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コミュニケーションの成立
生物、特に動物 → 情報を利用し、行動・生活
information
送り手: 信号を発信
受け手: 信号を受け取り、解釈・処理する
→ 何らかの働き action が生じる
= 情報として機能する 送り手
sender
受け手
reciever
解釈
働き
action
= コミュニケーションの成立 communication
送り手
sender
受け手
reciever
解釈
働き
action
コミュニケーション成立の条件
(1)通信相手の存在
情報の送り手、発信者
と
受け手、受信者
(2)発信者はメッセージを符号化された信号に置き換えて
伝達する
発声、ジェスチャー等
(3) 信号が伝達されるための通信媒体の存在
直接接触から、光を含む電磁波まで
発声は音波、ジェスチャーは光伝達
(4)受け手は検出器を備え、その情報を判断・解釈できること
脳・神経系の情報システム
外部より伝えられる情報
→ 光・音・におい・味・接触 etc といった transmission
channel を通した、刺激という形を取る → 感覚受容という機能がその情報収集にあたる
各刺激それぞれに特別の受容器が存在
感覚ニューロンによって電気的信号に変換
→ 脳・中枢へ
外部情報
→ これら感覚器官の細胞表層の受容体タンパクに相互作用
→ 物理・化学的変化を与えることで、感覚ニューロンが興奮
→ 活動電位が発生
音
外耳を通り、集音
→ 鼓膜に伝えられ、中耳のツチ・キヌタ・アブミ骨からなる
システムが鼓膜の振動を内耳に伝える
→ 内耳 = 液体の詰まった袋である蝸牛
その真中付近に基底膜がのび、
そこに聴覚受容器の有毛細胞がある
① 音波は空気の振動から体液の振動へと変換
①
基底膜の機械的振動が有毛細胞を刺激
② 有毛細胞根元には圧感タンパク
この機械的刺激が引き金
チャネルタンパクのコンフォーメーションが変化
求心性ニューロン(感覚ニューロン)の興奮
電気的応答への変換
③ 脳・中枢へ情報を伝達
②
③
光
ロッド(主に明暗視)・コーン(色識別)
網膜上に光受容のためのオプシン・タンパクとビタミンAが変化した
レチナールが結合した視物質が光を吸収
= 光信号の感受 網膜コーン外節ディスク膜のロドプシン分子
光エネルギーを吸収 → コンフォーメーションが変化
→ 一連の物質の化学反応を引き起こす
→ 最終的に電気信号に変換され、脳・中枢へ伝達
光子 → ロドプシン → トランスジューシン(Gタンパク)
→ ホスホジエステラーゼ
→ cGMP
→ チャネルタンパク
脳・中枢
感覚ニューロン → 介在ニューロン → 運動ニューロン
介在ニューロン群が形成する神経ネットワーク
取捨選択 伝えられた情報
→ 加工処理
統合
→ 応答、運動
高等動物
内部に蓄えられている情報を元に判断・決定・推理
さらに創造能力を発揮し、高度な知的活動を行える
聴覚を持つ動物
音による伝達 → 簡単な信号が送れる
(鐘をたたく・サイレンを鳴らす・声を出す)
信号を情報に変換するには
何らかの変換処理機構、つまり約束事が必要
それが言葉のはしり 光受容器 → 空間の情報を像として伝えられる
のろし、手旗といった点滅・パターン信号
→ 交信者の間で約束事を取り決めておけば
かなりの情報を伝達できる
人の場合
そこから絵を描く、文字を用いるといった手段が生み出された
受容器官の発達(明暗視から形態視、更には色覚)
が必要
受け取った信号の情報処理能力の著しい進歩
→ 脳の発達によりもたらされた
これらの手段の利用 → 概念・思考という、より高度な情報処理能力の獲得
(5)通信条件(プロトコル)が一致していること
発信側の出力ウィンドー特性
と
受信側の入力フィルター特性
→ 相関 が必要
発信側:対象受信者をどのように選択するか?
特殊な受け手か広い範囲の対象か
空間的広がりと時間的広がり
意図されない受信者に対する対抗手段
受信側:いかに適確な情報を正確に傍受するか?
感度、検出能力の維持
良好なパターン認識・選択性 正確な情報処理能力 (6)混信回避手段の存在
= 特異性確保手段
発信側:狭帯域性信号の発信
物質特異性
音響の特異性
特殊なパターン
受信側: 狭帯域の信号のみを受信するような工夫
受容物質の特異性
フィルター特性
パターン認識機構の特異性
コミュニケーションの階層性
分子内コミュニケーション
細胞間コミュニケーション
コンフォーメーショナルチェンジ、アロステリックエフェクト
細胞認識物質、細胞分化促進物質、免疫抗原・抗体
器官内コミュニケーション
分子間コミュニケーション
ホメオスタシス制御
DNA複製、転写
器官間コミュニケーション
細胞内コミュニケーション
レセプター、イオンチャネル、セカンドメッセンジャー
自己受容器によるフィードバック制御
個体内コミュニケーション
感覚‐行動連鎖(神経情報処理)
環境世界
情動、動機付け制御(液性・内分泌情報)
個体間コミュニケーション
求愛・配偶行動、親子識別
種
他群
他種
群
他個体
個体
器官
細胞
分子
同種間コミュニケーション
郡内コミュニケーション
集団の維持、危険防御
郡間コミュニケーション
テリトリー・集団間隔の維持
異種間コミュニケーション
共生関係、テリトリー防御、捕食‐被捕食者関係
パスワード
communication
レポート課題
ミツバチが示すコミュニケーションの手段
(8の字ダンス、カースト制等)について調べなさい。