金属プレス技術分野の

3.3
3.3.1
金属プレス技術分野
金属プレス分野ロードマップの考え方
(1) 金 属 プ レ ス 技 術 分 野 の 範 囲
金属プレスの技術は成形、分離、接合と目的が分かれていて、技術も別個のものが
多い。素材としては板、管、形材があり、それぞれの加工法が異なる。ユーザは自動
車 部 品 が 70%を 占 め る が 、 自 動 車 以 外 の 輸 送 機 器 、 電 機 部 品 、 OA 機 器 、 精 密 機 械 部
品、厨房機器、建築金物など用途は多岐にわたる。製品の大きさも、輸送機器のよう
な大形から医療機器のように微細な製品に至るまで種々雑多である。加工機械はプレ
スが主体であるが、回転成形機、高エネルギ成形機、液圧成形機、板金加工機、イン
クリメンタルフォーミング、熱成形機などこれまた多岐にわたる。型は一対の剛体専
用型を用いるのが普通であるが、ゴムのような柔軟体、液体、気体などもあるしダイ
レスフォーミングと言って型を用いない成形法もある。以上のように、加工目的、素
材、加工機械、用途、型などによって分類することが必要である。
(2) 金 属 プ レ ス 技 術 の 現 状 ・ 課 題
金属プレス技術の現状は、生産のグローバル化の中でいかに我が国特有の技術を持
ち合わせるかである。素材の高騰、高い人件費、生産変動への対応、高付加価値化、
高 品 質 の 保 証 を 目 指 し て 日 夜 度 量 区 を 続 け て い る の が 現 状 で あ る 。そ の た め の 課 題 は 、
①高精度、高付加価値、高機能製品の創出
②他分野からの工法転換
③多品種、中・少量生産、生産量変動対応
④高品質、高付加価値、高精度製品の安定生産と低コスト化
⑤ 環 境 負 荷 の 少 な い 製 品 (軽 量 化 )、 生 産 技 術 の 開 発
⑥新産業・新技術分野開拓に必要な技術
⑦グローバル生産で生じる量変動に対応した生産設備、移動に強い生産設備
⑧シミュレーション技術の高度化
な ど に 分 類 で き る 。こ れ ら の 技 術 の う ち ① か ら ④ ま で を 要 素 別 に 分 類 す る と 表 1 の よ
う な 技 術 に ブ レ ー ク ダ ウ ン で き る 。⑤ に つ い て は 図 1 表 2 技 術 要 素 と 課 題 が 分 類 で き
る。⑦に関しては図 2 に望ましいシステムを示す。
135
表 1
需要創出に係わる技術の方向性、要求される機能と技術課題
図 1
プレス加工における環境負荷低減に係わる技術要素
136
表 2
環境負荷低減に係わる技術の方向性、要求される機能と技術課題
図 2
インターネットを活用した新時代のシミュレーション環境
137
(3) 金 属 プ レ ス 技 術 の 展 望
将来の金属プレス技術の方向性として今般、金属プレス技術戦略をまとめたが、そ
の概念図である「革新的次世代金属プレス技術」を本項の文末に掲載する。
(4) 金 属 プ レ ス の 技 術 開 発 課 題
(a) 被 加 工 材 の 改 良 技 術
・ 難 加 工 材 の 改 良:ハ イ テ ン 鋼 材 、マ グ ネ シ ウ ム 、ス テ ン レ ス 、高 力 ア ル ミ ニ ウ ム
板材の成形性改善
・ 素 材 の 改 良 :残 留 応 力 、加 工 硬 化 、板 厚 精 度 、力 学 的 特 性 、表 面 性 状 、耐 食 性 な
どのばらつきがプレス加工品の不良につながるので高精度製品に適した素材を
開発する必要がある。
・ 高 精 度 の 極 薄 板 (0.1mm)で か つ 成 形 性 の よ い 素 材 の 開 発 、
・ 高 強 度 で か つ 成 形 性 の よ い 板 材 の 開 発 (超 微 細 粒 鋼 、 r 値 の 高 い ア ル ミ ニ ウ ム な
ど)
(b) 難 加 工 材 対 応 技 術
・ 超 塑 性 、熱 (温 間 、熱 間 )、加 工 速 度 (電 磁 成 形 、爆 発 成 形 )、潤 滑 、型 、加 工 機 械 (サ
ー ボ プ レ ス 、 対 向 液 圧 プ レ ス 、 ダ イ レ ス 成 形 機 な ど )に よ る 対 応
(c) 軽 量 化 部 材 の 開 発
・ 軽 い 材 料 (ア ル ミ ニ ウ ム 、 マ グ ネ シ ウ ム 、 チ タ ン )の プ レ ス 技 術
・ 強 い 材 料 (ハ イ テ ン 、 ス テ ン レ ス 鋼 )の プ レ ス 技 術
・ 部品点数を減少するために複雑かつ大形成形部材のプレス技術
・ 軽 量 接 合 技 術 (か し め な ど の 塑 性 結 合 )と 異 材 接 合 材 (テ ー ラ ー ド ブ ラ ン ク )の プ レ
ス技術
・ 板 鍛 造 (FCF)に よ る 駄 肉 の 無 い 部 材 の 開 発
・ 精密打ち抜きと冷間鍛造との複合加工による駄肉の無い部材の開発
(d) 生 産 技 術 の 高 度 化 (低 コ ス ト 化 、 高 精 度 化 、 フ レ キ シ ブ ル 化 )
・ サーボプレスによる生産タクトの向上、省エネ化、低騒音化
・ 多軸加工機による型の簡略化と製品精度の向上
・ 金型の知能化、型内センサの組み込みによる型寿命の予測、損傷検出
・ 成 形 と 組 み 立 て の 同 時 化 技 術 、プ レ ス 機 械 で 加 工 と 組 み 立 て を 同 時 に 行 う 、一 型
内で成形と接合を行う技術
・ IT 技 術 に よ る 金 型 設 計 の 大 幅 な 見 直 し
・ 材料歩留まり向上技術
・ ドライ加工による無潤滑プレス加工
・ プ レ ス 加 工 品 の 自 動 検 出 技 術 、 3D 精 密 測 定 、 イ ン プ ロ セ ス 制 御 で の 不 良 発 生 防
止技術
・ 加 工 部 品 の 搬 入 ・ 搬 送 ・ 搬 出 の 自 動 化 、 金 型 の 自 動 交 換 、 段 取 り の 自 動 化 、 24
時間無人化運転技術
・ プレス工場の一元管理、群管理システム
138
・ 量変動に対応した生産設備、移動に強い生産設備
・ デ ジ タ ル エ ン ジ ニ ア リ ン グ 技 術 の 開 発 、CAD/CAM/CAE で の 情 報 共 有 化 、3D デ
ータの活用
・ 少 量 生 産・生 産 量 変 動 対 応 技 術 の 開 発 、逐 次 成 形 、複 合 加 工 、ダ イ レ ス 成 形 、積
層 金 型 、 3DCAD を 用 い た 即 時 図 面 化 な ど に よ る 対 応
(e) 新 規 ユ ー ザ へ の 対 応 技 術 (新 産 業 ・ 新 技 術 分 野 の 開 拓 )
・ 医 療 福 祉 分 野 で の 高 精 度 マ イ ク ロ 部 品 、 無 痛 針 、 ス テ ン ト な ど SUS、 Ti 板 材 の
極薄製品のプレス加工
・ 燃 料 電 池 セ パ レ ー タ の 微 細 プ レ ス 加 工 、エ ッ チ ン グ の 代 替 え 工 法 と し て の 高 精 度
加工
・ 電 気 回 路 部 品 、微 細 化 が 進 む 電 気 回 路 部 品 に お い て 、立 体 プ リ ン ト 基 板 熱 プ レ ス 、
コネクタの高信頼性機械接合、極微細コネクタのプレス加工
・ 家 電 プ ラ 製 品 の 不 燃 化 (金 属 化 )、プ ラ ス チ ッ ク の 射 出 成 形 並 み の 複 雑 形 状 部 品 の
プレス加工
・ 自 動 車 の 高 衝 撃 吸 収 パ ネ ル の 成 形 、薄 板 の 高 段 差 成 形 な ど 、薄 く て も 高 衝 撃 エ ネ
ルギ吸収能のあるパネルの開発
・ 製 品 の 高 意 匠 化 、 美 麗 金 属 の 薄 板 鍛 造 、 木 材 の プ レ ス 加 工 (木 目 を 強 調 し た パ ネ
ル)
(f) プ レ ス 加 工 高 度 化 の た め の 基 盤 技 術
・ 多軸応力を受ける材料の変形特性評価
・ 材料の異方性を高精度に測定する技術
・ メーカ共通材料データベース
・ 産学官連携の強化
・ シミュレーション支援室の設置
(g) 環 境 対 応 技 術
・ ドライ加工による無潤滑プレス加工、塩素レスなど無公害潤滑剤の開発
・ 材 料 歩 留 ま り 向 上 、 ス ク ラ ッ プ レ ス 、 100%リ サ イ ク ル 技 術 な ど 省 資 源 技 術
・ サーボプレスによる騒音・振動低減技術
・ 加 工 機 の コ ン パ ク ト 化 、 省 エ ネ 化 (エ コ プ レ ス )
・ EFM(エ ミ ッ シ ョ ン フ リ ー マ ニ ュ フ ァ ク チ ュ ア リ ン グ )技 術
(h) グ ロ ー バ ル 化 へ の 対 応 技 術
・ 世界生産に伴う量変動に強い生産システム、移動に強い生産加工機
・ 技術・技能の流失を防ぐ見えない化
・ 海外の環境・安全技術を上回るものづくり現場の実現
・ オペレータの技能に寄らない高信頼性生産技術
・ 地域コストに見合った自動化ライン
(5) 人 材 確 保 ・ 育 成
素形材業界に共通した課題であるが、人材の量・質の確保は大きな悩みである。人
139
材確保と育成は個別企業の努力では限界があり公的機関による対応が必要である。ま
た 、 定 着 率 の 低 さ も 大 き な 課 題 で あ り 、 3 年 以 内 の 離 職 率 は 30%を 超 え て い る 。 労 働
時 間 、 作 業 環 境 、 3K 職 場 、 賃 金 な ど 業 界 内 で 解 決 す べ き 課 題 の 抽 出 、 解 決 策 の 指 針
などは業界団体で作成すべきであろう。以下に具体的課題を示す。
・ 金型設計者の教育機関の設置
・ シミュレーションに関する教育の普及
・ 大学・高専での素形材技術教育の整備
・ 金型製作に伴う技能の伝承体制の整備
140
革新的次世代金属プレス技術
-高度知能化プレス成形・オン・デマンド生産体制-
ユーザーニーズ
全産業に共通
: 高品質・低価格・短納期
プレス製品提案力
自動車産業
: 高強度・軽量化・高精度部品
情報・電子・先進産業 : 微細精密成形部品
材料分野の革新
金属プレス技術の将来像
①高付加価値ネットシェイプ成形
(高精度・複雑形状・高強度・軽量化製品)
②加工技術の知能化 (金型・機械の知能化、見える化)
③環境対応技術 (エコプレス・省資源加工・リサイクル)
④価格競争からオンリーワンを目指した商品開発へ
金属プレスの基盤技術と生産技術
高強度材料
軽量化材料
複合材料
高板厚精度の材料
工法開発
生産技術
金
材料特性データ
ベース
型
鍛圧機械
高度知能化技術
ハードとソフトの融合(シミュレーション、計測、制御)
川下
基幹産業
自動車 情報機器
電気・電子製品
先進産業
航空機 宇宙 医療
ロボット バイオ
将来像
技術と技能の融合
・高度知能化
プレス成形技術
・オン・デマンド生産体制
(種類・量・リードタイム)
金属プレス技術のプロセス革新
需要創出に
係る技術
環境負荷低減
に係る技術
新産業・新技術
に係る技術
生産体制に係
る技術
・複合成形
・複動成形
・ダイレス成形
・微細精密成形
・形状凍結技術
・難加工材成形
・塑性結合
・超音波応用等の
特殊加工技術
・エミッションフリーマ
ニュファクチャリング
・ネットシェイプ成形
・高強度・軽量化材料
の成形
・工程短縮成形
・ドライ成形
・高寿命金型
・微細・精密成形
・新材料への対応
・高機能・高精度
成形機
・金型製作技術
・成形・生産性予
測・計測等の
評価技術
・デジタルエンジニ
アリング
・コンカレント・ エン
ジニアリング
・グローバル化
・高度ネットワーク
化
・多品種少・中量
生産システム
素形材データベース(知的資産)の構築 141
燃料電池
NEDO資料より
3.3.2 金属プレス技術分野のロードマップ概要一覧
【重点化の評価】
1.日本の技術競争力優位
2.共通基盤性
3.ブレークスルー技術
4.市場のインパクト
Ⅰ. 高品質、高付加価値の素形材製品を製造するための技術
中項目
Ⅰ-1
新機能を実
現するため
の新材料
技術
(1) 新 材 料
開発
小項目
(テーマ名)
Ⅰ○
1 高精度板材の開発
Ⅰ○
2 ハイテン材加工用金型
強 化 技 術 / 鋼 材 (SKD
等)を使用しない型製
作→鋳物への PVD 処
理(ハイテン対応)
Ⅰ○
3 成形性に優れた軽量化
用材料(高張力鋼板、ア
ルミニウム合金、マグ
ネシウム合金、チタン
合金)の開発
Ⅰ○
4 低価格マグネシウム板
材
Ⅰ○
5 金属板の表面制御によ
るプレス成形性の向上
重要度
◎
◎
開発・実用化・普及 線表
技術の概要
現在
5 年後
10 年後
15 年後
20 年後
25 年後
5.基礎技術の開発が必要
6.安全・安心の確保のために必要
7.標準化の検討が望まれる技術
8.省資源、省エネルギ
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
プレス加工製品の精度を向上させるため、素材とな
10 年後
る金属板の厚さを全長・全幅に亘って高精度に制御 現 5
●
する技術。及び、製品の寸法精度を阻害する素板の ● ●
開発 実用化 普及
残留応力を完全に除去する技術。
設備も含めた
高精度板材製
造技術
○ ○ ○ ○ ○
ハイテン材のプレス成形で問題となる型かじりを
なくし、金型寿命を向上させる。/金型製作費の低 現 2 4 年後
● ● ●
コスト化。
開発 実用化 普及
金型用材料の
製造技術
金型表面処理
技術
標記軽量化用材料の成形性を格段に向上させるた 材料により異なる。
10 年後
めの、合金成分制御、ナノレベルからの組織制御及 現 5
● ●
●
び結晶方位制御技術。
材料製造技術
評価試験方法
○ ○
○
10
15 年後
●
●
実用化 普及
プレス成形の高精度化及び成形性の向上のために
は、金属板表面の粗さや清浄度を制御する技術、あ 現
●
るいは板表面に皮膜付与を行う技術の開発が必要
10 年後
●
5
●
押出・圧延技
術の開発
○
○ ○ ○
トライボロジー・
トポロジー技術
○ ○ ○
○
開発 実用化 普及
Ⅰ○
6 環境に適したプレコー
ト金属板の開発
プレス油は揮発し環境に悪影響を与える。金属板に
予め潤滑膜を付与することにより環境対応を行う。 現
●
5
●
10 年後
●
開発 実用化 普及
142
○
○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
開発 実用化 普及
マグネシウムは高価な材料なので、その低価格化が
実現すればマグネシウムのプレス製品化が加速さ 現
●
れる。
開発
8
高分子材料の
開発と接着技
○ ○
術
○ ○
中項目
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
高ひずみ速度で超塑性成形が実現されれば、生産性
Ⅰ○
7 高ひずみ速度でも超塑
が向上しプレス製品化が加速される。
現
10
15 年後
性を発現する材料の開
●
●
●
発
開発
実用化 普及
Ⅰ○
8 電子部品用極薄銅合金
板の開発
電子部品用極薄銅合金板はコネクタ部品の高度化
に不可欠である。
現
●
開発
Ⅰ○
9 超微粒ハイテン鋼材の
開発
(2) 新 材 料 Ⅰ○
10 塑性結合技術(軽合
の加工技
金、高強度鋼板、表
術
面処理鋼板、異材)
成形性に優れた超高強度の開発により、薄肉製品の
製造が可能となり、たとえば輸送機器の軽量化が加 現
●
速される。
開発
◎
Ⅰ○
11 異材テーラードブラ
ンク成形技術(異材
接合、成形)
塑性結合技術は材料の流動性と残留応力、さらに塑
性変形に伴う金属間の結合を利用して部材を接合
する方法である。現在の板材接合技術の主流は溶接
であるが、塑性結合は溶接に比較して高精度であ
り、意匠性、生産性、品質安定性、さらに CO2 排
出量が少ないなど環境調和性にも優れた特徴を有
している。この技術は、溶融を伴わないために異種
材料の接合にも適している。そこで、アルミニウム
など軽合金や高張力鋼板、表面処理鋼板や異種材料
間の溶接に換わる接合技術の確立を図る。
異材溶接、接合技術と成形技術による異種材のテー
ラードブランク技術を確立し、製品の軽量化や強度
向上に資する。
現
●
5
●
10
15 年後
●
●
実用化 普及
10
15 年後
●
●
実用化 普及
10 年後
●
25 年後
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
材料製造技術
○ ○ ○
○
高精度・高品
質材料の製造
技術
○ ○ ○
○
ナノレベルの
材質制御技術
の確立
○ ○ ○
○
接合技術と防
食技術
開発 実用化 普及
○ ○ ○
現
●
5
●
10 年後
●
○
○
○
○
溶接技術
防食技術
開発 実用化 普及
Ⅰ○
12 厚 板 成 形 技 術 (6 ~
15mm)
◎
板鍛造技術も含めた厚板成形技術の確立を図るこ
とにより、部品の生産性、高剛性化、重量軽減に有 現
●
効であり、輸送機器の軽量化が加速される。
金型技術
5
●
10 年後
●
開発 実用化 普及
143
○
○ ○ ○ ○
○
中項目
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
Ⅰ○
13 高強度材(高張力鋼板 ◎ 高張力鋼板・超高張力鋼板など高強度板材の成形品
10 年後
など)の精密成形技術
の精度向上を実現することにより、軽量化推進・安 現 5
● ●
●
全対策などに寄与する製品の拡大を図る。
25 年後
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
材料製造技術
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
開発 実用化 普及
Ⅰ○
14 極薄高機能材料の成形
技術の開発
高機能電子部品用板材の機能劣化、性状劣化を抑え
る成形技術の開発。
現
●
材料開発
開発
Ⅰ○
15 高品質ステンレス鋼板
成形技術
高品質なステンレス鋼板において、表面荒れ、リジ
ング、時期割れ発生を抑制しながらの絞り成形技術 現
●
の開発。
10
15 年後
●
●
実用化 普及
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
熱利用技術
5
●
10 年後
●
開発 実用化 普及
Ⅰ○
16 アルミ・マグネ・チタ
ンに最適のプレス技術
開発
◎
Ⅰ○
17 アルミブロー成形技術
アルミニウム・マグネシウム・チタンは鋼板と比較
すると難成形材料であり、鋼板並みのプレス加工技
術が望まれる。技術開発の課題抽出と新たなプロセ
スの開発を進める。特に異種材料のプレス技術応用
の促進を図る(各分野間の技術交流促進)。
アルミ板を温間でブロー成形することにより、複雑
形状部品が 2 工程で成形できるようになり、部品形
状の一体化や成形時間の短縮化が図れる。
材料により異なる。
現 5
10 年後
● ●
●
◎
Ⅰ○
19 サーボプレスの高度化
と利用技術の開発
◎
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
開発 実用化 普及
現 3 6 年後
● ● ●
開発
Ⅰ○
Ⅰ-2
18 高 度 知 能 化 プ レ ス 成
