平成26年度事業報告及び決算 1. - 一般社団法人KEC関西電子工業

平成26年度事業報告及び決算
1.事業総括
平成 26 年度は、同年度よりスタートした「KEC 新中期計画」(活動スローガン“Change and Challenge”)
のスタートの年となりました。したがって、平成 26 年度は、その新中期計画の骨子となる「既存事業の強
化・拡大」及び「新規事業の構築」のベース確立に向けて、取組みを進めました。
専門委員会推進部門は、既存の委員会事業の強化・拡大を図るべく、公益事業を実施する部門として、
業界の技術者が真の実力を身につけるとともに、その力を正しく評価される技術者になってもらうことを目
指し、技術者の「実践力+ステータス」強化に向けた支援の拡大を進めました。その重点的な取組み内容
としては、「技術講座」におけるノイズ解析、市場商品の分解解析等の実習の導入や「ワーキンググルー
プ(WG)活動」における測定の品質向上や効率化等の現場課題の解決につながる実践的なテーマの導
入等による技術者の実践力強化への支援を進めてきました。また、「資格」を通じて技術者のステータス
向上を図ることを狙って、「資格」の更なる普及に向けた継続した PR 活動を進めてきましたが、加えて
EMC 設計技術者資格においては、その価値、位置付けをよりわかりやすく明確に発信し、アピールを行
ってきた結果、平成 26 年 11 月に実施した資格試験では、受験者数を前年度比で 64%増とすることがで
きました。
また、「新規・成長分野の情報発信強化と試験事業との連携強化の取組み」としては、「KEC セミナー」
「KEC テクノフォーラム」及び「EMC 関西」といった主要セミナーにおいて、新規・成長分野のテーマを取
り上げ、平成 26 年度は先端技術情報のみならず応用展開・実用化展開の情報提供を充実させて、会員
企業の事業支援につながるよう取組みを進めました。そういった中で、第 5 回テクノフォーラムでは、生活
支援ロボットをテーマに取り上げましたが、そのフォーラムでは商品化事例に加え、安全性検証に関する
実用化の現状・課題をあわせて情報発信するなど、試験事業との相乗効果が発揮でき、試験事業拡大
にもつながっていくことを目指した情報提供活動にも注力して取組みを進めました。
試験事業部門は、既存の試験事業としての強化・拡大を図るべく、試験料収入確保・拡大に向けた重
点取組みとして、次の 3 点の取組みを進めました。まず、1 点目として無線機器認証試験対応の取組みを
行いました。国内における電波法登録証明機関の資格取得は事情により断念したものの、国内の認証機
関との連携を図ることによる認証代行試験業務推進に方針を変更して、9 月よりその業務の請負が可能と
なりました。また、欧州の新規定に対応するための無線機テスタの導入を予定通り実施し、無線機器試験
の受注拡大につなげました。2 点目としては、車載分野の試験料収入の拡大に向けて、車メーカとの連携
強化を進めました。まず、車メーカの代行としての部品メーカのテストプランの精査・確認に関して、部品メ
ーカから受注した依頼試験のテストプランをテスト前に事前精査・確認するというやり方を定常的なパター
ンとして確立し、車メーカに貢献してきました。また技能試験の技術開発に関しては、放射エミッション測
定に関して、ラウンドロビンテストの試験結果の合否判定方法及び判定基準を作成したとともに、車メーカ
に対する相関性についての提案を(平成 27 年 4 月に)実施しました。平成 26 年度は、前年度に比べ、車
載分野の依頼試験が増加するといった形で、少しずつ本取組みの効果が出てきており、また車載分野の
試験料収入の年間計画達成に対しても、本取組みの効果が少しずつ発揮できてきていると考えます。そ
して、3 点目として新規分野の更なる拡大に向けた取組みを進めました。新規分野においては、太陽光発
-1-
電、EV 充電器を中心とした新エネルギー分野の受注拡大に注力して取り組んだとともに、鉄道分野の受
注拡大等にも取り組みましたが、それらの取組みが十分な成果につながらず、新規分野については残念
ながら計画未達(計画比 81%)となりました。
また、新規事業の構築に向けて、新規・成長分野においては、EMC 評価のみならず、その分野にとっ
て重要な評価分野に入っていくことを目指して、生活支援ロボットの安全性検証への参入検討等、検討を
進めてきましたが、新規事業の構築に向けたベースの確立までは至っておらず、平成 27 年度も継続して
検討を進めていきます。
さらに、技術面の重点取組みとして、「EMC 見える化測定手法の開発」を継続して進めてきました。平
成 25 年度から課題として残っていた低周波領域と高周波領域での測定条件、推定手法の一本化につき
ましては、測定条件として、測定距離 5m、EUT の高さ 0.8mでの測定を行うことで、全周波数領域をカバ
ーできる測定条件の一本化(測定手法として多重極展開の中心点の数を低周波領域と高周波領域で分
けることは許容)を実現することができました。したがって今後は実用化に向けた検討を進めていきます。
平成 26 年度の試験料収入につきましては 607 百万円(計画比 103%、前年比 106%)まで伸びて、計
画を上回ることができました。AVC 分野、医療分野が好調で計画を上回るとともに、車載分野についても
年度末に利用が伸びて計画を上回り、新規分野及び MIL 分野が計画未達となったものの、試験料収入全
体では、計画を上回ることができました。
また、平成 26 年度の収支を下記に示しています。
試験料収入が計画を上回った結果、総収入も 687 百万円(計画 666 百万円、計画比 103%)と、計画を
上回りました。また、総支出は 588 百万円(計画比 100%)とほぼ計画通りであり、その結果、最終の収支
は、計画に対して 19 百万円良化して、99 百万円の黒字となりました。
なお、収支が対計画で 19 百万円の良化となったことにより、年間の税引き後収支は、36 百万円(計画
に対して 15 百万円の良化)となりました。
<平成 26 年度 収支計画と実績>
単位:百万円
会費収入等
収
入 試験料収入
その他収入
計
人
件
費
理
費
支 管
出 減価償却費
退職給付費用
計
収 支
前年実績
42
574
34
650
231
192
126
11
560
90
計画
42
590
34
666
247
207
123
9
586
80
以下、詳細について報告します。
-2-
平成26年度
実績
計画比% 前年比%
42
100
100
607
103
106
38
112
112
687
103
106
241
98
104
215
104
112
121
98
96
11
122
100
588
100
105
99
124
110
2.事業報告
2.1 総務事項
(1)平成26年度は、新たにスタートした「KEC新中期計画」(活動スローガン“Change and Challenge”)の
スタートの年にあたります。KEC全体として新中期計画の目標を達成していくため、これまでの成果
をさらに発展させるべく取り組みました。
主な改善活動内容は次の通りです。
① 仕組み改善等による間接業務のスピードアップ、意思決定のための経営情報等の見える化
② 情報セキュリティ強化と業務効率の両立
③ 入会勧誘活動の推進と定着、新規入会会員訪問によるご要望聴取
④ 情報誌の価値向上活動とホームページ維持・改善
⑤ KEC職員の一体感醸成
(2)通常総会、理事会、アドバイザリー(AD)委員会、運営部会につきましては、全て予定通り開催しま
した。
『平成26年度 開催会議一覧表』
開催日時
会議名
主要議案項目
H26.5.15(木)
第235回理事会
H26.6.13(金)
第55回通常総会
H26.6.13(金)
第236回理事会
H26.10.9(木)
H26.10.16(木)
H26.10.23(木)
第185回運営部会
平成26年度第1回AD委員会
第237回理事会
H27.3.5(木)
第186回運営部会
H27.3.12(木)
平成26年度第2回AD委員会
H27.3.19(木)
第238回理事会
・平成25年度事業報告及び決算に関する件
・平成26年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
・役員選任(案)に関する件
・入会に関する件
・平成25年度事業報告及び決算に関する件
・平成26年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
・役員選任(案)に関する件
・役付役員選定(案)に関する件
・入会に関する件
・平成26年度上半期事業報告の件
・平成26年度上半期事業報告の件
・平成26年度上半期事業報告の件
・入会に関する件
・平成26年度事業見通し及び決算見通しに関する件
・平成27年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
