伏木富山港湾事務所 情報紙 平成27年度 No.1 21世紀に夢をはぐくむ 伏木富山港をめざして 青葉若葉のみぎり 皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。開業して2ヶ月余り、北陸 新幹線の効果でしょうか、富山地区(富山港)へのアクセス交通機関でもある富山ライトレールの利用者や、富山市 の岩瀬を訪れる観光客が3割増えているとの報道がございました。ぜひとも伏木地区の高岡市、新湊地区の射水市へ も、足を運んでいただきたいと思います。 さて、今号の『きときと富山』は、平成27年度の伏木富山港湾事務所の事業概要、4月1日付けで着任した森所長 の着任挨拶、5月4日付けで(独)国際協力機構へ出向しミャンマーへ赴任された山本前所長からの挨拶などをお届 けします。 森 弘継 新所長 着任挨拶 4月より、伏木富山港湾事務所の所長となりました森弘継(もり ひろつぐ)です。 伏木富山港は、伏木地区、新湊地区、富山地区から構成されており、国際戦略港湾(京浜港・阪神港) に次ぐ、国際拠点港湾の港格を有しております。国際拠点港湾は、全国に18港ありますが、日本海側に は、新潟港と伏木富山港の2港しかありません。伏木富山港を国際拠点港湾に相応しい整備・振興を行い、 地域の発展に貢献できるよう精一杯頑張りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。 4月9日に平成27年度予算が成立し、新湊地区の国際物流ターミナルの延伸整備が決まりました。 この施設には、主に中国・韓国・ロシアとを結ぶコンテナ船が月34便就航しており、平成26年は過去 最高となる82,065TEU(個)のコンテナ取扱量がありました。当事務所としては、早期に延伸工事を完了させ供用で きるよう取り組み、地域企業の国際物流サービスの向上・物流コストの削減に貢献していきたいと考えております。 その他、港の防災力を高めるための伏木地区万葉埠頭3号岸壁及び富山地区2号岸壁の耐震化や港湾施設の老朽化対策 等のプロジェクトも引き続き進めていく所存です。 また、これらの港湾プロジェクトを着実に実施すると同時に、地域の皆様に伏木富山港を知って頂くことにも力を入 れていきたいと考えています。私どもの取り組みを発信するとともに、海や港に関するイベントにも積極的に参画して 参ります。港は、単に船が集まる場所でなく、人・もの・情報が集積する場所です。伏木富山港は、交通・産業・観光と いった地域の交流拠点です。当事務所の情報紙「きときと富山」も、今まで以上に内容を充実させ、伏木富山港の「ワク ワク」を皆様にお伝えしていきたいと思います。今後とも一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。 山本 大志 前所長 退任挨拶 2013年2月から2年2ヶ月、ご関係の皆様には大変お世話になりました。この間、アベノミクスの 影響や富山県の関係者のご努力もあり貨物量が増加するなど港の利活用が進んだことは非常にうれしい です。特にコンテナの取扱いが2年連続で過去最高を記録し、超大型クルーズ船も相次いで入港しまし た。また国際RORO船の貨物も一時期の不振を抜け出すなど、日本海側拠点港で選定された3つの機能 が着実に向上していることが実感できました。 これに遅れを取らないように、当事務所の事業でも富山地区2号岸壁のリニューアル、伏木地区万葉 3号の耐震強化への着手、新湊コンテナターミナルの拡張・延伸が決定し、施設面でも必要な整備をし てきました。そのほかに、新湊大橋の歩行者道あいの風プロムナードを供用したこと、プロムナードに接続する護岸の 一部を富山地鉄射水線に模して整備したこと、新幹線開業に向けて少しでも地域のお役に立てるよう工夫してきたつも りです。 財政が厳しい折り、伏木富山港が地域発展のボトルネックとならないよう、逆にリードしていけるようにとの思いで したが、十分な仕事ができたとは思っていません。発展著しいミャンマーに赴任することとなりましたが、皆様から受 けたご恩を忘れず、ミャンマーと富山を繋ぐ役割も果たしたいと考えております。 前所長の山本大志は、5月4日付けで独立行政法人国際協力機構へ出向しました。 平成27年度事業の概要について 平成27年度政府予算は、4月9日に成立し、伏木富山港関係では富山新港(新湊地区)の岸壁(−12m)(北)の延伸 整備と、中央埠頭の岸壁(−10m)(2号)の老朽化対策が新規事業化されましたので、平成27年度事業の概要について、 お知らせします。 (伏木地区) ・岸壁(−14m)(改良)(耐震) 昨年に引き続き、耐震化工事を実施します。延長280mのうち、残り140mを施工します。既設の舗装版など を撤去した後、−50mまで挿入したグランドアンカーにより、岸壁本体(ケーソン)と地盤を固定するものです。 ・泊地(−14m) 大型船舶が停泊するために必要な水深を確保するため(暫定の水深-12mで)泊地の浚渫を実施します。 ・岸壁(−7.5m)(左岸)(改良) 左岸1号岸壁(鋼矢板式)の老朽化対策として、鋼矢板の腐食防止対策(防食)や上部工の補修を実施します。 (新湊地区) ・岸壁(−12m)(北) 【新規事業化】 平成14年に供用を開始した(新湊地区)国際物流ターミナルでは、コンテナ取扱量が年々増加しており、岸壁1 バースあたりのコンテナ船寄港便数は日本有数・日本海側では最大となるなど、国際定期コンテナ航路・便数の増加 やコンテナ船の大型化に伴う滞船(沖待ち)が生じていることから、既設の国際物流ターミナルを延伸整備し、輸送 効率の向上を図るものです。今年度は、施設設計や各種調査を実施します。 ・岸壁(−10m)(2号)(改良) 【新規事業化】 中央埠頭2号岸壁(鋼矢板式)の老朽化対策として、鋼矢板の腐食防止対策(防食)を実施します。 伏木地区航空写真 施工の様子 ・岸壁(−10m)(東)(改良) 東埠頭岸壁(鋼矢板式)の老朽化対策として、上部工の補修を実施します。 ・防波堤(西)(改良) 防波堤先端部の洗掘対策として、防波堤先端部に波消ブロックの据え付けを実施します。 (富山地区) ・岸壁(−10m)(2号)(改良) 供用から50年近くを経過し老朽化が著しいことと、富山地区に耐震岸壁が未整備であったことから、昨年度より、 岸壁の耐震化工事に着手しました。 今年度は、昨年度打設した仮設土留め矢板の内側の掘削・既設構造物の撤去を行うとともに、岸壁本体となるケー ソンを新湊地区で4函製作します。市街地が近接していることから、引き続き騒音・振動の発生には留意して工事を 実施します。 (新湊地区)事業実施位置 (伏木地区)事業実施位置 (富山地区)事業実施位置 富岩水上ライン大盛況 富岩運河環水公園から岩瀬カナル会館前を結ぶ運河クルーズ「富岩水上ライン」 の乗船客数が、平成21年の運航開始から、7年目の4月5日(日)10万人を越え ました。10万人目は、東京から北陸新幹線に乗って富山を訪れた小学3年生の男 の子でした。 さらに、5月17日(日)には、乗客数が11万人を突破。北陸新幹線開業や新艇 就航、平日運行開始の効果で、例年以上のペースで乗客数が伸びているそうです。 3月26日に就航した新艇(fugan) JICA研修生が新湊大橋を見学 平成27年4月7日(火)、アゼルバイジャンほか12カ国の政府関係者などで 構成された独立行政法人国際協力機構(JICA)の研修生19名が、伏木富山港 (新湊地区)を訪れました。これは研修の一環として、伏木富山港の産業基盤施設 の視察を行ったものです。 新湊大橋の歩行者道(あいの風プロムナード)を徒歩で渡り、その後、講義形式 で“富山新港建設の歴史”や”新湊大橋事業の概要”などのテーマについて、通訳 を介して説明を行いました。説明後、研修生から多くの質問が出され、活発な質疑 応答が行われました。当日は、前線の通過で寒気が戻り肌寒く感じられましたが、 熱い研修となり、研修生の皆さんには、きっと記憶に残る一日になったと思いま す。 新湊大橋エレベータ棟前での様子 サイクリストが世界で最も美しい湾を満喫 4月19日(日) 「世界で最も美しい湾クラブ」加盟を記念した『富山 湾岸サイクリング2015』が、射水市海王丸パークをスタート・ゴー ル地点として開催されました。 氷 見 市 阿 尾 と の 間 を 往復 す る コ ー ス ( 4 4 . 7k m 、 グ ル メ ラ イ ド!)と、あいの風とやま鉄道の越中宮崎駅付近との間を往復するコー ス(152.1km、ロングライド)のコースに、合わせて約570名 が出走しました。 開会式での石井知事の「サイクリングと富山湾の絶景を楽しんで欲し い」という挨拶のとおり、参加者は、富山湾や立山連峰などの景観や地 元グルメなどを楽しみました。 スタートの様子 民間組織「美しい富山湾クラブ」が発足 昨年10月、ユネスコが後援する「世界で最も美しい湾クラブ」の総会で、富山 湾の同クラブへの加盟が決定されました。国内では、松島湾に次いで2箇所目(日 本海側では初!)