高度な生
形システム
産を可能と
する技術
材料開発
CAE 技術
実用化 普及
材料開発
アルミ板の温
間域材料モデ
ルの精度
デジタル制御、インライン計測・補正技術、生産条
13 年後
件の最適化、シミュレーション技術との融合等の高 現 5
● ●
●
機能な装置や制御を有するプレス成形システム。
開発 実用化 普及
機械・金型
プレスのスライド速度、モーション、ストローク長
10 年後
さ、加圧力、位置などの制御機能と、データバンク 現 5
●
や IT 機能、さらに金型や装置との複合・複動成形 ● ●
技術による高度化成形技術。
開発 実用化 普及
工法・機械
144
○ ○ ○
○ ○ ○
○
○
○
○
○ ○ ○
○ ○
中項目
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
成形製造コストの低減のため、素材や金型等の交換
Ⅰ○
20 プレス成形システムに
10 年後
や段取り時間の短縮も含めた、搬入・搬送・搬出の 現 5
おける搬入・搬送・搬
● ●
●
高速化。
出の高速化技術
25 年後
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
プレス機械との
マッチング
○ ○
開発 実用化 普及
Ⅰ○
21 高精度・高機能な多軸
成形機と複動成形技
術(チューブハイドロ
フォーミングを含む)
◎
Ⅰ○
22 複合成形機(他分野の
工法との組合せ)
◎
Ⅰ○
23 難削材並びに難加工形
状/微細・高精度・高ア
スペクト比/等に対応
した機械群、工具の開
発
Ⅰ○
Ⅰ-3
24 ダイレス成形技術
高品質・高
付加価値を
実現するた
めの新プロ Ⅰ○
25 板 鍛 造 等 の 高 度 複 合
セス
プレス成形技術
(焼結、切削部品からの
工法転換技術)
Ⅰ○
26 微細・超精密成形技術
ネットシェイプ成形や工程短縮のため、高精度・高
10 年後
剛性のプレスと高機能な多軸加圧装置(クッション 現 5
●
なども含む)を有する成形機による複動成形技術の ● ●
高度化。
開発 実用化 普及
工法・機械
プレス加工とレーザー切断・結合・加熱工程等の塑
7 10 年後
性加工分野以外の加工法がシステム内に集約され、 現
● ●
プレス製品の高付加価値化や多品種中量生産に有 ●
開発 実用化・普及
効な成形機。
工法、機械
切削機械においては、高速回転・高加速度・高精度
10 年後
機械の要望から、難削材並びに、難加工形状/微細・ 現 5
●
高精度・高アスペクト比/等の電気加工機械、ナノ ● ●
加工機械群が挙げられ、それに伴う工具(焼結ダイ
開発 実用化 普及
ヤ、Sic)・鋼材(超硬、インコネル)の発展も望まれ
る。
工具の開発、
工具メーカの
協力
多品種小・中量生産、リードタイム短縮に対応する
インクリメンタルフォーミングや電磁成形、超音波 現
●
付加等のダイレスの成形技術。
工法・機械
5
●
○ ○
○ ○
○ ○
○
○
○ ○ ○
10 年後
●
○
○
○
○
開発 実用化 普及
◎
◎
塑性加工の各種工法を組合せるネットシェイプ成
10 年後
形技術。例えば、鍛造工法、精密打抜き、複動成形、 現 5
●
塑性結合等との高度複合プレス成形技術。切削、焼 ● ●
結等からの工法転換により、省エネルギの成形技
開発 実用化 普及
術。
金属材料のミリ/マイクロン/ナノメートル・オーダ
の微細形状をプレス成形する超精密成形技術。
現
10
16 年後
●
●
●
開発
実用化 普及
145
工法・機械・金
型
○ ○
工法・機械・金
型・材料
○
○ ○ ○ ○ ○
○ ○
○
中項目
小項目
(テーマ名)
Ⅰ○
27 逐次成形
重要度
開発・実用化・普及 線表
技術の概要
現在
成形荷重や工程を分散させてプレス加工する成形
技術。回転成形や 1 ストローク内での順次成形等。 現
●
多品種中量生産や環境負荷低減にも貢献する。
5 年後
10 年後
15 年後
20 年後
25 年後
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
工法・機械
5
●
10 年後
●
○
○ ○
開発 実用化 普及
Ⅰ○
28 精密温度制御成形技術
(温間・恒温・極低温成
形)
難加工材の成形のため、素材の適正温度加熱・冷却
や金型内部の温度分布を制御する成形技術。
現
7 10 年後
●
● ●
開発 実用化・普及
Ⅰ○
29 高品質せん断加工技術
せん断加工は最も一般的な技術だが、究極の目標は
ばり無し、ダレ無し、そり無し、全面せん断となる。 現
●
さらに小物加工分野ではカス上がり対策も重要。
5
●
○ ○
10 年後
●
○
○
○
○
開発 実用化 普及
Ⅰ -4 新 規 Ⅰ○
30 バイオ分析、医療用マ
ユーザ分
イクロデバイスの金
野に対応
属成形技術
する新素形
材製品
◎
Ⅰ○
31 燃 料 電 池 セ パ レ ー タ
向けの微細プレス加
工技術
◎
ナノ・マイクロ成形に適した超微細結晶粒径の素材
や金型部材の開発、ナノ精度の金型創成技術、マイ 現 5 7 8 年後
クロ部品のハンドリング・組立技術、ナノ・マイク ● ● ● ●
ロ成形に適したプロセス・成形機械、また、材料物 開発 実用化 普及
性の計測評価、プロセスセンシング・制御技術、数
値シミュレーションなどによる変形の予測技術を
確立する。さらに、他の加工との融合による複合加
工技術の開発も開発する。
素材の開発
金型の精度
0.1mm~0.2mm の極薄 SUS あるいはチタン板の
高精度プレス技術で型、機械、材料の全ての技術を 現 3 5 年後
● ● ●
集結する必要がある。
素材の開発
型・機械の開
発
○
○ ○ ○
○ ○
○ ○ ○ ○
○
開発 実用化・普及
Ⅰ○
32 電気回路部品加工技術
微細化が進む電気回路を構成する部品において、立
10 年後
体プリント基板熱プレス、コネクタの高信頼性機械 現 5
●
接合、極微細コネクタのプレス加工、チップ搭載部 ● ●
面の品質向上プレス成形などの技術を開発。
開発 実用化 普及
146
電気的接続・
接合技術の開
発、標準規格 ○
の合意
○
○
【重点化の評価】
1.日本の技術競争力優位
2.共通基盤性
3.ブレークスルー技術
4.市場のインパクト
Ⅱ.設計・製造プロセスを高度化するための技術
小項目
重要度
技術の概要
(テーマ名)
Ⅱ-1
Ⅱ○
1 シミュレーション技術 ◎ サーボプレスの中に、材料の流れを検知・制御する
機能を有する金型を組み込む。材料の最適な流れを
設計・製造
と知能金型技術を融合
成形シミュレーションにより事前予測し、所与の部
プロセス最
させたプレス加工の知
品形状に対して最適な材料流動が実現されるよう
適化のため
能化
に、サーボプレスの運動と知能金型の機構を制御す
の知能化・
る。これにより、最適加工条件の探索容易化、不良
情報化技
率低減、ばらつき低減、部品寸法の高精度化が達成
術
される。究極のプレス技術である。
金型寸法が高精度に保証されて、金型の摩耗量が定
Ⅱ○
2 ばらつきのシミュレー
量的に評価できるようになり、プレス製品のばらつ
ション(Cp 値保証)/型
きが低減される。成形シミュレーションの高精度化
測定技術の確立(ミク
にも寄与する(金型の設計値(CAD 寸法)と実際の寸
ロンレベルの精度)/測
法が一致するようになるので)。
定データの自動面デー
タ化/クリアランス測
定技術/
Ⅱ○
3 割れの予測技術(チュ
応力成形限界線の適用により、材料が複合負荷経路
ーブハイドロを除く)
下で変形を受けるときの、割れ予測の高精度化を目
指す。
中項目
開発・実用化・普及 線表
現在
現
●
5 年後
5
●
10 年後
15 年後
10 年後
●
20 年後
25 年後
5.基礎技術の開発が必要
6.安全・安心の確保のために必要
7.標準化の検討が望まれる技術
8.省資源、省エネルギ
律速要因
開発 実用化 普及
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
CAE 技術
センサ技術
開発 実用化 普及
現 3 6 年後
● ● ●
1
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
金型の加工精
度
材料特性値・
板厚のばらつ ○ ○ ○
き
現 2 3 年後
● ● ●
○ ○
○
○
○
開発 実用化 普及
Ⅱ○
4 アルミ、ハイテン用ス
プリングバック予測技
術の高度化
◎
アルミ、ハイテンをプレス加工する際に発生するス
10 年後
プリングバック量を高精度(0.5~0.2mm の誤差範 現 5
●
囲以内)に予測するための技術基盤を確立する。主 ● ●
な技術開発項目は、材料特性評価(降伏曲面、ひず 開発 実用化 普及
み速度依存性、温度依存性、除荷時の非線形挙動)
と材料モデル構築、摩擦係数評価と摩擦モデル構
築、金型の弾性変形を計算効率よく考慮できる有限
要素モデルの構築、など。
147
CAE 技術
材料モデルの
精度
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
中項目
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
通常異なるソフトで図面を送る場合は変換を行う。その
Ⅱ○
5 全ての CAD データに
10 年後
際に作図線等が連結していないという問題が生じる。こ 現 5
対応したシステム造り
●
うなると再度連結しなおさなければいけないという手間 ● ●
(変換システム)
がかかる。このような問題を解消し設計のスピード化を 開発 実用化 普及
図るためにも全ての CAD データに対応する変換のシ
ステム造りを構築することが必須である。
Ⅱ○
6 試作量産一貫に対応し
た標準金型技術
Ⅱ○
Ⅱ-4
7 知能金型技術による型
高品質・新
の寿命予測
機能を支え
る評価技術
◎
Ⅱ○
8 金型メンテの高効率化
25 年後
律速要因
1
2
○
試作・開発から量産に至る一貫したプロセスの中
10 年後
で、試作量産同等品質による評価、リードタイムを 現 5
●
短くするため、金型の標準化、加工部位のみを交換 ● ●
するワンタッチ工具などを開発。
開発 実用化 普及
標準金型がの
る機械の開発
金型内に圧力、亀裂及び温度センサを挿入して加工
10 年後
中の金型の変形、微視亀裂の発生を検知し、製品の 現 5
●
品質保証、金型の補修時期、寿命を予測する重要技 ● ●
術である。
開発 実用化 普及
センシング技
術
ハンドワークによる金型修正データを設計へ高精
度フィードバックし暗黙知のデジタル化を図る。非 現
●
接触測定機の精度向上が重要。
測定器メー
カ・CAD メー
○ ○
カの協力
5
●
10 年後
●
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
○
○
○ ○
○ ○ ○
○
○ ○
○
○
開発 実用化 普及
Ⅱ○
9 CAE シミュレーショ
ンによる金型強度や形
状検討
解析ソフトによりあらかじめ金型強度問題を把握
し、金型部品形状を早期の段階で見極める。
現
●
ソフト開発
5
●
10 年後
●
○ ○
○
○
開発 実用化 普及
Ⅱ○
10 インプロセスでの知能
生産システム
Ⅱ○
11 知能機械による 3D 精
密測定
◎
不良発生を検知できる加工要因を常時モニタリン
10 年後
グし、異常を検知したら良品を作る条件へ、リアル 現 5
●
タイムにインプロセスで加工条件を制御し、不良を ● ●
作らない。制御困難な場合は機械を停止し、不良発 開発 実用化 普及
生を未然に防止する生産システム。
センサ開発
精密機械と機上測定技術の融合による、加工技術と
7
15 年後
コンピュータ診断、温度変化予測補正技術等の集大 現
●
●
●
成。
開発 実用化・普及
周辺技術との
マッチング
148
○ ○
○
○ ○ ○
○ ○ ○
【重点化の評価】
1.日本の技術競争力優位
2.共通基盤性
3.ブレークスルー技術
4.市場のインパクト
Ⅲ.社会的要請や制約に対応するための技術
小項目
重要度
技術の概要
(テーマ名)
Ⅲ○
Ⅲ-1
1 汎用プレスによる精密 ◎ 汎用プレスを用いて、微小なクリアランスのパン
省エネ・温
せん断加工
チ、ダイにて、高張力鋼板においても、圧延油の残
暖化ガス削
留成分のみで、潤滑材を使わないで、寸法精度や面
減のための
の粗さが良好で、ばりの少ない穴を、焼付きを生じ
素形材技
させることなく、長寿命に得る技術を開発する。
術(長寿命 Ⅲ○
2 複雑形状部品の塑性結 ◎ 軸つき円盤など複雑形状部品を対象に、塑性結合技
化など)
術によって簡単な形状部品を塑性加工し、焼入れな
合化により熱処理エネ
どの熱処理をした後に塑性結合する技術の開発に
ルギを削減する技術
より、以下のエネルギを削減する。①炉内積載効率
の大幅向上による熱処理エネルギ、②熱間鍛造から
冷間プレス加工への転換による素材加熱エネルギ
③プレス加工の精度向上による切削エネルギの、④
潤滑材削減による洗浄エネルギ。
中項目
Ⅲ○
3 エコプレス
Ⅲ○
4 成形性に優れた軽量化
用材料(高張力鋼板、ア
ルミニウム合金、マグ
ネシウム合金、チタン
合金)の開発
Ⅰ③の再掲
◎
◎
開発・実用化・普及 線表
現在
5 年後
10 年後
15 年後
現
●
5
●
10 年後
●
20 年後
25 年後
5.基礎技術の開発が必要
6.安全・安心の確保のために必要
7.標準化の検討が望まれる技術
8.省資源、省エネルギ
律速要因
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
○ ○ ○ ○ ○
○ ○
○ ○ ○ ○ ○
○ ○
開発 実用化 普及
現
●
5
●
10 年後
●
開発 実用化 普及
省資源・省エネルギ・環境保全の観点から評価して、
5
12 年後
コンパクト化・低消費電力・低振動低騒音・安全性 現
●
●
等のプレス機械。広くはネットシェイプ成形品の ●
LCA 評価により、高精度・高機能プレスをエコプレ 開発 実用化 普及
スに加える
周辺産業の技
術移転
標記軽量化用材料の成形性を格段に向上させるた 材料により異なる。
10 年後
めの、合金成分制御、ナノレベルからの組織制御及 現 5
● ●
●
び結晶方位制御技術。
材料製造技術
評価試験方法
開発 実用化 普及
149
1
○
○ ○
○
○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
Ⅲ○
Ⅲ-2
5 プレス成形の工程短縮
成形工程の短縮により、設備のコンパクト化・金型
7 10 年後
省資源のた
技術
の削減が可能になり、コストカットと共に環境負荷 現
●
● ●
めの素形
低減に貢献する。
材技術(資
開発 実用化 普及
源枯渇問
題への対
Ⅲ○
6 省資材推進技術
◎ プレス現場での材料利用率向上技術、不良率現象技
応)
術、廃材の利用技術に分かれる。その他に設計段階 現 5 7 10 年後
での省資源化も大切である。これらの技術開発を達 ● ● ● ●
成するためには、材料の精度、特性の向上、型技術、
開発 実用化 普及
接合技術、スクラップの流通システムなどの総合的
開発が必要である。
中項目
Ⅲ○
Ⅲ-3
7 高衝撃吸収用金属プレ
安 全 ・ 安
ス部品の高度加工
心・快適な
生活のため
の素形材
技術(医療・
生体関連、
低騒音・低
振動、有害
物質の排
出抑制な
ど)
Ⅲ○
8 機器の高効率化、省エ
ネのための金属プレス
(1) 環 境 に
加工の高度化
やさしい製
品製造
Ⅲ○
9 金属意匠部品プレス成
形技術の高度化(高意
25 年後
律速要因
重点化の評価
3 4 5 6 7
○
8
○
○
○ ○ ○
○ ○
○
○
○ ○
推進のための
共通組織
産学連携
金属プレス加工が中心となる製品で、プレス加工技
術の高度化により、機器の省エネや快適性の向上を 現 3 6 年後
図る。①ファンの低騒音化のために、プレス成形と ● ● ●
塑性結合技術を複合させて三次元ファン形状のよ 開発 実用化 普及
うな複雑な立体形状を成形する技術
②高熱伝導材料と熱交換器の成形技術の高度化(ア
ルミ薄板の複雑形状成形)、によるファンレス化、
熱交の小型化 ③薄板の低残留応力せん断による
モータの効率向上(コアの鉄損削減)
産学連携
プラスチックの射出成形並みの複雑形状の板材成
形技術の開発し、プラスチックから金属への転換、 現 3
産学連携
150
2
材料、型の進
歩
車の衝突事故に対して、①歩行者の頭部の衝撃を緩
10 年後
和するための、薄板の高段差成形などにより、薄く 現 3
●
て衝撃エネルギ吸収力が高いパネルのプレス成形 ● ●
技術(例:マルタイコーンに代る鋼板パネル用)。② 開発 実用化 普及
乗員を保護するための低変位でエネルギ吸収力が
高いフレームの構造とプレス成形技術(例:複雑折
り紙筒形状のプレス、ハイドロチューブフォーミン
グ、スピニング)。自動車メーカ、材料強度部門で
は検討が進められているが、加工技術を伴った革新
的なものが待たれる。
6 年後
1
自動車メーカ
の協力
材料力学
○
電機メーカ
○
○
○ ○
○ ○ ○
○
中項目
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
匠家電、電子機器筐体
不燃化による安全性向上を図る。①モバイル製品筐 ● ● ●
のプレス加工拡大)
体の高意匠化(小コーナ、パンチ肩半径の深絞り)。 開発 実用化 普及
②アルミ、マグネ、SUS の薄肉板材のプレス鍛造(小
コーナ半径、量販系の成形、ひけなし成形)。③家
電、産業機器筐体用ステンレス、塗装鋼板の高意匠
成形(傷なしの小径曲げと深絞り)。
(2) 作 業 環 Ⅲ○
10 安全で快適な金属プレ
境の改善
ス加工現場の構築
◎
材料投入、金型段取り、加工作業、加工完成品の物
流等の一貫した安全・環境対策及びヒューマンエラ 現 2 5 年後
● ● ●
ーに対する未然防止対策が必要である。
25 年後
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
電機メーカ
プレス機械メー
カ
○
開発 実用化 普及
Ⅲ○
11 無公害潤滑油の開発及
び加工油レスによるド
ライ成形技術の確立
◎
(3) 有 害 物 Ⅲ○
12 EFM(エミッションフ
質の排出
リーマニュファクチャ
抑制
リング)
◎
非塩素系潤滑剤を使用することにより、工場クリー
ン化を目指す。また特殊金型材料の開発及び金型表 現 2 5 年後
面処理技術の向上により一切加工油を使用しない ● ● ●
ドライ成形技術の確立が環境面において必要不可 開発 実用化 普及
欠である。
加工油
メーカ
金型材料開発
○ ○ ○ ○ ○ ○
表面処理技術
洗浄レス・ドライ加工等のクリーン化技術、スクラ
ップレスを含む高歩留り加工、サイレント加工等の 現 2 5 年後
ゼロ・低エミッションの成形技術確立が必要不可 ● ● ●
欠。
開発 実用化 普及
工法の見直し・
開発
151
○ ○ ○ ○
○
○
【重点化の評価】
1.日本の技術競争力優位
2.共通基盤性
