教育研究業績書 氏 名 杉野 元亮 学位 経済学修士 担 教職に関する科目 当 授 業 科 目 教科又は教職に関する科目 教科に関する科目 ・人口学 ・統計学 ・統計学入門 ・経済統計 教育上の能力に関する事項 事 1 項 年 月 教育方法の実践例 (1) 「頭を使おう体を動かそ 概 要 北九州市主催の公開講座において、一般市民を対象に現 平成 17 年 9 月 代社会の特質を解りやすく講義した。社会経済の仕組みや う-現代社会の特質」北九州 動向を理解できる資料を作成配布した。受講者のアンケー 市市民講座 トの結果、好評であった。 (2)「少子・高齢化と私たち 平成 17 年 11 の暮らし」共立寺子屋シニア 月 講座 (3)その他:マルチメディ 寺子屋シニア講座においても、一般市民を対象に解りや すく講義した。少子・高齢化の動向を理解できる資料を作成 配布した。受講者のアンケートの結果、好評であった。 常時 インターネットを経由して教育研究の必要な情報の取得 ア機器を活用した授業方法、 や情報提供について学ぶ。課題(レポート)を課し、回収 課題・レポートの活用、演 し、レポートは正誤だけではなく、問題への取り組みの真 習・実習の効果的な活用、シ 摯さの観点からも評価し、講義の冒頭で返却する。受講生 ラバスの活用、学生の授業評 は具体的な課題解決に関わるものとして講義を受け止める 価の活用とそのフィードバ 手がかりとなり、学力向上に資する効果を持つことが示唆 ック される。 2 作成した教科書・教材 (1)『経済政策の変容と課 平成 6 年 3 月 題』 (2) 『消費構造の変容とその 平成 7 年 4 月 統計的分析』 (3) 『人口システムと経済発 平成 12 年 5 月 展分析』 (4) 「基本計量経済学」 平成 18 年 3 月 (5) 『人口減少時代の日本経 平成 18 年 10 済』 月 (6) 『現代人口辞典』 平成 22 年 1 月 (7) 『世界の人口開発問題』 平成 24 年 9 月 3 教育上の能力に関する大 学等の評価 4 実務の経験を有する者に ついての特記事項 5 その他 ・折尾女子経済短期大学兼任 昭和 45 年 4 月 講師 ~61 年 3 月 ・福岡大学兼任講師 昭和 47 年 4 月 統計学 担当 産業人口論、産業総論 担当 ~57 年 3 月 ・水俣市芦北郡医師会立看護 昭和 54 年 4 月 専門学校 ~61 年 3 月 ・福岡工業大学兼任講師 平成 4 年 4 月 統計学 経済統計学、日本経済論 担当 ~5 年 3 月 ・福岡県立大学兼任講師 平成 5 年 10 月 統計学、社会統計学、人口学、経済学 A(ミクロ経済学)、 ~至現在 経済学 B(マクロ経済学) 、労働経済論 A、労働経済論 B 担当 ・ILPお茶の水医療福祉専 平成 18 年 4 月 門学校 ~至現在 ・九州産業大学兼任講師 平成 13 年 4 月 医療統計学 計量経済学 担当 ~17 年 3 月 ・中村学園大学兼任講師 平成 13 年 4 月 経済学 担当 ~15 年 9 月 ・九州共立大学兼任講師 平成 21 年 4 月 計量経済学、経済統計学、統計学、人口学、医療福祉経済、 ~至現在 福祉医療マネジメント、ゲーム理論、他 担当 ・日本高等教育評価機構 評 平成 19 年 4 月 価委員 ~25 年 3 月 担当授業科目に関する研究業績等 担当授 著書・学術論文等 単著 発行又 発行所、 業科目 の名称 共著 は発表 発行雑誌 の別 の年月 又は発表 概要 学会等の 名称 <著書> 『経済政策の変容と課 題』 共著 平成 6 年 3 月 晃洋書房 モラルハザ-ドの関わりに言及 し、さらにわが国における医療費 の増加要因について一般化最小二 乗法やリッジ回帰法により分析を 行ない、医療費の適正化や公的医 療保障制度のあり方と医療需要の 抑制について論究した。 第7章「医療費と医療保障政策の 課題」 (20頁)を執筆。 (呼子徹、 日隈健壬編著、伊東正則、 市川芳 郎、貞国孝昭、佐々木正廣、田中 善典、今泉博国、厚母浩) 『消費構造の変容とそ 共著 平成7年 4 月 晃洋書房 の統計的分析』 わが国の医療保障制度や政策を 考える為、医療サ-ビスの消費実 態を明らかにした。医療需要の計 量分析において自己相関や多重共 線性の問題解決の為、一般化最小 二乗法や Ridge 回帰法によりそ の問題を回避した。 第二部「医療需要の統計的分析」 を執筆。(内山 敏典) .『人口システムと経済 単著 平成 12 年 5 月 創成社 発展分析』 人口変数と経済変数の間には多 元的相互依存関係が見られる。