磯 﨑 靖 水分条件 乾燥に強い作物ですが、生育初期で乾燥状態になると 5 普通期水稲の植え 付け前の注意点 北薩地域振興局農林水産部 農政普及課出水市駐在 飯山 光太郎 水稲の栽培では、適正な移植時期、栽植密度を守り、 効果が長続きする薬剤を使用することで、病害虫被害の 生育が遅れ、収穫期に乾燥すると草勢・品質の低下が起 こりやすくなります。 雨水がほ場内にいつまでも溜まっていると生育不良や 軽減、米の品質の向上や収量の確保につながります。 【適正な移植時期】 6月 25 日頃 病害発生の原因となるので、排水溝を設置し、排水対策 を行ってください。 間引き 【適正な栽植密度・10㌃当たりの所要育苗箱数】 18 ~ 22 株/㎡(60 ~ 70 株/坪) 20 箱程度/ 10㌃ 本葉5~7枚までに、生育の遅れたものや病害虫にお かされたものを間引き、1穴当たり3本立てとします(ハ サミで地際から切る)。 【長期残効の箱施薬(トビイロウンカに対して)】 ビルダーフェルテラチェス粒剤 ルーチンクアトロ箱粒剤 摘 葉 葉が茂りすぎると光線の透過や風通しが悪くなるた め、収穫果の下2枚程度を残して摘葉します(草勢によ り調整してください)。 かん水 開花前から開花始め頃は、かん水を控え気味に行い、 収穫期は生育に応じてかん水しましょう。 草勢管理 草勢は強すぎても弱すぎても収量・品質の低下を招き ます。強い場合は、着果が悪くなり、イボ果・曲がり果 等の発生が多くなります。弱い場合は、花蕾の成長が悪 くなります。 摘葉、追肥・葉面散布等を行い、草勢の調整を行って ください。 収 穫 早朝に長さ9㌢程度で収穫します。雨の日に収穫した 時は風乾を行ってください。 病害虫防除 病害については、梅雨に入ると降雨・曇天の影響によ り、黒斑病・葉すす病・灰色かび病等の発生が多くなり ますので、ほ場の風通しを良くし、薬剤散布は予防を重 点に行ってください。 害虫については、ホリバーシート等を活用し、アザミ ウマ・アブラムシの発生予察と密度の低下に努め、発生 初期の防除を行いましょう。 農薬散布の注意点 農薬を散布する時はオクラに適用(登録)のある農薬 を使用基準を遵守して、周辺ほ場の作物への飛散が無い ように散布してください。 農作業メモ 園芸農産事業部 園芸農産指導課 農産 月 園芸 オクラの管理 適正な移植時期のメリット 1 高温時期の出穂を避けることで、米品質が向上しま す。高温時期の登熟は、乳白米等の発生が増加します。 特に、ヒノヒカリは高温の影響を受けやすいので、6 月上旬などの早植えは避けましょう。 2 ウンカ類やコブノメイガが飛来する梅雨の期間を過 ぎるまで、箱施薬剤の効果を十分発揮できます。箱施 薬剤には、坪枯れを引き起こす「トビイロウンカ」に 対して効果が長続きする、ビルダーフェルテラチェス 粒剤やルーチンクアトロ箱粒剤を使用しましょう(表 1)。 表1 各箱施薬の病害虫に対する残効 コブノ メイガ いもち病 紋枯病 ビルダーフェルテラチェス粒剤 ◯〜◎ ◎ ◯ ー ルーチンクアトロ箱粒剤 ◎ ◯〜◎ ー ◎ ◯〜◎ ー 薬剤名 トビイロ ウンカ ◯ ツインターボフェルテラ箱粒剤 △〜◯ ビームアドマイヤースピノ × △〜◯ ◯ ー フ ル サ ポ ート 粒 剤 × △〜◯ ◯ ◎ ◎長い、○やや長い、△やや短い、×短い、-効果なし 適正な栽植密度のメリット 1 収量増に必要な茎数・穂数の確保が容易にできます。 天候不良の年でも、収量減となる危険性が少なくなり ます。 2 遅れ穂の発生が少なくなります。穂の生育が揃うこ とで、くず米の割合が減ります。整粒歩合が高まると、 検査等級や食味の向上につながります。 ほほえみ 2015年5月号 14
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