PDFを見る - 富山県農林水産総合技術センター

果樹研究センター要覧
H27version
富山県農林水産総合技術センター園芸研究所
果樹研究センター
Toyama Prefectural Agricultural, Forestry & Fisheries Research Center
Horticultural Research Institute Fruit Tree Research Center
富山ならではの果物づくりのために
~H26 の主な成果~
ニホンナシ「幸水」熟度判定専用カラーチャートの開発
「スキーナトップ」
「グレンアンプル」
「ヒンボートップ」
雨よけ根域制限栽培に適したラズベリー品種の選定
ニホンナシ「なつしずく」のジベレリン処理と
マルチ処理の併用による熟期促進技術
かん た
普及に移す品種として選定したニホンナシ「甘太」
リンゴ「あおり 16」
の収穫期判定技術
リンゴ「秋陽」に対する落
果防止剤の効果
県推奨品種の栽培技術へのフォローアップ
Ⅰ 果樹研究の推進目標
富山の豊かな自然と水田を活かした特徴ある栽培技術、新たな需要の創出に向けた栽培技術を
開発します。
1 市場競争力が高い品種の選定と栽培技術の開発
2 果樹の高品質安定生産技術の開発
3 果樹の省力・低コスト生産技術の開発
4 新たな消費者ニーズに対応する生産技術の開発
系統適応性検定試験の注目系統
Ⅱ 研究課題概要(H27 年度)
1 市場競争力が高い品種の選定と栽培技術の開発
(1)系統適応性検定試験および品種比較試験
本県の気象条件に適した有望な系統、品種を選定
リンゴ盛岡 67 号
・リンゴ:7 系統、11 品種
・ニホンナシ:6 系統、9 品種
・ブドウ:3系統、24 品種
・カキ:5 系統、12 品種
・モモ:4 系統、16 品種 等
リンゴ盛岡 70 号
リンゴ「シナノドルチェ」
ブドウ安芸津 28 号 ブドウ安芸津 30 号
2 果樹の高品質安定生産技術の開発
モモ筑波 131 号
多
少
(1) リンゴ「ふじ」における気候温暖化に対応した
蜜入り促進技術の開発
温暖化にともない、県産リンゴ「ふじ」の蜜入りが不安定
となっており、本県でも安定的に蜜入りする系統を選抜
密入り程度の差異
(2) ニホンナシ「あきづき」の果肉障害対策技術の開発
「あきづき」の果肉障害の発生原因を明らかにし、その
対策技術を開発
「あきづき」の果肉褐変障害果
(3) 果樹の幼木期における樹体凍害・枯死防止技術の開発
気候温暖化に伴う樹体の耐凍性の低下に対応した、効率的な
凍害防止技術を開発
樹体保護効果の高い
資材の検討主幹保護
(4) 新規 細霧冷房によるリンゴ日焼け果の発生抑制技術の開発
近年、恒常的なリンゴの日焼け果の発生を抑制するため、
細霧冷房処理によるリンゴ日焼け果の発生抑制技術を開発
「ふじ」に発生した日焼け果
(5) 新規 リンゴ優良中生品種の各種わい性台木との親和性の解明
リンゴのわい化栽培で近年、中生品種を中心に発生している樹勢
衰弱に対応するため、各わい性台木と穂品種との組み合わせが、
樹体生育及び収量性、果実品質等に及ぼす影響を解明
現地で問題となっている衰弱樹
(6) 果樹における木材腐朽病害対策技術の調査・研究
果樹(リンゴ、ニホンナシ)の木材腐朽病害の発生実態
調査と早期診断・対策技術の開発に向けた基礎的知見を
取得
「幸水」に発生した木材腐朽菌による委縮病
3 果樹の省力・低コスト生産技術の開発
(1) 水稲複合経営に適応した富山型モモ栽培体系の確立
モモ導入経営体の収益性の向上と生産拡大のため、
