改善などに取
第六次行革大綱)」の実施にあ り組み、適切な人員配置に努めていきたい。
たっては、必要な人員を確保し、 その際、部局や所属間の再配置を積極的に推進し、業務量に応じた最適な人
職員の負担増とならないように 員配置を実現するよう努めていきたい。
すること。
7 高齢層職員の雇用施策につい 退職共済年金の支給開始年齢の段階的引き上げに伴い、定年退職後の雇用と
て、定年延長も視野に、雇用と 年金の接続を図るため、常時勤務と短時間勤務を希望制とするなど、退職後の
年金の確実な接続を図り、柔軟 働き方の意向をより反映できるよう、平成26年度から再任用制度の運用を見直
な働き方の選択や現行の生活水 したところである。
準が維持できる給与水準の確保、 再任用職員の給与水準については、今後の国や県人事委員会の検討状況を注
定数の取り扱いなど、組合と十 視し、適切に対応していきたい。
分協議すること。
なお、定年延長については、今後の国の動向を注視していきたい。
また、これに伴う制度見直しの際には、職員組合と適宜話し合っていきたい。
春闘期における、知事の基本姿勢を問う要求
に対する回答は、今後の総合要求・職場要求・
賃金確定闘争における要求実現の足がかりにな
るものとして、非常に重要な意義を持つ。
このため組合は、春闘を組合活動の1年間の
取り組みの出発点と位置づけ、2月の中央委員
会で決定した方針・要求を踏まえ、3月18日に
知事に対して基本姿勢に関する要求書を提出す
るとともに、秋の勧告に向けて人事委員会要請
を行った。
要求書提出後、3月24日の人事局長交渉を経
て、30日に知事、人事委員会から、それぞれ回
答が示された。
② 知事の二期目就任後、初めての交渉となった
今春闘では、「信頼関係に基づく労使関係の維
持」「勧告制度の尊重」について、改めて知事
の姿勢を問うとともに、一般職員について25年
度まで続いた給与削減やさまざまな手当の見直
し、さらに「給与制度の総合的見直し」など、
生活や勤労意欲に影響を与える見直しが続いて
おり、組合員の生活水準、労働環境を守る観点
から、賃金・労働条件の最大限の改善などを求
めた。
③ 人事委員会に対しては、第三者機関として役
割・責務を発揮し、議会・知事に対して毅然と
した姿勢で報告・勧告を行うことを主張した。
2 春闘回答に対する評価と判断
①
知事回答では、──
改めて、知事から「これまで築き上げてきた
労使の信頼関係の維持」「勧告制度の尊重」の
姿勢を確認するとともに、組合員の生活や士気
への配慮の必要性を認識し、賃金・労働条件の
改善を始め、引き続く諸課題に対して、「組合
と誠意をもって真摯に話し合う」ことを確認し
た。
特に、時間外勤務の縮減、仕事と家庭生活の
両立支援について、県として積極的に取り組み
を進めるとともに、組合と十分協議するとした。
また、「しなやか県庁創造プラン」に基づき、
4
組合員への呼びかけ
27年度から、「給与制度の総合的見直し」
が実施されるが、政府・与党内では、さらなる
公務員給与の引き下げなどを盛り込んだ財政再
建案が議論されている。
公務を取り巻く状況は、依然厳しく、組合
員一人ひとりが組合に参加し、行動することが
益々重要となっている。組合員の生活の向上と
働きがいのある職場をめざし、本部執行部は、
今後引き続く取り組みにこれまで以上の組合員
の結集を呼びかけるものである。
2015年3月30日
愛知県職員組合中央執行委員会
組合は春闘期における取り組みを、闘争の出
発点と位置づけています。
2月の中央委員会で決定した方針・要求を踏
まえ、3月18日に「2015春闘要求」を提出、24
日の人事局長交渉を経て、30日に知事、人事委
員会からそれぞれ回答が示されました。
「労使の信頼関係の維持」「勧告制度の尊重」
「賃金・労働条件の改善など、組合と誠意を持っ
て話しあう」など、春闘回答で引き出した知事
◆長坂委員長発言
∼ 回答を真摯に受け止め、今年1年の組合運
動の足がかりとする
① 本日の回答で、労使の信頼関係に対する姿
勢を改めて確認した。
今後、組合は「職場要求」「総合要求」な
どで、具体的な要求をとりまとめていく。
また、労使共通の重点的課題として挙げた、
「時間外勤務の縮減」「仕事と家庭生活の両
立支援」など、引き続き、労使の信頼関係を
大切に、誠意もって対応していただきたい。
② 今年の民間春闘は、大手企業を中心に昨年
を上回るベアで決着するなど、賃金改善の流
れにある。そして、中小企業においても賃金
改善の流れは波及し、この結果が必ず人事委
員会の勧告に繋がっていくと考える。
私たち職員の給与は、勧告に基づき労使交
渉で決定する。労働基本権制約の代償措置と
して設けられている人事委員会の給与勧告制
度を尊重するよう重ねて求める。
③ 次年度も、財政状況が厳しいとして、管理
職員の給与削減が継続されることは残念であ
り、組合員からも懸念の声が出されている。
安定的な財政運営を講じ、職員の賃金・労
働条件に影響を及ぼさないよう求める。
④ 職員を取り巻く環境は依然として厳しい。
さまざまな制度の見直しで、給与水準が大
きく引き下がり、4月からは、給与制度の総
合的見直しで、賃金体系の見直しがされる。
「日本一元気な愛知」「人が輝く愛知」を
作るため、職員が一丸となって進めていかな
くてはならない。そのためにも、「職員のモ
チベーションの向上」や職員が健康で安心し
て生活をしていける環境を作る必要がある。
「職員の生活や士気への配慮については、
人事委員会「27年度の報告・勧告に向けた作業を適切に進める」
