腎の再生医療テーマに講演

い の ち
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)腎臓病総合医療センターの大竹剛靖・腎免疫血管
内科主任部長は「当科での再生医療に対する取り組み」をテーマに講演した。臨
ま っ しょう
床研究として実施したPAD(下肢末 梢 動脈疾患)に対する下肢血管再生療法に
ついて説明するとともに現在、進めている腎疾患への取り組みなどを紹介。自院
で再生医療による治療を
試みたりしています」
国内初の臨床研究
デル動物に移植すると、
血液透析患者さん9症例
細胞移植を受けたPAD
CSF動員末梢血単核球
を対象とし、CD 陽性
Iを有する患者さんのみ
は「透析患者さんでCL
た治療法はありません。
いまだに効果的で確立し
予後の悪い急性腎不全も、
とともに、2症例に治療
意義の大きさを強調する
洲会の鈴木隆夫理事長、
ことに、一般社団法人徳
れた環境下で研究できる
大竹・主任部長は恵ま
細胞のみ分離して投与す
②治療後の長期予後を検
を行い、安全性や臨床効
まずはこの病態を克服し
陽性細胞を下肢虚血モ
血管が再生することが1
討した。結果について大
果を検証していることな
997年に論文発表され、 を対象に、①SPPを用
難治性骨折などの治療に
竹・主任部長は「潰瘍壊
どを報告した。
ていきたい」
有効であることが基礎的
死を呈するようなCLI
以後、CLIや心筋梗塞、 いて下肢微小循環の変化、 る臨床研究は国内初」と
検討で証明されている。
には、満足できる治療効
大竹・主任部長は、実
カテーテル治療やバイパ
の他科の状況にも触れ、
「さまざまな診療科で新しい再生医療が進められるように、
末梢血単核球細胞移植に
ス手術ができないPAD
際に行った2つの臨床研
よる下肢末梢動脈疾患に
スに、培養で質と量を高
虚血性急性腎不全のマウ
再生医療について説明。
最後に腎疾患に対する
療を行ったり、今後は肝
細胞を用いた乳房再建治
形成外科で脂肪由来の幹
を表明。すでに自院では
長をはじめ関係者に謝意
究「G C
- SF動員自家
の検査を実施した結果、
対する血管新生療法」
、
これをふまえ同院は、
めたヒトのCD 陽性細
塩野正喜院長、小林副院
・6%、維持透析
血液透析導入期の患者さ
今年に入り単独で臨床研
んの
皆で頑張りたい」と、病院全体で再生医療の進歩に貢献する意欲を見せた。
後死亡率がいずれも %
と予後が悪い。このため
用いるため拒絶反応のリ
究「維持透析療法中の慢
果が得られませんでし
スクがないなどが特徴。
透析患者さんにも行うこ
陽性細胞移植による下肢
の患者さんの ・4%が 「 維 持 透 析 療 法 中 の 慢 性
血管再生療法」を紹介。
治療法の確立が、社会的・
ってはPADが一般的な
た」などと説明した。
疾患になりつつあると説
とができ、自己の細胞を
大竹・主任部長による
「G C
– SF動員自家末
重症下肢虚血患者を対象
硬化によって下
と、日本のPAD潜在患
明した。
きょうさ く
異常値を示したことを明
肢の主幹動脈が
者数は推定300〜40
PAD透析患者さんが
医 学 的 に 急 務 」( 大 竹・
狭 窄したり閉塞
0万人。無症状の人が多
心脳血管疾患を合併する
は こう
とした自家末梢血CD
したりする疾患。しび れ
いことなどから、早期発
とうつう
が見られ、CLI(重 症
し
下肢虚血)に至ると潰 瘍
え
ら抽出したCD 陽性細
いずれも患者さん自身か
る下肢末梢動脈疾患に対
梢血単核球細胞移植によ
象とした自家末梢血CD
性重症下肢虚血患者を対
検討していることを明か
胞を投与し、改善するか
りしている状況に触れ、
臓の再生医療も検討した
「さまざまな診療科で新
しい再生医療が進められ
した。
する血管新生療法」は多
るように、皆で頑張りま
陽性細胞移植による下
胞を、その患者さんの下
「臓器再生という大きな
す」と締めくくった。
テーマに取り組みたいと
思い始めました。同じく
肢血管再生療法」
(研究責
るというもの。
– を開始。大竹・主任部長
任者=小林修三副院長)
CLIを有する透析患者
骨髄のなかにあるCD
年まで参加。自院でG
施設共同臨床研究で、湘
PADの有無を評価す
さんの予後がきわめて悪
おくと、スムーズな診療
南鎌倉病院は2009〜
るには、ABI(足関節
いデータなどを提示し、
この後、認証取得病院
頻度が有意に高いことや、 肢に移植し血管を再生す
/ 上 腕 血 圧 比 )、 S P P
JMIP(外国人患者
につながり患者さんの満
療や外科的バイパス術 と
に透析患者さんへの対応
したデータを用い「とく
部長はかつて自院が検討
査法がある。大竹・主任
CLIはカテーテル 治 ( 皮 膚 灌 流 圧 ) な ど の 検
山本事務長は「旧病院が
この後、説明に立った
かかわったり、臨床研究
ームを設置し、多職種で
「当院ではフットケアチ
必要性を強調した。
対する治療戦略を講じる
透析患者さんのPADに
科、小児科、産婦人科、
数は132床。内科、外
階・地下1階建て。病床
909・ ㎡で、地上7
入れ実践セミナー〜JM
日、