・平成26年度事業見通し及び決算見通しに関する件
・平成27年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
・平成26年度事業見通し及び決算見通しに関する件
・平成27年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
・入会に関する件
・第56回通常総会の開催日程に関する件
(3)会員数(平成27年3月末現在)につきましては、入会12社、退会17社あり、前年度末の211社から5
社減少し、206社となりました。
以下、総務活動の詳細について報告します。
-3-
2.1.1
通常総会開催
(1) 第55回通常総会
平成26年6月13日(金)
於:ヒルトン大阪
次の3件の議案について報告・説明を行い、審議された結果、満場一致にて承認されました。
① 第1号議案 平成25年度事業報告及び決算に関する件
② 第2号議案 平成26年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
③ 第3号議案 役員選任(案)に関する件
2.1.2
理事会開催
(1) 第235回理事会
平成26年5月15日 (木)
於:ホテルグランヴィア大阪
次の4件の議案について報告 ・説明を行い、審議された結果 、全員異議なく承認されまし
た。
① 第1号議案 平成25年度事業報告及び決算に関する件
② 第2号議案 平成26年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
③ 第3号議案 役員選任(案)に関する件
④ 第4号議案 入会に関する件
(第1号議案~第3号議案は第55回通常総会付議事項)
(2) 第236回理事会
平成26年6月13日 (金)
於:ヒルトン大阪
次の2件の議案について報告 ・説明を行い、審議された結果 、全員異議なく承認されまし
た。
① 第1号議案 役付役員選定(案)に関する件
② 第2号議案 入会に関する件
(3) 第237回理事会
平成26年10月23日 (木)
於:ホテルグランヴィア大阪
次の2件の議案について報告・説明を行い、審議された結果 、全員異議なく承認されまし
た。
① 第1号議案 平成26年度上半期事業報告の件
② 第2号議案 入会に関する件
(4) 第238回理事会
平成27年3月19日 (木)
於:ホテルグランヴィア大阪
次の4件の議案について報告・説明を行い、審議された結果 、全員異議なく承認されまし
た。
① 第1号議案 平成26年度事業見通し及び決算見通しに関する件
② 第2号議案 平成27年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
③ 第3号議案 入会に関する件
④ 第4号議案 第56回通常総会の開催日程に関する件
-4-
2.1.3
アドバイザリー委員会開催
(1) 平成26年度第1回アドバイザリー委員会
平成26年10月16日 (木)
於:ヒルトン大阪
平成26年度上半期事業報告について説明を行い、種々のアドバイスをいただきました。
(2) 平成26年度第2回アドバイザリー委員会
平成27年3月12日 (木) 於:ホテルグランヴィア大阪
次の2件について説明を行い、種々のアドバイスをいただきました。
① 平成26年度事業見通し及び決算見通しに関する件
② 平成27年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
2.1.4
運営部会開催
(1) 第185回運営部会
平成26年10月9日 (木)
於:ヒルトン大阪
平成26年度上半期事業報告について説明を行い、出席者全員の了解を得ました。
(2) 第186回運営部会
平成27年3月5日 (木)
於:ヒルトン大阪
次の2件の議案について説明を行い、出席者全員の了解を得ました。
① 第1号議案 平成26年度事業見通し及び決算見通しに関する件
② 第2号議案 平成27年度事業計画(案)及び予算(案)に関する件
2.1.5
共通の情報宣伝活動
(1) KEC情報誌
年4回の季刊誌として「KEC情報」を発行し、技術情報・新技術論文等を掲載しました。
2013年1月号から継続して、KEC宣伝活動のカラーページを冒頭付近に確保することとしていま
す。
① 2014年4月号(発刊済み)
・KEC宣伝のトピックスとして、「シールド材評価装置(1GHz以上の周波数帯域専用)導入のお知
らせ」、「2014年度 製品安全基本教育講座の開講」他を掲載しました。
・2013年10月に開催された「EMC関西2013」にて「新規製品分野から見たEMC」をテーマとして講
演された内容(4件)を技術情報特集として掲載しました。
② 2014年7月号(発刊済み)
・2014年6月に開催された第55回通常総会の内容を掲載しました。
・KEC宣伝のトピックスとして、「2014年度EMC試験法講習会」、「2014年度設計者向けEMC技術
講座」他を掲載しました。
・「安全性追求の信頼性試験事例と注意点特集」として、「ライフエンド事故と信頼性試験」、「絶縁
物の経年劣化と絶縁破壊」、「はんだクラック評価へのHALT適用例」、「チップセラミックコンデン
サの焼損」、「Liイオン二次電池の安全機構の評価試験」、「保護部品の活用と危険」の6件を掲
載しました。
-5-
③ 2014年10月号(発刊済み)
・KEC宣伝のトピックスとして、「Wi-Fi(2.4GHz帯/5GHz帯専用)無線機テスタ導入のお知らせ」、
「KEC/iNARTE EMC設計技術者資格制度と試験について」を掲載しました。
・「シミュレーション(数値解析から生物模倣まで)特集」として、「やさしいCAEに向けて」、「電子部
品の発熱量測定システム」、「ネイチャーテクノロジー応用による家電製品の価値創造」、「小形ス
ピーカのシミュレーションについて」の4件を掲載しました。
④ 2015年1月号(発刊済み)
・年頭ご挨拶として、宮部会長並びに関近畿経済産業局長のご挨拶を掲載しました。
・KEC宣伝のトピックスとして、「KECテクノフォーラムのご案内」、「2015年度iNARTE PS(製品安
全)エンジニア・テクニシャン受験講習会・資格認定試験のご案内」を掲載しました。
・2014年7月に開催された「KECセミナー」にて「安全・安心社会を実現するエレクトロニクス技術の
最前線 ~クルマと健康から見た最新センシング技術とその応用~」をテーマとして講演された
内容(3件)を技術情報特集として掲載しました。
(2) KEC ニュースレターEMCの発行
[編集:針谷 栄蔵(KEC)]
平成27年3月末現在の読者登録者数は404人で、平成26年度の主要な掲載内容は以下の通りで
す。
① 2014年5月30日(No.30)発行済
トピックス:最近の韓国EMC規制について
② 2014年7月31日(No.31)発行済
トピックス:CISPR SCI WG2香港会議の審議概要と将来課題の検討状況について
③ 2014年9月30日(No.32)発行済
トピックス:IEC 61000-3-2の改版状況と今後の動向
④ 2014年11月28日(No.33)発行済
トピックス:CISPR11の国内答申の概要とその後の動向
⑤ 2015年1月30日(No.34)発行済
トピックス:CISPRフランクフルト会議
⑥ 2015年3月31日(No.35)発行済
トピックス:IEC 61000-3-3 Ed.3.0フリッカ限度値の変更点(修正)
(3) KEC ホームページ
平成26年2月3日にKECのホームページを全面的にリニューアルしています。編集が比較的容易な
ツールを使用することにより、改訂を業者に依頼することなく行えるようにし、リニューアルから平成27
年3月末までの約14ヶ月間で約50回の最新情報(お知らせ)掲載に加え、約20回の改善・改訂を実
施しました。新規掲載・改訂の頻度を上げたので、検索ツールでの上位表示も期待できます。
-6-
2.1.6
他団体への協力
(1) 協力団体とその内容
以下の団体へ、委員会活動等を通じて協力を行いました。
団
体
名
備
考
総務省電波利用環境委員会
委員会参加
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)
委員会参加
独立行政法人 産業技術総合研究所(AIST)
委員会参加
大阪府電磁波利用技術研究会
委員会参加
公益財団法人 日本適合性認定協会(JAB)
試験所審査員、委員会参加
公益財団法人 京都産業21
委員会参加
公益社団法人 自動車技術会
委員会参加
一般社団法人 電子情報通信学会
委員会参加
一般社団法人 電気学会
委員会参加
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
委員会参加
一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)
委員会参加
