6.脳梗塞

6.脳梗塞
1.病型別症例数
脳梗塞(DPC 010060)の病型別の症例数、平均在院日数、平均年齢、転院率
を示しています。また、それぞれ発症3日以内とその他に分けて記載し、脳梗塞
に至らなかったものや、もやもや病は除いて集計しています。
ICD-10
G45$
最も医療資源を投入した傷病名
発症日
症例数
平均在院日数
平均年齢
転院率
10
3.6
76.8
10.0%
8
3.9
68.9
0.0%
発症3日以内
1
9.0
57.0
0.0%
その他
0
発症3日以内
189
22.1
74.0
29.1%
その他
15
20.8
73.9
33.3%
9
15.1
70.9
22.2%
35
7.1
72.0
0.0%
1
2.0
58.0
0.0%
2
10.5
76.0
0.0%
一過性脳虚血発作および関連症 発症3日以内
候群
その他
G46$
脳血管疾患における脳の血管
(性)症候群
I63$
脳梗塞
I65$
脳実質外動脈の閉塞および狭 発症3日以内
窄、脳梗塞に至らなかったもの
その他
I66$
脳動脈の閉塞および狭窄、脳梗 発症3日以内
塞に至らなかったもの
その他
【定義】
最も医療資源を投入した傷病名の脳梗塞ICD-10の上3桁で集計する。院内発症の脳梗塞
においては対象外とする。
「転院」は様式1の退院先が「4.転院」「9.その他」「0.丌明」とし、転院症例
数/全症例数を転院率とする。
解説
脳梗塞とは、脳に栄養を不える動脈の閉塞、または狭窄のため、脳虚血を来たし、脳組
織が酸素、または栄養の丌足のため壊死、または壊死に近い状態になることをいいま
す。また、それによる諸症状の脳梗塞と呼ばれる事があります。この指標では、発症日
の違い(急性期、慢性期)による転院率、入院期間の違い等について示しています。
16
6.脳梗塞
2.脳梗塞小分類別症例数
脳梗塞(DPC 010060)のうち脳梗塞(I63$)の小分類別症例を示していま
す。
ICD-10
I633
I634
I635
I638
I639
総計
最も医療資源を投入した傷病名
アテローム血栓性脳梗塞
アテローム血栓性脳梗塞の再発
血栓性脳梗塞
小計
塞栓性脳梗塞
心原性小脳梗塞
心原性脳塞栓症
心原性脳塞栓症の再発
小計
橋梗塞の再発
小脳梗塞
小計
ラクナ梗塞
ラクナ梗塞の疑い
右ラクナ梗塞
出血性脳梗塞
多発性ラクナ梗塞
多発性脳梗塞
無症候性脳梗塞
小計
脳梗塞
脳梗塞の疑い
小計
症例数
66
1
7
74
8
1
22
1
32
1
4
5
35
1
3
13
2
29
1
84
6
3
9
204
平均在院日数
22.3
12.0
40.7
23.9
10.8
19.0
31.5
15.0
25.4
32.0
4.3
9.8
14.0
7.0
9.7
20.5
21.5
33.9
6.0
21.7
4.8
2.3
4.0
22.0
特徴
当院では、脳卒中の患者さんの診療に力を注いでいます。脳血管内治療、開頭術の外
科的治療と、薬剤を中心とした保存的治療や、それらを組み合わせた療法の中から、
最適な治療を提供することを心がけています。
17
6.脳梗塞
3.急性脳梗塞患者に対する入院後3日以内の
早期リハビリテーション開始率
脳梗塞は脳内の血管が血栓や塞栓などによって詰まることで、その部位の脳組織が壊死
してしまう傷病です。障害の部位により、運動障害、感覚障害、言語障害等の種々の症
状が生じます。脳梗塞の治療としては、超早期における血栓溶解療法、早期における脳
庇護療法などが行われます。こうした薬物治療の進歩により、その救命率は飛躍的に高
まっています。しかしながら、入院後長期にわたり臥位状態が続くことで、筋委縮や筋
力低下、関節の拘縮、褥瘡、抑うつ的な精神症状といった症状が生じ、適切なリハビリ
テーションが行われないと、こうした症状が固定化し、患者さんの療養生活の質を大幅
に低下させることになります。このような症状を、心身の活動を行わないことによって
生じるという意味で「廃用症候群」と呼ぶことがあります。この廃用症候群を防止する
ために、近年、発症後早期からのリハビリテーションを行うことがガイドラインでも推
奨されています。本指標はそうした活動を評価するものです。
平成25年度 急性脳梗塞患者に対する入院後3日以内の
早期リハビリテーション開始率
100.0%
100%
80%
86%
86.7%
78.6%
83.3%
88.9%
92.3%
85.0%
83.3%
75.0%
69.2%
72.7%
60%
40%
20%
0%
【定義】
分子:分母のうち、入院後3日以内にリハビリが開始された患者数
分母:医療資源を最も投入した傷病名が「脳梗塞(I63)」で、入院時の脳梗塞の発症時期が急性期
(発症4 日以内)であった退院患者のうち、「脳血管疾患等リハビリテーション料」が算定され
た患者数。ただし、以下の場合を除外する。
入院時併存症名または入院後発症疾患名に「急性心筋梗塞」「起立性低血圧」「くも膜下
出血」「脳内出血」「その他の非外傷性頭蓋内出血」のいずれか一つ以上が記載されている
場合
特徴
近年では脳血管疾患治療技術の発展により、脳梗塞の死亡率は低下する傾向にありますが、その一方
で、家族や周囲の介護・解除を必要とするさまざまな後遺症が残ることの多い病気でもあり、後遺症に
よる「本人の生活の質(QOL)の低下」が問題となってきています。
そのため、急性脳梗塞では、急性期治療をすすめつつ、できるだけ早くリハビリテーションを開始する
必要があります。早期リハビリテーション開始率は在宅復帰率とともに重要な指標です。
当院では、平成25年度の年間では82.7%であり、この数値は全国的に見ても高い水準を維持していま
す。
18
6.脳梗塞
4.急性脳梗塞患者に対する入院後3日以内の
頭部 CT もしくはMRI の施行率
脳血管障害においては、発生部位の確認に加えて、それが脳出血であるのか、脳
梗塞であるのかといった鑑別診断も適切な治療選択のために重要です。そのため
には頭部CT もしくはMRI による迅速かつ正確な診断が丌可欠です。
平成25年度 急性脳梗塞患者に対する入院後3日以内の
頭部 CT もしくはMRI の施行率
1.00
100%
100% 100% 100% 100%
100% 100% 100% 100%
92%
100%
92%
80%
60%
40%
20%
0%
【定義】
分子:分母のうち、入院当日・翌日に「CT 撮影」あるいは「MRI 撮影」が算定
された患者数
分母:医療資源を最も投入した傷病名が「脳梗塞(I63)」で、入院時の脳梗塞の
発症時期が急性期(発症4日以内)であった退院患者数
特徴
当院では急性脳梗塞患者に対しては全て「CT 撮影」あるいは「MRI 撮影」を実施し
ていた。9月、2月のCT、MRIの施行していない事例については、①紹介状とと
もに他院にて撮影したCD-Rを持参、②MRIを施行したが外来扱いとなったためで
す。
19