保険・年金論(第3回) リスクプーリング

保険論(第4回)
家族と生活の保険
敬愛大学経済学部
2015年4月30日
大塚忠義
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Agenda
第3回 住まいと車の保険
• 住まいの保険
(1)火災保険
(2)家財保険
(3)地震保険
• 賠償責任保険
• くるまの保険
(1)自動車損害賠償責任保険
(2)任意保険
個人が加入する保険の話で企業の保険は対象外
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損害賠償を負うリスク
・他人に傷害を負わせる、死に至らしめる
・他人の所有物を損壊する
・他人に損失を与える
・法律上の賠償責任を負う
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賠償責任保険
保険の原因:個人の日常生活、企業の業
務遂行、または所有・管理している施設
損害の原因:偶然の事故により、
損害の種類:第三者に損害を与え、賠償責
任を負うことにより、被る損失
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施設賠償責任保険
住宅総合保険、家財保険、学生総合
保険等に付帯
・×火事により隣家を類焼
・○水漏れにより階下の部屋が水浸し
自家の火災保険金額より多額
水漏れは学生総合保険で最大の支払
事項
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くるまの保険(1)
強制保険
自動車損害賠償責任保険
自賠責保険
↔
任意保険
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くるまの保険(2)
・1960年代以降一般的になった新し
い保険:自動車という新しい保険の
対象物
・現在ではもっとも一般的な保険
・損害保険会社にとって最大の収入
・賠償責任が中心の補償
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自動車を取り巻くリスク(1)
•自動車の保有台数 9056万台
•自動車事故発生件数
年66万件
•自動車事故による負傷者
年82万人
•自動車事故による死亡者
年4411人
平成24年、財団法人 交通事故総合分析センター
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自動車を取り巻くリスク(2)
•けがのリスク
自分や同乗者のけが、障害、死亡
•車両損害のリスク
運転中の事故以外にも、火災・台風・
洪水、または盗難
•損害賠償のリスク
事故により相手側(被害者)に支払う
損害賠償金
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損害賠償を負うリスク
•他人に傷害を負わせた場合
医療費、休業補償
•相手側が死に至った場合
逸失利益(生きていたら生涯で得られ
るはずの利益)および慰謝料
•物損事故の場合
他人の自動車や家の塀の破壊
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自動車損害賠償責任保険(1)
•自賠責保険といわれる。
•目的は、自動車事故の被害者救済
•加入が法律により義務付けられてい
る保険;強制保険
•人身損害のみが対象
•支払限度、一人死亡につき、3000万
円
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自動車損害賠償責任保険(2)
•自賠責保険証明書は車検通過の要件
•ステッカーをつけていない車は走って
はいけない。(中途解約を認めない)
•保険料率は、どの会社でも同一
•保険会社も引受けを拒否してはいけな
い。
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自賠責の料率
•基準料率制度;損害保険料率算定機構
が保険会社に代わり保険料率を算出
•独占禁止法の例外処置(カルテルを認
めている。)
•No loss no profit rule:営利の介在を許さ
ない。
自賠責と地震保険のみが持つ制度
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任意保険(1)
強制保険に対し、加入が義務付けられ
ていない自動車保険
•対人賠償保険
•対物賠償保険
•自損事故保険
•搭乗者傷害保険
•無保険者傷害保険
•車両保険
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任意保険(2)
•通常、すべてまたは数種類をセットし
たものをいろいろな名称で販売している。
•賠償責任は自賠責の責任を超過した
場合にのみ発動する。つまり、支払額
が3000万円を超えた場合の超えた部
分。
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Agenda
第4回 家族と生活の保険
• 生活のリスク
(1)ライフサイクル
(2)長寿のリスク
• 主要な保険
(1)死亡保険
(2)生存保険
(3) 生死混合保険
個人が加入する保険の話で企業の保険は対
象外
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生活のリスク
•万が一のときの生命保険
万が一とは、、、、、 ちなみに
40歳 男性で 0.001 程度
国民全体で 0.006
•長寿のリスク
•けがと病気のリスク
自分の命の値段を考えたことがあり
ますか
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ライフサイクル(1)
人の一生は、出生から死亡まで、
就職、結婚、こどもの誕生・進学・独立、
住宅所得、退職、老後生活
・・・いろいろなライフステージ
ライフステージの変化・・ライフサイクル
それぞれにおいて資金を必要とする。
例えば
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ライフサイクル(2)
•生計維持者が死亡した場合の遺族の
生活資金
•住宅ローンの残額
•こどもの教育資金
•老後の生活資金
•葬儀費用
•けがや病気のときの費用、生活費
•介護状態になった場合の費用
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ライフサイクル(3)
生命のリスクに対する必要額は、
世代、家族構成、生活水準(収入)、そして
生活に対する考え方で大きく異なる
35歳男性(定年まで25年)、既婚(妻専業
主婦)、子供2人
年収700万
生命保険金はいくら必要か
住宅ローンがあったら?
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ライフサイクル(4)
最大額
1億75百万円=700X25
対応策
公的遺族年金(国から)
死亡退職金(会社から)
生命保険
生活レベルを下げる
妻は専業主婦をやめ就職
子供の大学進学断念
あなたならどうする?
