第122回手稲区在宅ケア連絡会開催 資料1(PDF)

平成27年6月16日(火)
手稲区在宅ケア連絡会
目標達成に向けた
サービス担当者会議とは
主任介護支援専門員
佐藤 珠美
今日の目的
・多職種でカンファレンスをする目的を学ぶ
・目標達成に向けてどのような話し合いが必要なのか
学ぶ
・多職種間の相互理解を深める
事例①
A子さん(85才) 独居/女性/要介護1
趣味は畑(冬期間は屋外に出ないため、春先は体力低下)
<身体>
・屈むと膝と腰に痛みあるが現在整形通院なし。
・骨粗鬆症のため骨折の危険性、転倒に注意するよう過去の受診で
指摘されている。
<精神心理>
・日常生活に支障なし
<社会環境>
・持家に一人暮らし
よくある継続プランのサービス担当者会議
Aさん、訪問介護事業所、通所介護事業所、ケアマネジャーが参加
<本人より>
「ヘルパーさんがきてくれて助かってます」「デイは楽しく通ってます」
<訪問介護事業所より>
・サービス内容と時間帯の確認
<通所介護事業所>
・リハビリで定期的に測定する内容の報告
・「お友達もできて楽しそうに過ごしてます」
<ケアマネジャーより>
「ケアプランの目標はまだ達成していませんので継続しましょう」
ケアプランに記載されている目標
生活全般の
解決すべき
課題
目標
長期目標
短期目標
援助内容
サービス
内容
サービス
種別
頻度
グループワーク①
1.このサービス担当者会議に点数をつけるとしたら?
(点数、その理由)
2.この会議に出席した参加者の本音は?
(Aさん、訪問介護、通所介護、ケアマネジャー)
運営基準第9条の四 解釈
各サービスが(1)共通の目標を達成するため
(2)具体的なサービスの内容として何ができるかなど
共有し、(3)専門的な見地から意見を求め調整を図る
※情報共有型カンファレンス
(1)共通の目標
ケアプランに設定される「目標」
・利用者にとっての自立した生活を送るために、当面目指す事柄
・「生活全般の解決すべき課題」の解決に向けて設定
生活全般の解決すべき課題
自立した生活
生活全般の解決すべき課題
望む暮らし
生活全般の解決すべき課題
現在の生活
「目的」と「目標」
・目的
何のために行動するのか方向性を示すもの
抽象的で長期にわたり、たどりつかないかもしれないもの
・目標
当面に目指す事柄
定性的・定量的に表現され、具体的で達成可能なもの
目的に沿っている
英語で表現される「目標」
・Aim 達成したいことがはっきりしていて、そこに努力が必要
・Goal 達成するために長い苦闘や忍耐を要する
・Wish 勝ちとる
・Objective すぐにでも達成できる具体的な目標
(2)具体的なサービスの内容として
何ができるか
・所属する機関の役割
・専門職としての役割
・強みと弱み
・地域や組織等における立場
(3)専門的見地から意見
・専門職の成り立ち
・教育訓練
・ゴール設定や終結
事例②
B夫さん(79才) 夫婦世帯/男性/要介護2
趣味は麻雀
<身体>
・右きき、脳梗塞後遺症で右半身麻痺あり杖歩行
・家でほとんど動くことがなく、自宅での入浴は困難
<精神心理>
・年相応の物忘れ
・頑固(と妻は言う)
<社会環境>
・家庭内で役割がない
グループワーク②
1.まず、何に関する情報を最優先で確認するか
2.「1の情報」は、専門職としての視点か、私的価値観による視点か
なぜ、さまざまな視点が必要なのか
生活を支えるという目的
・高齢化
・医療技術
・慢性疾患や生活習慣病
・地域で生活する条件
・背景因子の影響
多職種チームのメリット
・さまざまな視点やアイデア
・新たな視点、発見
・各メンバーの能力やケアの質の向上
多職種チームの発展過程
①知り合いになる(交渉、メンバー決定、目的の共有)
②試行と失敗(理論どおりの支援を展開、問題点の浮上)
③全体的な優柔不断(意見の対立、具体性を欠く援助方針)
④危機(ケアマネジャーへの重圧、利用者の生活継続の危機)
⑤解決(お互いの強みの再確認、ニーズの見直し、具体的な計画)
⑥チームの維持(チーム内外で相手の立場や役割を理解、弱みの指摘から強みを活用す
るチームづくりへ、利用者の自立生活へ貢献)
多職種連携やチームワークの阻害要因
・職業的価値や倫理の理解不足
・私的な価値観が与える影響
・立場(立ち位置)が及ぼす影響
・変化への抵抗
・時間がない
・利用者の立ち位置
・文化的な要因
日本人の基底的集団心性
①縦の人間関係重視→集団内の関係が形式的
②調和を重視→個(性)が集団に埋没
③表と裏の二面性→建前先行
④甘えの関係→相互依存が容易に起こる
⑤対人的な敏感さ→回避して引きこもる
サービス担当者会議運営のコツ
・事前準備
・メンバー選定
・開催の時間帯や場所への配慮
・会議のゴール設定
・会議の責任の所在を明確にする
・認識の確認
・参加メンバーにとってメリットがある会議
・開催後のフィードバック(会議録、経過報告)
参考文献
野中猛・野中ケアマネジメント研究会 著
「多職種連携の技術」
中央法規 2014
担当者会議向上委員会 著
「サービス担当者会議マニュアル」
中央法規 2012
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