摘蕾・摘花を重視し、水稲作との労働競合を軽減
モモの強摘蕾処理
できる新たなモモ栽培体系を確立
(2) 病害虫発生予察調査
・主要病害虫の発生状況を定期的に調査し、効率的な防除に活用
・新規の農薬や植物成長調節剤の効果を解明し、早期に普及
・耐性菌の出現に対応した薬剤の選定
ブラックライトによる害虫発生調査
(3) 水稲育苗ハウスを利用した省力低コスト果樹栽培技術体系の実証研究
(新潟県等との共同研究)
・ブドウのコンテナ栽培タイプでの省力管理作業方法の検討
・ブドウのコンテナ栽培タイプでの高品質化技術の検討
・イチジクのコンテナ栽培技術の実証研究
・果樹栽培のための水稲育苗ハウス利用マニュアルの作成
花穂整形用省力器具
4 新たな消費者ニーズに対応する生産技術の開発
(1) 新規 実需者ニーズに対応したラズベリーの収穫適期判定技術の確立
過熟果の発生を抑え、生果の出荷率を高めるため、収穫時の
果実色と果実品質との関係を把握し、市場出荷に対応した
カラーチャートのイメージ
収穫時期を判定するカラーチャートを作成
(2) 海洋深層水を利用した小粒イチジクの新規需要創出
結実までの樹齢が短く、地場産メリットを活かせ、外食業から
の需要も大きい小粒イチジク(コンテナ栽培)について、
海洋深層水を利用し、品質向上・熟期拡大技術を開発
供試する小粒イチジク
「コナドリア」
付加価値向上
(3) エチレン分解剤を用いたリンゴの貯蔵技術の開発(工業技術センターとの共同研究)
エチレンガス分解剤(工技セ開発)を用いた、リンゴの鮮度保持方法を開発
Ⅲ 沿革
昭和
〃
〃
〃
〃
平成
9年
37 年
57 年
60 年
61 年
20 年
(1934 年)
砺波市出町の園芸分場で果樹試験研究が開始
(1962 年)
砺波園芸分場から独立、魚津市に果樹分場
(1982 年)
魚津果樹分場を果樹試験場と改称
(1985 年)
本館及び作業棟等を新築
(1986 年)
農業技術センター果樹試験場に改称
(2008 年)~ 農林水産総合技術センター園芸研究所果樹研究センターに改称
Ⅳ ほ場、施設概要等
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
スタッフ
所長1名
研究員5名
総敷地面積 44,478 ㎡
ほ場面積
35,908 ㎡
リンゴ
140a
ニホンナシ 70a
ブドウ
40a
モモ
40a
カキ
30a
その他
30a
14 号園
系統適応性検定および品種比較試験
リンゴ「ふじ」の蜜入り促進技術の開発
ニホンナシ「あきづき」の果肉障害対策技術の開発
細霧冷房によるリンゴ日焼け果の発生抑制技術の開発
木材腐朽病害対策技術の調査研究
富山型モモ栽培体系の確立
水稲育苗ハウス利用省力果樹栽培技術体系の実証研究
ラズベリーの収穫適期判定技術の確立
海洋深層水を利用したイチジクの新規需要創出
幼木期における樹体・枯死防止技術の開発
15 号園
①
①
園内作業用通路
5号園(海側)
5号園(山側)
①
2号園
①
②
④
害虫予察灯
3号園
①
1号園
資材庫
11 号園
⑥
①
①
4号園
8号園
9号園
②⑤
堆肥盤
12 号園
①
⑤⑩
②
10 号園
①
⑩
7号園(雨除けハウス)
6号園
⑩ ⑧
作業管理棟
13 号園
7号園
①
③
アメダス
裏
門
⑦⑨
⑩
機械格納庫
ガラス室
本 館
害虫飼育室
正門
門
正
〒937-0042
富山県魚津市六郎丸 1227-1
TEL : 0765-22-0185
FAX : 0765-22-6930