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生活のリスクのリスクマネジメント
‐リスクの回避は不可能
‐発生確率は1/1000
‐エクスポージャーは1億75百万円
‐典型的なテールリスク
‐リスクの軽減策はたくさんある
健康管理、運動、、、
‐リスクの保有は難しい
‐リスクの移転 ⇒保険の活用
では幾ら移転するのが適当か??
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長寿のリスク(1)
平均寿命:男79.59 女86.36
定年:60歳でも国民皆年金制度
↔
公的年金は給付引き下げ
福利厚生制度の見直し
低金利により個人年金の魅力低下
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長寿のリスク(2)
社会保障の平均受給月額
厚生年金:15万1千円
国民年金:5万4千円
2013年厚生労働省発表
夫婦の老後の生活資金:平均22万円
生命保険文化センターの統計資料
定年:60歳↔
社会保障の年金支払開始:65歳
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長寿のリスク(3)
最大額(男性会社員)
2580万円=22×12×5
+(22-15)X12X(79.59-65)
対応策
公的社会保障
企業年金
個人年金
働く
生活レベルを下げる。
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長寿のリスクのリスクマネジメント
‐リスクの回避は不可能
‐発生確率は99/100程度
‐エクスポージャーは2580万円
‐リスクというよりほぼ必然
‐このリスクは軽減すべきものではない
‐リスクの保有:2580万円分の貯金
‐リスクの移転:年金の活用
どのような方法が最も効率的か??
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生命保険(第一分野)
保険者は、契約者または第三者の生死
に関して一定の金額を支払うことを約束
し、契約者は報酬(保険料)を支払うこと
を約束する
一定の金額=定額給付
自分の命の値段をいくらにするか?
損害額、賠償額を明確に算出できる実
損填補タイプとの違い
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主要な生命保険
死亡保険:死亡を保険事故とする
生存保険:生存を保険事故とする
生死混合保険:死亡と生存の両方を保
険事故とする
病気・けがの保険については次回
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死亡保険(1)
保険期間に応じて分類される
定期保険:
一定の期間内(例えば、5,10,20年、60歳
70歳99歳)に被保険者が死亡した場合
に保険金が支払われる。
保険料は他の保険に比べると安い
保険金をもらうことなく満了することが多
い
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死亡保険(2)
終身保険
死亡保障が一生涯続くタイプの死亡保険
保険料の支払は、60-70歳で終了すること
が一般的
保険料は定期保険に較べると非常に高
い
必ず保険金をもらうことができる
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死亡保険(3)
定期付終身保険
終身保険+定期保険
営業職員がもっとも勧めるタイプの保険。
例えば、
60歳まで 2000万円
その後一生涯 500万円
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主契約と特約(1)
主契約
生命保険の基本的な契約部分。死亡
保険、生存保険、生死混合保険のいず
れかが主契約になることがほとんどで
ある。
特約
主契約に付加して、付随的な保障・取り
扱いを行う。
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主契約と特約(2)
主契約に医療関係特約を付加すること
で「けがや病気に対する保障」を提供し
ている。
入院特約
成人病特約
通院特約
介護保障特約
傷害特約
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生存保険(1)
一定期間満了後に被保険者が生存し
ていた場合に保険金が支払われる
逆に、保険期間中に死亡した場合には
何も支払われない
純粋な生存保険は商品化できない
死にそうになったら必ず全員解約する
から
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生存保険(2)
年金保険、こども保険が生存保険の範
疇に入る
保険期間中に死亡した場合には、既に
払い込んだ保険料程度の死亡給付金
が支払われる
つまり、死亡給付金≧解約返戻金
となるように設計する
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個人年金保険(1)
被保険者が所定の年齢(eg. 60歳)に達
すると毎年一定額の年金が約定した期
間支払われる生存保険
年金支払開始日前に死亡した場合には、
既に払い込んだ保険料程度の死亡給付
金が支払われる
低金利のため、現在特殊なタイプ(変額
年金、外貨建て年金)を除くとほとんど売
れていない
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個人年金保険(2)
終身年金:被保険者が生存している限
り年金を受取れる。
保障期間付終身年金:保障期間中は
被保険者の生死に関わりなく、その後
は生存している限り年金を受取れる。
確定年金:契約時に定めた一定期間は
被保険者の生死に関わりなく年金を受
取れる。年金支払期間は10,15,20
年が多い。その後は年金の支払はない。
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個人年金保険(3)
夫婦年金(連生年金):夫婦のいずれか
が生存している限り年金を受取れる。
長寿のリスクにもっとも対応しているの
は終身年金・夫婦年金
実際の契約は、確定年金が多い
終身年金は保険料が高くなる。
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生死混合保険
養老保険
典型的な生死混合保険
いまだにこの名称!?
一定期間(=保険期間 eg. 30年)中に
死亡したら死亡保険金、期間経過時に
生存していたら満期保険金
かっては、販売商品の8割を占めてい
た主力保険
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Question?
お疲れ様でした。
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