3.ブレークスルー技術
4.市場のインパクト
Ⅳ.素形材技術革新を支える技術的基盤
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
Ⅳ○
企業のノウハウ、暗黙知は非常に高度なものがあ
Ⅳ-1
1 企業の持っているノウ
る。しかし、理屈が分からないものがほとんどであ 現 5 年後
新たな技術
ハウの学会等での原理
● ●
る。学会では原理の解明が可能
体系の構
の解明
築
制度ができる
持続
中項目
Ⅳ○
2 新日本版マイスター制
度の導入による新技術
レベルの差別化・高度
教育レベルの目標の可
視化と具現
Ⅳ○
3 ネットシェイプ成形の
評価軸の確立
現在の高等教育には高度生産技術教育は薄く、又資
格制度も無く生産技術大国とは名前だけの構造と 現
なっており新日本版マイスター制度の導入が必要。 ●
5 年後
●
25 年後
5.基礎技術の開発が必要
6.安全・安心の確保のために必要
7.標準化の検討が望まれる技術
8.省資源、省エネルギ
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
産学連携
○ ○
業界の熱意と
行政機関の理
解
○ ○ ○
制度ができる
ネットシェイプとニアネットシェイプとの違いを
定量的に把握するための尺度を作る。
現
●
7
●
10 年後
●
素形材産業界
の理解
○
○
開発 実用化 普及
Ⅳ○
4 CO2 排出量の計測方法
の確立
素材、加工、製品としての使用、廃棄における環境
負荷を測定する、LCA のようなものを作る。
現
●
7
●
10 年後
●
他機関(計測
機)の協力
○
○
開発 実用化 普及
Ⅳ○
Ⅳ-2
5
素形材技
術の支援
技術・周辺
技術の構
築
軽量化材料の温間・熱
間域における変形特
性評価手法の確立と
材料モデリング
◎
Ⅳ○
6 マルチスケール材料モ
デリングを用いたプレ
ス加工用高成形性軽金
属材料の開発手法の確
立
◎
輸送機器の軽量化材料として最有望株である Al、
10 年後
Ti、Mg、高強度鋼などのプレス成形技術の高度化 現 5
●
を達成するための基盤技術として、これら材料の熱 ● ●
間・温間域における大ひずみ多軸材料試験機、熱 開発 実用化 普及
間・温間域高度材料モデリング技術、熱間・温間域
成形性評価試験法の標準化技術を開発する。
温間・熱間域
における材料
試験技術と材
料モデルの精
度
材料強度の原子論、転位論、結晶塑性学、巨視的連
10 年後
続体力学をスケール(対象とする材料寸法範囲)を 現 5
●
超えて有機的に連結したマルチスケールモデリン ● ●
グを発展させ微視的な材料組織から巨視的な機械
開発 実用化 普及
的性質を予測する手法を整備し、この技術を用い
て、プレス加工用高性能金属材料を計算機内で設計
する手法を確立する。
若手研究者の
層
マルチスケー
ル材料モデリ
ング手法の精
度
152
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○
○
中項目
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
材料の異方性を高精度に測定することにより、材料
Ⅳ○
7 材料の異方性を高精度
モデルの高精度化が達成され、成形シミュレーショ 現 3 6 年後
に測定するための材料
● ● ●
ンの高精度化に寄与する。
試験法
25 年後
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
○ ○
○
○
高精度な多軸
材料試験機の
普及
○ ○
○
○
高精度な多軸
材料試験機の
普及
○
○
○
○ ○
○ ○
○
8
開発 実用化 普及
Ⅳ○
8 多軸応力を受ける材料
の変形特性評価技術
(材料試験法の標準化)
(σx、σy、σz、σxy)の応力成分のうち、2 成分以上を
同時にかつ非線形負荷経路下で板材に作用させ、そ
の弾塑性変形挙動を精密に測定し、その挙動を高精
度に再現できる材料モデルを構築する。成形シミュ
レーションの高精度化に寄与する。
材料が非直線的なひずみ経路を受けるときは成形
限界応力線が割れ判定に有効であるという報告が
あるが、成形限界応力線を決定する標準試験法がな
い。
Ⅳ○
9 材料の成形性の評価技
術(成形性試験法の標
準化)
Ⅳ○
10 シミュレーション支援
室の設置
Ⅳ○
11 集中と分散を考えた支
援システム
Ⅳ○
Ⅳ-3
12
研究開発
体制の整
備
材料(異種金属を含む)、
プレス、製品分野にまた
がる共同研究開発体制
の構築
◎
現
●
5
●
10 年後
●
開発 実用化 普及
現 3 6 年後
● ● ●
開発 実用化 普及
日本国内の要所要所にシミュレーション業務を専
門に行う公共機関(以下、「シミュレーション支援 現 3 7 年後
室」)を設置する。プレス企業は金型の図面(CAD デ ● ● ●
ータ)、材料特性値など解析に必要な諸条件をシミ 開発 実用化 普及
ュレーション支援室にインターネットで送る。これ
を受けたシミュレーション支援室は、直ちに FEM シ
ミュレーションを行い、計算が終了次第、解析結果
をプレス企業に回答する、というシステムである。
必要な生産数量に応じた投資、コスト MIN 化を実現
するため、地域分散で中小量のセル生産から、1 極集 現 3 6 年後
中超大量生産まで、量と大きさ(輸送効率)での考え方 ● ● ●
をケースごとにシミュレーションし最適生産を支援する 開発 実用化 普及
システムを開発。
業界の熱意と
行政機関の理
解
アルミ・ハイテン・マグネ等の素材から、プレス及
び関連加工機・製品までを一貫して開発可能となる 現
●
共同研究開発体制の構築
関係会社・機
関の相互協力
5 年後
●
開発 実用化・及
153
○ ○
○ ○ ○
○
○
○
中項目
小項目
重要度
技術の概要
(テーマ名)
Ⅳ○
13 メーカ共通材料データ
プレス素材の材料特性をデータベース化する。
ベースの開発体制
開発・実用化・普及 線表
現在
5 年後
10 年後
現
●
5 年後
●
15 年後
20 年後
25 年後
律速要因
関係会社・機
関の相互協力
開発 実用化・及
Ⅳ○
14 産学官連携の強化とハ
イテクセンターの立ち
上げ
Ⅳ○
15 生産現場のモチベーシ
ョンが上がる工場の見
える化
企業・大学・公的機関の連携の強化によって革新技
術を構築するとともに、ハイテクセンター(仮称)/
教育センターを設立して、産学交流では補完出来な
い新技術の開発、新技法の伝承、及び関連企業の技
術の精密高度化のサポート・指導を行い底辺の底上
げの仕組みを作る。
新日本版マイスター制度の導入による新たな技術
レベルの差別化・高度教育レベルの目標の可視化と
具現が必要。
現
●
5
●
10 年後
●
5 年後
●
重点化の評価
3 4 5 6 7
○ ○
○
8
業界と行政の
すり合わせ
○ ○ ○
開発 実用化 普及
現
●
2
1
○
業界と行政の
すり合わせ
○ ○
○
制度ができる
Ⅳ○
Ⅳ-4
16 金型製作の省力化に係
技術・技能
る技術の伝承
の伝承
Ⅳ○
Ⅳ-5
17 シミュレーションに係
人材の育
る教育の普及/製品・工
成と確保
程・金型設計のブレイ
クスルーに必要な感性
を有する人材の育成/
Ⅳ○
18 大学での素形材技術教
育の整備(金属プレス
加工品設計技術の高度
化)
シミュレーションに係る自社技術(ノウハウ)のデ
ータベース化し蓄積/実現象との比較を通じてのシ
ミュレーションの妥当性のチェック/技能の技術化
(ナレッジマネジメント/加工精度の向上(仕上げレ
スの実現)→人の手を介さない型製作。
シミュレーションに関係する学協会における教育
講座の充実/プレス工法を念頭におきつつ製品設計
ができる人材の育成。
現
●
5
●
10 年後
●
企業の努力と
熱意
○ ○
○
手法開発 実用化 普及
産学連携
現
●
5
●
8 年後
●
○ ○
○
開発 実用化 普及
大学における設計教育が切削と組立に偏っている。
産業における付加価値が最大である金属プレス加 現 3 6 年後
工に関して、大学に於ける教育の充実を図る。①大 ● ● ●
学における創造性教育(創造設計など)における金 開発 実用化 普及
属プレス加工、板金加工教育の導入
②金属プレスに関する設計教材の開発 ③大学に
おける素形技術の学部等を設けて教育を図る。④解
析系の教育(熱力学、流体力学、機構学、振動学、
材料力学)における金属プレス加工関係の例題の開
発収集
154
産学連携
設計工学会
○ ○
○
○
中項目
Ⅳ-6
技術と経営
の融合
小項目
(テーマ名)
Ⅳ○
19 実践型 MOT
重要度
開発・実用化・普及 線表
技術の概要
現在
大学・専門校のような高度技術・先進教育の中には
実践型 MOT が必須であり、大手の技術経営者の実 現
●
践教育が必要の時代となっている。
5 年後
5
●
10 年後
15 年後
10 年後
●
20 年後
25 年後
律速要因
1
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
教育機関との
連携
○ ○
○
○
開発 実用化・普及
Ⅳ○
Ⅳ-7
20 世界をリードする環境
グローバル
対応技術のさらなる高
化への対
度化
応
Ⅳ○
21 海外の環境、安全基準
を上回るものづくり現
場の実現
世界が導入を欲する様な環境問題対応技術の開発。 現
●
7
●
10 12 年後
● ●
開発 実用化 普及
環境・安全基準を先んじて満足するもの作り現場を
実現するための企業や団体の共同体制の構築
現
●
7
●
10 12 年後
● ●
関連業界の協
力、行政の支
○ ○
援
○
関連業界の協
力、行政の支
援
○
○ ○
開発 実用化 普及
Ⅳ○
22 ISO 等の関連分野での
リーダーシップの確立
世界標準として日本標準が採用される様な、標準化 早急に取り組む必要がある
でのリーダーシップの発揮。
Ⅳ○
23 各団体におけるグロー
バル化の強化
各団体における企業視察及び、グローバルネットに
現
対応する技術交流会等。
●
業界と行政の
理解
○ ○
7 年後
●
○
○ ○
組織ができる
Ⅳ○
24 技術・技能の流出を防
ぐ「見えない化」
技術の流失を防ぐために、ノウハウ、暗黙知などを
現
外部に分からないように保護する手段の確立。
●
親企業の協力
5 年後
●
○ ○
制度ができる
Ⅳ○
25 量変動に強い生産シス
テム技術
◎
生産数量に比例して設備投資が可能な量変動対応
加工機(1/n 小型-n 倍加工時間加工機)、工程分割 現
●
小型成形機の開発。
5
●
10 年後
●
開発 実用化 普及
Ⅳ○
26 移動に強い生産加工機
生産のグローバル化、地域生産に応じて、設備移動 現
が容易な基礎不要の小型加工機械を開発。
●
5
●
10 年後
●
開発 実用化 普及
155
量変動に対応
した生産シス
テム、加工機 ○ ○ ○ ○
の開発
○
機械の開発
○
○ ○
中項目
小項目
開発・実用化・普及 線表
重要度
技術の概要
(テーマ名)
現在 5 年後 10 年後 15 年後 20 年後
生産のグローバル化、地域生産化において、技能に
Ⅳ○
27 オペレータの技量に頼
10 年後
頼らず生産可能なワンタッチ脱着、取り付けユニッ 現 5
らない高信頼性加工技
●
ト金型、異常時の自己検出機能を有する加工機、フ ● ●
術
レキシブル画像検査機を開発。
開発 実用化 普及
Ⅳ○
28 中間在庫の低減技術
Ⅳ○
29 段取り時間のロス低減
技術
Ⅳ○
30 地域コストに見合った
自動化ライン
技術
25 年後
律速要因
2
重点化の評価
3 4 5 6 7
8
装置の開発
プレス加工と後工程とのラインを直結することで、
10 年後
中間在庫を低減しコスト競争力の向上を図る。溶接 現 5
●
工程、樹脂成形、除去加工、組み付けラインなどと ● ●
の同期直結一貫加工システムを開発。
開発 実用化 普及
装置の開発
プレス部品加工での段取り時間短縮を図り、中間在
10 年後
庫低減を狙った小ロット生産を推進するための、材 現 5
●
料自動投入装置、簡易自動箱替え機、材料・金型・ ● ●
部品を収納、取り出しを行う自動倉庫の開発。
開発 実用化 普及
装置の開発
日本のものづくりで培った高い品質のレベルを維
持しつつ、地域での生産コスト MIN 化を実現する 現 6 10 年後
●
ための自動化、半自動化技術。先進地域では、プレ ● ●
ス機械の動作と独立した動きでロス時間の少ない 開発 実用化 普及
高速 TR フィーダ、高速順送送り装置を開発。発展
途上地域では、からくりでワークを投入取り出しが
可能な単発プレス、ロボットプレスラインを開発。
ローカルスタッ
フの教育シス
テム
156
1
○
○ ○
○
○ ○
○
○ ○
○
3.3.3 金属プレス技術分野の技術マトリクス
製品高度化
目標
容
目標内
技術要素
技術内容
鋼
a1
ハイテン鋼
a2
ステンレス鋼
a3
アルミニウム
a4
マグネシウム
a5
銅
a6
a7
a 複合材料
テーラードブラン a8
プレコート材
a9
極薄板
a10
厚板
a11
管材
a12
超塑性
a13
その他 の金属材料a14
板材共通
a15
被加工材
生産性向上
B
コスト削減
生産速度
B1
歩留り
B2
省エネルギー
B3
省資源
B4
少量生産対応
B5
自動化
B6
システム化
B7
金型寿命
B8
ばらつき
B9
Ⅰ④:a5B2,
Ⅰ①:a15A1, a15A7
(Ⅰ④:a5B1)
Ⅰ③:a2,4,5,14A7
Ⅰ⑦:a13B1,
Ⅰ⑤:a15A4, (Ⅰ⑦:a13A7)
Ⅰ②:a2B8
Ⅰ⑧:a6,10A7,Ⅰ⑨:a3A6
Ⅰ⑩:a15A1,B1,3,D1
Ⅰ⑩:a15A1,B1,3,D1
Ⅰ⑪:a8A2,6,B4
Ⅰ⑪:a8A2,6,B4
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
Ⅰ⑭:a10b6c2A1,7F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1A4,7B8F4 A4,7B8F4
Ⅰ⑯:a4,5,14b1,3,9d4e1A1F4
Ⅰ17:a4A6B1
Ⅰ17:a4A6B1D1
Ⅰ23:a14B1
Ⅰ30:a3,14d2A1
Ⅲ②:a11B3,4,D1
Ⅰ31:a3A!,Ⅱ④:a2,4A1F3
Ⅲ⑦:b3A3
Ⅲ④:a2,4,5,14A7
Ⅲ⑦:a1,12A7,Ⅲ⑨:a9A3,7
Ⅳ⑤:b9a4a5A6F3
Ⅳ18:a15A7E1,3,4
寸法精度
強度
形状
表面性状
組織
軽量化
品質向上
A
A1
A2
A3
A4
A5
A6
A7
b1 Ⅰ⑩:b10A1,B1,3,D1
Ⅰ⑪b1,10A2,6,B4
b2
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
液圧・ブロー成形 b3 A6B2,8F3
逐次成形
b4 Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
複合加工
b5 A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑭:a10b6c2A1,7F3
微細加工
b6 Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1A4,7B8F4
精密せん断
Ⅰ⑯:a4,5,14b1,3,9d4e1A1F4
(ファインブランキ b7 Ⅰ19:b5-9A1-3
b ング)
Ⅰ21:b5-9A1-3
板鍛造
b8 Ⅰ25:b4-8A1-3
熱利用技術
b9 Ⅰ26:b6,8A1,3
Ⅰ28:b9A1,3,Ⅰ29:b1A1,4
その他
b10 Ⅲ①:b1A1,4,B4,6,7
Ⅲ⑧:b1,5A3,7,Ⅲ⑨:b1A3,7
Ⅳ⑤:b9a4a5A6F3
Ⅳ17:b1A7C1,2E1
Ⅳ18:b1A7E1,4
汎用プレス加工
ダイレス加工
加工法
Ⅳ26:c1E6
Ⅳ27:c7E7
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑭:a10b6c2A1,7F3
Ⅰ18:c3F4,9
(Ⅰ19:c3F4,9)
Ⅰ26:c3F4,9
Ⅱ①:c2,3F3
Ⅱ⑧:d2E3
Ⅳ⑯:d2E3
Ⅳ10:d1E1,4
Ⅳ17:d1A7C1,2E1F1-3
Ⅳ18:d1A7E1,3,4
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
Ⅰ⑯:a4,5,14b1,3,9
d4e1A1F4
Ⅱ⑨:d1F3,(Ⅱ③:d1F4)
Ⅱ①:d2F3,Ⅱ⑧:d1F4
Ⅱ⑤:d1F6(Ⅱ⑤:d1F8)
Ⅳ10:d1F3,9
Ⅳ17:d1A7C1,2E1F1-3
f1
f2
Ⅱ①:f8B7F3
Ⅱ⑦:f8B8
Ⅳ④:f8D1
寸法
重量
f3
熱処理
d 仕上げ
潤滑剤
潤滑装置
e
g
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅲ③:c1D1,4
不良選別
表面処理
全体共通
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑭:a10b6c2A1,7F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
Ⅰ⑯:a4,5,14b1,3,9
d4e1A1F4
Ⅳ⑤:b9a4a5A6F3
Ⅳ11:b1-10B7C5F6,9
潤滑レス
型材料
計測、検査 f
Ⅳ①:b1,10E3,4
Ⅳ②:b10E3
Ⅳ15:b1E1
Ⅳ17:b1A7C1,2E1
Ⅳ18:b1A7E1,4
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅲ12:e1D7
(Ⅲ12:e1D4-6)
(Ⅲ12:e3D4-7)
Ⅲ13:e1D1
(Ⅲ13:e1D2-7),
(Ⅲ13:e2D1-7)
(Ⅲ13:e3D1-7)
型製作
e2
材質・強度
f4
内部欠陥
f5
材料試験
f6
Ⅱ⑪:f2A1,3
微細計測
f7
各種センサ開発
f8
g1 Ⅳ③:g1A1
情報化
F
(CAD・CAM・CAE)
CAD
F1
CAM
F2
CAE
F3
データベース化
F4
エキスパ-トシステム F5
ネットワーク
F6
インターフェイス
F7
統合化
F8
デジタル生産システム F9
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑭:a10b6c2A1,7F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
Ⅰ⑯:a4,5,14b1,3,9
d4e1A1F4
Ⅰ31:f8A1
Ⅱ④:a2,4A1F3
Ⅲ③:a1-14F3
Ⅳ⑤:b9a4a5A6F3
Ⅳ⑥:A5F3
Ⅳ⑦:a1-14F3
Ⅳ⑧:aA1F3
Ⅳ⑨:aF3
Ⅳ⑧:a1-14f6F3,4
Ⅳ⑬:a15F4
Ⅰ⑩:b10A1,B1,3,D1
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅲ②:b10B3,4,D1
