平成27年度事業計画 1.事業方針 平成 27 年度は、平成 26 年度にスタートした「KEC 新中期計画」(活動スローガン“Change and Challenge”)の 2 年目となります。したがって、平成 27 年度は、平成 26 年度より構築してきた「既存事業の 強化・拡大」及び「新規事業の構築」のベースを活かし、事業を通じて貢献の拡大に結びつけていく年度 となります。 1.1 専門委員会推進部門 既存の委員会事業の強化・拡大に向けて、技術者の「実践力+ステータス」強化に向けた支援の継続 的拡大を図っていきます。平成 27 年度は「技術講座」においては、若手の技術者を対象として、実習等 の現場即戦力につながる内容をさらに強化・充実していくことで、講座参加者の増加を図り、より多くの技 術者に貢献できるようにするとともに、「ワーキンググループ(WG)」のテーマ設定においても、現場課題の 解決につながる内容をさらに増加させて実践面の強化・拡大を図っていくことで、技術者の実践力強化へ の貢献を拡大していきます。また、あわせて、「資格」の更なる普及・拡大、価値の向上に継続して取り組 むことにより、資格を通じた技術者のステータス強化にも継続して貢献していきます。 また、新規・成長分野の情報発信強化及び試験事業との連携による相乗効果の発揮で、会員企業へ の貢献を拡大していきます。平成 27 年度も、主要セミナーでは、新規・成長分野のテーマを中心に取り上 げ、先端技術情報に加え、応用・実用化展開情報の提供をさらに充実させて、会員企業が新しい事業展 開を行う上で支援となる情報の提供をしっかりと行っていくとともに、そういった新規・成長分野をテーマと したフォーラムにおいては、その一部をけいはんな(KEC)で開催することも含め、KEC の試験能力情報 についても発信、アピールして、試験事業を通じた会員企業への貢献拡大にもつなげていきます。 1.2 試験事業部門 既存の試験事業の強化・拡大を図るべく、試験料収入確保・拡大に向けた重点取組みとして、次の 2 点の取組みを進めていきます。まず、1 点目は車載分野の試験料収入の確保に向けて、車メーカとの連 携強化を継続して進めていきます。平成 27 年度は、平成 26 年度に開発した放射エミッション測定に関す る技能試験の開発に続き、イミュニティ試験に関する技能試験の開発を進めて、車メーカに貢献していき ます。そして、2 点目は新規分野の拡大に向けた取組みを進めていきます。平成 27 年度は、平成 26 年 度に十分に伸ばしきれなかった新エネルギー分野及び鉄道分野を中心に、産業用ロボット等も含め、新 規分野の受注拡大に取り組んでいきます。 また、新規事業の構築に向けて、新規・成長分野において、EMC 評価のみならず、その分野にとって 重要な評価分野に入っていくための検討を継続して進めていきます。平成 26 年度に新規事業のベース 確立まで至っていないため、平成 27 年度には、新規事業参入のベース確立を目指して、生活支援ロボッ トの安全性評価を皮切りに検討を加速して進めていきます。 また、平成 27 年度の試験料収入の計画は、平成 26 年度の試験料収入が年度末に大きく伸びたため 平成 26 年度実績には及ばないものの、ほぼ平成 26 年度並みの 600 百万円の計画といたします。なお、 新規分野の拡大が計画ほど進んできていない状況のため、その点を考慮し、平成 27 年度の試験料収入 は、新中期計画で設定した 605 百万円から 5 百万円減の 600 百万円の計画としております。 -1- 1.3 平成27年度事業計画 平成 27 年度の事業計画は下記の計画といたします。新中期計画より収入減の計画としたため、支出に ついても新中期計画から抑制を図り、収支は、平成 26 年度実績は下回るものの、新中期計画で設定した 83 百万円を上回る 92 百万円の計画といたします。 <平成 27 年度 事業計画> 単位:百万円 会 費 収 入 収 試 験 料 収 入 そ の 他 収 計 人 件 管 理 支 減 価 償 却 出 退 職 給 付 費 計 収 支 等 入 入 費 費 費 用 平成26年度 平成27年度 計画 実績 計画 42 42 42 590 607 600 34 38 35 666 687 677 247 241 242 207 215 210 123 121 123 9 11 10 586 588 585 80 99 92 前年比 (%) 100 99 92 99 100 98 102 91 99 93 2.事業計画の詳細 2.1 委員会活動 2.1.1 重点取組みの推進 公益事業の一翼を担う委員会活動として、従来から注力してきた製品開発の上流工程へのお役立 ち拡大を念頭に、平成 27 年度は、新中期計画の 2 年目として、実践力(実戦力)の強化支援と、新規・ 成長分野の情報発信強化、試験事業との相乗効果発揮による会員企業の事業拡大への貢献を目指 し取組みを推進していきます。 実践力強化については、即戦力につながる研修プログラムの開発と、技術者の「自信」につながる資 格制度の展開強化を 2 つの軸として、取組みを進めていきます。 平成 26 年度に導入した実習研修の時間の拡大と内容の更なる充実を図るとともに、実践力の土台と なる知識教育についても、あらためて見直し、基本となる重要科目を追加するなど、一層の充実を図っ ていきます。また、資格の PR をさらに強化する中で、今年度も継続して KEC が提供する各資格の価値 や位置付けをよりわかりやすく発信し、資格を取得することの誇りとモチベーションアップを図ります。 また、KEC 会員企業の横串となる分科会/ワーキンググループ(WG)活動においても、活動成果を 職場に持ち帰り、有意義な活用ができる実践力のある活動テーマの設定、活動支援を行います。 新規・成長分野の情報発信強化、試験事業との相乗効果発揮による会員企業の事業拡大への貢献 に向けては、各種技術情報ソースへの感度を研ぎ澄ます一方、産学官及び試験事業部との連携をさら に深めながら、発信すべき技術及び候補となる技術の中期的なロードマップを描き、その動向を踏まえ た上で、明日の事業・起業のヒントとなるよう、実用・応用的視点からタイムリーに情報を提供します。 2.1.2 専門委員会の活動計画 (1) 研究専門委員会 -2- 産学官連携のもと、学術委員や企業委員の最新情報を元に、対象とする新規・成長分野や先端技 術の分野において注目すべき項目を棚卸し、その動向を年間ベースでとりまとめながら、KEC セミナー や KEC テクノフォーラム、光・電波フォーラム等の情報発信の年間計画に落とし込んでいきます。 発信情報においては、先端技術に偏ることなく、最新の実用・応用技術とセットにした紹介に努めて いきます。 (2) EMC 専門委員会 時勢に応じた活動テーマへの臨機応変な対応、テーマ選択の自由度拡大、活動成果の共有を目 指し、従来の固定的な分科会を主体とする活動体制からワーキンググループ(WG)による体制をスター トさせて 3 年目となる平成 27 年度は、その趣旨をさらに具現化していくため、大局的視点からは、継続 となる WG テーマにおいても、前年度の成果や最終の目標や継続意義等を EMC 専門委員会にて審議 した上で、活動を継続していくものとします。具体活動レベルのテーマにおいては、一旦活動を完了(リ セット)するものとし、現場課題に則した新たな具体テーマで、新たな応募メンバーにより活動を行って いきます。 上記のような活動体制の見直しにより、WG メンバーが自社に持ち帰り、現場ですぐに活用できる実 践的な活動を推進していきます。 (3) 製品安全専門委員会 安全技術・安全規格・信頼性技術の観点より、それぞれをテーマに掲げる分科会体制にて活動を行 っていますが、製品安全専門委員会においても、分科会相互の情報共有の場の形成と、セミナーの開 催等、分科会活動を通して得られた活動成果の社会へのフィードバックの場の形成を図り、公益活動と しての製品安全分野での貢献を図っていきます。 また、設計者に焦点を当て平成 25 年度より本格的にスタートさせた製品安全技術講座においては、 平成 26 年度から、市場商品を題材に、その分解分析によるリスクアセスメント評価等の実習研修を導入 しましたが、平成 27 年度はさらにこれを強化し、より実践性のある研修へと進化させていきます。 (4) iNARTE/Japan 専門委員会 グローバル展開が益々加速する電子業界において、EMC 及び製品安全に携わる技術者の技術力 を公正に認定し、そのステータスアップを図り、「自信」につながる国際資格として iNARTE(Exemplar Global)との連携の下で、iNARTE EMC 及び iNARTE PS 資格の更なる展開を図っていきます。 ① iNARTE EMC 資格の更なる普及・拡大 平成 25 年 2 月の資格試験において、有資格者の累計が 1,000 人を突破しましたが、業界の標 準資格としての責任を担い、その位置付けをさらに盤石なものとするため、これに留まることなく資 格者増を目指していきます。 今後も継続し専門講習会の開催、模擬試験の東京・大阪開催、広報活動の強化等による積極 的な啓蒙活動を推進していくとともに、平成 24 年度に導入した終身資格をさらにアピールし、退職 等による資格者の減少を防止します。 ② iNARTE PS 資格の認知度向上、取得者数の拡大 平成 25 年度は受験者が前年比倍増を果たしたものの、平成 26 年度は前年同数となりました。 継続して、企業への巡回 PR、各種セミナーで資格の紹介等をさらに強化し、資格の認知度向上 -3- に努める一方、平成 27 年度は、従来からの大阪に加え、東京でも資格試験が受験できるよう、 試験会場を拡大することで、受験者数の拡大を図っていきます。 加えて、受験対策講習会、対策テキスト等の充実、製品安全専門委員会と協力した製品安全 基本教育講座の開催等の製品安全技術のレベルアップを支援する活動を通じて、受験者の増加 をバックアップしていきます。 (5) EMC 設計技術者資格推進委員会 EMC 設計技術者資格は、製品開発の上流における「EMC 設計」に焦点を当て、その技術力を評価 認定する国際資格として KEC と iNARTE が平成 23 年に共同で創設したものです。 平成 25 年度の第 4 回試験では、前年第 3 回に比べ約 2 倍、さらに平成 26 年の第 5 回は、第 4 回 の 64%増と、増加傾向にありますが、まだまだ絶対数の伸びしろは大きく、企業への巡回 PR や各種セ ミナーでの紹介等、今後も継続して資格の認知度向上、受験者増に向けた普及展開活動を推進して いきます。さらに、平成 27 年度は、より高位な EMC 設計技術を認定する資格として資格設立当初より 計画していた「シニア資格」認定試験実施に向け、準備を進めていきます。 2.2 試験事業 平成 27 年度は「新中期計画(平成 26 年度~28 年度)」の 2 年目となり、前年度に実施した重点取組 みを事業に結びつけていくための施策を具体化して実行し、パワーエレクトロニクスからミリ波まで、幅広 い技術分野の適応力を強化していきます。そのために、下記の重点取組みを継続的に実行し、その成 果により、一層のお役立ち活動のできる事業基盤づくりに取り組むとともに、お客様獲得に向かって邁進 していきます。 2.2.1 試験料収入計画 平成 27 年度の試験料収入計画は、前年度に続き大手企業における EMC 試験の内製化加速による 影響が非常に大きくなることが予想され、さらに従来からの会員各社からの試験料金のコストダウン要 望に一層応えなければならないこと、それらの減少分を新規分野(無線機器、新エネルギー他)での受 注活動強化でカバーし、また車載分野の収入確保・維持を図ることで、ほぼ前年度並みの 600 百万円 を確保する計画とします。 (1) AVC 分野は165百万円を計画 大手企業における EMC 試験の内製化に伴う影響を受け、受注件数の減少が想定されます。さら に、会員各社からの試験料金のコストダウン要望にお応えしなければならないことが試験料収入減 の要因となっています。また、近年、デジタル家電機器がネットワーク化されるに伴い無線モジュー ル搭載機器が増加していることを踏まえ、平成 26 年度に投資した無線機テスタと関連する新規試験 規格への対応拡大の PR を強化し、無線搭載機器の受注拡大を図り、大幅な収入の落込みを食い 止めます。 (2) 新規分野は115百万円を計画 太陽光発電用パワーコンディショナや蓄電システム等の試験受注を拡大するとともに、平成 26 年 度に投資した鉄道搭載機器試験用のパルス磁界イミュニティ試験設備及び関連する試験規格への -4- 対応拡大の PR を強化します。さらに平成 26 年度に受注できなかった産業用ロボット等の機能安全 分野においては、EMC 評価用として低周波伝導イミュニティの試験設備を平成 27 年度早々に導入 するとともに、認証機関と連携を図っていくことで受注拡大に努めていきます。 (3) 医療機器分野は20百万円を計画 前年度と同様な量産品の品質管理試験の受注が見込めるため、前年度並の計画にしました。製 品登録認証機関や各都道府県の公設試験所との連携を図り、新規顧客開拓を促進します。 (4) 車載分野は240百万円を計画 EV/燃料電池車搭載機器の需要に備え、高圧用 LISN(擬似電源回路網)を平成 27 年度早々に 導入し、受注の確保を図るとともに、車メーカとの連携強化による技術的支援や EMC 試験改訂への 早期対応により、受注の確保を図っていきます。さらに MIL 分野での民間航空機搭載機器の EMC 評価による暗室の需要増に備え、生駒試験サイトの車載用暗室の更なる稼働率アップが可能となる ように固定のエミッション測定設備を整備し、受注確保に努めていきます。 (5) MIL 分野は50百万円を計画 国産旅客機の開発による EMC 評価が平成 27 年度に延期となり、その需要増に備えて、航空機固 有の電源周波数(400Hz)用ラインフィルタを未整備の電波暗室にも設置して受注確保に努めていき ます。 (6) 製品安全試験は10百万円を計画 無線関連 IT 機器に対する試験能力拡大を PR し、公設試験所や認証機関と連携して新規顧客開 拓に努めます。 <平成 27 年度 試験事業収入計画 ( 単位:百万円 )> AVC機器 新規分野 医療機器 車載機器 MIL機器 安全試験 その他 合計 2.2.2 H26実績 90 16 7 69 12 7 0 201 依頼試験 自主測定 H27計画 前年比 H26実績 H27計画 前年比 H26実績 80 89% 89 85 95% 179 25 161% 86 90 105% 101 7 97% 12 13 106% 20 80 116% 182 160 88% 251 10 83% 31 40 129% 43 10 137% 0 0 7 0 - 6 0 6 212 106% 406 388 95% 607 合計 H27計画 前年比 165 92% 115 113% 20 103% 240 95% 50 117% 10 135% 0 - 600 99% 施設整備計画 「新中期計画(平成 26 年度~平成 28 年度)」の方針である、既存事業の強化・拡大(対象分野の拡 大)と新規事業構築を実現する 2 年目として、平成 27 年度施設整備は、AVC 分野では顧客からの低 コスト化に対応すべく CISPR32 に対応し、高速化に対応した EMI レシーバ等のエミッション測定システ ムを導入し、新規分野では、新たに国際規格で規定された太陽光発電用 DC の LISN(擬似電源回路 -5- 網)と産業用ロボット等の機能安全 EMC で規定されている低周波伝導イミュニティ試験システムを導入 します。 さらに、車載機器や航空機搭載機器の EMC 試験の能力を強化するために、生駒第 1 試験サイトの 第 6 電波暗室専用の EMI レシーバ等のエミッション測定システム、国内自動車メーカ規格改訂に対応 したレーダパルスイミュニティ試験用パワーアンプ、民間航空機 AC 電源用ラインフィルタを導入しま す。 品質保証部門では、ルビジウム周波数標準器と周波数カウンタを導入し、無線機等の評価を行う計 測器の校正精度を向上させます。 上記の計画を実行するための投資額を 80 百万円とします。各分野の最新規格や改訂への対応を 中心とした設備を他試験機関より早期に導入することにより顧客の拡大を図り、試験料収入の確保を 図っていきます。 2.2.3 重点取組みの推進 重点取組みとしては、「車メーカとの連携強化」、「新規分野の拡大に向けた取組み」を継続して進 めるとともに、新規・成長分野における重要評価分野への参入を目指して、「新規事業のベース確立 に向けた取組み」を加速して進めます。 (1) 車メーカとの連携強化 車メーカの要求する EMC 試験の技術的課題解決に積極的に関わり、KEC の EMC 技術力をア ピールすることで、車業界において KEC のプレゼンスを高め、ひいては試験受注獲得増につなげ ます。具体的な取組みについて下記に示します。 ① 部品メーカのテストプランの精査・確認 部品メーカが車メーカ向けの EMC 試験を実施する場合、部品メーカは、車メーカ独自規格の EMC 試験要求に対応する EMC テストプランを作成し、それを車メーカに提出し承認を得て EMC 試験を実施します。そのサポートをするために、前年度から継続して、KEC にて iNARTE 資格を 有するエンジニアが EMC の観点で試験条件が適正かの精査と部品メーカへの提言及びテストプ ランの修正のサポートをすることにより、車メーカと部品メーカに貢献し、それらのメーカからの信 頼を得ていきます。 ② 技能試験(試験所間比較試験)の技術開発 車載 EMC 試験では、車のボディを模擬した金属板を設置したテストベンチでの配置を行い、ま た放射エミッション測定や放射イミュニティ試験では、受信アンテナや送信アンテナの高さを固定 し、EUT を回転させない固定方向での試験条件となるため、テストベンチや暗室の大きさ及びテ ストベンチ上の金属板と暗室のグランド間の接地方法によって結果が変わります。 また ISO/IEC17025 認定試験所は、実施能力を評価するために技能試験(試験所間比較試 験)への参加が義務付けられていますが、自動車分野の EMC 試験は、試験方法が民生・産業機 器と比べて特殊であり、また周波数範囲が広くて試験項目が多岐にわたっているため、対応する 技能試験の開発が追いついていないのが現状です。 -6- 上記 2 つの観点から、主要認定試験所の協力のもと、前年度の放射エミッション測定の技能試 験に引続き、イミュニティ試験の技能試験開発として、「ラウンドロビンテスト(RRT)実施」と「合否判 定方法及び判定基準作成」を行い、サプライヤ間及び試験所間の EMC 試験相関性向上に向けた 提案を車メーカに行い、車メーカに対してしっかりと貢献していきます。そして、車メーカからの信頼 を得て、車メーカからの KEC 指名での依頼試験の更なる受注拡大を目指します。 (2) 新規分野の拡大に向けた取組み 平成 26 年度には、新規分野の EMC 試験の拡大に向けて、新エネルギー分野、鉄道分野等を 中心に取組みを進めてきましたが、試験の受注を十分伸ばすことができず、新規分野全体では計 画に対して未達となりました。したがって、平成 27 年度も、新規分野の拡大に向け、継続して下記 の取組みを進めます。特に、前年度に十分伸ばしきれなかった新エネルギー分野、鉄道分野等の 取組みを重点的に進めていきます。 ① 新エネルギー ⅰ)太陽光発電(平成 27 年度試験料収入計画:30 百万円) JET 認証と同等な EMC 試験についての受注拡大に継続して取り組むとともに、海外向け評 価試験や法人向け 20kW 級太陽光発電用パワーコンディショナ等の受注拡大にも努めます。 ⅱ)EV 充電(平成 27 年度試験料収入計画:12 百万円) 車載充電器は、車メーカとの連携強化で受注確保を図ります。また、CHAdeMO 検定機関と 協議会加盟企業への PR を継続し、受注獲得を狙いますが、CHAdeMO 認証での受注獲得は 本年度も厳しいことが予想されるため、EV 充電の収入計画は前年度並みとします。 ⅲ)その他(平成 27 年度試験料収入計画:35 百万円) 蓄電システム、HEMS、コジェネレーションシステム等について、前年度から継続しての受注を 目指します。特に近年伸びてきている充電システムの受注拡大を図っていきます。 ② 鉄道分野(平成 27 年度試験料収入計画:8 百万円) 平成 26 年度に取得した鉄道車両搭載機器及び鉄道用信号機器の EMC 試験に関する ISO17025 の JAB 認定を活かして、海外向け鉄道分野 EMC 試験の受注の拡大を図っていきます。 