一般社団法人 日本電気協会(JESC)
委員会参加
一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)
委員会参加
一般社団法人 エレクトロニクス実装学会
委員会参加
一般社団法人 日本ロボット工業会
委員会参加
一般社団法人 日本能率協会
寄稿
一般財団法人 VCCI協会(VCCI)
委員会参加、教育研修講師
株式会社 電磁環境試験所認定センター(VLAC)
試験所審査員、委員会参加
科学情報出版株式会社(月刊EMC)
寄稿
電波環境協議会(EMCC)
委員会参加
CHAdeMO協議会
委員会参加
日本ライセンス協会(LES)
委員会参加
中部エレクトロニクス振興会
委員会参加
広島県EMC研究会
委員会参加
-7-
(2) 専門技術者の派遣・協力
下記の公的機関、研究会他からの講演・講師依頼に対しKECの技術職員を派遣しました。
日
付
標
題
区分
主
催
H26/5/23
EMC入門講座
講師
中部エレクトロニクス振興会
H26/5/26
平成26年度EMC対策技術講座
講師
公益財団法人
しまね産業振興財団
H26/6/16
第1回EMC技術セミナー
講師
京都府中小企業技術センター
H26/6/20
VCCI通信ポート伝導妨害波測定コース
講師
一般財団法人 VCCI協会
VCCI 1GHz超放射妨害波測定コース
講師
一般財団法人 VCCI協会
EMC基礎講座
講師
一般財団法人 直鞍情報・産業
H26/7/3~4
H26/8/29
振興会 直鞍産業振興センター
ADOX福岡
H26/9/12
iNARTE受験対策実践セミナー
講師
中部エレクトロニクス振興会
H26/11/26
CISPR11の許容値の根拠について
講師
電波環境協議会
H26/12/9
平成26年度第3回研究会
講師
広島県EMC研究会
H27/1/29
パワーエレクトロニクス機器のEMC規格
講師
大阪府電磁波利用技術研究会
講師
公益財団法人中部科学技術セン
と評価方法
H27/2/12
航空機搭載電子機器のEMC規格と評
価方法
H27/3/18
ター
自動車/電気自動車のEMC規格と最新
動向
-8-
講師
株式会社電子ジャーナル
2.1.7
会員動向
平成27年3月31日の会員数は、平成25年度末(平成26年3月31日)の211社から5社減少(12社入会、17
社退会)して、総計206社となりました。
平成24年10月から、新入会員への訪問活動を実施しており、平成26年度は、平成26年3月、5月、6
月、10月の新入会員12社全てを訪問し、今後の事業計画、KECに対するご要望等を伺いました。
会員動向の内容詳細は、以下の通りです。
<平成26年度(H26年4月~H27年3月末)の会員動向>
(1) 社名変更(4社)
新社名
旧社名
1 アメテック株式会社 テセック株式会社
2 キーサイト・テクノロジー
合同会社
アジレント・テクノロジー
株式会社
3 バイテック株式会社
PTT株式会社
4 株式会社アイピーエス
株式会社アイピーエス・
コーポレイション
(2)会員種別の変更(2社)
会員名
1
2
新会員種別
旧会員種別
サイレックステクノロジー株式会社
特別会員
正会員
マイクロウェーブファクトリー株式会社
特別会員
正会員
-9-
(3)退会会員 (17社)
退会年月
平成26年9月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
会員種別
正会員
会社名
株式会社SNKプレイモア
平成26年9月
正会員
曙ブレーキ工業株式会社
平成26年9月
正会員
旭化成ケミカルズ株式会社
平成27年3月
正会員
株式会社ディジ・テック
平成27年3月
正会員
株式会社沖データ
平成27年3月
正会員
ソニー株式会社
平成27年3月
特別会員
ソニーイーエムシーエス株式会社
平成27年3月
賛助会員
株式会社システムLSIセンター
平成27年3月
特別会員
パナソニックヘルスケア株式会社
平成27年3月
特別会員
パナソニックSN九州株式会社
平成27年3月
特別会員
平成27年3月
正会員
パナソニックエクセルテクノロジー
株式会社
グローリー株式会社
平成27年3月
正会員
長田電機株式会社
平成27年3月
正会員
テクノアルファ株式会社
平成27年3月
特別会員
株式会社ペリテック
平成27年3月
正会員
平成27年3月
特別会員
住友電工システムソリューション
株式会社
三洋テクノソリューションズ鳥取
株式会社
- 10 -
(4) 新入会員 (12社)
入会月
会員種別
会社名
1
5月
正会員C
2
6月
特別会員 株式会社フルノシステムズ
ハンディーターミナル・アクセスポイントの製
造・販売
3
10月
正会員C
クルーリッジ合同会社
センサおよびセンサ応用商品の設計・開
発・販売
4
10月
正会員C
株式会社ピーマックス
自動車・農業機械・建設機械用試験設備の
開発、設計、製造、販売
5
10月
正会員C
株式会社エスアンドエー
校正試験所
6
10月
特別会員
株式会社パナソニックシステムネットワー
電気機械機器の研究開発
クス開発研究所
7
3月
正会員C
国華電機株式会社
電子計測器・工業用計器の販売およびシス
テム設計
8
3月
賛助会員
地方独立行政法人山口県産業技術セ
ンター
県内企業への技術支援
9
3月
正会員A
プライムアースEVエナジー株式会社
車載用ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン
電池、ECUの開発・製造・販売
10
3月
賛助会員 福岡県工業技術センター
試験研究、技術指導、人材育成等
11
3月
賛助会員 千葉県産業支援技術研究所
依頼試験、機器設備使用、研究開発等
12
3月
賛助会員
生産品目
カツラ電工株式会社
LED照明器具および部品等製造販売
一般社団法人ビジネス機械・情報システ ビジネス機械とそれに付随する情報システ
ム産業協会
ム産業の発展に貢献
(5) 会員数
平成26年3月31日時点
211社
平成26年4月~
入会
12社
平成27年3月末 増減
退会
17社
平成27年3月31日現在
206社
- 11 -
2.2 委員会活動
(1) 重点取組みの状況
委員会活動においては、従来から製品開発の上流工程へのお役立ち拡大に向け取り組んできまし
たが、平成26年度を新中期計画の着手年として、実践力(実戦力)の強化支援、新規・成長分野の情
報発信強化、試験事業との相乗効果発揮による会員企業の事業拡大への貢献を目指し取組みを推進
しました。
① 実践力の強化支援
実践力の強化支援に向けて、「技」に磨きをかける研修プログラムの開発と、技術者の自信とステ
ータスの強化につながる資格制度の展開を2つの軸として取組みを進めました。
研修プログラムについては、これまでの研修内容を土台に、EMC研修では、ノイズ低減やEMC対
策部品選択の解析シミュレーション実習や大型電波暗室での測定実習を、製品安全研修においては、
市販商品の分解分析による安全性・リスク評価等の現場課題に即した内容を研修プログラムに盛り込
みその充実を図りました。
一方、資格制度については、KECが展開する各資格の位置付けや差別化ポイントをあらためて整
理し、資格を取得することの効果やメリットをKEC情報誌等に掲載するとともに、多くの関係者が集まる
学会・セミナー等にて積極的にPRすることで、資格取得が技術者のより大きな自信・ステータスとなるよ
う啓蒙・PRを行いました。
また、KEC会員企業の横串となる分科会/ワーキンググループ(WG)活動においても、その成果を
職場に持ち帰り、活用できる実践性のある活動テーマとして、測定の品質向上や効率アップ、課題事
例研究等を採りあげ活動を推進しました。
② 新規・成長分野の情報発信強化、試験事業との相乗効果発揮
新規・成長分野の情報発信においては、KEC専門委員会を構成する委員からの最先端情報や各
種技術情報ソースを参考に、社会や業界の動向を捉え、発信すべき情報を取捨選択しながら情報を
発信してきました。
平成26年度は、特に技術が「応用展開」フェーズにある製品やテーマに焦点を当て、KECセミナー
やKECテクノフォーラムにて情報発信を行いました。
技術が応用展開フェーズにあるといえども、市場形成途上のこれらの製品においては、EMC・製品
安全の試験規格そのものが策定途上であるという状況が大部分であり、その試験業務を訴求するとい
うことは困難です。しかし、これらの情報発信を行いながら、各技術の第一人者とのパイプを太くしてい
くこと、また、KECがこれらの技術に早くから注目し、取り組んでいるという姿勢を示すことが、今後の試
験事業への信頼及び相乗効果の発揮につながっていくものと考え、その推進を図りました。
最新動向として紹介可能な「製品安全・EMC情報」については、下記に記すセミナー等を通じて情
報の発信に努めました。
平成 26 年度の主な成果を、表 2.2-1 に示します。
- 12 -
表2.2-1
No.