Ⅳ20:b10D5
Ⅳ21:b10D4
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
型設計
E
Ⅳ18:a15A7E1,3,4
e1 Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
e3 A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
システム柔軟化
経 営
Ⅰ⑥:a9D4,6,7
(Ⅰ⑥:a9D5)
Ⅰ⑩:a15A1,B1,3,D1
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ17:a4A6D1
Ⅲ②:a11B3,4,D1
Ⅲ⑥:a14D3
(Ⅱ⑤:d1C1)
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
Ⅰ②:d3,4B8
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1 Ⅳ17:d1A7C1,2E1F1-3 A1,6B8,9D1F3
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
Ⅱ②:d1-6B9,Ⅱ⑦:d1B8
Ⅲ①:d1A1,4,B4,6,7
Ⅲ⑤:d1B1,Ⅲ⑥:b1B4
複合化技術
c 自動化技術
安全技術
D
人材育成
国際化
技能・技術伝承
産学連携
品質保証
標準化(規格)
安全管理
d1 Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
d2
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
d3 A1,6B8,9D1F3
d4 Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1A4,7B8F4
d5 Ⅰ⑯:a4,5,14b1,3,9d4e1A1F4
Ⅰ30:a3,14d2A1
d6 Ⅲ①:d1A1,4,B4,6,7
Ⅳ17:d1A7C1,2E1F1-3
Ⅳ18:d1A7E1,3,4
デジタル制御
潤滑技術
Ⅰ24:b2C1
Ⅳ11:b1-10B7C5F6,9
Ⅳ17:b1A7C1,2E1
環境保全
CO2・エネルギー削減 D1
資源保護
D2
リサイクル・廃棄物処理 D3
作業環境改善
D4
地域環境改善
D5
有害物質削減
D6
潤滑剤・加工油削減 D7
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1 (Ⅱ③:d1C3)
(Ⅰ22:c7C1,5)
A6B2,8F3
Ⅱ⑥:c7C1
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
(Ⅰ18:c5B7),Ⅰ20:c5B1
Ⅰ21:c4B2-4
Ⅰ22:c7B5,Ⅰ22:c4B2-4
Ⅱ10:c3B9,Ⅳ25:c5B7
Ⅳ28:c7B7,Ⅳ29:c7B7
Ⅳ30:c7B5
高精度化技術
プレス金型
C
C1
C2
C3
C4
C5
c1 Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
c2
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
c3 A1,6B8,9D1F3
c4 Ⅰ⑭:a10b6c2A1,7F3
c5 Ⅰ18:c2A1-3
Ⅰ32:c4A7
c6 Ⅲ③:c2A1-3
c7
環境良化技術
プレス機械
Ⅰ⑩:b10A1,B1,3,D1
Ⅰ⑪b1,10A2,6,B4
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
Ⅰ19:b5-9B2-4
Ⅰ24:b2B5
Ⅰ25:b4-8B2-4
Ⅰ27:b4B3,4
Ⅲ①:b1A1,4,B4,6,7
Ⅲ②:b10B3,4,D1
Ⅳ11:b1-10B7C5F6,9
期間短縮
リードタイム 工程検討
図面作成
試作
物流
E1
E2
E3
E4
E5
E6
E7
Ⅰ⑫:a11b5,7,8c4d3e1
A6B2,8F3
Ⅰ⑬:a1b1,9c2d3,4e1
A1,6B8,9D1F3
Ⅰ⑮:a3b1,9d3,4e1
A4,7B8F4
Ⅳ⑤:f6E6
Ⅰ26:f7F9
Ⅱ①:f8B7F3
Ⅱ②:f2,7F3
Ⅳ⑦:f6F3
Ⅳ⑧:a1-14f6F3,4
Ⅳ⑨:f6F3,4
Ⅲ10:g1E5.7,Ⅳ12:g1E4 Ⅳ23:g1E2,3,4F3,8,9
Ⅳ13:g1E3,4,Ⅳ19:g1E1
Ⅳ22:g1E2
Ⅳ23:g1E2,3,4F3,8,9
157
3.3.4 金属プレス技術分野のロードマップ個票
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ①
小 項 目 (テーマ名 )
高精度板材の開発
関連マトリクス分野
a15A1, a15A7
プレス加工製品の精度を向上させるため、素材となる金属板の厚さを全長・全幅に亘
技 術 の 概 要 って高精度に制御する技術。及び、製品の寸法精度を阻害する素板の残留応力を
完全に除去する技術。
高精度な寸法を要求される加工製品にとってプレス成形に供される板材の厚さ精度
経 済 社 会 的 背 景 は十分なものではなく、また素板に残留する応力も製品寸法に悪影響を及ぼしてい
る。そのため、歩留の低下により経済的損失を招いている。
重
要
度
◎
て、板厚精度を高め残留応力の無い素板を作ることが求められている。
①
緊
急
プレス加工製品の精度を向上させるには、プレス機械や金型の精度にも増し
性
板厚精度の向上については圧延設備の開発及び制御技術の向上が一定の段
階でほぼ停止している状態である。残留応力の除去技術は殆ど進展がない状
態であり、これらの開発改良に取組んでいく必要がある。
現在、鉄鋼・アルミ合金とも、厚さ 1mm 以下・幅1m 程度の冷間圧延材の全長・全幅
現在の技術レベル で制御可能な板厚公差は±2.5μm であるが、高精度な加工製品にとっては素材の更
なる高精度化が望まれる。残留応力の除去についても十分でない。
短期
中期
要素項目
現状
(2 年後)
(5 年後)
±2.0μm
±1.5μm
到達目標の時期と 板 厚 公 差 ( 厚 ±2.5μm
さ 1mm 以下・
レベル
幅 1m)
残留応力
10MPa オーダ 5MPa オーダ 1MPa オーダ
目 標 設 定 の根 拠
目標に到 達 するた
長期
(10 年後)
±1.0μm
0MPa
現状の公差から、短期、中期、長期でそれぞれ 1μm(±0.5μm)ずつ精度を高める。残
留応力については最終的には完全除去を目指す。
1.板厚を高精度に測定するセンサ及び制御システムの開発
めの技術開発内容 2.上記システムを組み込んだ高精度圧延機の開発
3.残留応力を完全に除去する理論と、それに基づく装置の開発
例
・プレス成形品のみならず、板を素材とする鍛造成形品においても寸法精度と歩留が
波
及
効
果
向上する。
・厚板を切削加工する製品において、寸法精度不良が著しく減少し、切削工数の削
減も達成される。
海 外 の取 組 状 況 ・
素板の厚さを中心とする品質は日本が優位な状況にあるが、海外諸国から追い上げ
技術レベル
られている。
国際的優位性の
高精度で残留応力の無い板材が開発されれば、自動車・電機電子等の多くの分野
予測
の製品の品質が向上し、これら分野の国際的優位性が増すと考えられる。
Ⅰ-1(2)「新材料の加工技術」、Ⅰ-3 「高品質・高付加価値を実現するための新プロ
セス」及びⅠ-4 「新規ユーザ分野に対応する新素形材製品」の開発促進に貢献す
る。
備
考
技術指針の関連項目* 2
(4)④ア~オ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
158
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ③(Ⅲ④)
小 項 目 (テーマ名 )
関連マトリクス分野
成形性に優れた軽量化用材料(高張力鋼板、アルミニウム合金、マグネシウム合金、
チタン合金)の開発
a2B8、d3,4B8
標記軽量化用材料の成形性を格段に向上させるための、合金成分制御、ナノレベル
技 術 の 概 要
からの組織制御及び結晶方位制御技術。
自動車を始めとする輸送機の軽量化のためには鉄鋼から軽量化用材料への転換が
経済社会的背景
必要であるが、これら材料は成形性に劣るためその進展が阻害されている。
◎
重
要
度
自動車等の輸送機材料においては炭酸ガス排出抑制のため車体の軽量化が
必要であり、そのためにはプレス成形加工が容易な軽量化用材料の開発が必
須である。
①
緊
急
性
現在の技術レベル
炭酸ガス排出削減を謳った京都議定書の目標達成が危ぶまれる状況にあり、軽
量化材料の開発を急ぐ必要がある。
高張力鋼板、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金ともに、成形性が鉄鋼
より優れる材料は開発されていない。
要素項目
到達目標の時期と 高張力鋼板
アルミニウム合金
レベル
マグネシウム合金
現状
r値
1.2
0.6
―
LDR
2.17
2.11
1.2
短期
(2 年後)
r 値 LDR
1.5
2.21
1.0
2.15
―
1.5
中期
(5 年後)
r 値 LDR
1.8
2.25
1.5
2.21
―
1.8
長期
(10 年後)
LDR
r値
2.4
2.33
1.8
2.25
―
2.2
1.5
2.21
1.8
2.25
2.3
2.32
3.0
2.40
チタン合金
2.2
2.3
(参考)冷延鋼板
成形性にはさまざまな材料特性が複雑に関係するが、最も影響が大きいとされる r 値
目 標 設 定 の根 拠
(=板幅方向の歪/板厚方向の歪)の圧延に対する 4 方向の平均値と限界絞り比
(LDR)を目標設定の指標とする。但し、マグネシウムは異方性が大きく平均 r 値では
評価できないので LDR のみとする。
目標に到 達 するた 1.添加合金・不純物成分の存在状態をナノレベルでコントロールする組織制御技術
2.上記組織制御に基づく、成形性とその異方性に影響する集合組織(結晶方位)制
めの技術開発内容
御技術
例
3. あらゆる形状の成形性を容易に評価できる試験評価技術
成形加工性を向上させる組織制御技術は他の機械的特性(強度・伸び・靭性・疲労
波 及 効 果
特性等)の向上にも展開でき、各合金系における新材料開発に役立つ。
海 外 の取 組 状 況 ・
成形性改良材料の開発は日本が比較的進んでいる状況にあるが、自動車への適用
技術レベル
は欧米の方が実績が多い。
国際的優位性の
成形性に優れた軽量化用材料が開発されれば、輸送機のみならず電機電子等の多
予測
くの分野に展開でき、これら分野の国際的優位性が増すと考えられる。
Ⅰ-1(2)新材料の加工技術、Ⅰ-3「高品質・高付加価値を実現するための新プロセ
備
考
ス、Ⅰ-4 新規ユーザー分野に対応する新素形材製品及びⅢ-1 省エネ・温暖化ガス
削減のための素形材技術(長寿命化など)の開発促進に貢献する。
技術指針の関連項目
*
2
(4)④イ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
159
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ⑩
小 項 目 (テーマ名 )
塑性結合技術(軽合金、高強度鋼板、表面処理鋼板、異材)
関連マトリクス分野 a15A1,B1,3,D1、b10A1,B1,3,D1
塑性結合技術は材料の流動性と残留応力、さらに塑性変形に伴う金属間の結合を利
用して部材を接合する方法である。現在の板材接合技術の主流は溶接であるが、塑
性結合は溶接に比較して高精度であり、意匠性、生産性、品質安定性、さらに CO2
技 術 の 概 要
排出量が少ないなど環境調和性にも優れた特徴を有している。この技術は、溶融を
伴わないために異種材料の接合にも適している。そこで、アルミニウムなど軽合金や
高張力鋼板、表面処理鋼板や異種材料間の溶接に換わる接合技術の確立を図る。
自動車など輸送用機器やモバイル機器の小形軽量化の切札としてアルミニウムなど
軽合金の利用拡大を図る必要がある。特に、アルミニウムは電気抵抗が低く、熱伝導
率が大きいためにスポット溶接は設備が大規模になり、また熱膨張率が大きく、電極
経済社会的背景
への溶着が激しいために、品質の安定した操業は難しい。そのためには、プレス加工
など塑性加工技術の開発と平行して、アルミニウム薄板の高強度、高能率な接合技
術の構築が望まれている。
◎
製品の省エネのための軽量化、製造プロセスの省エネに強く結びついた重要
重
要
度
課題である。
緊
急
性
①
接合技術は、重要であるが、疲労特性など評価に時間がかかるため、早急な
に強化をする必要がある。
アルミニウム板の接合法としては、メカニカルクリンチング(MC)、セルフピアシングリベ
現在の技術レベル ット(SPR)、スポット摩擦攪拌接合(SFW)その他各種あるがデータとしてまとまったも
のがなく、採用が十分に拡がっていない。
要素項目
現状
短期
中期
長期
(2 年後)
(5 年後)
(10 年後)
到達目標の時期と メカニカルクリン 強度が溶接の 溶接の 1/1.5
溶接以上
ロバスト性
チング
1/2
低荷重
レベル
セ ル フ ピ ア シ ン 異材リベット
同材質リベット 低価格
易分解リベット
グ
1.例えば、現在のメカニカルクリンチングの強度はスポット溶接の約 1/2 である。これを
目 標 設 定 の 根 拠 スポット溶接並みに高強度化できれば、採用は大幅拡がる。
2.コスト低減、材質、板厚の変化に対応できるロバスト性、分解性を考慮。
1.薄板の各結合法の加工プロセス技術、強度特性の把握
目標に到 達 するた ①メカニカルクリンチング、②セルフピアシングリベット、③SFW、④新かしめ法
めの技術開発内容 2.接合条件の各種パラメータが強度に及ぼす影響の明確化(メカニカルロッキング、
接触面圧力・摩擦係数、金属間結合)
例
3.塑性結合と接着、超音波、表面処理などの複合化(強度、信頼性の向上)
塑性結合は家電品から採用されてきたが、今後技術の発展、データの蓄積により、自
波 及 効 果
動車、一般産業機器に採用が拡がると予想される。
海 外 の取 組 状 況 ・
技術レベル
国際的優位性の
予測
備
欧州はドイツを中心に大学での塑性結合の研究(ハノーバ大、パレルボーン大)、工
具メーカ(Tox,Echold)に伝統があり、企業との共同研究も進み、自動車への採用も
先行している。
塑性加工学会などでの発表は最近増加しており、レベルも向上している。
系統的な研究、開発により、リードする必要がある。
考
技術指針の関連項目* 2
(1) ③ア⑨オ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
160
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ⑫
小 項 目 (テーマ名 )
厚板成形技術(6~15mm)
関連マトリクス分野
a11b5,7,8c4d3e1A6B2,8F3
板鍛造技術も含めた厚板成形技術の確立を図ることにより、部品の生産性、高剛性
技 術 の 概 要
化、重量軽減に有効であり、輸送機器の軽量化が加速される。
製法転換によるコストダウン、製品品質の向上が期待されており、この課題はそれらを
経済社会的背景
重
要
度
緊
急
性
実現する技術である。
◎
成形技術の複合化を図るために必須の開発課題である。
①
日本の優位性を早急に確立することが必要である。
工法転換の技術として、板鍛造、増肉成形など画期的な技術が開発されているが,
現在の技術レベル
幅広い展開が不十分な状況である。
要素項目
短期
(2 年後)
現状
中期
(5 年後)
長期
(10 年後)
到達目標の時期と 成形技術
製品化が進ん 適 用 拡 大 ・ 複 要 素 技 術 ・ 周 他 工 法 か ら の
レベル
で い る が 、 成 合化技術の課 辺技術の確立
転 換 促 進 と複
形性評価など 題抽出
合化技術の確
未確立
立
目 標 設 定 の根 拠
実用化が進んでいる成形技術であるが、要素技術・周辺技術の開発に依存する。
1. 厚板の成形性評価手法の確立
目標に到 達 するた
2. プレス機械、金型、潤滑など要素技術の開発
めの技術開発内容 3. 順送成形技術の確立
4. 鍛造技術との連携
例
5. CAE 技術の利用
金属プレス分野にとどまらない、総合的な加工技術として期待される。様々な工法か
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
らの転換を促進することにより、製品の低コスト化を実現することになる。
厚板成形の技術開発は見受けられるが、日本が優位性を持っている分野である。
技術レベル
国際的優位性の
我が国独自の技術として、開発を進めることにより国際的な優位性を確立できると期
予測
待される。
備
考
他分野の加工技術、特に鍛造技術との連携が必要である。
技術指針の関連項目* 2
(1)①オ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
161
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ⑬
小 項 目 (テーマ名 )
高強度材(高張力鋼板など)の精密成形技術
a1b1,9c2d3,4e1A1,6B8,9D1F3
関連マトリクス分野
技 術 の 概 要
経済社会的背景
重
要
度
緊
急
性
高張力鋼板・超高張力鋼板など高強度板材の成形品の精度向上を実現することによ
り、軽量化推進・安全対策などに寄与する製品の拡大を図る。
地球環境対策、省資源・省エネルギ対応に資する軽量化、安全対策を実現する高強
度製品の拡大を促進し、我が国の技術のさらなる高度化を図ることが重要である。
◎
軽量化・安全対策を進めるための必須の技術であり、厳しい国際競争の課題で
ある。
①
地球温暖化対策は急務であり、また、我が国が比較的優位な立場にある分野で
あるが、他国が急追している。
鋼板の強度レベルからみると、TS800~980MPa 級の超高張力鋼も一部実用化され
現在の技術レベル ており、1000MPa 級材料の採用も視野に入っている。成形シミュレーションの精度は
まだ不十分な段階である。
短期
(2 年後)
強度レベル
TS600MPa は TS800MPa
実 用 化 、 そ れ 級の拡大
到達目標の時期と
以上も一部実
用化されてい
レベル
る。
成形シミュレー 数ミリオーダ
1mm 以下
ションの予測
精度
要素項目
目 標 設 定 の根 拠
及
効
果
中期
(5 年後)
TS980MPa
級の利用拡大
長期
(10 年後)
TS1000MPa
超級の一般化
0.5mm~
100μm オーダ
材料開発、プレス機械・金型技術など周辺技術の開発に依る。これまでの技術開発
力のさらなる展開が期待される。
1.