こ れを理論的、実証的により一層精 緻化し、体系づけることが経済人 口学の究極の目的とされている。 本書は人口システムと経済発展の 因果関係のメカニズムを解明し、 経済理論体系の中で人口がどのよ うに認識されているか、またその 効果についてモデル分析を通して 理論的、体系的研究を試みた。 『基本計量経済学』 編著 平成 18 年 3 月 勁草書房 計量経済学は応用経済学の中で も極めて重要な分野である。経済 理論と統計学を組み合わせた優れ た実用的学問である。現実のデー タを用いて統計的に推定・検定し、 経済予測や政策の評価・策定を行 っている。第Ⅰ部ではデータの種 類、データの加工方法および経済 統計学的データ分析、第Ⅱ部では 単回帰分析および重回帰分析、多 重共線性および系列相関の回避方 法、第Ⅲ部では共和分分析および ロジット分析を取り上げた。全体 の編集と第 3 章経済統計学的デー タ分析と第 5 章重回帰分析を執 筆。 (呼子徹、内山敏典、川口雅正、 森保洋) 『人口減少時代の日本 共著 経済』 平成 18 年 10 原書房 月 人口増加あるいは人口減少のモ メンタムは専門外の人には理解し にくい。人口減少の逆風に抗して、 日本経済は当分の間、成長を続け ることは可能と思われるが、それ は過去の蓄積によるところが大き い。人口減少は自動的に終わるこ とはない。また少子化が解消され る可能性は低い。人口減少は 21 世 紀を通じてメガトレンドになる。 人口規模の減少は消費、貯蓄、投 資、雇用などに大きな変化をもた らす。今後、貯蓄と投資の絶対額 の縮小傾向に対応した経済全体が 規模の調整を迫られる。第 6 章人 口減少と貯蓄・資本形成を執筆。 (大淵寛・別府志海・和田光平・ 吉田良生・小崎敏男・牧野文夫・ 増田幹人・渡辺真知子・森岡仁) 『現代人口辞典』 共著 平成 22 年 1 月 原書房 人口に関わる用語の定義を中心 に語義を正確かつ平易に記述し て、一般読者の誤りのない理解を 助けるとともに、専門家の評価に も耐えうる辞典。 (経済人口分野を 分担執筆) 日本人口学会第 13 回 学会賞(普及奨励賞)受賞 .『世界の人口開発問 題 』 共著 平成 24 年 9 月 原書房 国家は国境を越える世界市場が 生み出す問題を解決する能力に欠 ける。人口増加と食糧危機に対す る市場メカニズムの限界と国際援 助のあり方が問われている。グロ ーバル化の中で国際的なリスク管 理や国際公共財の分担問題を取り 扱う場合、利害の対立する問題に 対し、同盟国間で政策協調をしな がら対処することが重要である。 『ポスト人口転換』期の世界人口 の動向を展望し、政策課題を明ら かにするとともに、従来の『人口 爆発』に代わる新たな人口問題に ついての構図を描いた。第 3 章世 界の人口と食糧・資源・環境問題を 執筆。(阿藤誠・河野稠果・稲岡恵 美・佐藤龍三郎・池上清子・増田 幹人・別府志海・大塚友美) <論文> 九州地域産業のスカイ 単著 平成 14 年 6 月 ライン分析 統 計 産業連関分析を通して、各産業 (日本統 部門毎の域内生産額、内需波及額、 計協会) 移輸出入波及額をもとに各部門の 6月号 生産比率や自給率、移輸出入率を 計測し、地域経済の特徴を捉えた。 その結果、九州地域の経済発展の ためには産業間の均等成長ではな く、比較優位産業のリードによる 産業間の不均等成長こそが有効な 方法であることを示した。 人口減少と地域産業の 単著 調整 平成 14 年 10 九州共立 人口減少社会を迎え、九州各県 月 大学経済 とも経済グローバル化の波の中、 学部紀要 調整に遅れた産業を抱えている。 第 90 号 各県の産業連関分析を通し調整が 遅れ産業を明らかにし、企業の資 本係数を低める努力や地域産業及 び企業の相互補完性と水平的協調 を促した。 統計で見る福岡~人口 単著 平成 15 年 3 月 統 計 人口の集積は大規模な市場の 増加と財政需要の現状 (日本統計 財、サービスおよび施設の需要を ~ 協会) 保障してくれる。一方、都市への 3 月号 人口集中と産業立地は土地の制約 上、地価の高騰や、社会資本サービ スにおける混雑現象が起こる社会 情勢の変化に対し市場メカニズム は万能ではない。したがって知識 創造型産業などの情報サービス業 の伸びを通して課税ベースの増加 による財源の確保と、市場メカニ ズムの動きをコントロールし、望 ましい資源配分を達成することに より住民の厚生水準の最大化を目 指す。 