橋梁点検業務(PDF 3550KB)

総合建設コンサルタント
橋梁点検業務 のご案内
1.『建設』から『維持』の時代へ
20 世紀の大きな経済発展を支えるために、多くの社会基盤が整備されてきました。高度経済成長とともに、
道路、鉄道、空港、港湾などが整備され、我々の生活水準は大幅に向上し、経済大国といわれるまでになりました。
ところが国民の価値観の変化や厳しい財政事情もあって、近年では環境問題や地域格差などの問題が顕在化し
てきました。
21 世紀は、
「循環型社会」の形成が望まれています。これは近代社会が、膨大な資源を消費することによっ
て維持されており、今後従来のペースで生産・消費活動を行うことは、資源の有効性のみならず、地球環境へ
の負荷を考えると許されないという認識からです。
これからの土木分野に望まれる技術は、既存の社会基盤を守る力であるといえます。これまで、過酷な条件
をもつ国土において、新しい技術開発により難工事を成し遂げることに国民の喜びがありました。今後は、今
ある社会基盤を5年でも 10 年でも長く安全に利用でき、地球環境を守ることが喜びとなるはずです。
2. 岐阜県の管理する『橋梁』
架設年次別内訳(橋長15m以上)
250
その他
鋼とRC(PC)橋
PC橋
RC橋
鋼橋
200
橋150
梁
数
100
~2005
~2000
~1995
~1990
~1985
~1980
~1975
~1970
~1965
~1960
~1955
~1950
~1945
~1940
~1935
~1930
0
~1925
50
架 設 年 代
1960 年頃より、橋梁の建設数が急増しています。一般に耐用年数を 50 年と考えると、2010 年から老朽化
した橋梁が急増することになります。補修・補強が必要な橋梁は早めの手当てを行い、耐用年数を長くするこ
とで更新までの時間を延ばすなどの対策が必要となってきます。
岐阜県では、GIS をベースとしたコンクリート構造物の維持管理システムの構築を目的として、「岐阜県の主
要コンクリート構造物健全度調査委員会」を、平成 13 年度から進めています。この委員会は、岐阜大学(工
学部社会基盤工学科)と ( 財 ) 岐阜県建設研究センターの共同研究で行われています。
(連絡先:岐阜大学教授 森本博昭 TEL058-293-2403)
3. コンクリートは劣化する(定期点検のすすめ)
山陽新幹線のトンネル覆工コンクリートの崩落や、高架橋のかぶりコンクリートの剥離の事故を契機として、
コンクリート構造物の劣化が問題化しています。
県内の橋梁も例外ではなく、下の写真に示す損傷が発生しています。
写真-1
写真-3
写真-2
写真-4
写真 -1 かぶりコンクリートのはくり。原因はかぶり不足により鉄筋が腐食したため。
写真 -2 有害なひびわれ。原因はアルカリ骨材反応と思われる。
写真 -3 床版の耐力低下を示すひびわれ。原因は活荷重による疲労と床版の厚さ不足など。
写真 -4 コンクリートのスケーリング。長年にわたる凍結と融解の繰り返しが原因である。
上の写真にあるような状態を放置した場合、近い将来に使用上の問題が発生することは容易に想像ができ、維
持管理の必要な理由はここにあります。
(ケース 1) 補修にはお金をかけず、壊れるまで使用して、壊れたら創り直す。
(ケース 2) 損傷が大きくならないうちに補修を実施し、今ある橋をなるべく長く使用する。
現在の社会情勢を考えた場合、ケース 2 の考え方が社会に受け入れられる考え方といえます。適切な時期に妥
当な補修を行なえば橋は長持ちします。
ただし、これらの損傷は、橋の上を歩くだけでは見つけることが出来ない上、橋梁に関わる知識を持っていな
いと的確な情報を収集することが困難といえます。これを解決するのが、橋梁の定期点検です。
4. 岐阜県の点検診断シート
下部工(橋台・橋脚)、支承点検・診断シート
所在地
上部工形式
竣工年月
点検年月
点検会社名
【一般国道 ○○○号】 △△橋
大日コンサルタント㈱
健全度指標
点 数
B-c
4.7
健全度指標の計算
個数 配点 積
a
b
c
d
e
合計
26
0
0
8
5 40
7 20 140
0 40
0
0 100
0
41 - 180
上部工(上面)点検・診断シート
〔下部工〕
橋台
橋脚
所在地
上部工形式
竣工年月
点検年月
点検会社名
大日コンサルタント㈱
上部工(上面)点検・診断シート
ひびわれがあるか
漏水、遊離石灰があるか
所在地
コンクリートに剥離、欠損があるか
上部工形式
鉄筋露出、さびがあるか
竣工年月
鉄筋に断面欠損、破断があるか
点検年月
橋面からの漏水の影響がある