2.
目標に到 達 するた
3.
めの技術開発内容 4.
5.
例
6.
7.
波
現状
寸法・形状の高精度化を実現する成形技術の開発
スプリングバック予測など成形シミュレーションの精度向上とその利用技術
熱間成形など温度利用成形技術の開発
金型材料及び金型の表面処理技術の開発
サーボプレスの利用技術の開発
潤滑剤の開発などトライボロジー技術の確立
成形性に優れた高強度材料の開発
地球環境対応への貢献は大きい。また、高強度材自動車部品以外の製品への展
開、難加工材の成形技術の開発を促すことが期待される。
海 外 の取 組 状 況 ・
材料開発、成形技術開発が積極的に進められている。金型材料開発や金型の表面処
技術レベル
理技術では、独自の展開が見られる。成形シミュレーション技術は優位な状況にある。
国際的優位性の
技術を確立することにより、現在の優位性を保持することが可能である。成形シミュレ
予測
ーションのソフトなど海外依存の強い周辺技術では、レベルアップが課題である。
備
考
軽量化材料の成形技術開発と共通の課題がある。
技術指針の関連項目* 2
(1)⑥アオ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
162
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ⑯
小 項 目 (テーマ名 )
アルミニウム・マグネシウム・チタンに最適のプレス技術開発
a4,5,14b1,3,9d4e1A1F4
関連マトリクス分野
アルミニウム・マグネシウム・チタンは鋼板と比較すると難成形材料であり、鋼板並み
技 術 の 概 要 のプレス加工技術が望まれる。技術開発の課題抽出と新たなプロセスの開発を進
める。特に異種材料のプレス技術応用の促進を図る(各分野間の技術交流促進)。
あらゆる分野の製品の軽量化促進が求められ、その実現はある程度の段階には達
経 済 社 会 的 背 景 しているが、さらなる推進のためにはブレークスルーとなる技術の開発、周辺技術の
向上も視野に入れた総合的な検討が必要である。
◎
重
要
度
緊
急
性
この十数年、常に重要なであると指摘され成果も得られているが、さらなる飛躍
を果たすべき課題である。
①
国際競争がますます激しくなっており、日本が弱い分野であり、レベルアップ、
さらにリードする立場を確立することが緊急である。
軽量材料に関しては、基礎的なレベルから実用化を踏まえた技術開発への段階に
現在の技術レベル 進んでいるが、課題は多い。特に、製品の高精度化などでは依然として多くの課題
が残されている。
アルミニウム
高級車を主に
実用化
短期
(2 年後)
中高級車の適
用拡大
マグネシウム
成形技術の実
用化段階
ダイキャストか
らの転換促進
大量生産に適
した工程確立
実用化拡大
チタン
製品化が広が
っていない
大量生産に適
した工程確立
工程の低コス
ト化
実用化拡大
要素項目
到達目標の時期と
レベル
現状
中期
(5 年後)
大衆車への適
用
長期
(10 年後)
他製品への適
用拡大
アルミニウム合金では成形性に優れた材料開発が進んでいるが、マグネシウム・チ
目 標 設 定 の根 拠
タンの開発も望まれる。鋼板で確立されている成形技術の利用をどのように展開す
るかが鍵である。
1. 製品の高精度化(形状凍結など)を実現する成形技術
2.
サーボプレスなど日本固有の技術の有効利用
目標に到 達 するた
3. CAE のさらなる活用
めの技術開発内容
4. 金型技術・潤滑技術など周辺技術の充実
例
5. 温度制御・温度利用技術の高度化
6. 成形性に優れた材料開発
軽量化材料として取り上げているこれらの材料はいずれも難加工材であり、製品化
波 及 効 果 への実用化が進むことは、自動車部品以外の金属プレス分野における課題解決の
突破口となる。
海 外 の取 組 状 況 ・
軽量材料の成形技術開発は、欧米では積極的に展開されている。材料選択の視
技術レベル
点も多角的である。
国際的優位性の
独自技術の開発すすめ、国際水準に達し、さらにそれを越える努力が望まれる。
予測
備
考
原材料の低コスト化も必要である。
技術指針の関連項目 * 2
(1)⑥イ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
163
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ⑱
小 項 目 (テーマ名 )
高度知能化プレス成形システム
関連マトリクス分野
c3F4,9、c2A1-3、(c5B7)
デジタル制御、インライン計測・補正技術、生産条件の最適化、シミュレーション技術
技 術 の 概 要
との融合等の高機能な装置や制御を有するプレス成形システム。
高精度・複雑形状のプレス成形は、製品精度と金型寿命の安定化が不可欠である。
経済社会的背景
重
要
度
緊
急
性
熟練技能者の不足もあり、知能化プレス成形システムが望まれている。
◎
高度化プレス加工に適応するデジタルエンジニアリングとして重要。
②
グローバル化や熟練技能者の減少に対応。
プレス成形システムは、素材の搬入、金型交換、プレス条件の設定等の自動化は進
現在の技術レベル んでいる。課題は製品精度と金型寿命が両立した安定生産、サーボプレスの機能を
最大限に生かす成形システムとコストパフォーマンス。
要素項目
到達目標の時期と
レベル
現状
短期
中期
(2 年後)
(5 年後)
サーボトランス 微細・超精密
アプレス
プレス
プレス機械
サーボプレス
最適生産
自動化、省人 最 速 生 産 ( 製
化
品精度,金型
寿命)
金型干渉自動
チェック機能
制御
自動診断
リモートメイン
テナンス
総合 FF・FB・
RT 制御
長期
(10 年後)
知能化システ
ム弾性・熱変
形制御
高効率 (不良
率 0、省エネ)
シミ ュレーショ
ン技術との融
合
サーボプレス、制御技術の現状から、デジタルエンジニアリングの視点でまとめる。
目 標 設 定 の根 拠
1.サーボプレスや付帯装置の機能・精度の向上、機種の拡大
2.最適生産(生産性と品質・金型寿命向上・省エネ等のコラボ技術)
目標に到 達 するた ・フレキシブルなスライドモーションと搬送タイミングの最適制御
・素材、プレス、金型、製品の総合制御: フィードホワード(FF)・フィードバック(FB)・リ
めの技術開発内容
アルタイム(RT)制御
例
3.不良率 0 の適応制御 金型寿命予測、成形シミュレーションとプレスのインターフェ
ース
4.高度ネットワーク化 自動診断、メインテナンスフリー
デジタル生産システムの中核技術として、他の塑性加工分野への展開が期待される。
波 及 効 果
海 外 の取 組 状 況 ・
産学官連携のプロジェクトの取り組みは見られない。
技術レベル
国際的優位性の
日本は、今後共世界トップレベルを維持。
予測
備
関連技術:Ⅰ⑲サーボプレスの高度化と利用技術の開発、Ⅱ①シミュレーション技術
考
技術指針の関連項目
と知能金型技術を融合させたプレス加工、Ⅱ⑩インプロセスでの知能生産システム
*
2
(2)①~④
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
164
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ⑲
小 項 目 (テーマ名 )
サーボプレスの高度化と利用技術の開発
関連マトリクス分野
b5-9A1-3、b5-9B2-4、(c3F4,9)
プレスのスライド速度、モーション、ストローク長さ、加圧力、位置などの制御機能
技 術 の 概 要 や、データバンクや IT 機能、さらに工法、金型、装置との複合・複動機能を活用す
る高度化成形技術。
経済社会的背景
重
要
度
緊
急
性
サーボプレスは、従来の油圧・機械プレスにない機能があり、これを活用して革新的
なプレス加工法を開発することに期待が高い。
◎
デシタルプレス加工の基盤技術および高度化技術として重要。
①
日本発のオリジナル技術をさらに発展させる必要があり、知財化も含め緊急度
は高い。
AC サーボモーター、油圧サーボモーター、リニアモーター等の各種のサーボプレ
現在の技術レベル スが開発され、スライドモーションの自由度によりハイテン材を中心とした成形性アッ
プや各種製品の生産性向上に活用されている。
要素項目
現状
プレス成形法
単発・順送加
工
到達目標の時期と プレスの種類・
機能向上
レベル
目標に到 達 するた
中期
(5 年後)
微細精密成形
長期
(10 年後)
高精度安定生
産
微細精密プレ
スサブ μm の
位置制御
知能化プレス
大型プレスの
圧力制御
最 速 生 産 ( 製 工 法 のデータ (適応制御)
品 精 度 , 金 型 バンク化
寿命)
機械、工法開発、デジタル化、先進技術への対応の視点から目標設定。
デジタル化
目 標 設 定 の根 拠
汎用・ボデイ
成形
20(1部 2)μm
のスライド位置
制御
プレスモーショ
ンの任意設定
短期
(2 年後)
トランスファ加
工
複合・複
動成形
多機種への展
開
シ ン グ ル μm
の位置制御
1.サーボプレスや付帯装置の機能・精度の向上、機種の拡大
めの技術開発内容 2.他分野(切削、焼結、プラスチック等)から製造法を転換するための工法開発
3. デジタル、IT 機能を活用してデータバンク化やグローバル化への対応技術
例
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
プレス成形の高度化とコストカットに貢献し、他分野からの工法転換や新規分野か
らの参入により、プレス加工のパイを拡大する。
アジア、ヨーロッパでもサーボプレスが開発され、利用技術に取組み始めた。
技術レベル
国際的優位性の
日本は、今後共世界トップレベルを維持。
予測
備
考
関連技術:Ⅰ㉑高精度・高機能な多軸成形機と複動成形技術、Ⅰ㉕板鍛造等の高
度複合プレス成形技術、Ⅰ㉖微細・超精密成形技術
技術指針の関連項目 * 2
(1)④ア、(2)③イ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
165
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ㉑
小 項 目 (テーマ名 )
高精度・高機能な多軸成形機と複動成形技術
関連マトリクス分野
b5-9A1-3、c4B2-4
技 術 の 概 要
経済社会的背景
重
要
度
緊
急
性
ネットシェイプ成形や工程短縮のため、高精度・高剛性のプレスと高機能な多軸加
圧装置(クッションなども含む)を有する成形機による複動成形技術の高度化。
コストダウンやリードタイムの短縮のため、設備機械のコンパクト化や金型数の削減
要求が高い。
◎
塑性加工の目標であるネットシェイプ成形の有力な手段。
②
アイデアの検証と知財化
2 軸の絞りプレスや 3 軸の精密打抜きプレス、最近では 3~5 軸のハイドロフォーミ
現在の技術レベル ングプレスが多軸成形機の代表例である。課題はシンプル化と高機能化、あるいは
汎用性と専用化の長所・短所の見極め。
中期
(5 年後)
タンデムプレス
ラインの工程
の短縮
多段成形
長期
(10 年後)
微細精密成形
用多段成形
多工程 5 軸成
形
プレス・装置
絞り、精密打
抜き、ハイドロ
フォーミング
2, 3, 4(5)軸制
御
上・下作動
短期
(2 年後)
厚板の圧縮絞
り (工程短縮)
5 軸成形
水平作動
多段上下作動
制御
多軸制御
多軸協調制御
知能化(高精
度・省エネ成
形)
最適多軸制御
要素項目
現状
プレス成形法
到達目標の時期と
レベル
目 標 設 定 の根 拠
成形法、プレス機械を基本に目標を設定。
1.プレス成形法 複動圧縮絞り、多段成形(絞り、しごき、曲げ、打抜き等)
目標に到 達 するた
多工程の複動成形
めの技術開発内容 2.プレス・装置 作動装置数、方向(上・下、水平)の多様化
3.制御:高度多軸制御技術 (同時、個別、順次、協調作動)による
例
最適制御 (高生産性、高精度、省エネ)
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
複動成形は、鍛造、焼結等の他の素形材技術と共通の基盤技術。
ヨーロッパは油圧プレスによる多軸成形機の技術は高い。
技術レベル
国際的優位性の
サーポプレスを活用した多軸成形機で世界をリードする。
予測
備
考
関連技術: Ⅰ⑲サーボプレスの高度化と利用技術の開発、Ⅰ㉕板鍛造等の高度複
合プレス成形技術、Ⅰ㉖微細・超精密成形技術
技術指針の関連項目 * 2
(1)①カ④エ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
166
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ㉒
小 項 目 (テーマ名 )
複合成形機(他分野の工法との組合せ)
関連マトリクス分野
c7B5、c4B2-4、(c7C1,5)
プレス加工とレーザ切断・結合・加熱工程等の塑性加工分野以外の加工法がシス
技 術 の 概 要 テム内に集約され、プレス製品の高付加価値化や多品種中量生産に有効な成形
機。
プレス加工は大量生産に適する加工法として発展してきた。最近では多品種中量
経 済 社 会 的 背 景 生産も増加して、金型を使用しないレーザ加工やプレスの中で複数部品の組立て
等のニーズがある。
重
要
度
緊
急
性
◎
対象製品を拡大し、プレス成形品の高付加価値化に繋がる重要な技術。
②
基盤技術の確立と見極め
レーザ切断とプレス成形は、一部の部品についてのみ、またプレス内での複数成形
現在の技術レベル とかしめによる組立ては一部のメーカで実用化されている段階。
課題は生産性と設備コスト。
要素項目
現状
短期
(2 年後)
中期
(5 年後)
長期
(10 年後)
素材(ブランク)
ブランキング
サーボプレス
高速レーザ加
多品種中量生
造り
テーラードブラ
の活用
工による高歩
産用の複数素
留り・高精度
材から部品ま
のブランク造り
での一貫製造
複 数 成 形 と結
難加工材の加
ライン
合・組立ての
熱成形(局部
複合成形
加熱を含む)
到達目標の時期と
ンク
レベル
成形
かしめ
結合・組立て
目 標 設 定 の根 拠
目標に到 達 するた
多品種中量生産をターゲツトにした一貫製造ラインを目標に設定。
1.高精度ブランク造り
めの技術開発内容 2.加熱成形
3.結合・組立て
例
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
レーザ切断による高精度ブランク材の製造
難加工材成形のための局部加熱を含めた高速・高精度加熱
金型内かしめ、溶接等の接着技術
プレス対象製品の拡大
海外情報はほとんどない。
技術レベル
国際的優位性の
業際を越えたグローバル技術の活用により世界をリードする。
予測
備
考
関連技術:Ⅰ㉘精密温度制御成形技術(温間・恒温・極低温成形)
技術指針の関連項目 * 2
(1)③イ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
167
分野名:金属プレス技術
小 項 目 (テーマ名 )
小項目№:Ⅰ㉕
板鍛造等の高度複合プレス成形技術(焼結、切削部品からの工法転換技術)
関連マトリクス分野
B4-8A1,3、b4-8B2-4
塑性加工の各種工法を組合せるネットシェイプ成形技術。例えば、鍛造工法、精密
技 術 の 概 要 打抜き、複動成形、塑性結合等との高度複合プレス成形技術。切削、焼結等から
の工法転換により、省エネルギの成形技術。
塑性加工は、板金、精密せん断、鍛造等、それぞれ異なる分野やメーカで発展して
経済社会的背景
きたが、これらの技術を組合せることで高付加価値のプレス製品が可能になる。もの
づくりは、Quality、 Cost、 Delivery が重要だが、複合成形技術は Q、C に圧倒
的な強みがある。
重
要
度
緊
急
性
◎
複合技術は、すり合せ技術の代表例で日本に残る技術。ネットシェイプ成形、
あるいはコンセプトチェンジの製造法として重要度が高い。
②
日本ブランドのものづくり技術として育成。
板鍛造は約 20 年前から始まり、約 5 年前から普及段階に達しが、工程設計能力や
現在の技術レベル 金型寿命に課題がある。さらなる高精度・複雑形状の成形、結合や複動成形を取り
入れ、用途の拡大のため高度化が必要である。