また、成長戦略「パッケージ型インフラ海外展開」の一つである都市型鉄道システムの海外認証 を国内で担う認証機関との連携を強化するとともに、国内鉄道事業者の車両更新需要の増加に 伴う EMC 評価の需要取込みも図っていきます。 ③ 産業用ロボット(平成 27 年度試験料収入計画:6 百万円) 産業用ロボットの世界シェアでは日本は依然としてトップであり、中国での市場競争が激化して いる中、製品開発は今後も増加傾向にあります。EMC 試験の項目にも、新たに機能安全の観点 で機器が異常状態に陥っても安全側に動作(停止)することが要求されてきています。この機能 安全 EMC 試験を完全に実現するために、低周波伝導イミュニティ試験の整備を行い、認証機関 との連携で試験受入れを開始します。 ④ 生活支援ロボット(平成 27 年度試験料収入計画:7 百万円) -7- 関連メーカの訪問と認証機関との連携により試験需要を取り込みます。また、ISO 規格リスク分 析から各 EMC 試験項目の判定基準のアドバイスも可能となるよう取り組んでいきます。 また、これらの新規分野に関して、専門委員会推進部門と連携してセミナーをけいはんな試験セ ンターで実施し、講座とともに試験設備の見学会を行い、試験能力の PR にも努めていきます。 (3)新規事業のベース確立に向けた取組み 製品の評価や認証には EMC 試験以外に安全試験(電気安全、機械安全、環境試験等)等も重 要な評価分野となってきます。新中期計画の 2 年目を迎えるあたり、新規・成長分野における重要 評価分野への参入検討を加速し、生活支援ロボットを皮切りに事業参入のベース確立を目指すとと もに、さらに事業の幅を広げる取組みとして、電波暗室特性評価を新規事業として拡大します。 ① 生活支援ロボット 平成 26 年度には、電気的安全試験に関して、最低限の評価項目の実現性の検討まで進めて きていますが、平成 27 年度には、認証取得に必要な評価項目の情報入手及びその実現性検討 を行っていきます。そのため、メーカへのヒアリングにより、3 タイプ(移動型/人間装着型/搭乗 型)毎の「最低限の評価項目+α」の情報収集を行って、タイプ毎の評価項目を体系的にまとめ るとともに、その実現性の検討を進めていきます。 また、認証取得サポートとしてリスクアセスメント手法を学び、製品に適用すべき安全性評価試 験項目の立案、テストプラン作成のサポートの実現を目指していきます。 上記のアプローチにより、中小企業をターゲットとした顧客獲得が可能となるベースの確立を目 指します。 ② EV 充電器の安全性評価 EV 充電器には、車載搭載型のオンボードタイプと急速充電器や家庭用設置型の普通充電器 等のオフボードタイプがありますが、オンボードタイプの電気的安全試験については、実施可能 な試験調査の次のステップとして、判断基準等の調査を進めていきます。 オフボードタイプの電気的安全試験については、急速充電器の CHAdeMO 認証及び普通充 電器の JARI-EV/PHV 用充電器製品認証に関する電気的安全試験の実施可否の調査を行って、 電気安全試験の実現性を見極めていきます。 ③ 電波暗室特性評価 EMC 試験設備である電波暗室を維持・管理するには、定期的(通常 1 年毎)に下記の特性評 価が必要となります。 ⅰ)NSA(Normalized Site Attenuation:正規化サイトアッテネーション) 放射エミッション測定の際に、暗室の空間ロスが 30MHz~1GHz の範囲において、回転台の 中心と前後左右のポイントにて水平及び垂直のアンテナ偏波面で理論値に対して±4dB 以内 であることを維持することが必要となります。 -8- ⅱ)SVSWR(Site Voltage Standing Wave Ratio:サイト定在波比) 1GHz 以上の放射エミッション測定においては、1GHz 以下とは異なり、床金属面に電波吸収 体を敷設して自由空間特性として EUT の配置エリア(EUT ボリューム) 内で、決められた 24 ポ イント(または 30 ポイント)において水平及び垂直のアンテナ偏波面で SVSWR が 6dB 以内であ ることが要求されています。 