1
平成 26 年度 委員会活動一覧表
項目
調査・研究
内容
① 「EMC ラウンドロビンテスト WG」
・放射エミッション、伝導エミッション、放射イミュニティのラウンドロビン相関試験方法の
検討・実施
・試験所間の相関差異についての検討・考察
② 「EMC 自動測定技術開発 WG」
・輻射自動測定ソフトウェアの測定データ取りこぼし課題に対する防止手段の検討
・上記防止手段の有効性検証実験の立案
・プリアンプ飽和問題の検証と対策検討
③ 「30MHz 以下放射測定規格検証 WG」
・独自 3 軸ループアンテナによる測定効率化に向けた実験検証の立案・実施
・CISPR/SC-A への測定法の提案(3 軸測定合成評価法)
・15MHz 以上の周波数帯域における実機相関性の確認
④ 「無線給電規制・技術調査 WG」
・無線給電についての規格化動向・情報の調査
・測定評価方法の検証(60cmループ、ラージループ、G‐TEM)
2
情報の提供
(出版・ガイドブ
ック作成等)
① 「EMC アジア圏規格 調査出版 WG」 下記の各規格文書の翻訳・出版
韓国電波研究院 2014-12 号 放送通信機資材等の適合性評価に関する告示
同 告示 2014- 8 号 電磁波障害防止基準(エミッション基準)
同 告示 2014- 9 号 電磁波保護基準
(イミュニティ基準)
② 「EMC 欧米規格 調査出版 WG」 下記の各規格文書の対訳版編集と翻訳・出版
・FCC Part2-SubI、J、Part15-SubA~H、Part18-SubA~C (対訳版編集・出版)
・ICES-003、RSS-Gen、RSS-102、RSS-210、RSS-310
(対訳版編集・出版)
・IEEE/ANSI C63.4 2014 年度版(翻訳・出版)
・UNECE/Regulation No.10 Rev5 の翻訳
3
技術者の技術力
向上
(資格認定)
① iNARTE EMC エンジニア/テクニシャン資格取得支援のための技術教育
「iNARTE EMC 講習会」
(6 月 12 日~10 月 17 日)
受講者数:46~50 名
② iNARTE PS エンジニア/テクニシャン資格取得支援のための技術教育
「iNARTE PS 受験講習会」(4 月 18 日) 受講者数:24 名
③ 「iNARTE PS エンジニア/テクニシャン資格認定試験」
(6 月 20 日)
受験者数:28 名(エンジニア 27 名、テクニシャン 1 名)
合格者数 :19 名(エンジニア 19 名、テクニシャン 0 名)
④ 「KEC/iNARTE EMC 設計技術者資格認定試験」
受験者数:54 名
合格者数 :19 名
(11 月 13 日)
⑤ 「iNARTE EMC エンジニア/テクニシャン資格試験の模擬試験」
受験者数:計 64 名
(東京) 11 月 12 日、 (大阪)11 月 14 日
⑥ 「iNARTE EMC エンジニア/テクニシャン資格認定試験」 (平成 27 年 2 月 27 日)
受験者数:236 名(エンジニア 217 名、テクニシャン 19 名)
合格者数 : 51 名(エンジニア 45 名、テクニシャン 6 名)
- 13 -
No.
項目
4
技術者の育成
(講座・セミナ
ー)
内容
①「IEEE/ANSI C63 解釈集解説セミナー」
参加者数:34 名
(5 月 30 日)
②「次世代ワイヤレス通信技術講座」 11 講義/6 日 (5 月 23 日~平成 27 年 3 月 20 日)
受講者数:14~21 名
③「2014 年 KEC セミナー」
(7 月 11 日)
テーマ:「安全・安心社会を実現するエレクトロニクス技術の最前線」
~クルマと健康から見た最新センシング技術とその応用~
参加者数:83 名
④「機能安全セミナー」
テーマ:「機能安全の基礎と機能安全の開発」
参加者数:30 名
(6 月 6 日)
⑤「KEC テクノフォーラム」
第 5 回 テーマ: 「生活に役立つロボットの最新動向」 (7 月 25 日)
参加者数:22 名
第 6 回 テーマ: 「ウエアラブル機器の最前線」
(11 月 5 日)
参加者数:20 名
第 7 回 テーマ: 「系統連系のパワーエレクトロニクス」 (12 月 10 日)
参加者数:24 名
第 8 回 テーマ: 「ワイヤレス電力伝送の現状と今後」 (平成 27 年 3 月 25 日)
参加者数:24 名
⑥「製品安全基本教育講座」
8 講義/6 日 (8 月 22 日~平成 27 年 2 月 20 日)
受講者数:14~16 名
⑦「設計者向け EMC 技術講座」 13 講義/10 日 (9 月 10 日~平成 27 年 2 月 4 日)
受講者数:23~24 名
⑧「第 19 回 EMC 関西 2014」
(10 月 10 日)
テーマ: 「新規・成長分野の EMC 測定・評価技術」
~エキスパートが示す技術要点・今後の展望~
参加者数:113 名
⑨「第 6 回光・電波フォーラム」
(10 月 17 日)
テーマ: 「光・電波技術がもたらすライフ・イノベーション」
~生活に役立つ光・電波を用いた高速通信技術~
参加者数:25 名
各委員会での取組み成果の概要を以下に報告します。
- 14 -
2.2.1
研究専門委員会活動
(1) 研究専門委員会
[委員長: 岡村 康行 氏(大阪大学 理事・副学長)]
電子技術全般に関わる分野において、先端情報の提供、技術者の教育、技術啓蒙等に関わる活
動を管轄し、本研究専門委員会と傘下分科会の取組み方針・活動内容を検討・審議するとともに、
平成 26 年度の KEC テクノフォーラムの企画・運営を行いました。
[活動概要]
① 傘下分科会活動の指導助言
② 情報提供活動(KEC テクノフォーラム)の企画・開催
<KEC テクノフォーラムの企画・開催>
テーマ: 第 5 回 「生活に役立つロボットの最新動向」
日
時: 7 月 25 日(金)
場
所: 電子会館 4F 会議室 A
No.