短期
(2 年後)
ネットシェイプ 普 及 段 階 。 更 個別対応技術
なる高 度 化 や から応用展開
到達目標の時期と 化
分野拡大が必 技術へ
レベル
要
(工程設計力)
基盤技術
板鍛造、精密 厚板材工法開
要素技術
せん断、塑性
発(高精度・歩
結合
留り)
現状からの高度化とデータベース化。
目 標 設 定 の根 拠
先進分野の基盤技術として育成。
要素項目
現状
中期
(5 年後)
難加工材、微
細精密成形へ
の展開
塩素フリー潤
滑剤
高寿命の金型
長期
(10 年後)
シミュレーショ
ン技術の確立
(複雑形状、寸
法精度)
知能化
データベース
構築
1. 工程設計、金型設計・製作技術の向上 (技術蓄積と人材育成)
目標に到 達 するた
めの技術開発内容
例
2. 高精度・高剛性・高機能のプレス開発
3. 複雑形状の流動解析と寸法精度シミュレーション技術の向上
4. 環境対応の技術開発 (塩素フリーの潤滑油、高歩留り成形)
波
及
効
果
プレス成形の高度化とコストカットに貢献し、他分野からの工法転換や新規分野か
らの参入により、プレス加工のパイを拡大する。
海 外 の取 組 状 況 ・
板鍛造の本格的な製品は見当たらない。しかし、テーラードブランクや油圧プレス
技術レベル
による複合・複動成形には取組んでいる。
国際的優位性の
今後共世界トップレベルを維持。
予測
備
関連技術: Ⅰ⑲サーボプレスの高度化と利用技術の開発、Ⅰ㉑高精度・高機能な
考
多軸成形機と複動成形技術、Ⅰ㉖微細・超精密成形技術
技術指針の関連項目 2
*
(1)①オ③ア
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
168
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ㉖
小 項 目 (テーマ名 )
微細・超精密成形技術
関連マトリクス分野
b6,8A1,3、c3F4,9、f7F9
金属材料のミリ/マイクロン/ナノメートル・オーダの微細形状をプレス成形する超精密
技 術 の 概 要
経済社会的背景
重
要
度
緊
急
性
現在の技術レベル
成形技術。
情報化を支える電子制御部品、さらにロボットや医療機器等の MEMS 先進分野の
プレス加工部品のニーズは微細・超精密部品。
◎
先進技術分野に対応する次世代の成形技術。
①
基礎技術の研究開発と知財化が必要。
小物プレス部品の寸法精度は、量産加工で切削や研削加工(10μm)の一部のレベ
ルにある。
要素項目
精度レベル
短期
(2 年後)
現状
μm オーダ
←
(10~20μm)
長期
(10 年後)
シングルマイク
ナノメートルレ
ロメートルオー ベル
到達目標の時期と
レベル
中期
(5 年後)
ダ
(100nm)
基盤技術
マイクロ部品
測定評価技術
成形機械
素材
装置
の試作
成形技術
金型創成技術
生産技術
用途
ロ ボ ッ ト ・ セ ン バイオ医 療 機
サ等のマイク
器
ロマシン
目標は、エッチングからプレス加工への置換えを想定。
目 標 設 定 の根 拠
参考資料:JSTP ナノマイクロ加工分科会資料
1.金型創成技術の開発
目標に到 達 するた
2.成形技術の開発
めの技術開発内容 3.素材の開発
4.成形機械の製造技術
例
5.測定評価技術の確立
波
及
効
果
微細細密成形技術の確立が一般製品のプレス加工技術の高度化につながる。
海 外 の取 組 状 況 ・
EU 連合は、大学での研究、大型産学連携プロジェクトにより日本より先行。
技術レベル
アメリカ、中国、韓国は追いつかれつつある。
国際的優位性の
産学官の連携により基盤技術を高め、世界トップレベルにすべき技術
予測
備
考
関連技術:Ⅰ⑲サーボプレスの高度化と利用技術の開発
技術指針の関連項目 * 2
(1) ①ア⑨エ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
169
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ㉚
小 項 目 (テーマ名 )
バイオ分析、医療用マイクロデバイスの金属成形技術
関連マトリクス分野
a3,14d2A、a3,14d2A1
技 術 の 概 要
経済社会的背景
重
要
度
緊
急
性
ナノ・マイクロ成形に適した超微細結晶粒径の素材や金型部材の開発、ナノ精度の金
型創成技術、マイクロ部品のハンドリング・組立技術、ナノ・マイクロ成形に適したプロ
セス・成形機械、また、材料物性の計測評価、プロセスセンシング・制御技術、数値シ
ミュレーションなどによる変形の予測技術を確立する。さらに、他の加工との融合による
複合加工技術の開発も開発する。
バイオ分析、マイクロ医療分野への応用に資する技術として、MEMS 関連の研究
開発が急速な発展が遂げてきている。MEMS の普及に伴い、安定した MEMS の
生産技術が大変重要な課題となっている。
◎ バイオ分析,医療分野 MEMS 製造の基盤技術
超精密次世代ものづくり基盤技術
① EU 諸国に遅れをとっている。アメリカや中国・韓国に追いつかれつつある。
いくつかの研究開発事例があるが、生産技術としての基盤が弱く、確立までに多く
の技術課題が残されている。
要素項目
現状
短期
中期
長期
(2 年後)
(5 年後)
(10 年後)
微 細 形 状 加 工 加工技術の確保
金型
い く つ か 加工手法提案
技術の確立
と精度保証
研 究 事
素材開発と物性評 マ イ ク ロ 成 形 性 素材生産確立
素材
例 が あ 価
評価
プロセス・加工 る . が い プロセスの提案
プロセスの確立 生産技術確立
到 達 目 標 の 時 期 と 機械
ず れ の
レベル
接合・組立
要 素 技 メカニズムの確認 プロセスの提案 生産技術確立
センシング・制 術 も ほ と センシング手法の セ ン シ ン グ 手 法 セ ン シ ン グ 制 御
御
の確立
システム確立
んど手付 提案
モデリング、シミ かず
変形メカニズムの モデルの提案
シミュレーション
ュレーション
確認
精度確保
複合加工手法の 複 合 加 工 技 術 複 合 加 工 に よる
複合加工技術
提案
データベース化 生産技術確立
MEMS の普及に伴い、安定した MEMS の生産技術が大変重要な課題となる。金
属材料は耐薬品性や生体適合性が高く、材料の延性を利用した成形加工は生産
目 標 設 定 の根 拠
効率が高く、低コストな量産加工技術であり、金属材料の成形加工による微細部品
やマイクロデバイスの製造が量産技術の確立が急務である。
目標に到 達 するた a)金型部材の開発、微細金型創成 b)素材開発と材料特性評価 c)マイクロ成形
めの技術開発内容 用プロセス・加工機械 d)接合・組立 e)プロセスセンシング・制御技術 f)材料変
形モデリング、プロセスシミュレーション g)複合加工技術
例
マイクロ金属成形及び金属と樹脂の複合成形による MEMS の創製を実現するた
波 及 効 果 めの統合的なマイクロ塑性加工技術の確立が成果として期待される。これにより、日
本の MEMS の生産技術が世界をリードする。
海外では、ドイツのエルランゲン大学やブレーメン大学、米国のノースウェスタン大
学などでは、マイクロ化に伴う材料の変形特性や摩擦特性などの寸法効果に着目
海 外 の取 組 状 況 ・ した研究が多くなされている。また、EU 連合の大型産学連携研究プロジェクト(通称
MASMICRO,2005 年-2009 年)では、13 ヶ国から 37 機関による材料、加工プロセ
技術レベル
ス、計測評価などを含むマイクロ金属成形の生産システムの統合的な研究開発が
進められている。
国 際 的 優 位 性 の 実生産に適した MEMS 加工プロセス及び生産システム技術が確立され、間違いな
予測
く世界トップレベルの技術になる。
関連技術:Ⅰ㉖微細・超精密成形技術の開発促進に貢献する。
備
考
現在の技術レベル
技術指針の関連項目 * 2
(1)⑨エ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
170
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅰ㉛
小 項 目 (テーマ名 )
金属製燃料電池セパレータ向けの微細プレス加工技術
関連マトリクス分野
f8A1
1.1mm~0.2mm の極薄 SUS あるいはチタン板の高精度プレス技術で型、機械、材
技 術 の 概 要 料の全ての技術を集結する必要がある。
燃料電池の小型化、高出力化のために不可欠。カーボンセパレータに比べて 50 分
経 済 社 会 的 背 景 の 1 の厚さにすることにより車載が可能になる。コストも大幅に低減できる
重
要
度
緊
急
性
◎
CO2 ガス低減のための切り札として燃料電池車は開発が急がれている。技術の
ポイントは小型軽量化とコスト削減にある
①
社会情勢から言って一刻の余裕もない。極めて緊急性の高い技術である。
すでに研究開発が進んでおり、一定の成果は出つつある。しかし、材料メーカ、機械
現在の技術レベル メーカ、型メーカを総合した技術の一貫性には劣る点がある。
標準化も含めて開発する必要がある。
要素項目
到達目標の時期とレ
短期
(2 年後)
現状
1. 材 料 技 術 ( 耐 食 30%
中期
(5 年後)
50%
70%
長期
(10 年後)
100%
性、精度)
ベル
目 標 設 定 の根 拠
目標に到 達 するた
めの技術開発内容
例
2.プレス技術
40%
70%
100%
3.コスト
20%
70%
100%
材料については市場性に左右される。プレス技術とコストダウンについては業界努力
で達成できる。量産化が達成できればコストは現状の 30 分の 1 に下がる。
1.材料:板厚精度1μm、耐食性はチタンクラッドなど高性能化が必要
2.プレス技術:製品の平坦度5μm、成型溝の断面積のばらつき 1%以下、重量は 10
分の 1 を目指す。型技術と機械の精度向上がかぎ。
3.コスト:現状(カーボン製)の 50 分の 1
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
超精密プレス技術が達成できれば医療・福祉分野への応用、MEMS 分野への応用
など、ナノ・マイクロ加工分野への応用は計り知れない。
海外ではカーボン製セパレータの製造のみで現状は我が国がリードしている。
技術レベル
現状は我が国が最先端を切っている。サーボプレスが海外で普及すると日本の優位
国際的優位性の
予測
性は下がって来るものと思われる。自動車業界の動きが技術の発展に大きく関わって
くる。その他の業界ニーズによって開発は加速されるであろう。
我が国では某自動車の技術が一歩リードしているようであるが詳細は不明である。関
備
考
技術指針の関連項目*
連項目:サーボプレスの高度化と利用技術の開発
2
(1)①ア
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
171
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅱ①
小 項 目 (テーマ名 )
シミュレーション技術と知能金型技術を融合させたプレス加工の知能化
関連マトリクス分野
c2,3F3、d2F3、f8B7F3
サーボプレスの中に、材料の流れを検知・制御する機能を有する金型を組み込む。
材料の最適な流れを成形シミュレーションにより事前予測し、所与の部品形状に対
技 術 の 概 要 して最適な材料流動が実現されるように、サーボプレスの運動と知能金型の機構を
制御する。これにより、最適加工条件の探索容易化、不良率低減、ばらつき低減、
部品寸法の高精度化が達成される。究極のプレス技術である。
難加工材料(高強度鋼板,アルミ合金,チタン合金,マグネシウム合金)の需要増、
経 済 社 会 的 背 景 熟練作業者の減少、対 BRICs 諸国への競争力強化の必要性、我が国の生き残り
をかけたものづくり技術の高度化の必要性
重
要
度
緊
急
性
◎
上記の経済社会的背景より自明
①
上記の経済社会的背景より自明
シミュレーション技術はある程度高度化され、サーボプレスも普及し初めているが、
現在の技術レベル 両者の融合はできていない。また、材料挙動をセンシングし、その情報をフィードバ
ックしてプレス機械を制御する手法も確立されていない。
短期
中期
長期
要素項目
現状
(2 年後)
(5 年後)
(10 年後)
こ れ ら の 技 術 各種センサ 高精度な材料モ シミュレーショ
サーボプレス
到 達 目 標 の 時 期 と 知能金型
ン技術・センシ
デルの構築
を組み合わせ の開発
た サ ー ボ プ レ 材料挙動の 金型知能化を具 ン グ 技 術 と サ
センサ
レベル
成 形 シ ミ ュ レ スの知 能 化 は セ ン シ ン グ 現 化 す る た め の ー ボ プ レ ス の
融合
未開拓の分野 手法の確立 機構の開発
ーション
プレス加工の知能化を実現するためには,サーボプレス,材料挙動のセンシング技
術,知能金型を具現化するためのメカニズム,成形シミュレーション関連技術が高
度化し,融合しなければならない.
・より高精度なシミュレーションソフトウェアの開発
・高強度鋼板、アルミ合金、チタン合金、マグネシウム合金の高精度な材料モデル
目標に到 達 するた の構築
めの技術開発内容 ・金型内に組み込む各種センサの開発
・金型を知能化するためのメカニズム(機構)の開発
例
・シミュレーション結果をセンサの測定値と融合させ、リアルタイムでサーボプレスを
フィードバック制御するためのインターフェースの開発
我が国のものづくり技術の底上げと国際競争力強化
波 及 効 果 材料の成形性を支配する因子が明確化され、それが新材料の開発研究へもフィー
ドバックされる
目 標 設 定 の根 拠
海 外 の取 組 状 況 ・
海外でも未開拓分野、ドイツは研究をスタートしている可能性あり。
技術レベル
国際的優位性の
日本の特技である、高度な金型技術とサーボプレスを組み合わせれば、世界の水
予測
準をはるかに超える技術になる。
備
考
Ⅰ⑬高強度材の精密成形技術、Ⅰ⑱高度知能化プレス成形システム、Ⅰ⑲サーボ
プレスの高度化と利用技術の開発、Ⅰ㉑高精度・高機能な多軸成形機による複動
成形技術、の開発促進に貢献する。
技術指針の関連項目 * 2
(2)①~④
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
172
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅱ④
小 項 目 (テーマ名 ) アルミ、ハイテン用スプリングバック予測技術の高度化
関連マトリクス分野
a2,4A1F3
アルミ、ハイテンをプレス加工する際に発生するスプリングバック量を高精度(0.5~
0.2mm の誤差範囲以内)に予測するための技術基盤を確立する。主な技術開発
技 術 の 概 要 項目は、材料特性評価(降伏曲面、ひずみ速度依存性、温度依存性、除荷時の非
線形挙動)と材料モデル構築、摩擦係数評価と摩擦モデル構築、金型の弾性変形を
計算効率よく考慮できる有限要素モデルの構築、など。
アルミ、ハイテンのスプリングバック予測技術を高度化させ、金型の修正工数が削減
経 済 社 会 的 背 景 されれば、アルミ、ハイテンの用途拡大が促進され、地球環境対策の面からもその
経済効果は莫大である。
◎ スプリングバックを見込んだ金型製作は、これまで熟練金型技能者の経験と勘
に頼っていた。熟練金型技能者の急激な減少に直面する我が国において,金
重
要
度
型製作時間とコストを維持するためには、シミュレーションによるスプリングバッ
クの予測精度向上が極めて重要である。
①
緊
急
性
地球環境対策の面から、アルミ、ハイテンなどの軽量化材料の成形技術向上
は喫緊の課題の一つである。
上記 a~e については、研究者毎に個別に研究がなされているのが現状である。そ
現在の技術レベル れらの効果を統合的に考慮できる、実用的な板成形用シミュレーションソフトはな
い。
短期
中期
長期
要素項目
現状
(2 年後)
(5 年後)
(10 年後)
到達目標の時期と
1mm
0.5mm
0.2mm
スプリングバッ 5mm
レベル
クの予測精度
目 標 設 定 の根 拠
プレス加工の現場では,実用に耐えるスプリングバックの予測精度の目安は
0.5mm とされている.
