重点施策は医療法人・社会福祉法人のＦＣ加盟ワンストップの生活支援サービスをＦＣ展開 ■ 株式会社ベンリーコーポレーション愛 ―知県清須市介護保険ではカバーできない生活支援サービスの担い手は、個々の領域には専門事業者が存在する。これに対してサービスのワンストップ型提供を確立したベンリーコーポレーションは、利用料の低価格化を実現させた。現在は「ベンリー」を直営７店、フランチャイズ２００店を展開し、今後はながら、報酬が下がるから事業を止めているうえに補助金まで受け取ってい医療法人と社会福祉法人の加盟に注力して、高齢者を支えていく。チェーンストア理論をる。生活支援サービス店を全国にフラ所閉鎖を検討するケースが現われていの下がった通所介護事業者には、事業この４月の介護報酬改定で報酬単価る。事業の継続が社会保障費次第といスのあり方を志向し続けた歴史でもあてきた同社の足跡は、生活支援サービ保険外サービスの提供で実績を築い剣に考えてきたのでしょうか？」。るというのです。本当に社会貢献を真ンチャイズ（ＦＣ）展開するベンリーう発想は受け入れがたいのだろう。生活支援サービスで実践コーポレーション社長、前田満定氏は同社の設立は１９９０年。介護保険年前から、今年４月そうした話題を耳にするたびに、疑問制度が発足するに市町村がスタートさせる地域支援事業に相当する事業に取り組んできた。同社の特徴はワンストップサービスの廻りのメンテナンスなどの個々の分野一方、同社の提供サービスはハウス Visionと戦略 2015.5 専門サービスの提供に特化している。では有力企業が存在するが、各社ともクリーニング、リフォーム、引っ越し 41 が浮かび上がってくるという。「介護報酬という公費から収益を得 10 提供にある。ハウスクリーニングや水株式会社ベンリーコーポレーション代表取締役　前田満定氏すると見通しているからである。「医療法人と社会福祉法人にベンリー５年で、以後２年更新となる。から利益を確保できるので、ロイヤルティは設定されず、毎月のサービスを紹介してもらうという提理論を生活支援サービスに応収支は月商２００万円の場合、社員テム費用５万円が発生する。モデル人がＦＣとなって、当事者の立場でサー携関係は考えていません。これらの法者をサポートできるのです」（前田氏）。・６％）。すでに社会福祉法人との加盟の調整を進めている事例もある。適性テストを実施して店長と店長代理を選定のお手伝い、家具移動、エアコン工事・現在の店舗数は直営７店、ＦＣ２００は収益志向に偏重した企業は加盟対象る業績を上げている例もあるが、同社始した。１店舗の商圏は人口５万人で、加盟店には月商１０００万円を超えＣ展開に伴って、フィールドコンサルＦＣオーナーだったが、首都圏でのＦ年に入社した。それまではベンリーの本業との親和性も重視し、加盟店にはガソリンスタンドやＬＰガス販売、調剤薬局、ホームセンター、電鉄など後は新たに医療法人と社会福祉法人の万円、研介護保険の対象から外される動向にあるため、保険外サービスの需要が増加 42 Visionと戦略 2015.5 スーパーマーケットは多品目万円と経営支援シス用して、サービスを幅広く揃１名とアルバイト２名でカバーでき、の経営指導料えました。その結果、どのサー粗利益１７０万円（低価格を設定できます。このビスの料金も専門業者よりも利益２７万１０００円（ビスを提供してこそ責任をもって高齢格段に安く設定できて、ハウ５００万円モデルになると社員２名・０％）、営業スクリーニングなどは大手事とアルバイト６名の陣容で、粗利益・０％）、営業利益１３６万１０００円（・３％）。経ては、直営店の展開だけでは営指導料とシステム費用が定額なの清掃、水廻りメンテナンス、害虫駆除、店。当初は投資額の低い無店舗型ＦＣから外している。高齢者主体の生活支取締役営業本部長の深田英揮氏は草刈り・枝切り、錠前交換、遺品整理、も開設したため個人オーナーも含まれ援を行なう事業であるだけに、地域にで、営業利益率が格段に増加する。買物代行など多岐におよぶ。「ここまていたが、店舗型への移行に伴って法年にＦＣ事業を開で生活支援サービスを総合的に提供し貢献する手段として加盟したいという医療法人と社会福祉法人ているのだ。人オーナーがメインとなった。今では援の総合サービス業態を築き上げたのは、前田氏のキャリアに由来する。前田氏は同社を設立する以前に、スポーツ用品販売最大手のアルペンに勤３００万円、資機材パッケージ加盟を推進する方針だ。地域支援事業生活密着型の法人が大半を占める。今万ＦＣ加盟費用はライセンス料斗、渥美俊一氏が主宰するペガサスク１８３万円、販売促進パッケージラブに通い、米国で創出されたチェー円、管理・経理パッケージ 80 万円、開業支援費１００万円の 16 合計７３９万円。契約期間は加盟時に 60 の発足が顕著に示すように、軽度者がンストア理論を学んだ。ここで培った修費「精肉店などの単品商売に比べて知見がバックボーンとなったのだ。務。