上記の特性評価には、技量とともに時間的負担に加え、通常 EMC 試験では使用しないネット ワークアナライザ、評価用アンテナ、冶具等の整備によるコスト面においても、EMC 設備を管理 するメーカにとっては大きな負担となりますので、KEC の iNARTE エンジニアが、これら計測器等 の機材を持ち込み、KEC 会員メーカの電波暗室特性の出張測定を行っていきます。前年度の NSA 評価実績(1 件)を平成 27 年度には、さらに拡大していきます。 -9- 3.予算(案) 3.1 収支予算(案) 平成27年度収支予算(案) [損益ベース] (単位:千円) 科目 平成27年度 平成26年度 実績 計画 前年差 前年比(%) Ⅰ一般正味財産増減の部 1.経常増減の部 (1) 経常収益 ① 受取入会金 360 420 60 117 基本会費 41,125 42,000 875 102 特別会費 0 0 41,125 42,000 875 102 607,162 600,000 △ 7,162 99 10,241 10,352 111 101 4,083 3,714 △ 369 91 19,058 640,544 20,362 634,428 1,304 107 △ 6,116 99 324 0 △ 324 0 4,284 600 △ 3,684 14 4,608 600 △ 4,008 13 686,637 677,448 △ 9,189 99 541,046 540,627 △ 419 100 34,487 34,724 237 101 退職給付費用 10,539 10,342 △ 197 98 経常費用計 当期経常増減額 586,072 585,693 △ 379 100 100,565 91,755 △ 8,810 91 固定資産売却益 0 0 0 - 受取補助金 経常外収益計 0 0 0 0 0 - 0 - 0 0 0 - 1,416 0 △ 1,416 - 1,416 0 △ 1,416 - △ 1,416 0 1,416 - 99,149 91,755 △ 7,394 ② 受取会費小計 電磁波計測試験収入 講演・講習収入 資料収入 資格取得収入 ③ 事業収益小計 受取利息 雑収入 ④ 雑収入小計 経常収益計 - - (2) 経常費用 事業費 管理費 2.経常外増減の部 (1) 経常外収益 (2) 経常外費用 貸倒損出 固定資産除却損 経常外費用計 当期経常外増減額 当期一般正味財産増減額 - 10 - 93 3.2 公益目的支出計画(案) 平成27年度 公益目的支出計画(案) [損益ベース] (単位:千円) 科目 平成27年度 平成26年度 実績 計画 前年差 前年比(%) - - Ⅰ一般正味財産増減の部 1.経常増減の部 (1) 経常収益 受取会費 0 0 28,054 29,714 1,660 0 0 0 28,054 29,714 1,660 106 人件費 52,099 50,861 △ 1,238 98 会議費 10,779 12,221 1,442 113 旅費交通費 5,193 4,981 △ 212 96 通信運搬費 1,257 1,307 50 104 消耗品費 2,602 1,221 △ 1,381 47 印刷製本費 1,279 1,297 18 101 賃借料 2,574 3,274 700 127 諸謝金 4,886 5,701 815 117 支払手数料 361 305 △ 56 84 委託費 495 715 220 144 13,482 14,953 1,471 111 4,447 4,807 360 108 99,454 101,643 2,189 102 △ 71,400 △ 71,929 △ 529 101 経常外収益 0 0 - - 経常外費用 0 0 - - 当期経常外増減額 0 0 - - △ 71,400 △ 71,929 事業収益小計 雑収益 経常収益計 106 - (2) 経常費用 試験更新料 その他 経常費用計 当期経常増減額 2.経常外増減の部 当期一般正味財産増減額 - 11 - △ 529 101
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