題 目
講 師
所 属
1
Change the world ロボットが世界を変える
アイロボット社とルンバのこれまでの展開
徳丸 順一 氏
セールス・オンデマンド
株式会社
2
生活支援ロボット実用化プロジェクトでの取組み
~安全検証センターでの試験概要及び EMC 試験~
藤本 秀昌 氏
一般財団法人
日本自動車研究所
テーマ: 第 6 回 「ウエアラブル機器の最前線」
日
時: 11 月 5 日(水)
場
所: 電子会館 4F 会議室 A
No.
題 目
講 師
所 属
1
雰囲気メガネとアンビエントな情報活用
河村 和典 氏
株式会社
三城ホールディングス
2
メガネ型ウエアラブルコンピュータ“inforod”
福田 登仁 氏
ウエストユニティス株式会社
テーマ: 第 7 回 「系統連系のパワーエレクトロニクス」
No.
日
時: 12 月 10 日(水)
場
所: 電子会館 4F 会議室 A
題 目
講 師
所 属
1
系統連系インバーターの最新技術と動向
舟木 剛
2
家庭用燃料電池の現状と課題
伊藤 靖彦 氏
- 15 -
氏
大阪大学
パナソニック株式会社
テーマ: 第 8 回 「ワイヤレス電力伝送の現状と今後」
日
時: 平成 27 年 3 月 25 日(水)
場
所: 電子会館 4F 会議室 A
No.
題 目(仮題)
講 師
所 属
1
ワイヤレス電力伝送に関する政策・標準化動向
久保田 文人氏
一般財団法人 テレコム
エンジニアリングセンター
2
移動体向けワイヤレス給電技術
岡田
奈良先端科学技術大学院大学
実
氏
(2) 「次世代ワイヤレス通信技術講座」
[講座長: 山本 平一 氏(奈良先端科学技術大学院大学名誉教授)]
情報通信開発技術者の技術力向上を目的に、毎年新しい内容にて、業界の最先端でご活躍の講
師をお招きして講座を構成しており、平成 26 年度は下記の講座を開催しました。
No.
日付
1
5/23
題 目
講 師
所 属
ワイヤレスブロードバンド通信の最新動向
服部 武
氏
RFID の最新動向
(Internet of Things 関係技術の動向)
三次 仁
氏 慶應義塾大学
2-2
ビッグデータ時代のワイヤレスアプリケーションとは
新熊 亮一 氏 京都大学
3-1
豪雨を高速に分解するフェーズドアレイレーダ
牛尾 知雄 氏 大阪大学
3-2
鉄道無線技術の現状と開発動向
川崎 邦浩 氏
4-1
石炭、石油、電池 に続く第 4 世代の移動手段
大平 孝
4-2
エナジーハーベスティング技術の最新研究動向
北沢 祥一 氏
5-1
特定小電力無線を使った近距離無線通信の動向
清水 雅史 氏 NTT 未来ねっと研究所
5-2
MIMO 無線通信システムにおける信号処理
落合 秀樹 氏 横浜国立大学
6-1
IEEE802.11 無線 LAN 標準化の最新動向と技術展開 溝口 匡人 氏 NTT 未来ねっと研究所
2-1
上智大学
7/18
9/19
公益財団法人
鉄道総合技術研究所
氏 豊橋技術科学大学
11/21
株式会社国際電気通信
基礎技術研究所
1/16
3/20
6-2
移動通信ネットワークの進化と技術展開
- 16 -
藤岡 雅宣 氏
エリクソン・ジャパン
株式会社
(3) 「知的財産分科会」
[主査: 澤田 嘉久 氏(古野電気株式会社)]
知財裁判の判例研究や日本ライセンス協会(LES)研究会等への参加報告、トピックス紹介等を、輪番
制にて実施し検討を行うとともに、判例研究に関しては「KEC 情報」誌に当該情報を掲載しました。
KEC 情報誌
判例研究テーマ
7月号
テーマ:「出願後の刊行物参酌に基づく用途発明の効果の顕著制判断」審決取消請求事件
知財高裁 平成 25 年 10 月 16 日判決
平成 24 年(行ケ)10419 号
11 月号
テーマ:「ソレノイド駆動ポンプの制御回路」審取消請求事件
知財高裁 平成 26 年 2 月 25 日判決
平成 27 年
1 月号
平成 25 年(行ケ)第 10214 号
テーマ:「Automotive Technologies International Inc.v.BMW of North America,et al.」
米国特許権侵害訴訟事件
米国連邦巡回控訴裁判所 2007 年 9 月 6 日判決
Nos. 2006-1013, 2006-1037
(4) 「KEC セミナー企画 WG」
[主査: 岡本 昭夫 氏(大阪府立産業技術総合研究所)]
時流に応じたトピックをテーマとして取り上げ、基礎・応用・最新技術・技術動向等をまとめ、企業にお
ける技術企画・開発に役立つ「KEC セミナー」を企画・開催しました。
① 「2014 年 KEC セミナー」の企画・開催
最新のセンシング技術と、その応用事例として、車と健康に焦点を当てた平成 26 年度のセミナーを
企画・開催しました。
テーマ: 「安全・安心社会を実現するエレクトロニクス技術の最前線」
~クルマと健康から見た最新センシング技術とその応用~
No.
1
日
時: 7 月 11 日(金)
場
所: 梅田スカイビル スペース 36L
題 目
(基調講演)
MEMS 技術を用いた医療・健康用センサ、自動車用
センサの現状と今後の展開
講 師
所 属
江刺 正喜 氏
東北大学
日産自動車株式会社
2
自動運転と交通社会の未来
二見 徹
3
安全運転を支援する自動車用センサの現状と
今後の展開
田中 裕章 氏
株式会社デンソー
4
MEMS 技術を用いた生体活動センシング技術
~安全で安心な社会を目指して~
前中 一介 氏
兵庫県立大学
5
極微量のバイオ物質のセンシング技術
藤巻 真
独立行政法人
産業技術総合研究所
- 17 -
氏
氏
② 「2015 年 KEC セミナー」の企画
今後の社会情勢や技術動向を検討し、水素社会をキーワードに、その応用事例として、車に
焦点を当てた平成 27 年度のテーマ案を企画・検討しました。
テーマ(案): 「水素社会を拓く燃料電池車の課題と展望」
日
時: 平成 27 年 7 月 9 日(木)
場
所: 梅田スカイビル スペース 36L
(5) 「光・電波技術融合企画 WG」
[主査: 永妻 忠夫 氏(大阪大学大学院教授)]
光と電波の技術融合による、新たな技術分野の開拓に貢献するため、最先端技術の紹介と情報交流
の場として「第 6 回 光・電波フォーラム」を企画・開催しました。
テーマ: 「光・電波技術がもたらすライフ・イノベーション」
~生活に役立つ光・電波を用いた高速通信技術~
No.