「外国人患者受
湘南鎌倉総合病院は2
開院後の病院運営につ
地で運営中の茅ヶ崎徳洲
お現在、旧茅ヶ崎病院跡
リストとして参加した。
学ぶ〜」に招かれ、パネ
IP認証病院の事例から
ける医療の国際展開」
、
開院にともない閉院する。 係長が「厚生労働省にお
会クリニックは、新病院
JMIP認証の審査業務
推進室調査係の高木庸介
政局総務課医療国際展開
セミナーでは厚労省医
同院は
年3月に国内第
療機関を評価する制度。
け入れる体制が整った医
は、外国人患者さんを受
り組みを紹介。トラブル
に各担当者が自施設の取
事前アンケートをもと
壇した。
室の石田亜紗子職員が登
病院からは国際医療支援
医療センター。湘南鎌倉
米盛病院、りんくう総合
病院、函館新都市病院、
た。参加施設は湘南鎌倉
ディスカッションを行っ
IP認証審査の受審がき
重 要 で す 」。 ま た、 J M
員をサポートすることが
ので、担当部署が他の職
担に感じる職員もいます
支援の重要性も指摘。「負
ツを披露。一方で、職員
か ん りゅう
足度も高まります」とコ
いった血行再建術が不 可
が重要」と指摘。SPP
移転した際、このままだ
整形外科、循環器内科、
を行う一般社団法人日本
セミでパネリスト
担当者が登壇し、パネル
受入れ医療機関認証制度) のなかから4病院の実務
欠となり、無効なケー ス
るのが茅ヶ崎病院だ。同
と茅ヶ崎駅の南側に急性
救急外来(ER)に加え、 いて山本事務長は「地域
健診センタ
とができる地域完結の医
などで構成。 介護サービスを受けるこ
ー、剖検室
療を目指します」と宣言。 説」をテーマに発表。
域の方々が、
適切な医療・
設との連携を通じて、地
あるご質問やポイント解
IPの受審におけるよく
の石井雅典課長が「JM
医療教育財団認証事業課
テーマに語った。
認証取得後の変化などを
に向けた取り組み内容、
の未然防止策、認証取得
さんや問い合わせが増加。
て、海外からの来院患者
院は昨年から今年にかけ
1号として取得。
手術室は4室を用意。駐
(海外病院含む)。
識向上につながったこと
12年 月、茅ヶ崎市 か
新病院が建
車場は120台分を確保
体制強化が奏効し、同
など成果を強調した。
同院の野口有生院長と、
ら隣接する藤沢市に移 転
病院を開設してほしいと
その跡地に
山本隆之事務長が新病院
強い要望が出ました。当
した。
どにも取り組んでいく意
図り、在宅医療の充実な
聴取し、担当医に伝えて
きたいことや要望などを
用して、事前に医師に聞
一歩です。待ち時間を利
本化がトラブルを防ぐ第
石田職員は「窓口の一
と思います」と説明した。
とが評価されているのだ
る環境を整備してきたこ
安心して当院を利用でき
者さんが増えています。
で当院を知ったという患
石田職員は「主に口コミ
ちます。旧・茅ヶ崎病院
院開設の背景には、こう
定。翌日にお産の予約外
向だ。
の連携強化や役割分担を
また、湘南藤沢病院と
し、湘南藤沢徳洲会病 院
外国人患者さん満足度向上
や適用できないケース で
院の開院により、グルー
期病院がなくなってしま
透析室( 床)
、
内視鏡室、 の診療所や病院、介護施
13
としてオープン。その 後 、 が 新 築 移 転 し 現 在 、 診 療
旧・茅ヶ崎病院は20
を行っている湘南藤沢病
した地域の声があります」
来のみ開始し、5月1日
4月 日に内覧会を予
院や、地域の開業医の先
にフルオープンする。な
と経緯を説明した。
㎡、延床面積2万
同院は敷地面積778
8・
「職員をサポートするこ
とも重要」と石田・国際
医療支援室職員
旧病院を解体し、新病 院
の建設を進めてきた。
徳洲会グループは今 年 、 生 方 と 連 携 し な が ら 、 地
い」と展望を語った。
63
4病院を新設する予定 で 、 域 医 療 に 貢 献 し て い き た
そのトップバッターと な
26
る 病 院 で す。
52
月
は下肢大切断率、6カ 月
プ病院は 院に到達する
うため、茅ヶ崎市や茅ヶ
「当院開設の背景には
地域からの強い要望が
あります」と山本事務長
の概要を発表した。
10
18
4月 日にはお産外来スタート
っかけとなり、職員の意
冒頭、野口院長は「茅
崎医師会などから跡地に
や壊死が起こる。
主任部長)となっている。 かし、透析患者さんにと
や冷感、間欠性跛行(歩
見が重要だ。
PADは動脈
行時の疼痛)などの症状
「CLIに対する新しい
34
12
ヶ崎病院は徳洲会が関東
新・茅ヶ崎徳洲会病院
旧・茅ヶ崎徳洲会総合
病院(神奈 川 県 ) の 跡 地
で新築工事を進めてきた
34
で初めて開設した由緒あ
5月に保険診療開始
腎の再生医療テーマに講演
新・茅ヶ崎徳洲会病院。
34
34
J M I P
40
大竹・湘南鎌倉総合病院主任部長
開院を間近に控えるなか、
臓器再生にも取り組んで
いることを明かした大
竹・主任部長
34
34
41
24
25
27
70
CD34陽性細胞用い移植治療
「他の病院や診療所な
どと連携を図りながら、
地域医療に貢献してい
きたい」と野口院長
平成 27 年 4 月 6 日 月曜日│No.974 ❹
聞
新
洲
徳
生 命だけは平等だ