地域社会の変容と活性 単著 化の方向~画一的な社 平成 15 年 12 統 計 高齢化や人口減少など社会構造 月 (日本統 が激しく変化している中で、地域 計協会) 活性化の実現に向けて、①高齢化、 12 月号 ②経済のソフト化、サービス化、③ 会から多様な社会へ~ 国際化、④情報化、⑤非営利活動 と地域の連携など、現代を象徴す るいくつかの流れを踏まえた上 で、地域活性化の方向性を示した。 経済と環境~CO2 排出 単著 平成 17 年 9 月 量に対する影響力分析 統 計 地球温暖化要因の一つと思われ (日本統 る CO2 排出量と人口、GDP、エ 計協会) ネルギー消費、工業付加価値-に 9 月号 ついて世界 107 カ国データを用い 直接的・間接的影響力の計測を行 った。最も CO2 排出に大きな影響 を与えるのは 1 人あたり GDP の 増加であることを明らかにした。 開発途上国における死 単著 平成 19 年 3 月 経済学論 死亡率には経済活動の態様,社 亡率と社会・経済的要 纂 会環境,その他多くの要因が影響 因のかかわりについて (中央大 をしている。衛生思想や知識の伝 学 ) 播に有効な「教育水準(15 歳以上 第 47 巻 人口の非識字率)」の影響力は平均 3・4 合併 余命や死亡に対して,その弾性値 号 から判断して他の要因に比べある 一定の効果を持ち続けている。 Demeny や Arriaga and Davis は 1人あたり国民所得と死亡率の研 究の中で,両者の間には関係がな いという研究を行っているが、今 回の分析結果は「1人あたり総国 民所得」は,他の要因の影響力を 上回り,平均余命や死亡に対して 経済的豊かさが必要不可欠である ことを示し、「栄養不良人口割合」 はその国の国民の生活水準に連動 し,最終的には1人あたり国民所 得の大きさに依存していることが 判明した。 <その他> 少子化対策とその効果 単著 について 平成 16 年 11 人口学研 月 究 った観点より、少子化対策の効果 (日本人 について分析を行った。効果が上 口学会) がらない理由は、民主的国家では 第 35 号 明示的に出生に介入できにくい側 わが国の出生力上昇・回復とい 面がある。また、少子化対策の目 的が多くは抽象的であり、その手 段が間接的であることなどが挙げ られる。 人口減少と貯蓄・資本 単著 平成 17 年 3 月 形成 人口学研 少子・高齢化の進展により近年、 究会紀要 家計貯蓄率が急激に低下し、将来、 (人口学 投資の拡大が困難になることも予 研究会) 想される。人口減少社会では投資 No.47 拡大の要請は薄まり貯蓄に対する 要請は少なくなる。 「公共投資」は 人口減少社会では急激に投資を減 らすことはできない。今後、人口 減少にあわせた構造調整や制度転 換が必要である。 人口減少とマクロ経済 単著 平成 18 年 5 月 人口学研 人口減少が続けば量的な拡大の 究 必要性は小さくなる。労働力人口 (日本人 の減少に対して、労働節約的設備 口学会) 投資を行い、生産力維持に努めな 第 38 号 ければならない。節約的投資は人 口が減少する過程で経済成長をき わめて低いものにするであろう。 しかし、貯蓄が小さくとも効率的 な投資が行われれば経済成長への 影響は限定的なものになる。 一方、社会保障に対する国民の不 安は消費・貯蓄行動に強く反映さ れるであろう。現在の諸制度では 国民の生活防衛的な社会経済行動 には対処できない可能性が大き い。したがって人口減少に合わせ た制度転換と生活の質の向上を目 指すことが重要である。その場合、 経済の効率性と分配の公平性がど の程度貫徹できるか、また社会保 障システムが有効に機能するかが 問われることになる。 人口増加に伴う食糧及 び資源と市場メカニズ ムとの関わりについて 単著 平成 20 年 11 人口学研 月 究 は、国民の生活の基礎となる食糧 (日本人 が、外貨不足や累積債務により満 口学会) 足に輸入することができなくなっ 第 43 号 ている。さらに穀物貿易市場は一 人口増加率が高い開発途上国で 握りの穀物取引業者の独占によ り、価格が支配されており、分配 の公平性や過不足の調整は市場経 済のもとで、必ずしも上手く運ん でいない。市場経済の弊害を緩和 する制度を充実させることが重要 である。その為には市場の欠落部 分を担う、公共政策や適切なマク ロ経済政策と関連する貿易、食糧 援助政策の改善が求められてい る。さもなければ先進国は慢性的 な食料不足に苦しんでいる人々を 救うことはできない。 <その他、研究調査報 告書、書評、学会報告、 論文等多数>
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