日
時: 10 月 17 日(金)
場
所: 電子会館 4F 会議室 A
題 目
講 師
所 属
1
IEEE802.11ad/WiGig の概要と対応アンテナの開発
中嶋 政幸 氏
株式会社村田製作所
2
高速モバイルバックホール/フロントホールのための
次世代光アクセス技術と標準化動向
可児 淳一 氏
日本電信電話株式会社
- 18 -
2.2.2
EMC 専門委員会活動
(1) 「EMC 専門委員会」
[委員長: 和田 修己 氏(京都大学大学院教授)]
EMC 技術に関わる分野において、技術課題の研究から、規格・技術の動向調査・実験検証や、最新
情報の提供、技術者教育等の活動を管轄し、活動全体の方針立案と傘下分科会の取組み方針・活動内
容・新規活動の創設等を検討・推進しました。
平成 25 年度よりスタートした WG の活動成果を WG 全体にて共有・総括し、現場の技術課題に根差し
た新たな取組みテーマを起案して平成 26 年度の活動に引き継ぐとともに、北米規格調査出版 WG と欧州
規格調査出版 WG を統合し、欧米規格調査出版 WG としました。
また、上記の審議検討においては、これまでの委員会委員と各 WG の主査を交えた合同会議とし、
現場に則した検討が行えるように進めました
(2) 「EMC ラウンドロビンテスト WG」
[主査: 志田 浩義 氏(株式会社トーキン EMC エンジニアリング)]
平成 25 年度に実施した標準信号発生器を用いた放射エミッションの試験所間相関評価の次ステップと
して、 ラウンドロビン試験カテゴリの拡大(伝導エミッション測定、放射イミュニティ試験)、市販商品を被
試験品とする試験等、評価法の検討そのものを含め、試験所間でのより大きな偏差も疑われるラウンドロ
ビン試験を実施し、試験所間の相関差異について検討・考察を行いました。
(3) 「EMC 自動測定技術開発 WG」
[主査: 田中 稔泰 氏(マイクロウェーブファクトリー株式会社)]
輻射自動測定ソフトウェアの測定データ取りこぼし課題に対する防止手段の検討や、その有効性の
検証等、熟練技術者と同レベルの測定が可能な自動測定技術の構築を目指し、下記の取組みを推進し
ました。
① 各社の自動測定ソフトウェアの優位性の評価(メンバー相互のラウンドロビンテストにより評価)
② データ取りこぼし課題に対する防止手段の検討、有効性検証
③ プリアンプ飽和問題への対策と検証
(4) 「30MHz 以下放射測定規格検証 WG」
[主査: 峯松 育弥(KEC)]
新規格による評価方法が検討されている 30MHz 以下の放射測定に対して、最新の規格化情報を入手
検討するとともに、平成 25 年度に開発した 3 軸ループアンテナを用いた測定の効率化に向けた検証実験
や評価検討を通じて測定に必要な要件や課題を抽出し、測定技術と評価ノウハウの先行構築を図るとと
もに、関係各機関を通じ規格策定に向けた意見反映を行いました。
① 国際規格の策定動向・最新状況の共有
② 3 軸ループアンテナによる測定法の検証と CISPR/SC-A への規格化提案(3 軸測定合成評価法)
③ 15MHz 以上の周波数帯域における実機相関性の確認
④ 測定効率化に向けた測定方法の検討
(5) 「無線給電規制・技術調査 WG」
[主査: 山中 稔 氏(株式会社 UL Japan)]
普及・展開が加速する無線給電について、その実現技術だけでなく、各国規制の調査にも注力するこ
とを意図して WG 名に「規制」を追加し、これら規制の動向と試験評価方法の調査・検証を推進すべく、下
記の取組みを行いました。
- 19 -
① 規格策定動向及び関係する技術団体の動向調査(CISPR、日本、米 FCC)
② 代表的な無線給電方式における輻射レベルの評価及び測定方法・手順の検証
(60cmループアンテナ、ラージループアンテナ、G-TEM 等による評価)
(6) 「EMC 欧米規格 調査出版 WG」
[主査: 植村 卓哉 氏(三菱電機株式会社)]
平成 25 年度までの北米規格調査出版 WG と欧州規格調査出版 WG を統合し、欧米規格調査出版
WG として平成 26 年度から新たに活動をスタートしました。
欧州及び米国の EMC 関連規格動向に注意しながら、業界においても関心の高い米国 IEEE/ANSI
規格、FCC 規格、及び UNECE 自動車関連規格である R10 に着目し、下記の活動を推進しました。
① IEEE/ANSI C63.4 2014 年度版の翻訳・出版
② IEEE/ANSI C63 解釈集解説セミナー
③ FCC、Industry Canada 規格対訳版の編集・出版
(前年度に北米規格調査出版 WG にて翻訳したものを対訳版に編集)
・FCC Part2-SubI、J、Part15-SubA~H、Part18-SubA~C
・ICES-003、RSS-Gen、RSS-102、RSS-210、RSS-310
④ UNECE/Regulation No.10 Rev5 の翻訳
(7) 「EMC アジア圏規格 調査出版 WG」
[主査: 麻場 智明 氏(株式会社アドバンテスト)]
アジア圏の EMC 規格や試験関連情報の翻訳・出版と情報交換を目的に、下記の活動を行いました。
① 韓国規格(KC マーク)の最新動向と市場抜取り検査状況の再確認
② 韓国規格の翻訳、出版
ⅰ)韓国電波研究院 2014-12 号 放送通信機資材等の適合性評価に関する告示
ⅱ)
同
告示 2014- 8 号 電磁波障害防止基準(エミッション基準)
ⅲ)
同
告示 2014- 9 号 電磁波保護基準
(イミュニティ基準)
また、上記それぞれの改訂版である 2014-16 号、18 号、19 号についての状況を調査
③ ベトナム、マレーシア、インドネシア、中国、台湾、インドにおける規制・認証制度を調査
(8) 「EMC 関西企画 WG」
[座長: 古賀 隆治 氏(岡山大学名誉教授)、
植村 卓哉 氏(三菱電機株式会社)、
福本 幸弘 氏(パナソニック株式会社)]
日本の今後の経済発展を支える新規・成長分野の製品に着目し、これらが直面する EMC 課題や
測定・評価技術、最新の規格化動向について、各界を代表するエキスパートの方々よりご講演をいただく
「第 19 回 EMC 関西 2014」を企画・開催しました。
テーマ: 新規・成長分野の EMC 測定・評価技術
~エキスパートが示す技術要点・今後の展望~
日 時: 10 月 10 日(金) 10:00~19:00
・10:00~17:00
講演会(午前 2 件、午後 4 件) 講演時間 50 分/件
・17:10~
懇親会
場 所: メルパルク京都 (講演会、懇親会)
- 20 -
No.
題 目
講 師
所 属
1
「30MHz 未満の放射エミッション測定」
規格動向、測定例、測定のポイント
廣瀬 一郎 氏 パナソニック株式会社
2
自動車イミュニティ試験用強電界アンテナの開発
新井 宏之 氏 横浜国立大学
3
イミュニティ新規規格提案を中心とした
EMC 最新規格動向
平田 真幸 氏 富士ゼロックス株式会社
4
無線技術の最新情報と測定
栗山 有美 氏
キーサイト・テクノロジー
合同会社
5
KEC 法による電磁波シールド材の評価
~開発の経緯と評価方法の現実~
針谷 栄蔵
KEC
6
放射イミュニティ「IEC61000-4-3」に関する諸問題
~1GHz 以上の電界一様性について~
疋田 修一
KEC
(9) 「設計者向け EMC 技術講座」
本講座では、設計上流過程の「EMC 設計」技術に重点を置き、設計技術者が身につけるべき
EMC 技術の基礎技術力向上を目的に、学術関係者・企業技術者を講師に実施してきました。
平成 26 年度は、重点取組み方針である「実践力の強化」に向け、EMC 対策における解析シミュレ
ーション実習の追加(2 講座)や、EMC サイトでの測定実習(2 日間)(試験事業部門主催「EMC 試験
法講習会」)への参加を推奨しながら、下記の講座を企画・開催しました。
期 間: 9 月 10 日(水)~平成 27 年 2 月 4 日(水)
内 容: 9 回+1 回(12 講座+1 講座)
場 所: 電子会館 4F 会議室 A
KEC けいはんな試験センター (EMC サイト実習)
No.