の基本姿勢を踏まえ、5月以降の、総合要求・
職場要求で、組合員の意見を聞きながら、具体
的な要求の実現に向けて、取り組みを進めます。
また、人事委員会からも、「職員の利益擁護
機関として、役割・責務を発揮する」「組合か
らの申し入れを踏まえ、27年度の給与勧告作業
を適切に進める」など、秋の賃金確定闘争につ
ながる回答が得られました。
十分認識している」との回答を踏まえ、様々
な観点から賃金・労働条件の改善に尽力いた
だきたい。
⑤ 本日の回答は、私たちの要求を十分に検討
した結果と、真摯に受け止め、今年1年の組
合運動の足がかりとする。
いろいろな課題に対して、真摯に対応し、
組合と十分協議を尽くすことを求める。
◆大村知事発言
∼ 組合員の切実な思いを受け、十分に検討
①
本日の回答について、組合員の切実な思い
を受け止め、十分に検討した結果であり理解
をいただきたい。
職員の給与など、勤務条件に関する諸課題
について、これまで組合と培ってきた信頼関
係をしっかり維持し、大切にしながら、今後
とも誠意を持って話し合い、結論を得ていき
たいと考える。
② 平成27年度は、日本の未来をつくるプロジェ
クトが大きく羽ばたく年にしたいと考えてい
る。「日本一元気な愛知」と、豊かさを実感
できる県民生活の実現に向け、職員の皆と一
丸となって取り組んで行きたい。一層の
協力をお願いする。
3月30日:大村知事
から長坂委員長へ回
答書手交(左)
回答を受け、組合 から改
めて主張(右)
3月30日、人事委員会から、春闘期の要請に対して、口頭で回答が示
されました。
人事委員会は「職員に対して、適正な処遇を確保することが、職員の
士気を高く保持するとともに、労使関係の安定、公正・能率的な行政運
営の推進の基盤であり、社会一般の情勢に適応した適正な勤務条件を確
保することが肝要と考える。こうした考えのもと、組合の申し入れ趣旨
も踏まえ、27年度の報告・勧告に向けた作業を適切に進めていきたい」
小椋事務局長に
としました。
組合は「今年の民間春闘は、大手企業を中心に昨年を上回るベアで決 要請書提出(3月18日)
着するなど、賃金改善の流れにある。そして、この流れは中小企業にも
波及していくと考える。こうした状況を踏まえ、職員の生活水準の向上・士気の確保が図られる報
告・勧告を求めるとともに、時間外勤務の縮減や仕事と家庭生活の両立支援など、職員の利益擁護
機関として、役割・機能を十分に発揮し、良い道筋を示してほしい」と、改めて主張しました。
平成27年度給与勧告等に関する申し入れに対する回答要旨(3月30日 人事委員会)
申 し 入 れ 事 項
回
答
要
旨
1 県当局・議会に対し、勧告制度
管理職員に対する給与削減については、26年の給与報告の中でも、早期
に基づく適正な給与水準の確保に に給与勧告制度に基づく適正な給与水準を確保するように述べております。
ついて、強く働きかけること。
また、今回の給与条例の改正に係る県議会に対する条例意見においても、
職員の給与は地方公務員法に定める給与決定の原則により決定されるべき
であり、給与削減措置は残念であるとし、削減の回避に向けて最大限の努
力が尽くされるよう要望したところです。
2
賃金・労働条件の改善に向け、
本委員会は、地方公務員法に定められた情勢適応の原則に基づき、公民
職員の利益擁護機関としての役割 給与の比較を適切に行い、その均衡を図ることを基本に、国や他の地方公
と責任を果たすこと。
共団体の状況等も勘案して、報告及び勧告を行ってきたところであり、引
き続き利益擁護機関としての役割を適切に果たしていきたいと考えており
ます。
3 初任給について、民間水準より
低い傾向にあることから、初任給
基準の引き上げを図ること。
また、高齢層職員の生活水準の
改善やモチベーション確保のため、
号給増設など改善を図ること。
本年の給与改定では、世代間配分の観点から若年層に重点を置いた給料
表の引上げ改定を行うよう勧告するとともに、総合的見直し後の給料表に
おいても、初任給を含む若年層の引下げ幅は少なくなるよう勧告し、それ
に従った改定がなされたところです。初任給については、今後とも民間動
向を注視していきたいと考えております。
また、号給増設については、均衡の原則、職務給の観点から国の状況を
考慮して定める必要があると考えております。
4 高齢層職員の雇用施策について、 雇用と年金の接続については、国の動向を注視しながら、本県の実情を
定年延長を基本とした雇用と年金 踏まえ、適切に対応していく必要があると考えております。
なお、再任用職員の給与水準については、人事院は、本年度の報告で、
の確実な接続を図るとともに、給
与水準の確保、柔軟な働き方の選 民間再雇用者の動向に注視するとともに、各府省における再任用制度の運
択や定数の取り扱い等、制度の検 用状況を踏まえ、諸手当の取扱いも含め必要な検討を進めるとしているこ
とから、その動向を見ながら、必要な対応をしていきたいと考えておりま
討、導入を提言すること。
す。
5 仕事と家庭生活の両立支援の推
進、時間外勤務の縮減、メンタル
ヘルス対策及びハラスメント対策
について、それぞれ具体的、実効
性ある方策を提言すること。
両立支援の推進、時間外勤務の縮減、ハラスメント対策などの職員の勤
務環境の整備については、任命権者において様々な取組が実施されている
ところですが、さらに職員が安心して働くことができるよう、国や他県の
動向も注視しながら、引き続き必要な検討を進めていきたいと考えており
ます。