a 高精度な材料モデルの構築に資する多軸応力試験法および面内反転負荷試験
法の開発と標準化、および高精度な材料モデルの構築
b 摩擦係数の面圧依存性を定量評価するための摩擦係数測定法の開発と標準化、
および高精度な摩擦モデルの構築
目標に到 達 するた
c 塑性変形特性の温度依存性を定量評価するための材料試験法の開発と標準化、
めの技術開発内容
および温度依存性を考慮した材料モデルの構築
例
d 塑性変形特性のひずみ速度依存性を定量評価するための材料試験法の開発と標
準化、およびひずみ速度依存性を考慮した材料モデルの構築
e 計算時間の増大なく、金型の弾性変形を考慮できる有限要素モデルの開発
f 上記の全項目を考慮できる板成形用シミュレーションソフトの開発
自動車、介護機器、電子機器筐体などさまざまな人工物の軽量化に役立つ。
波 及 効 果 =>地球環境保全、安全・安心な高齢化社会の実現へ波及効果が期待できる
技術レベル
欧州では熱(材料の発熱、摩擦熱)の影響を考慮した成形シミュレーションに研究の
重点が移行しつつある。ドイツはプレス機械の弾性変形を考慮した成形シミュレー
ションプロジェクトを開始。
国際的優位性の
少なくとも欧州並の技術レベルになる。
海 外 の取 組 状 況 ・
予測
備
考
Ⅰ⑬高強度材(高張力鋼板など)の精密成形技術、Ⅰ⑱高度知能化プレス成形シ
ステム、Ⅱ①シミュレーション技術と知能金型技術を融合させたプレス加工の知能
化、の開発促進に貢献する。
技術指針の関連項目 * 2
(2)②ア
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
173
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅱ⑦
小 項 目 (テーマ名 )
知能金型技術による金型の寿命予測
関連マトリクス分野
d1B8、f8B8
金型内に圧力、亀裂及び温度センサを挿入して加工中の金型の変形、微視亀
技 術 の 概 要 裂の発生を検知し、製品の品質保証、金型の補修時期、寿命を予測する重要
技術である。
金型は必要な生産量に見合った寿命が保証されれば生産計画が正確に立てら
経 済 社 会 的 背 景 れる。製品コストに占める金型費の割合が下げられ、製品の品質も安定した
ものになり、安全な製品を供給できるようになる。
◎
重
要
度
緊
急
性
製品の安全性、品質保証、コスト、生産計画を安定したものにするため
に金型の寿命予測は不可欠である。
②
現状ではこれに類した開発は無く、現状調査を実施してから開発計画を
立てるべきである。
研究レベルでは、各種センサを組み込んだ型での調査は行われているが実用
現在の技術レベル 事例はない。センシングとリアルタイムなフィードバック制御は圧延機で行
われている。この方法をプレスに取り組むための基礎研究が必要である。
要素項目
現状
短期
中期
長期
(2 年後)
(5 年後)
(10 年後)
センサの開発
圧力、温度はア AE等亀裂セ プレス機械へ 振動等の外乱
リ、亀裂につい ンサの実用化 の取り込み
状態下での安
到達目標の時期と
てはナシ
定性確保
レベル
リ ア ル タ イ ム プ レ ス に 実 施 制御方法の提 高速プレスで 実働プレスで
フィードバッ した事例はナ 案
の稼動可否の の安定性確保
ク制御
シ
調査
センサについては亀裂を除けば既存のものが使える。亀裂は疲労亀裂が主な
ものになるが金型に使用した実績が無く新規開発になる。制御については機
械メーカの協力があれば達成できる。
目標に到 達 するた 1.圧力センサの開発:金型の面積と圧力の大小があるので各種金型に対応で
きるセンサの開発が必要になる。
めの技術開発内容
2.亀裂センサ:AE センサを主体にプレス用に開発する。
例
3.制御技術:圧延機制御技術が使えるかどうか、サーボプレスで検討する。
高速、振動などの外乱がある中でのリアルタイムセンシングとフィードバッ
波 及 効 果 ク制御技術が確立されれば、組み立て産業、輸送機器産業など多くの産業で
の応用が期待できる。
海 外 の取 組 状 況 ・ AE は薄板プレス成形(絞り、張出し、打ち抜き加工)ならびに鍛造加工時の主
として素材の成形性評価や潤滑特性評価と管理への応用開発が進められてい
技術レベル
る。しかし、金型の寿命予測への適用は全く取り組まれていない。
わが国で本技術開発に成功すれば、わが国の優位性がさらに高まる。その優
国 際 的 優 位 性 の 位性は高精度高感度センサの技術開発レベルに依存し、小型化はその重要な
鍵を握る。それが実現できれば各種センサによる高精度な加工モニタリング
予測
の技術革新に弾みがつき、サーボプレスの高機能化と知能化にも拍車が加わ
るものと期待される。
関連技術:Ⅱ⑪知能機械による 3D 精密測定、Ⅰ⑳サーボプレスの高度化と利
備
考
用技術の開発
目 標 設 定 の根 拠
技術指針の関連項目 * 2
(2)③ウ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
174
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅱ⑩
小 項 目 (テーマ名 )
インプロセスでの知能生産システム
関連マトリクス分野
c3B9
不良発生を検知できる加工要因を常時モニタリングし、異常を検知したら良品を作る
技 術 の 概 要 条件へ、リアルタイムにインプロセスで加工条件を制御し、不良を作らない。制御困難
な場合は機械を停止し、不良発生を未然に防止する生産システム。
グローバルな規模での競争において、高性能、高度化による付加価値向上、コスト競
経 済 社 会 的 背 景 争力を確保するには、歩留まり 100%で高品位の部品を加工できる、生産システムの
構築が必要になってきている。
重
要
度
緊
急
性
現在の技術レベル
◎
製品差別化に繋がる加工難易度の高い部品を、国内含めたグローバルな拠点
で安定して生産することが急務である。
①
不良発生を前提にした生産システムでは、後工程での全数検査、選別が必要で
あり、品質保証はできても生産工程として不安定である。
リアルタイムにインプロセスで加工条件を制御し、不良を作らないシステムは未確立。
要素項目
到達目標の時期とレ
ベル
短期
(2 年後)
現状
中期
(5 年後)
長期
(10 年後)
製品差別化に ア イ デ ア の 創 メカニズムに基 モ デ ル ラ イ ン 検討手順の標
繋 が る 部 品 の 出 、 企 画 、 開 づいたモニタリ で の 生 産 シ ス 準 化 。 生 産 シ
不良発生の撲 発検討段階
ン グ 要 因 と 制 テムの開発完 ス テ ム の 横 展
滅
御条件の抽出
了
開
製品差別化に繋がる部品加工の領域では、品質・コスト競争では海外と比較しても日
目 標 設 定 の根 拠
本優位であり、中長期の課題として取り組む。
目標に到 達 するた
1.対象部品の選定と加工メカニズムの深掘り。要因抽出。
めの技術開発内容 2.荷重計測などモニタリング技術の開発。
3.ストローク制御など、リアルタイムでの加工制御技術の開発。
例
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
部品の付加価値が向上し、グローバルでのものづくりが可能になる。特に工程改善な
ど困難な発展途上地域での、現地部品生産の信頼性が向上。
基本は全数選別で対応。工程改善が進まず苦慮している状況。
技術レベル
国際的優位性の
海外メーカにおいて、加工中に良品条件へ修正するといった考え方はなく、
予測
日本のものづくり力が相対的に優位。
備
考
技術指針の関連項目* 2
(2)③エ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
175
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅲ①
小 項 目 (テーマ名 )
関連マトリクス分野
汎用プレスによる精密せん断技術
b1A1,4,B4,6,7、d1A1,4,B4,6,7
汎用プレスを用いて、微小なクリアランスのパンチ、ダイにて、高張力鋼板において
技 術 の 概 要 も,圧延油の残留成分のみで,潤滑材を使わないで、寸法精度や面の粗さが良好
で、ばりの少ない穴を、焼付きを生じさせることなく、長寿命に得る技術を開発する。
以下により、地球温暖化ガスの削減を図る
・せん断加工時に、潤滑材の洗浄の加熱、廃液処理のエネルギが不要
経済社会的背景
・後工程の切削エネルギ削減、工作油削減
・ファインブランキングの油圧複動プレス加工エネルギ削減
◎ 高張力鋼板の利用が拡大しているが、汎用プレスによるせん断加工は困難
重
要
度
で、パンチとダイのクリアランスが大きくなり、せん断面の加工品質、精度が低
下してきている。
① 一般の軟鋼板のみでなく、高張力鋼板の利用が拡大のためには、早急に技
緊
急
性
術の開発と普及が必要である。
汎用プレスによるせん断は焼付きが生じるため、クリアランスを大きくするため精度が
悪く、機械部品の場合は後工程で切削が必要である。現在の精密せん断の主流で
現在の技術レベル あるが、ファインブランキングは材料歩留まりが悪く、専用の油圧プレスのためエネ
ルギー効率が低く、また高静水圧を作用させるため潤滑材も油性材や極圧材が多
量に使用されている。洗浄に多量のエネルギを使用している。
要素項目
現状
短期
中期
長期
(2 年後)
(5 年後)
(10 年後)
穴抜きパンチ
シェービング
軟鋼板適用
高張力鋼板
高張力厚鋼板
(4mm 以下)
(6mm 以上)
到達目標の時期と
ブランキングパ
ファインブラン
レベル
ンチ
キング゙
金型コーティン 工具鋼
超硬・コーティ 長寿命
長寿命・ドライ
グ
ング
高剛性プレスと新しい打抜きパンチの形状の開発によって、1%以下のクリアランス
目 標 設 定 の 根 拠 で焼付きを生じることなく、全面せん断面の穴抜きが可能であるとの発表が出てきて
いる。今後の開発によって、実用化普及を図る必要がある。
目標に到 達 するた 1. 穴抜き用パンチ・ダイの開発(耐焼付き性の高いパンチ)
2. 高精度ブランキング用ダイの開発(製品寸法精度の高いダイ形状)
めの技術開発内容
3. 長寿命コーティング
例
4. ドライせん断加工技術の開発、普及
金属プレス加工は素材のせん断(ブランキング)に始まって、プレス品のせん断(トリミ
ング)に終わる。穴抜き工程はプレス加工でも中核となる工程であり、せん断技術は
波 及 効 果 非常に利用範囲の広い技術である。
・材料歩留まりの向上による省資源化
・極圧剤の添加が不要となるので、有害物質の排出抑制になる。
海 外 の取 組 状 況 ・ ファインブランキング技術に関しては、日本が進んでいる。
海外ではせん断加工後の切削加工が主流であり、汎用プレスによる精密せん断の
技術レベル
試みはなされていない。
国 際 的 優 位 性 の 微小クリアランスの汎用プレスによる高張力鋼板のせん断加工が可能になれば、プ
レス加工の国際的な優位性は大幅に高まる。
予測
備
考
技術指針の関連項目 * 2
(1)①エ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
176
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅲ②
小 項 目 (テーマ名 )
関連マトリクス分野
複雑形状部品の塑性結合化により熱処理エネルギを削減する技術
b10B3,4,D1、a11B3,4,D1
軸つき円盤など複雑形状部品を対象に、塑性結合技術によって簡単な形状部品を
塑性加工し、焼入れなどの熱処理をした後に塑性結合する技術の開発により、以
技 術 の 概 要 下のエネルギを削減する.①炉内積載効率の大幅向上による熱処理エネルギ、②
熱間鍛造から冷間プレス加工への転換による素材加熱エネルギ、③プレス加工の
精度向上による切削エネルギの、④潤滑材削減による洗浄エネルギ。
自動車の駆動系など機械部品の高強度化、長寿命化のために、熱処理部品の需
経 済 社 会 的 背 景 要が増している。この熱処理には、加工の数倍のエネルギを要しており、その削減
技術が要求されている。
◎ 例えば、自動車の駆動機器部品メーカでは熱処理方法の改善における省エ
重
要
度
ネのみでなく、加工工程との組み合わせによるプロセス全体での省エネを図る
ことは重要である。
①
緊
急
生産工場における消費エネルギの削減技術開発は急務である。
性
シェービング接合、軸付きスプラインの円盤穴での押込み、植え込み鍛接などの方
現在の技術レベル
法があるが、軸と円盤に硬さの差が必要である。
要素項目
長期
(10 年後)
到達目標の時期と
接合基本方式 研究開始
自動車部品
レベル
ロボット用減速
機
ギヤ部品など、軸付き円盤状の焼入れ部品の加工エネルギの大半は熱処理で消
目 標 設 定 の根 拠
現状
短期
(2 年後)
静的強度把握
接合精度把握
中期
(5 年後)
疲労強度把握
部分適用
費されている。そのエネルギのうち部品の正味の加熱は 20%以下である。塑性結合
によれば、炉内の積載効率が数倍向上でき、エネルギが削減できる。
1.焼入れ材同士の接合法の基本方式開発
2.静的な強度の把握と高強度化
めの技術開発内容 3.結合精度の把握と高精度化
4.疲労強度の特性把握
例
5.技術活用のデータベース構築
・自動車用の焼入れ部品のみでなく、ロボットの減速機、産業機器、建機などの駆
動系部品の特に熱処理エネルギの削減
波 及 効 果
・熱間鍛造部品の冷間プレス板鍛造化(高精度化)による材料歩留りの向上
・円盤と軸材料の適材選択によるコスト低減も可能
海 外 の取 組 状 況 ・ 海外での発表例は無い
目標に到 達 するた
技術レベル
国際的優位性の
省エネ生産方式により、CO2 排出コストも含めコスト競争力が向上する。
予測
備
考
技術指針の関連項目 * 2
(3)④ウ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
177
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅲ③
小 項 目 (テーマ名 )
エコプレス
関連マトリクス分野
c1D1,4、c2A1-3
省資源・省エネルギ・環境保全の観点から総合的に評価して、コンパクト化・低消費
技 術 の 概 要 電力・低振動低騒音・安全性等に優れるプレス機械の開発。広くはネットシェイプ成
形品の LCA 評価により、高精度・高機能プレスをもエコプレスとして評価する。
地球環境にやさしい製造方法は、持続的な発展のために不可欠な要因になってい
経 済 社 会 的 背 景 る。生産効率と共に省資源、省エネルギ、環境保全・安全等に優れる設備機械が
望まれている。
重
要
度
緊
急
性
◎
環境負荷低減と経済性を両立させるコンセプトのエコプレスは極めて重要。
①
地球温暖化防止政策とリンク。
プレスの主流である機械プレスはフライホイールを持つ省エネ設備であるが、サー
現在の技術レベル
ボプレスの開発によりさらに効果を期待されている。
要素項目
機構・構造 設
計
現状
サーボプレス
短期
(2 年後)
コンパクト化
(面積・高さ)
長寿命化
到達目標の時期と
レベル
空・油圧回路、
および潤 滑
油、作動油
電動装置・
制御
目 標 設 定 の根 拠
回生エネルギ
エネルギストレ
ージ
充填・消費量
の削減 10%以
上
省エネ回路・
成形モーショ
ン
中期
(5 年後)
駆動効率アッ
プ
メインテナン
スフリー
低振 動・低騒
音
充填・消費量
の 削 減 30%
以上
新エネルギス
トレージ
長期
(10 年後)
エコプレスの
評 価 基 準 とし
て、プレス加
工 製 品 の
LCA 評 価 を
確立
空・油 圧回 路
の削減、およ
び高効率化
高効率のモー
ター、および
システム制御
環境要素を基本に開発内容を設定
目標に到 達 するた
1)省資源化
2)省エルネギ化
3R(Reduce, Reuse, Recycle)コンパクト構造、保守フリー装置
エネルギロスの少ない駆動機構、無駄な稼働時間の排除
熱損失の少ない電気装置・回路
めの技術開発内容
3)環境保全・安全 低騒音・低振動のプレス、無害な材料の使用
例
4)プレス加工製品を LCA 評価することによるプレスのエコ評価
波
グリーン調達に貢献し、生産設備全体の環境負荷低減に貢献する。
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
技術レベル
国際的優位性の
予測
備
考
プレス機械の環境要素全体をアセスメントしたエコプレスとしての取り組みはないと
思われる。
プレス機械とプレス加工製品の環境負荷評価基準を確立して、省エネ・省資源プレ
ス成形技術でトップ。
関連技術: Ⅲ⑪安全で快適な金属プレス加工現場の構築、Ⅲ⑬EMF(エミッションフ
リーマニュファクチャアリング)
(社)日本鍛圧機械工業会は、2009 年度に MF エコマシン認証制度を立上げ予定。
技術指針の関連項目 * 2
(3)④オ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
178
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅲ⑥
小 項 目 (テーマ名 )
省資材推進技術
関連マトリクス分野
a14D3、 b1B4
プレス現場での材料利用率向上技術、不良率減少技術、廃材の利用技術に分か
技 術 の 概 要
れる。その他に設計段階での省資源化も大切である。これらの技術開発を達成する
ためには、材料の精度、特性の向上、型技術、接合技術、スクラップの流通システ
ムなどの総合的開発が必要である。
社会的ニーズは極めて高い。プレス製品は材料費の占める割合が 40~70%に達
経済社会的背景
する。昨近の異常な材料費高騰に対処するために緊急を要する技術開発である。
不良率の要因は、材料のばらつき、加工中の不具合が主なもので業界として最も
重要な改良技術と考えられる。
◎
重
要
度
緊
急
性
資源節約、環境問題から重要度は高い。省資源は軽量化、省エネ、コストダウ
ンにつながり企業の業績に反映される最重要課題である。
①
この 5 年で材料費は 2~3 倍に高騰しており緊急を要する課題である。
技術要素は多岐にわたり総合的な取り組みが必要であるが、現状のレベルは極め
現在の技術レベル て低い。
要素項目
1 部品設計
到達目標の時期と
レベル
2 材料歩留ま
り向上
3 加工不良の
減少
現状
企業毎に対応
が異なるがほ
とんど達成さ
れていない。
4 廃材の流通
システム
短期
(2 年後)
50%
中期
(5 年後)
70%
長期
(10 年後)
80%
50%
80%
100%
30%
80%
100%
0%
50%
70%
1.については設計者への理解が大切でユーザ企業への PR と普及に 10 年は掛か
目 標 設 定 の 根 拠 る。2、3 はプレス加工現場で直接利益に結びつくので達成は早い。4.は社会情勢
によって左右されるがスクラップの価格が高ければ早い
1.部品の性能以外に、歩留まり向上を設計者に理解させるための設計指針を作成
目標に到 達 するた する。
めの技術開発内容 2.、3.材料の精度向上、型の精度向上が必要。製品寸法ばらつきの原因究明、表
面キズの発生原因の解明、直し技術の開発が必要。
例
4.リサイクル業界との協議、安定した量の確保により設備投資の保障。
全ての素形材メーカの共通した課題である。素形材ユーザの意識改革を促し、他
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
の産業にも通じる技術になる。
本テーマに関する海外での取り組み事例は聞いたことがない。
技術レベル
国際的優位性の
日本独自の省資源、コストダウンの技術である。
予測
備
考
技術指針の関連項目 * 2
(1)⑧ア~エ、(3)④ア~オ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
179
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅲ⑩
小 項 目 (テーマ名 )
安全で快適な金属プレス加工現場の構築
関連マトリクス分野
g1E5,7
技 術 の 概 要
材料投入、金型段取り、加工作業、加工完成品の物流等の一貫した安全・環境対策
及びヒューマンエラーに対する未然防止対策が必要である。
金属プレス工業は、その作業形態から労働災害、騒音・振動などにより工場内におけ
経済社会的背景
る作業環境の改善が課題である。このため、プレス作業の自動化、省人化を推進する
ことにより、プレス災害の防止とともに、工場内外における騒音・振動を防止することに
より快適な作業環境で作業者に優しいプレス工場の実現を目指す。
重
要
度
緊
急
性
◎
安全で環境にやさしいプレス工場の実現
①
環境・安全性の良い快適な職場として、有能な人材や若年層の雇用を促進する
上でも、緊急性は高い。