1
日付
題 目
講 師
所 属
EMC とは
古賀 隆治 氏
岡山大学
電磁波障害問題と規制・規格
正岡 賢治
KEC
豊田 啓孝 氏
岡山大学
9/10
電磁界の放射と伝導
2
9/18
EMC 対策技術の基礎原理
3
10/8
対策部品の基礎と応用 1
コンデンサ等誘電体系デバイス
伊藤陽一郎 氏
株式会社村田製作所
4
10/22
対策部品の基礎と応用 2
フェライト等磁性体系デバイス
菊池 浩一 氏
TDK 株式会社
電磁シールド技術の基礎
三枝 健二 氏
日本大学
シールド部品、実用例
佐々木菜実 氏
星和電機株式会社
5
11/7
- 21 -
6
11/19
EMC 設計 1 実装、外部との関係
渋谷 和也 氏
三菱電機エンジニア
リング株式会社
7
12/8
EMC 設計 2 プリント基板設計、ノイズ評価
堀田 雅志 氏
三菱電機エンジニア
リング株式会社
8
1/19
EMC 設計におけるシミュレーション技術
原田 高志 氏
株式会社トーキン
EMCエンジニアリング
計測器の基礎及び実習
吉本 修
氏
廣 智之 氏 ローデ・シュワルツ・
ジャパン株式会社
後藤 祐也 氏
2/3
9
2/4
10/23
10
10/24
EMC サイトにおける測定実習
KEC 試験事業部 KEC
(EMC 試験法講習会)
- 22 -
2.2.3
製品安全専門委員会活動
(1) 「製品安全専門委員会」
製品安全技術に関わる分野において、技術課題の研究、実験的検証、規格や技術の動向調査、
情報提供、技術者教育、啓蒙等に関わる活動を管轄し、上記内容に関し、活動全体の方針、傘下の
分科会の取組み方針、活動内容等について検討しました。
① 傘下分科会の前年度の取組み成果と平成 26 年度取組み内容の確認及び指導助言
② 傘下分科会相互の活動成果及び技術情報共有に向けた取組みの検討
(2) 「信頼性分科会」
[主査( 9 月まで): 北村 幸雄 氏(パナソニック株式会社)]
[主査(10 月以降): 中津
晋
氏(株式会社島津製作所)]
信頼性技術の調査研究・情報提供・信頼性技術者の育成に取り組んでおり、下記テーマについて
の情報を共有し、技術検討を行いました。
① 信頼性の考え方について
② 高分子材料の高温高湿環境下における信頼性試験について
③ 静電気とその対策について
④ 事例研究(市場商品の不安全事象、故障事例)
(コネクタ発熱、電源ケーブル焼損、コンデンサ液漏れ、AC アダプタ故障、海外スイッチング
電源、海外 PCB、リレー、タクトスイッチ)
(3) 「安全規格分科会」
[主査(5 月まで): 加集 純一 氏(TOA 株式会社)]
[主査(6 月以降): 桑原 信二 氏(シャープ株式会社)]
安全規格の分野における情報の収集・提供・共有・翻訳出版と安全技術者の技術力向上に向け、
下記の検討・取組みを行いました。
① 安全規格ガイドブックの更新、第二版以降発行の CTL 文書の和訳検討
② 規格最新動向の共有・検討
ⅰ) 電気用品安全法の技術の基準を定める省令一部解釈の変更やその他改訂について
ⅱ) ITE 規格:IEC/EN/UL/CSA 60950-1, Second Ed. UL/CSA 60950-1, Ed.2 Am2
ⅲ) AV 機器規格:IEC/EN/UL/CSA 60065, Ed.7 IEC/EN/UL/CSA 60065, Ed.8
ⅳ) マルチメディア機器規格:IEC/UL 62368-1、旧規格との差異について
ⅴ) レーザ/LED 規格:IEC/EN 60825-1 Ed.3 IEC/EN 62471, Ed.1
ⅵ) マレーシア:一次電池規制
ⅶ) インド BIS:二次電池規制
③ 情報共有と技術検討
ⅰ) 新聞報道リコール問題について
ⅱ) EU 官報での変更内容について
ⅲ) セットトップボックスのエコデザイン要求について
- 23 -
(4) 「安全技術研究会」
[主査: 中田 俊幸 氏(パナソニック株式会社)]
安全技術に関わる研究テーマの調査検討やその成果発表・外部交流・情報交換等、下記の取
組みを行いました。
① 設計段階での課題発見、新商品でのリスク検出を目的とするリスクアセスメント試行について
② 電気用品安全法の性能規定化について
③ 情報共有と技術検討
ⅰ) 赤リン関連問題について
ⅱ) Li イオン電池の海外からの事故品取寄せについて
ⅲ) 医療機器のリスクアセスメントについて
ⅳ) USB 端子の発煙・発火に対する欧州動向
④ 「機能安全セミナー」の企画開催
日
時: 6 月 6 日(金)
場
所: 電子会館 4F 会議室 A
題 目
講 師
機能安全の基礎と機能安全の開発
(5) 「製品安全基本教育講座」
所 属
丹羽 邦幸 氏
名古屋大学
[コーディネータ: 柴田 恵 氏 (IEC/TC108 MT2 エキスパート)]
機能安全セミナー等の専門技術セミナーを含めた「製品安全技術講座」体系の中心となる「製品
安全基本教育講座」を開講しました。「安全とは何か」といった基本的な考え方から、事故事例・リスク
アセスメント・製品毎の規格要求まで、製品安全の全体像を鳥瞰できる構成としました。
特に平成 26 年度は、重点取組み方針である「実践力の強化」に向け、市販商品を分解してのリス
ク分析及び製品安全性評価を新たに実習として講座に取り入れ好評を博しました。
No.
