平成27 年度 事業計画 Ⅰ 事業計画 一 調査研究及び人材育成事業(実施事業) 1 航海の安全・海洋環境の保全等に関する調査研究 (日本財団助成事業) (1)水路分野の国際的動向に関する調査研究 国際水路機関(IHO)、東アジア水路委員会 (EAHC)、ユネスコ政府間海洋学委員会 (IOC)など水路分野に係わる国際会議に当協会職員を委員または委員代理として派遣 し、電子海図の新基準の検討状況など水路分野の国際的な情報を収集するとともに、海 底地形名称の登録など我が国の海洋権益の確保に寄与する。 (2)大陸棚延長に関する国際情報発信及びネットワーク構築 国連海洋法条約に基づく大陸棚延長は、自国周辺海域の資源の確保という重要性から、 利害関係が対立しやすく機微な国際問題となっており、 科学的な知見に基づいた情報発信 や、相互理解に基づくネットワークの構築が急務となっている。 また、大陸棚延長に関する資料には、地質学や地球物理学の高度に専門的な内容が多く 含まれていることから、 国際法学者にとって大陸棚延長は研究対象としにくいテ-マとな っている。 そこで、国内の国際法等の専門家からなる研究会を組織し、大陸棚延長の課題について 国内の国際法学者による専門的な議論や学術論文の発表を支援するとともに、 大陸棚延長 の法的側面の検討に関わってきた海外の著名な国際法学者を招へいして、研究会の参加者 とともに国際ワ―クショップを行い、海外の国際法学者による論文発表を支援する。 以上の活動を通じて、国内、国外の国際法学者による論文発表等による国際情報発信や ネットワークの構築を推進する。 (3)衛星画像を用いた浅海水深情報の把握の調査研究 本研究は、衛星画像を利用して、沿岸域等の浅海水深の把握がどの程度の精度で把 握できるかを検証するものである。 このため、初年度に行った国内外での衛星画像による水深取得に関する研究の現状 把握及び海外での衛星画像データの海図等への採用等についての調査結果をもとに、 解析手法の検討を行うとともに、過去に測深を行った海域で、衛星画像処理により求 めた水深と音響測深、レーザー測深で取得された水深の比較を行う。 2 水路技術の研修 ( (一社)海洋調査協会と共同で実施) (1)1級水路測量技術研修(年 1 回、5 月、20 日間) (2)2級水路測量技術研修(年 1 回、4 月、20 日間) (3)沿岸海象調査研修 (年 1 回、6 月、10 日間) 3 水路測量技術検定試験 (1)1級水路測量技術検定試験(年 1 回、7 月上旬) (2)2級水路測量技術検定試験(年 1 回、6 月上旬) 4 水路技術奨励賞 少壮の水路技術者の研究開発意欲を振興するため、水路技術奨励賞事業を実施する。 5 水路新技術研究開発 海洋の新技術に関する講演会を開催するとともに、その講演内容を収録した「水路新技 術講演集」を作成し、関係方面に広く配布して海洋の技術開発の発展に資する。 6 プレジャーボート愛好者に対する海図等の普及活動 プレジャーボート愛好者の航海安全を目的として、海図、「ヨット・モ-タボ-ト用参 考図(Y チャ-ト) 」 、 「プレジャ-ボ-ト・小型船用港湾案内(S ガイド)」の見方、使い 方を講習する「チャ-トワ-ク教室」を関東地方 1 か所、関西地方 1 か所、中国地方 1 か 所、北陸地方1か所の計 4 か所で開催する。 7 その他 水路技術の最新情報、歴史、国際会議、国際協力等のほか,国内外の関連するニュ-ス・ トピックスを掲載した機関誌「水路」を年 4 回(4 月,7 月,10 月,1 月)発行する。 二 YS出版事業(実施事業) 1 小型船等の海難防止に必要な航海用参考図書の出版 当協会オリジナルの航海用参考図書である「ヨットモータボート用参考図(Y チャー ト) 」 、 「小型船用港湾案内(S ガイド) 」を出版する。 S ガイドについては、出版工程の合理化の一環として、印刷物での発行を取り止め、 デジタル画像を当協会ウェブサイトからダウンロ-ド提供する。 ○Y チャ-トの改版 4 図 ○デジタル S ガイド 最新維持 三 海洋情報事業(その他の事業) 1 小型船等の海難防止に必要な航海用参考図書の出版及び海図等の販売 (1) 航海用参考図書の刊行 航海用電子参考図「new pec(ニュ-ペック)」の舶用機器会社 GPS プロッタへの搭 載を更に推進するとともに、スマホ向けアプリ開発会社へのデ-タ提供を実施する。 ○new pec の最新維持 継続 ○平成 28 年版 「瀬戸内海・九州・南西諸島沿岸潮汐表」 (2)海図等の販売 海図等の水路図誌及び当協会発行の航海用参考図書等を主に個人客向けに店頭販売す るほか、当協会のウェブサイトによるインタ-ネット通信販売を引き続き実施する。 2 海洋データ・情報等の収集及び分析並びに成果の提供 (1)海洋データ研究 海洋情報研究センタ-(MIRC)において、海洋デ-タ・情報の品質管理や技術開発 に関する調査研究、デ-タ加工品の作成、国内外のデ-タ管理者及び研究者との共同 研究を実施するほか、IOC/IODE, PICES TCODE などの国際機関の活動に参加して 海洋データ・情報の相互利用・交換の推進を図る。 (2)海洋情報の提供 海洋情報研究センタ-が開発・作成した各種海洋データ、海底地形デジタルデ-タ、 電子潮見表、潮流メッシュ推算データ等の提供を行う。 3 広報活動 (1)海洋情報に関する広報 各種海洋デ-タのリ-フレットの作成・配布を行うとともに、ボ-トショ-、海の 月間などのイベントに積極的に参加する。 (2) 出版物の刊行 ○「潮見カレンダー2016 年」の編集・配布・販売を行う。 ○「2016 年東京湾潮干狩りカレンダー」を作成しホームページに掲載する。 (3)広告掲載 プレジャーボート・小型船舶ユーザー向けの関連雑誌等に協会出版物の広告を掲載 する。 四 海図等の複製頒布事業(その他の事業) 1 航海用海図 平成 27 年度においても引き続き当協会の国内外の水路図誌販売所網等を通じてW 海図及びJP海図の一層の頒布促進に努める。 また、 「水路図誌総合管理システム(ズシテム)」を有効活用して水路図誌の生産管 理、在庫管理の一層の効率化を図る。 2 航海用電子海図(ENC) 国際航海に従事する船舶に対して、平成 24 年 7 月から電子海図表示装置(ECDIS) の段階的な搭載義務化が開始された。 これまで新造船を対象に客船、タンカー、貨物 船と順次義務化されてきたが、本年からは現存船への搭載義務化が開始された。 このため、今後の ENC の更なる普及に対応して、当協会のENC暗号化セル売りシ ステムの全面的な更新(平成 27~28 年度)を行う予定である。 3 海図等の複製・頒布計画 平成 27 年度の水路図誌の複製・頒布等の計画は、次のとおりである。 ( )内は平成 26 年度計画 刊行図数 788 種類 (1) 航海用海図 W 海図 125,000枚 (132,000枚) JP 海図 130,000枚 (155,000枚) 合 計 (2)航海用電子海図(ENC) 255,000枚 (287,000枚) 刊行セル数 759 種類 国内頒布分 161,000セル(142,000セル) 国外頒布分 489,000セル(435,000セル) 合 計 (3)特殊図・航空図 刊行図数 102 種類 (4)水路書誌 刊行版数 38 種類 (5)水路通報 51 週 (6)在庫海図の改補 650,000セル(577,000セル) 7,000 ( 7,000枚) 25,000冊 ( 27,000冊) 200,000部 (200,000部) 550,000件 (550,000件) 4 海図等の頒布促進策等 (1)日本近海海図索引図(和文・英文)の作成・配布 (2)航海用電子海図(ENC)セル索引図の作成・配布 (3) 「海の図いろいろ」の作成・配布 (4)ホームページによる海図等の普及・広報 (5)海図検索システム( 「チャート・ナビ」 )の運用 (6)水路図誌の新・改版情報の海事関係者等への配布 (7)海外水路図誌販売所での頒布拡大策の推進 (8)水路通報の e-mail 自動配信サービスの推進 (9)JP 海図の印刷・製品等検査及び監査 (10) 国内水路図誌販売者会議の開催 (11)海外水路図誌販売者の監査 5 国際協力業務 (1)韓国海洋調査協会(KOHA)との定期会合の開催(日本) (2)マラッカ・シンガポール海峡 ENC(MSS-ENC)運営会議の開催(シンガポール) (3)英国海洋情報部との定例会合(日本) (4)英国海洋情報部への定期監査(英国) (5)第 3 回海外販売者会議の開催(日本) 平成27年度収支予算書(総括表) 平成27年4月1日から平成28年3月31日まで 科 目 Ⅰ 一般正味財産増減の部 1.経常増減の部 (1) 経常収益 基本財産運用益 基本財産受取利息 特定資産運用益 特定資産受取利息 受取会費 賛助会員受取会費 受取補助金等 日本財団助成金 事業収益 水路技術検定料 水路技術研修受講料 出版事業収益 海洋データ事業収益 外国電子海図事業収益 受託事業収益 海図卸売収益 書誌卸売収益 電子海図卸売収益 雑収益 雑 収 益 経 常 収 益 計 (2) 経常費用 事業費 水路技術検定事業費 水路技術研修事業費 一 般 事 業 費 普及啓もう事業費 日本財団助成事業費 水路新技術事業費 水路技術奨励賞事業費 出 版 事 業 費 海洋データ事業費 外国電子海図事業費 受 託 事 業 費 商品棚卸減少額 印 刷 費 書 誌 外 注 費 用 紙 購 入 費 電子海図事業費 消耗什器備品費 国有財産使用料 役 員 報 酬 給 料 手 当 賃 金 等 厚 生 費 退職給付費用 会 議 費 旅 費 交 通 費 当年度 (単位:千円) 増 減 前年度 10,424 10,424 0 359 359 0 7,910 7,980 △ 70 63,720 990,560 600 6,330 220,980 29,000 51,000 24,400 444,269 54,359 159,622 2,818 2,818 1,075,791 58,130 1,029,274 650 5,030 178,859 48,600 31,000 22,500 530,878 60,977 150,780 4,338 4,338 1,110,505 5,590 △ 38,714 △ 50 1,300 42,121 △ 19,600 20,000 1,900 △ 86,609 △ 6,618 