在籍中にチェーンストア理論の泰重点的なＦＣ加盟対象はているのは、たぶん当社ぐらいでしょ判断し、店長の育成が間に合わないと４２５万円（ 13 85 27 明確な意思を持つ法人だけを対象にし 99 総合サービスの普及に際し業者の約半額です」（前田氏）。 15 85 大半のＦＣが法人である。 94 う」（前田氏）と自負するが、生活支様々な生活支援サービスのワンストップ提供体制を確立したベンリーでは、多くのサービス品目の整備によって、個々のサービスについて、それぞれの同業者よりも低額の利用料金を実現できた。ひとつのオーダーから「あれもできないか？」「これもできないか？」と複数のオーダーにつながるケースも多いが、そのためにスタッフのコミュニケーション能力を重視している。また、依頼された業務に対して「できません」と回答することはなく、やむなく対応不可能な場合には専門サービス事業者を紹介している。現在はＦＣのである。て入社したタントとし超えた人材を店長と店長代理に受け入体性、弱気さ、内閉性を測定。基準をして、フットワークの軽さを表わす身導入に３年をかけた適性テストを実施を選定するために、同社が研究に３年、したり、みずから役員会に出向いて事役員会で稟議を諮る事業計画書を作成は、上井氏も徹底してフォローする。向けた加盟を考えている企業に対していう理由からだ。本気で社会貢献に面談を要請してきます」（上井氏）と賑わし始め、独居世帯の高齢者は換気一方でリフォーム詐欺の横行が世上をるなど、建築事業者の体質に直面した。期などについて自分の都合を優先させなったが、現場の職人は工事内容や納その当時、笠井氏は自宅の改修を行ていた。の加盟開発れている。業説明を行なったりして加盟の意思決研修は本部のトレーニングセンター一方、開業後の支援ではポスティンで実施する。参加対象は店長と店長代こうして開業するＦＣが成功するか店舗の家賃交渉などに同行している。この時勢に対して笠井氏は生活支援ていた。ばよいのか困惑する事態が問題になっ扇の修理ひとつでも、どこに依頼すれグ、近隣商店街や介護事業者への挨拶、理の２名が多く、ハウスクリーニング否かは、加盟企業の経営姿勢にかかっブランドの魅力で加盟定をサポートしているのだ。と直営店で日間にわたって合宿形式やエアコン工事、水廻りメンテナンサービスの需要を察知し、ＦＣフェアで目に止まったのがベンリーコーポＦＣ２店で月商１１００万円ＦＣのベンリーさいたま大宮東店はレーションだったのだ。笠井氏は加盟ている。収益至上主義の企業を外してＪＲ大宮駅から徒歩５分強、武蔵一宮を決断した理由を振り返る。ス、コミュニケーション、ワークスケで知られる氷川神社の参道入口の近く「生活支援サービスは見えやすさ、いることは既に述べたが、それを見極説明会をに店舗を構える。分かりやすい立地に分かりやすさが大切です。ベンリーはめるのは事業説明会である。統括する営加え、ブランドカラーの赤で塗られた項目にジュールなど研修メニューは及ぶ。研修で学ぶのは知識と技術だけでなく「３歩以上は駆け足で」「返事は０・２業本部開発ロゴマークをはじめブランドがしっかユニフォームの赤いジャンパーもカッ看板はいかにも目立ち、きわめて視認運営会社部長の上井門商社勤務を経て「会社とともに自分コ良く、自分でも着てみたくなりましよって、２店舗合わせて毎月件の新規オーダーが入り、累計顧客数は 80 27 53 秒で」など行動力の徹底が求められる。深田氏はは当社のウも成長したい」と志し、笠井氏はベンリーさいたま原山店をアークウェり構築されていて、安心感を与えます。リです。軍た。上井氏は説明会出席者について「収社長の笠井た（笑）」。性にすぐれた店舗である。隊のようだ支に関する質問ばかりしてくる方は当オープンさせたのち、２号店として大通常、本部の開発担当者はＦＣ事業に加盟したのは５年前で、笠井氏が宮東店をオープンさせ、現在は２店舗的は行動改説明会の出席者に対して、後日訪問し歳でファミリーマートのＦＣに加盟しさいたま市内で「ファミリーマート」健太氏は、イ有限会社博史氏は専と言われる社のＦＣにふさわしくありません」と「人材育成こともあり判断する。善を促すこて加盟交渉に入るものだが、同社は出て年が経った頃である。新しい事業４２００名。リピート率は５～８％でを運営する。とです」と席者を追いかけない。あえて営業をしの柱を探していた笠井氏はＦＣフェアを６店舗経営する手腕家だ。ベンリー語る。このないのは「当社の理念に賛同して地域ある。 15 ポスティングと折込チラシの配布に要求に適応の会場に足を運び、加盟候補先を探し 98 に貢献したいという企業なら先方から年に入社しますが、目営業本部開発部長上井　博史氏 20 できる人材 Visionと戦略 2015.5 43 アークウェイ有限会社社長笠井　健太氏取締役営業本部長深田　英揮氏と開業後の営業支援を統括している。毎月開催される FC 説明会。ベンリー本部の研修センターには宿泊設備も併設され、53 日間の開業前研修が行なわれている。