点検会社名 大日コンサルタント㈱
凍害、ASRによる劣化はあるか
基礎の洗掘があるか
浸食、すりへり等があるか
施工不良による豆板等はあるか
ひびわれがあるか
漏水、遊離石灰があるか
コンクリートに剥離、欠損があるか
鉄筋露出、さびがあるか
鉄筋に断面欠損、破断があるか
橋面からの漏水の影響がある
凍害、ASRによる劣化はあるか
基礎の洗掘があるか
浸食、すりへり等があるか
施工不良による豆板等はあるか
〔支承〕
支承
【一般国道 ○○○号】 △△橋
沈下、変形、脱落、傾斜、移動等があるか
支承周囲に土砂詰りはあるか
腐食はあるか
支承モルタルに剥離、欠損はあるか
A1
c
b
b
a
a
b
a
a
c
b
A1
対象外
c
対象外
〃
対象外
〃
〃
〃
P1
P2
a
a
a
a
a
a
a
a
c
a
c
b
a
a
a
b
a
a
c
a
P1
対象外
〃
〃
〃
対象外
〃
〃
〃
P3【一般国道 ○○○号】 △△橋
a
a
b
a
a
b
a
a
c
a
P2
対象外
〃
〃
〃
対象外
〃
〃
〃
P3
対象外
〃
〃
〃
特記事項
・支承は鉄板形状により対象外とする。
〔橋面〕
排水施設
排水桝に土砂詰りはあるか
上部工(下面)点検・診断シート
排水桝にオーバーレイはあるか
舗装ひびわれ、わだち掘れはあるか
上部工形式
舗装の剥離、欠損はあるか
竣工年月
床版ひびわれに関連する舗装ひびわれ、ポットホール、陥没はあるか
点検年月
橋台背面に舗装ひびわれ、段差、陥没はあるか
排水桝に土砂詰りはあるか
点検会社名 大日コンサルタント㈱
排水施設
高欄・防護柵・ 排水桝にオーバーレイはあるか
腐食、変形、欠損はあるか
健全度指標
A-d
地覆
剥離、鉄筋露出、ひびわれはあるか
舗装ひびわれ、わだち掘れはあるか
点 数
2.8
舗装
舗装の剥離、欠損はあるか
照明・標識
腐食、断面欠損はあるか
床版ひびわれに関連する舗装ひびわれ、ポットホール、陥没はあるか
健全度指標の計算
ボルトのゆるみ、脱落はあるか
橋台背面に舗装ひびわれ、段差、陥没はあるか
個数 配点 積
a
240
0
0
高欄・防護柵・ 遊間部から路面排水が下部工に落ちる可能性はあるか
腐食、変形、欠損はあるか
伸縮装置
b
36
5 180
地覆
遊間の異常、段差はあるか
剥離、鉄筋露出、ひびわれはあるか
c
20 20 400
伸縮装置に腐食、変形、欠損はあるか
d
9 40 360
照明・標識
腐食、断面欠損はあるか
e
0 100
0
特記事項
ボルトのゆるみ、脱落はあるか
合計 305 - 940
伸縮装置
P1~P2
a
a
P2~P3
a
a
P3~A2
a 【一般国道 ○○○号】 △△橋
a
b
b
a 1
A1~P
ca
a
a
cb
b
対象外
a
〃
c
b
b
a 2
P1~P
対象外
a
a
a
cb
b
対象外
a
〃
対象外
b
b
a 3
P2~P
対象外
a
a
a
cb
b
対象外
a
〃
対象外
b
b
a 2
P3~A
aa
a
a
cb
b
対象外
a
〃
a
安全 危険
所在地
舗装
〔橋面〕
A1~P1
a
a
遊間部から路面排水が下部工に落ちる可能性はあるか
遊間の異常、段差はあるか
伸縮装置に腐食、変形、欠損はあるか
J1
a
a
a
a
c
J2
a
a
a
対象外
〃
J1
a
a
a
J3
a
a
a
a
c
a
c
対象外
〃
J4
a
a
a
a
c
対象外
〃
J2
a
a
a
J3
a
a
a
○
安全 危険
安全
○ 危険
安全 危険
○
-
-
J5
a
a
a
安全
安全 危険
危険
J5
a
a
a
安全 危険
○
安全 危険
対象外
〃
J4
a
a
a
-
-
○
特記事項
〔RC床版〕
排水施設
鉄筋
コンクリート
周囲から漏水、遊離石灰の発生はあるか
排水系路の異常はあるか
排水管の欠損、不足はあるか
鉄筋露出、さびがあるか(張出し部)
鉄筋露出、さびがあるか(中間部)
コンクリートが剥離、欠損 しているか(張出し部)
コンクリートが剥離、欠損しているか(中間部)
ひびわれがあるか(漏水、遊離石灰、さび汁を伴わない)
漏水、遊離石灰を伴うひびわれがあるか
さび汁を伴うひびわれがあるか
二方向のひびわれがあるか
エフロレッセンスがあるか
施工不良による豆板等はあるか
a
c
a
b
a
c
a
a
a
a
a
b
a
ひびわれがあるか(漏水、遊離石灰、さび汁を伴わない)
漏水、遊離石灰を伴うひびわれがあるか
さび汁を伴うひびわれがあるか
二方向のひびわれがあるか
コンクリートが剥離、欠損しているか
鉄筋露出、さびがあるか
鉄筋に断面欠損、破断があるか
桁端部の遊間に異常が認められるか