労働災害については、安全性の高いプレス機械やプレス安全装置の導入とともに IT
現在の技術レベル
化の推進、多品種少量生産に対応した自動化を進めている。また、作業環境改善に
ついては、工場内に吸音材や吸音ボックスの使用、油煙や溶接時の臭気については
換気装置の設置で対応。
要素項目
到達目標の時期とレ
ベル
短期
(2 年後)
現状
中期
(5 年後)
安全対策
産 学 官 に よ る 現状の 30%減 50%減少
(災害)
取組み
環境対策
環境 ISO の推 現状の10%減 30%減少
(騒音・振動)
進
長期
(10 年後)
無災害
少
50%減少
少
騒音・振動公害に対しては吸音材、防振装置が既に存在しているが、被加工材の変
目 標 設 定 の根 拠
化や新鋭加工機械などにより騒音・振動の発生内容や労働災害の種類も変化してき
ている。
目標に到 達 するた
騒音振動に対しては作業性がよく、安全性が高く騒音・振動の少ないプレス機械の開
めの技術開発内容 発や潤滑油を使用しないドライ加工技術の開発が期待される。
例
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
環境・安全性の良い快適な職場として、有能な人材や若年層の雇用が促進される。
北米、EU 諸国を中心に基準・制度が段階的に進化している。
技術レベル
国際的優位性の
日本のものづくり技術の一貫として安全・環境技術を付加することにより
予測
更なる国際的優位性を確保できる。
備
考
技術指針の関連項目* 2
(3)④イ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
180
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅲ⑪
小 項 目 (テーマ名 )
関連マトリクス分野
無公害潤滑油の開発及び加工油レスによるドライ成形技術の確立
e1D7、(e1D4-6)、(e3D4-7)
非塩素系潤滑剤を使用することにより、工場クリーン化を目指す。また特殊金型材料
技 術 の 概 要 の開発及び金型表面処理技術の向上により一切加工油を使用しないドライ成形技術
の確立が環境面において必要不可欠である。
通常プレス加工においては塩素系を含む潤滑剤を使用するケースが多いが、環境面
を考慮すると好ましくない。しかしながら成形性を考慮するとどうしても使用せざるを得
経 済 社 会 的 背 景 ないのが現状。そこで成形性を失わないで、非塩素系潤滑剤またはそれに代わる潤
滑剤を使用することが望ましい。又は、滑り性のある金型材料或いは金型表面処理レ
ベルの向上することにより全く潤滑剤を使用しないドライ加工の実現が可能となる。
◎ 環境にやさしいプレス加工の実現
重
要
度
緊
急
性
②
早急な対応が望まれる
潤滑剤を使用しないドライ加工は未だ無いが、研究としては実施している所もある。潤
現在の技術レベル 滑剤については非塩素系の潤滑剤もあるが、加工性についての検証が今後必要とな
る。
短期
中期
要素項目
現状
(2 年後)
(5 年後)
非塩素潤滑剤 検証(100%)
ナノ C 配合による金 実 用 化 が 進
到達目標の時期とレ 特殊金型材料 現状は無い
属
材 料 の 開 発 む(100%)
(20%)
ベル
(50%)
金型表面処理 PVD 又は CVD
滑り性重視の表面 実用化及び
が主(20%)
処 理 技 術 開 発 普及(100%)
(50%)
環境を配慮した潤滑剤については既に存在しているが、各材質に対して加工性に影
響を及ぼすケースがある。現状は材質を選定しながらの実用化となっている。
目 標 設 定 の 根 拠 金型材料の開発及び表面処理技術の開発については、現在様々なメーカで取り組
んでいる。産学間連携等の研究テーマとして今後実用化に向けた取り組みが必要で
ある。
金型材料としては潤滑剤を使用しなくても十分な滑り性がある材料の開発が必要であ
目標に到 達 するた る。特に C(カーボン)は非常に滑り性があるため今後のテーマとしては期待できる。し
めの技術開発内容 かし脆性が大きいため強度的な観点からも見直す必要がある。表面処理技術につい
ては PVD 処理が期待される。様々な化学成分を混合し金属にコーティングできるの
例
で滑り性のある表面処理技術の開発として期待がもてる。
潤滑剤を使用しないので、プレス加工時に生じる油煙の問題も解消される。環境に優
波 及 効 果 しい工場が実現できる。
海 外 の取 組 状 況 ・
技術レベル
国際的優位性の
予測
備
非塩素系の潤滑剤については海外でも存在しているが、ドライ加工における取り組み
についての報告はされていない。
近年の環境問題に対しては国際的に大きな問題となっている。ただ技術力が高いと
いうだけでなく、環境にも考慮したものづくりが実現できれば国際的優位性が持てる。
考
技術指針の関連項目* 2
(3)②ア~エ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
181
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅲ⑫
小 項 目 (テーマ名 )
EFM(エミッションフリーマニュファクチャリング)
関連マトリクス分野
e1D1、(e1D2-7)、(e2D1-7)、(e3D1-7)
洗浄レス・ドライ加工等のクリーン化技術、スクラップレスを含む高歩留り加工、サイレ
技 術 の 概 要 ント加工等のゼロ・低エミッションの成形技術確立が必要不可欠。
地球環境への負荷を限りなくゼロにするためゼロエミッション。プレス加工においては
経 済 社 会 的 背 景 潤滑剤の洗浄処理や、スクラップ処理、騒音・振動と環境へ負荷を及ぼすケースが多
い。
重
要
度
緊
急
性
◎
環境にやさしいプレス加工の実現
①
早急な対応が望まれる
騒音・振動問題についてはサーボプレス機の実現によりスライドを自由に設定するこ
現在の技術レベル
とで低騒音・低振動を実現できる。又、スクラップについては歩留りを向上するための
設計が行われているがゼロには出来ていない。洗浄についても今のところ潤滑剤を
使用した加工となっているので洗浄処理をゼロに出来ていないのが現状
短期
中期
要素項目
現状
(2 年後)
(5 年後)
低振動・低騒音 サーボプレス使
用
洗浄レス
到達目標の時期とレ
加工油レス・ドラ ドライ成形確立
速乾性油使用
イ成形技術の開
ベル
発
歩留り向上
設計の見直し
歩留り向上を目 歩留り向上技術
トランスファ
指した設計及び 確立
技術
低振動・低騒音についてサーボプレス機の誕生により実用化レベルまで達している。
目 標 設 定 の根 拠
洗浄レスについてはドライ加工或いは速乾性潤滑剤の開発が必要となる。
歩留り向上については設計レイアウトが大きなウエイトを占める。
目標に到 達 するた
めの技術開発内容
例
洗浄レスのためにはドライ加工が必要となる。そのために滑り性のある金型材料の開
発及び、金型表面処理の技術の高度化が必要である。
歩留り向上については極力材料を使用しない設計が必要となる。極力スクラップを抑
海 外 の取 組 状 況 ・
える方法としてはトランスファによるプレス加工も一つの手段である。
地球環境に与える負荷が小さい。このため従来のプレス工場のイメージとは 180 度異
なり、3K と呼ばれていた時代に終止符を打つ。又男性の職場としてのイメージが無く
なり男女共に働ける職場となる。
環境については海外でも非常に力を注いで取り組んでいる。サーボプレスも国内だ
技術レベル
けでなく海外メーカも開発し、実用化に向けての評価を行っている。
国際的優位性の
近年の環境問題に対しては国際的に大きな問題となっている。ただ技術力が高いと
予測
いうだけでなく、環境にも考慮したものづくりが実現できれば国際的優位性が持てる。
Ⅲ⑪安全で快適な金属プレス加工現場の構築、Ⅲ⑫無公害潤滑油の開発及び加工
油レスによるドライ成形技術の確立、に関連する。
波
備
及
効
考
果
技術指針の関連項目* 2
(3)④ア
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
182
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅳ⑤
小 項 目 (テーマ名 )
軽量化材料の温間・熱間域における変形特性評価手法の確立と材料モデリング
関連マトリクス分野
b9a4a5A6F3、f6E6
輸送機器の軽量化材料として最有望株である Al、 Ti、 Mg、 高強度鋼などのプ
レス成形技術の高度化を達成するための基盤技術として、これら材料の熱間・温間
技 術 の 概 要
域における大ひずみ多軸材料試験機、熱間・温間域高度材料モデリング技術、熱
間・温間域成形性評価試験法の標準化技術を開発する。
自動車産業を継承する我が国のものづくり産業の基盤を航空・宇宙産業におく。地
球環境保全のためには、輸送機器の軽量化は必須である。輸送機器の軽量化を
経済社会的背景
達成する手段として、Al, Ti, Mg, 高強度鋼を用いた部品製造技術の高度化が急
務である。
◎ 航空・宇宙産業の振興・育成の基盤技術
重
要
度
ものづくり産業基盤のレベルアップ
緊
性 ①
急
現在の技術レベル
EC 諸国、中国・韓国に遅れをとっている。
いくつかのメーカにて、軽量化材料の温間成形が実施されているが、成形条件の
探索は試行錯誤に頼っており、技術基盤が脆弱である。
要素項目
到達目標の時期と
レベル
目 標 設 定 の根 拠
目標に到 達 するた
めの技術開発内容
例
波
及
効
果
現状
短期
(2 年後)
熱間・温間
域 ひ ずみ測
定技術の確
立
中期
(5 年後)
熱間・温間域
大変形多軸材
料試験機の開
発
長期
(10 年後)
1.熱間・温間域
成形性評価試
験法の標準化
2.熱間・温間域
高度材料モデ
リング技術の確
立
熱間・温間域にお 多軸応力下に
おける軽量化
ける:
1.ひずみ測定技術 材 料 の 温 間 ・
2.大ひずみ多軸材 熱 間 域 に お け
る塑性変形特
料試験機開発
3.成形性評価試験 性は未解明
法標準化
4.高度材料モデリ
ング技術
Al、 Ti、 Mg、 高強度鋼は輸送機器用の軽量化材料として最有望株である。これ
ら材料は熱間・温間域での成形性に優れる。成形シミュレーションを活用した熱間・
温間域プレス成形技術の高度化のためには、これら材料の熱間・温間域での変形
特性評価手法と材料モデリング技術の確立が急務である。
・熱間・温間域での使用に耐える高精度なひずみ測定技術の確立
・熱間・温間域大変形多軸材料試験機の開発
・熱間・温間域成形性評価試験機の開発と評価試験法の確立
・熱間・温間域における変形挙動を予測するための高度材料モデリング技術(現象
論モデル・多結晶塑性モデル、転位モデル)の確立
医療機器、介護機器、家電製品、電子機器筐体などさまざまな人工物の軽量化に
役立つ。 =>安全・安心な高齢化社会の実現へ波及効果が期待できる。
海 外 の取 組 状 況 ・ フランス、ドイツを中心にして EC 諸国の研究は活発。
中国・韓国も研究をスタートさせている。
技術レベル
国 際 的 優 位 性 の 間違いなく世界トップレベルの技術になる。
予測
Ⅰ③成形性に優れた軽量化用材料(高張力鋼板、アルミニウム合金、マグネシウム
合金、チタン合金)、Ⅰ④低価格マグネシウム板材で開発された軽量化材料の材料
備
考
モデリング、Ⅰ⑰アルミブロー成形技術、Ⅳ⑬メーカ共通材料データベースの開発
体制、に貢献する。
技術指針の関連項目 * 2
(4)④エ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
183
分野名:金属プレス技術
小 項 目 (テーマ名 )
関連マトリクス分野
小項目№:Ⅳ⑥
マルチスケール材料モデリングを用いたプレス加工用高成形性軽金属材料の開発
手法の確立
A5F3
材料強度の原子論、転位論、結晶塑性学、巨視的連続体力学をスケール(対象と
技 術 の 概 要
する材料寸法範囲)を超えて有機的に連結したマルチスケールモデリングを発展さ
せ微視的な材料組織から巨視的な機械的性質を予測する手法を整備し、この技術
を用いて、プレス加工用高性能金属材料を計算機内で設計する手法を確立する。
軽量金属材料であるアルミニウム、マグネシウム、チタンは、鉄鋼材料に比べて加
経 済 社 会 的 背 景 工性が劣るのが現状であるが、鉄並に加工性に優れた軽金属材料を開発すれば、
地球環境対策の面からもその経済効果は莫大である。
◎
重
要
度
緊
急
性
鉄並に加工性に優れた軽金属材料を開発するために、この技術は必須であ
る。もはや実験的手法だけでは材料のさらなる高性能化は難しい。
①
地球環境対策の面から高成形性軽金属材料の開発は最も急ぐべき緊急課題
の一つである。
材料強度の原子論、転位論、結晶塑性学、巨視的連続体力学それぞれは過去に
十分に発展してきていると言えるが、スケールギャップを超えてこれらを有機的に結
合する技術のレベルは、実用に耐えうるレベルに達していない。
要素項目
現状
短期
中期
長期
(2 年後)
(5 年後)
(10 年後)
マ ル チ ス ケ ー 個別の基礎的 理 論 手 法 と し 計 算 科 学 と の 完全実用化技
到 達 目 標 の 時 期 と ルモデリング
有機的融合
術として普及
要素技術は出 ての確立
来つつある
レベル
実 用 技 術 と し ほ と ん ど 実 用 結晶塑性論の マ ル チ ス ケ ー 多数の適用成
て適用
化 さ れ て い な 工業的実用化 ルモデルの工 功例
業的実用化
い
要素技術は世界的に活発に研究されている段階であり、今後多くの若手研究者の
目 標 設 定 の根 拠
参入が期待できるならば、設定目標は達成可能。
現在の技術レベル
1.原子論から得られる情報を転位の集団挙動のモデル化へ取り込む
2.転位の情報を結晶塑性モデルに反映
めの技術開発内容 3.結晶塑性モデルと巨視的連続体力学を連結
4.材料設計に適用可能なシステム構築
例
5.高成形性軽金属材料の開発
従来の常識を打ち破る高成形性軽金属材料は、地球環境対策の一つの鍵を握る
波 及 効 果
技術であり、その材料設計手法の確立の波及効果は絶大である。
目標に到 達 するた
海 外 の取 組 状 況 ・
技術レベル
国際的優位性の
予測
備
欧州、米国では、材料強度の原子論、転位論、結晶塑性学、巨視的連続体力学、
それらのマルチスケール化と計算科学の融合分野に、研究者が多く着実に発展し
ている。最近では中国・韓国にも有能な研究者が見受けられる。
上記のように、欧州、米国では、研究者も多く着実に発展しているが、我が国のこの
分野は層が薄く、このままでは 5 年後には後塵を拝する可能性が大きい。金属産業
は日本の基幹産業の一つであり、何としてでも国際的優位性を持つべきである。
考
技術指針の関連項目 * 2
(4)④ウ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
184
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅳ⑩
小 項 目 (テーマ名 )
シミュレーション支援室の設置
関連マトリクス分野
d1E1,4、d1F3,9
日本国内の要所要所にシミュレーション業務を専門に行う公共機関(以下、「シミュレ
ーション支援室」)を設置する。プレス企業は金型の図面(CAD データ)、材料特性値
技 術 の 概 要 など解析に必要な諸条件をシミュレーション支援室にインターネットで送る。これを受
けたシミュレーション支援室は、直ちに FEM シミュレーションを行い、計算が終了次
第、解析結果をプレス企業に回答する、というシステムである。
1.熟練技能者の大量退職に若年技術者の供給が追いつかず、技能伝承が危機的状
況
2.ソフトウェアの価格が高価な上に、ワークステーション、プリ・ポストプロセッサ用ソフト
ウェアも必要となり、中小・零細企業にとって導入コストが負担
経済社会的背景
3.解析結果を評価するには弾性論、塑性論の知識がある程度必要であり、解析専門
の技術者の育成が難しい
4.効率よく解析を実施するには、解析専門の人員の配置が望ましいが、人手不足に
悩む中小企業の状況下ではそのような措置は困難である。
◎ 我が国のものづくり技術の基盤は中小・零細企業が担っていたが、熟練技能者
の技能伝承が危機的状況である。シミュレーション技術の普及により少しでも補
重
要
度
完すべきである。
① 欧米諸国、中国、韓国において、シミュレーション技術の普及が著しい。我が国
緊
急
性
が遅れをとることがあってはならない。
大手メーカ(大企業)においてはシミュレーション技術は日常業務の一環として完全に
定着している。しかし中小・零細企業においては、上記問題点のため、成形シミュレー
現在の技術レベル
ションを実施しているのは 20%程度(平成 19 年日本金属プレス工業協会実施のアン
ケート調査結果による)であり、普及が遅れている。
要素項目
現状
短期
中期
長期
(1年後)
(3年後)
(7年後)
到達目標の時期とレ 材料特性の把 基礎データ収 デ ー タ ベ ー ス
握
集
のシステム化
ベル
支援室の設置 仮想試作利用 仮 想 試 作 利用 支援システム 実用化及び普
の環境把握
の環境整備
の試験運用
及
自動車部品は、環境・省エネ等の要求から軽量化か求められている。
目 標 設 定 の 根 拠 特に難加工材のハイテン材を積極的に採用する動きが顕著になっている為、成形技
術・金型技術を習得し、見込み金型によるトライ回数の削減・納期短縮等を図る。
シミュレーションプログラムの研究
目標に到 達 するた ネッワークシステムの基盤整備
複雑形状測定比較技術
金型変形測定技術
めの技術開発内容
例
波
及
効
果
海 外 の取 組 状 況 ・
我が国のものづくり技術の底上げと国際競争力強化
不明
技術レベル
国際的優位性の
予測
備
日本のものづくり技術のレベルは、多くの熟練技能者の存在によりもともと高度で洗練
されていた。そのような高度な技能伝統を継承しつつ、高度なシミュレーション技術を
組み合わせることにより、国際的優位性は十分確保可能
考
技術指針の関連項目* 2
(4)①イ
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
185
分野名:金属プレス技術
小項目№:Ⅳ㉕
小 項 目 (テーマ名 )
量変動に強い生産システム技術
関連マトリクス分野
c5B7
技 術 の 概 要
生産数量に比例して設備投資が可能な量変動対応加工機(1/n 小型-n 倍加工時
間加工機)、工程分割小型成形機の開発。
生産のグローバル化、地域生産に必要な生産数量に応じた投資、生産コストを最
経 済 社 会 的 背 景 小化し、製品に必要な部品の現地生産を実現することによって、調達コスト、リード
タイムを削減しつつ、部品に求められる品質を確保することが課題となっている。
重
要
度
緊
急
性
◎
中大物、中空部品は輸送効率が悪く、輸送時間もかかることから、現地メーカ
との相対的なコスト競争力の低下を招く。
②
日本製品に求められる部品品質を現地メーカが確保するには時間を要するた
め、当面の競争力低下は免れる。
量に比例して、単純に加工時間を遅くし、投資コストを低減することは難しいため、
現在の技術レベル
必要荷重の低減、工程短縮などの工法開発をセットで推進。
要素項目
到 達 目 標 の 時 期 と 量変動に対応
した生産シス
レベル
テム、加工機
現状
短期
(2 年後)
中期
(5 年後)
長期
(10 年後)
アイデアの創
小型加工機の
生産システム
同技術の普
出、企画、開
開発。
(工 法 開 発 )の
及、標準化。
発着手段階。
開発。
の開発
目 標 設 定 の根 拠
現状、難易度の高い部品は日本からの輸出、または数量を集めての大量生産方式
での現地生産で競争力を確保しているため中長期的課題として設定。
1.シンプル、スリムな小型加工機の開発。
目標に到 達 するた
2.必要荷重の低減、工程短縮などの工法開発。
めの技術開発内容
3.開発した工法で部品加工可能な金型の開発。
例
4.工程管理、品質管理、設備保守、インフラの整備。
波
及
効
果
シンプル、スリムな加工機によって、基礎が不要で簡便に設備移動をすることが可
能になる。
マザー工場のプラントを輸出し、高いコストをかけて現地生産で品質を確保するか、
海 外 の取 組 状 況 ・
現地サプライヤでの部品調達で品質レベルを落として対応するかの対応に留まっ
技術レベル
ている。
国際的優位性の
日本の物づくり力を相対的に向上し、競争力ある製品のグローバルな規模での普
予測
及、標準化が可能になる。
備
考
技術指針の関連項目 * 2
(1)⑦ア
3
*:「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」に基づく技術高度化指針(案)において「2.高度化の方向性」または「3.配慮事項」として掲げられた項目
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