研修では顧客から電話で問い合わせを受け、相談を経て、オーダーが成約するまでのロールプレイングも実施される。「“ 分かる ” だけでは不十分なので、スタッフが顧客役になって業務の発注に到達するまで、つまり “ できる ” までロールプレイングを行ないます」（開発部長・上井博史氏）。また、研修では返事や動作などの行動改善にも取り組むが、その目的は人間力を高めることにある。「ベンリーの業務はお客様の自宅の中という相手方の土俵で行なうので、様々な土俵に対応するために人間力を高めておく必要があるのです」（上井氏）。スタッフは２店舗合計で社員名に名弱の陣容で、売上高は２店舗合計で月１１００万円。この実績はベンリーＦＣの中では上位にラ５名のスタッフで１日務以外にも相談しやすい。スタッフが～５００万円にとどめ、安心感をもてば利用客も依頼した業る。むしろ月商３００「床のきしみが気になりませんか？」ので、株式上場などは考えていない」走ると社会貢献度が弱まりかねないない。前田氏は「過度な収益志向に通しで、昨年度からさほど増加していタッフは潜在ニーズを顕在化させる役頼してくるようになる。いわば女性スと布石を打っていくのだろう。われにくい事業特性を生かして、着々標に到達する計算だが、競合先が現チームを統性スタッフなでしこ」と称する女な任務である。同社は４月に自治体があるが、もうひとつ、渉外業務も枢要オープンさせれば店長に就任する道が橋爪氏にはアークウェイが３号店をるような職人気質の組織風土でなく、いと思います。自分の都合を優先させＮＡが組織に備わっていたことが大き多く、お客様へのホスピタリティのＤ「社員にファミリーマート出身者がは「女性スタッフが来てくれるのですリーニングが中心だが、利用客からハウスクリーニングやカーペットク異動した。女性スタッフの担当業務はは、大宮東店立ち上げメンバーとしてリーマートの店長を務めていた橋爪氏ば安心できるという状態にしたい」とへの対応なども「ベンリーに相談すれ野に入れている。例えば振り込め詐欺の資格をもち、高齢者の危機管理も視笠井氏は「さいたま市・市民後見人」プ作りを推進していくという。援センターなど医療介護業界とのパイ抱負を述べる。こうした生活関連ビジ 44 Visionと戦略 2015.5 なかなか対応できません」。５件強を消化する店舗と明言する。目標は向こう年で全「流しのパッキンが緩くなっています国１０００店舗の開設である。年間店舗の出店ペースで推移すれば目割も担っているのである。笠井氏は今（取材・文／小野貴史写真／原恵美子・小池環）編成して、その場で解決策を提示でき後、男性と女性をペアで訪問チームをると、改めて欠陥に気づき、修繕を依が、大丈夫でしょうか？」と問いかけを増やしたほうが現実的 ―― 笠井氏はそう考えているのだ。潜在ニーズを顕在化させる女性スタッフの安心感大宮東店副店長の橋括する。笠発足させる地域支援事業に参入するかる体制を強化する方針だ。井氏が経営否かは未定だが、橋爪氏は地域包括支爪まゆみ氏は「チーム 10 【事業所】生活支援サービス「ベンリー」直営店7店、フランチャイズ店200店するファミお客様本位の行動が身についているこか！」と驚かれることが多いという。橋爪氏はこう語る。ネスで培った知見が、介護保険制度の【FC加盟に関するお問合せ】 FAX　052―505―5134 ンクされるが、何が推進力になったのか。とが、当社の強みでしょう」（笠井氏）。「自宅の中で行なう業務だけに、女今後は２店舗の業績向上よりも新規出店にシフトさせる。月商８００万限界を補っていくのだろう。億円の見ベンリーコーポレーションの性だと安心感が違うようです。それに名のスタッフで１一人暮らしの女性宅で女性用衣類を整２０１４年度売上高は約〒452―0001 愛知県清須市西枇杷町古城2丁目10―1 TEL　052―505―8702 FAX　052―505―8704 URL　http://www.benry.com/ 11 件以上のオーダーを消化するよ円を超えると、日理する業務は、女性スタッフでないと株式会社ベンリーコーポレーション 40 10 うになるが、店長の負荷が過重にな 10 10 53 ◆Information 大宮東店副店長橋爪　まゆみ氏パートを含めてベンリーさいたま大宮東店の立地は氷川神社の参道の脇で、正面が結婚式場である。「ベンリーの店舗は幹線道路に面したコンビニエンスストアの立地が望ましい」（取締役営業部長・深田英揮氏）というが、さいたま東大宮店の立地は分かりやすい。しかも路面店で、開放的な造りであるために “ 安心のできるサービス事業者 ” というイメージが強い。オーナーの笠井健太氏は「お客様にオープンで健全なイメージを与えているので、客層にも恵まれています。クレーマーから依頼が入ったことは一度もありませんし、富裕層にとっては、いつもベンリーに依頼していることが満足感にもつながっているようです」と語る。