施工不良による豆板等はあるか
ひびわれがあるか(漏水、遊離石灰、さび汁を伴わない)
漏水、遊離石灰を伴うひびわれがあるか
さび汁を伴うひびわれがあるか
コンクリートが剥離、欠損しているか
鉄筋露出、さびがあるか
施工不良による豆板等はあるか
a
b
a
a
c
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
〔RC桁〕
主桁
横桁
A1~P1
対象外
対象外
〃
〃
〃
〃
b
b
a
a
c
c
a
a
a
a
b
d
a
a
a
a
b
a
b
a
a
c
a
b
a
c
a
a
d
a
a
b
a
P1~P2
対象外
対象外
〃
〃
〃
〃
b
b
a
a
c
a
a
a
a
a
d
d
a
a
a
a
b
b
a
a
A1~P1
a
a
a
a
c
b
a
a
a
a
a
a
a
a
a
b
a
a
a
a
a
P1~P2
a
b
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
b
a
a
a
a
a
b
a
a
a
a
a
a
a
b
a
a
a
a
a
a
b
a
a
a
a
a
対象外
〃
〃
a
a
a
a
a
d
a
a
b
a
P2~P3
対象外
〃
〃
a
a
c
a
a
a
a
a
b
a
a
c
a
b
a
c
a
a
d
a
a
b
a
対象外
〃
〃
b
a
c
a
a
d
a
a
b
a
P3~A2
対象外
〃
〃
b
a
c
a
a
d
a
a
b
a
a
a
a
a
a
a
a
P2~P3
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
c
c
a
a
a
a
a
c
b
a
P3~A2
a
a
a
a
c
b
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
b
a
b
a
a
a
a
a
a
b
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
特記事項
<補足>
a(健全)~e(危険)の5段階評価を行なっています。
c(やや注意)以上の箇所は着色されます。
点検表は、エクセルで作成し、写真は JPEG データで整理されています。
納品は、ペーパーと CD-ROM の両方が可能です。
点検は、橋梁設計と施工管理の経験者が行ないますので、技術的なサポートが可能です。
a
c
a
a
a
c
a
a
d
a
a
b
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
a
b
a
a
a
a
5. 補修工事までのながれ
土壌汚染状況調査は、下図のような手順で行います。
軽微な損傷
重大な損傷
(部分的なコンクリート剥離など)
(床版コンクリートの疲労クラックなど)
詳細調査
クラックの状況、耐荷力の照査、コンクリート強度、
弾性係数、中性化、塩化物量などの詳細調査を必
要に応じて実施する
補修設計
損傷図作成
対策工の決定
補修・補強設計
発注用図面作成
詳細調査の結果をもとに、予備的な設計により対
数量計算 など
策工の比較検討を実施し、ライフサイクルコスト
を考えて対策工を確定する 場合によっては、補
修ではなく補強を考える必要もある
補修工事実施
補修工事実施
6. 主な業務実績
橋梁点検マニュアルの作成
岐阜県オリジナルの橋梁点検マニュアルの作成業務を担当しました。このマニュアルは、①コストをかけない ②点検
結果に個人差が出ない ③橋の損傷程度の判定まで行う、が基本となっています。
岐阜県内で約 1130 橋の定期点検を実施
上記のマニュアルに従い、岐阜県が管理する 15 m以上の橋梁約 1080 橋、関市が管理する 30 m以上の橋梁約 50 橋に
ついて定期点検を実施しました。
お
問
い
合
わ
せ
先
〒 500-8384
岐阜市薮田南 3-1-21
Tel 058-271-2501
Fax 058-274-5325
技術担当部署
コンサルタント事業部 保全部
Tel 058-271-2509
Fax 058-276-6418
東京本社
〒 113-0021
東京都文京区本駒込 2-29-24
Tel 03-3943-7221
Fax 03-3943-7291
名古屋支社
〒 453-0801
名古屋市中村区太閤 3-1-18
Tel 052-452-3061
Fax 052-452-3087
大阪支社
〒 532-0011
大阪市淀川区西中島 5-12-8
Tel 06-6838-1355
Fax 06-6838-1356
本
社
EG201401-4