8,842 △ 1,520 △ 1,520 △ 34,714 1,035,210 1,579 4,790 750 890 51,221 880 635 11,310 300 38,400 14,600 5,200 130,828 26,430 15,200 1,800 6,100 157,000 40,937 259,393 14,860 50,232 16,655 1,300 5,350 1,091,176 1,490 4,199 800 830 49,040 950 766 16,110 380 20,500 13,812 5,900 158,873 26,430 18,000 3,700 5,200 179,999 40,856 270,238 11,100 50,437 16,528 1,367 7,156 △ 55,966 89 591 △ 50 60 2,181 △ 70 △ 131 △ 4,800 △ 80 17,900 788 △ 700 △ 28,045 0 △ 2,800 △ 1,900 900 △ 22,999 81 △ 10,845 3,760 △ 205 127 △ 67 △ 1,806 科 目 事 務 費 消 耗 品 費 印 刷 製 本 費 通 信 費 図 書 費 備 品 費 修 繕 費 建物付属設備減価償却費 什器備品減価償却費 リース資産減価償却費 ソフトウエア減価償却費 賃 借 料 保 険 料 交 際 費 運 搬 費 広 告 宣 伝 費 諸 会 費 諸 謝 金 支 払 報 酬 租 税 公 課 寄 付 金 経 常 研 究 費 雑 費 管理費 役 員 報 酬 給 料 手 当 厚 生 費 退職給付費用 会 議 費 旅 費 交 通 費 消 耗 品 費 印 刷 製 本 費 通 信 費 図 書 費 備 品 費 修 繕 費 建物付属設備減価償却費 什器備品減価償却費 リース資産減価償却費 ソフトウエア減価償却費 賃 借 料 交 際 費 運 搬 費 機関誌作成費 諸 会 費 諸 謝 金 支 払 報 酬 租 税 公 課 寄 付 金 雑 費 経 常 費 用 計 評価損益等調整前当期 経常増減額 当年度 前年度 増 減 512 2,045 4 1,035 232 5,050 505 900 7,930 2,047 30,832 61,778 70 1,300 8,490 16,008 440 23,800 2,053 7,057 0 3,500 2,982 24,182 7,434 7,580 2,168 1,119 950 100 60 50 100 20 120 12 23 12 0 4 1,375 50 50 750 1,047 296 97 735 0 30 1,059,392 880 2,496 5 949 185 3,141 288 901 8,394 5,653 46,397 63,091 100 1,773 8,836 13,550 440 18,044 1,550 5,280 0 1,200 3,362 22,293 7,423 5,588 1,792 1,043 950 166 35 12 23 5 65 12 22 11 93 0 1,400 66 9 800 1,047 956 0 752 0 23 1,113,469 △ 368 △ 451 △ 1 86 47 1,909 217 △ 1 △ 464 △ 3,606 △ 15,565 △ 1,313 △ 30 △ 473 △ 346 2,458 0 5,756 503 1,777 0 2,300 △ 380 1,889 11 1,992 376 76 0 △ 66 25 38 77 15 55 0 1 1 △ 93 4 △ 25 △ 16 41 △ 50 0 △ 660 97 △ 17 0 7 △ 54,077 16,399 △ 2,964 19,363 科 目 基本財産評価損益等 特定資産評価損益等 評 価 損 益 等 計 当期経常増減額 2.経常外増減の部 (1) 経常外収益 経 常 外 収 益 計 (2) 経常外費用 経 常 外 費 用 計 当期経常外増減額 税引前当期一般正味財産 増減額 法人税、住民税及び事業税 当期一般正味財産増減額 一般正味財産期首残高 一般正味財産期末残高 Ⅱ 指定正味財産増減の部 当期指定正味財産増減額 指定正味財産期首残高 指定正味財産期末残高 Ⅲ 正味財産期末残高 当年度 前年度 増 減 0 0 0 16,399 0 0 0 △ 2,964 0 0 0 19,363 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 16,399 23,000 △ 6,601 1,260,171 1,253,570 △ 2,964 31,000 △ 33,964 1,248,902 1,214,938 19,363 △ 8,000 27,363 11,269 38,632 0 0 0 1,214,938 0 0 0 38,632 0 0 0 0 0 0 1,253,570 (注)前年度予算額は、前年度収支予算を損益計算ベースに置き換えて表示している。
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