の加盟になります。 この加盟を機に、富山湾の環境の保全や、富山湾がより魅力的になるよう活動す ること、富山湾の魅力を発信すること、富山湾に関わる後継者を育成する活動する こと等を目的として、民間応援組織『美しい富山湾クラブ』(以下、同クラブ)が、 5月10日設立されました。日本海交流センター(海王丸パーク内)で開催された 設立総会には当事務所森所長もオブザーバーとして参加しました。 同クラブの今年度の活動は、ロゴマークの決定や富山湾をより素晴らしい場所と する「湾アップ」提案の募集のほか、加盟団体等が実施する海岸清掃や、7月に行 われるタモリカップなど富山湾をより魅力的にする各種活動への協力を行います。 当事務所としても同クラブの活動を、できる限り協力したいと考えております。 『世界で最も美しい湾クラブ』加盟を記念して 海王丸パークに設置されたモニュメント ( 参考、富山湾クラブHP http://toyamabay.club/ ) 2週連続!! 大型クルーズ船が寄港 5月18日(月)、25日(月)と2週連続して、伏木富山港に10万トンを超える大型クルーズ船が入港し、伏木地 区(伏木港)万葉ふ頭に着岸しました。同じ年に10万トンを超えるクルーズ船が2隻入港するのは初めてのことです。 5月18日には、横浜港を5月14日に出港したアジア最大級の大型クルーズ船『ボイジャー・オブ・ザ・シーズ』 が、仁川(韓国)・天津(中国)へ向かうツアーで、国内2番目の寄港地として、伏木富山港に寄港し伏木地区の万葉 ふ頭に着岸しました(旅客約2,300名)。 同船が伏木富山港に入港するのは、平成25年9月10日以来、2度目です。多くの乗客が、県内・隣県各地へチャ ーターバスやシャトルバス等に乗って観光やショッピング等に出かけました。 また、4月の消費税法改正による外航クルーズ船舶の免税店届出制度の創設を受けて、地元伏木地区の電器店や菓子 類など土産品を販売する臨時免税店が埠頭内に設置されました(国内初)。夕方、行われた出港セレモニーでは、地元 幼稚園児による、よさこい踊りやバルーンリリース、高岡市消防隊音楽部の演奏などで出港を盛大に見送りました。同 船は次の寄港地である境港へ向け出港しました。 ボイジャー・オブ・ザ・シーズ 伏木地区航空写真 乗客下船後のテント周辺 施工の様子 (お見送り)よさこい踊り 翌週の5月25日には『ダイヤモンド・プリンセス』が入港し、万葉ふ頭に着岸しました(旅客約2,500名) 。 同船は、神戸港を5月21日に出港し、函館・秋田を経由して当港に寄港したもので、当港を出港後、釜山(韓国)を 経由し、神戸港へ戻ります。同船が伏木富山港に入港するのは、昨年(平成26年4月29日)に続き、2度目の入港 となり、万葉衣装をまとった地元の高校生(※)や、小旗を振る地元保育園児が乗客を歓迎しました。 ふ頭には、立山黒部アルペンルート、五箇山・白川郷などに向かうオプショナルツアーバスや、高岡駅前行きのシャ トルバスなどがずらりと並び、乗客を待ち構えていました。 出港セレモニーは、花火が打ち上げられるなかでの出港となり、乗客やお見送りの方からも歓声が上がりました。 両日とも天候に恵まれ、絶好の観光日和となり乗客の皆さんには、富山の魅力を十分満喫いただけたと思います。 今後も、8月28日と31日に飛鳥Ⅱが、伏木地区(伏木港)に寄港する予定です。(伏木港発着で、東北酒田・青森に 向かいます。この機会に豪華な船旅を体験されてはいかがでしょうか?) ダイヤモンド・プリンセス 伏木コミュニティセンターから ふ頭に並んだ大型バスの様子 出港時のふ頭の様子 諸元:ボイジャー・オブ・ザ・シーズ:全長311m、幅員48m、約13万7千トン、旅客定員3千百余名 ダイヤモンド・プリンセス:全長290m、全幅41.5m、約11万6千トン、旅客定員2千6百人余名 【参考】北陸新幹線 かがやき(12両編成) :全長約300m、定員934人 ※伏木の地は、万葉集の撰者として名高い大伴家持が越中国守として赴任した国府がありました。当時の衣装を模した衣装 を身につけ通訳などを地元の高校生が務めていました。 平成27年6月作成 発行元:国土交通省 北陸地方整備局 伏木富山港湾事務所 〒930-0856 富山市牛島新町11-3 TEL 076-441-1901 FAX 076-443-1408 http://www.toyama.pa.hrr.mlit.go.jp 「海とみなとの相談窓口」
© Copyright 2024 ExpyDoc