1
日付
題 目
講 師
所 属
製品安全の基本的な考え方と世界の製品安全法規
川口 昇 氏 株式会社 UL Japan
iNARTE PS エンジニア・テクニシャン資格認定制度
西原 信之
KEC
8/22
2
9/26
事故事例とリスクアセスメント
酒井 健一 氏
独立行政法人 nite
製品評価技術基盤機構
3
10/24
IEC 規格の基礎
住谷 淳吉 氏
一般財団法人 JET
電気安全環境研究所
4
11/28
IEC62368-1(Ed.2)の要求
(機種別 IEC 規格要求:AV・IT・CT 機器)
近藤 孝彦 氏
一般財団法人 JQA
日本品質保証機構
機器別 IEC 規格要求: AV 機器
塩田 武彦 氏
一般財団法人 JQA
日本品質保証機構
機器別 IEC 規格要求: IT 機器
柴田 恵 氏
IEC/TC108
MT2 エキスパート
機器別 IEC 規格要求: 電化機器
佐々木 宏 氏
IEC/SC61B、SC61C
国際議長
5
6
1/23
2/20
- 24 -
2.2.4
iNARTE/Japan 専門委員会活動
(1) 「iNARTE/Japan 専門委員会」
[委員長: 舟木 剛 氏(大阪大学大学院教授)]
iNARTE 運営母体の名称変更等に伴う過去に遡っての契約の改訂・更新を行いました。
また、平成 26 年度の年次会議を iNARTE の運営母体である Exemplar Global(EG)の米国拠点に
て開催し、今後の資格制度の更なる展開について協議しました。
(2) 「iNARTE/J EMC 分科会」
[主査: 関口 秀紀 氏(独立行政法人海上技術安全研究所)]
iNARTE EMC 資格試験の合格支援に向け、iNARTE EMC 講習会や模擬試験を企画・開催すると
ともに、平成 26 年度の資格試験を実施しました。
① 「iNARTE EMC 講習会」の開催
期 間: 6 月 12 日(木)~ 10 月 17 日(金)
内 容: 8 日(15 講義)
場 所: LMJ 東京研修センター(水道橋)
No. 日付
1
6/12
題 目
講 師
所 属
電磁気Ⅰ
森本 健志 氏
近畿大学
電磁気Ⅱ
中村 隆
岐阜大学
EMC のための数学
五百旗頭 健吾氏 岡山大学
電子回路
原田 高志 氏
株式会社トーキン
EMCエンジニアリング
電気回路Ⅰ
渡邊 陽介 氏
三菱電機株式会社
電磁波の生体影響
松尾 和彦 氏
ゾンデックス株式会社
実務管理
中森 拓也 氏
パナソニック株式会社
対策技術Ⅰ
東
株式会社村田製作所
計測技術
池原 司益 氏
キーサイト・テクノロジー
合同会社
10
電気回路Ⅱ
大橋 正治 氏
大阪府立大学
11
プリント基板の EMC
田中 顕裕 氏
RITA エレクトロニクス
株式会社
12
通信方式
宮本 伸一 氏
大阪大学
13
対策技術Ⅱ
西方 敦博 氏
東京工業大学
14 10/17
EMI 規格
千代島 敏夫 氏
PFU テクノコンサル
株式会社
15
EMS 規格
篠崎 厚志 氏
STECS
2
氏
6/13
3
4
7/10
5
6
7/11
7
8
9/4
9
貴博 氏
9/5
10/16
- 25 -
② 「iNARTE EMC エンジニア/テクニシャン資格試験の模擬試験」の実施
日 時: (東京) 11 月 12 日(水)
(大阪) 11 月 14 日(金)
場 所: (東京) 株式会社東陽テクニカ
(大阪) CIVI コンベンション新大阪東
内 容: (午前) 模擬試験
(午後) 解説
③ 「iNARTE EMC エンジニア/テクニシャン資格試験」 の実施
日 時: 平成 27 年 2 月 27 日(金)
場 所: (東
京)
日本教育会館
(名古屋)
愛知県産業労働センター
(大 阪)
CIVI コンベンション新大阪東
(3) 「iNARTE/J PS(安全)分科会」
[主査: 舟木 剛 氏(大阪大学大学院教授)]
iNARTE PS 資格試験の合格支援に向け、iNARTE PS 受験講習会を企画・開催するとともに、
平成 26 年度の試験を実施しました。
また、平成 27 年度の受験拡大に向け、試験会場をこれまでの大阪に加え、東京においても開催
することを決定しました。
① 「iNARTE PS 受験講習会」の開催
期 間: 4 月 18 日(金)
場 所: 電子会館 4F 会議室 A
No.
題 目
講 師
所 属
1
iNARTE PS 認定制度の趣旨
及び認定試験の出題に関する説明
西原 信之
KEC
2
安全規格と認証制度
中田 俊幸 氏
パナソニック株式会社
3
電気的安全
(絶縁の種類、感電保護、絶縁距離、絶縁の損傷)
加藤 純一 氏
TOA 株式会社
4
機器の安全設計
(機器設計、設計のレビュー、危険性の分析 他)
玉川 知久 氏
株式会社
アドバンテスト
5
危険の回避 「前編」
(電源接続、接地構造、機械(物理)的危険 他)
坂井 彰
氏
株式会社コスモス
コーポレーション
6
危険の回避 「後編」
(難燃性能、温度上昇、漏れ電流、異常試験 他)
竜田 純
氏
株式会社コスモス
コーポレーション
② 「iNARTE PS エンジニア/テクニシャン資格認定試験」の実施
日 時: 6 月 20 日(金)
場 所: 電子会館 4F 会議室 A、 8F 会議室 B
- 26 -
2.2.5
EMC 設計技術者資格推進委員会活動
(1) 「EMC 設計技術者資格試験推進委員会」
[主査: 福本 幸弘 氏(パナソニック株式会社)]
EMC 設計技術者資格の展開に向けた啓蒙活動を実施し、平成 26 年度も、KEC 主催の各種セミナ
ーでの資格 PR や、エレクトロニクス実装学会主催のセミナーにおいては、簡単な模擬的試験と問題解
説を行うなど、積極的に普及啓蒙活動を推進しました。
① 「KEC/iNARTE EMC 設計技術者資格認定試験」の実施
日 時: 11 月 13 日(木)
場 所: (東 京)
(大 阪)
日本教育会館
CIVI北梅田研修センター
平成26年度は、受験者数が54名となり、前年度の33名に比べ64%増となりました。
- 27 -
2.3 試験事業
2.3.1 試験事業の状況
(1) 全体利用状況
平成 26 年度は、「新中期計画(平成 26 年度~28 年度)」の 1 年目で立上げの年度となり、既存事業
の強化・拡大及び新規事業構築のベースを確立していくことで、将来にわたって KEC の事業基盤を堅
牢にしていくための重要な年度でした。試験事業では、近年の AVC 分野の落込みに代わる成長分野を
取り込むため、無線機器、新エネルギー分野、鉄道分野、介護・産業ロボット分野、省エネ対応機器等
の試験受注を確実とし、収入維持・拡大に一層注力することで安定した事業基盤の構築を進めました。
重点取組みとしては、「無線機器認証試験対応の取組み」、「車メーカとの連携強化と電波暗室の有
効活用」、そして「新規分野の更なる拡大に向けた取組み」で顧客拡大に向けたアプローチを行うととも
に、技術面では「EMC 見える化測定手法の開発(試験実務への導入に向けた活動)」に継続して取り組
みました。
平成 26 年度の試験料収入計画は、前年度に続き大手企業における EMC 試験の内製化加速による
影響が非常に大きくなることが予想され、さらに従来からの会員各社からの試験料金のコストダウン要望
に一層応えなければならないこと、それらの減少分を新規分野(無線機器、新エネルギー他)での受注
活動強化と車載分野の復調でカバーすることで、前年度に若干上積みした 590 百万円を確保する計画
としていましたが、実績は 607 百万円(計画比 103%、前年比 106%)で計画を上回ることができました。(詳
細は表 2.3-1 を参照)
(2) 依頼/自主別利用状況
依頼試験は計画値 210 百万円に対し 9 百万円減の 201 百万円(計画比 96%、前年比 123%)、自主
測定は計画値 380 百万円に対し 26 百万円増の 406 百万円(計画比 107%、前年比 99%)となりました。
(3) 分野別利用状況
① AVC 分野は計画値 151 百万円に対し 28 百万円増の 179 百万円(計画比 118%、前年比 105%)と
なり計画を達成しました。大手企業における EMC 試験の内製化に伴う影響を前年度以上に受け、
今までになく大幅な受注件数の減少が想定され、また、会員各社からの試験料金のコストダウン要
望にお応えしなければならないことが試験料収入減の要因となっていたため前年度実績より大幅減
の計画としていました。しかし、主力の 3m 電波暗室と 10m 電波暗室の連携を強化し、さらに電波暗
室の運用において土日利用を含めた職員のお客様対応体制を強化し、稼働率向上に努め、また、
近年、デジタル家電機器がネットワーク化されるに伴い無線モジュール搭載機器が増加しておりま
すので、無線モジュールの EMC 試験にも注力し、さらに主要顧客から計画を大きく上回る試験を受
注した結果、大幅な収入の落込みを食い止め、計画を達成することができました。
② 新規分野は計画値 125 百万円に対し 24 百万円減の 101 百万円(計画比 81%、前年比 122%)とな
り計画未達でした。太陽光発電用パワーコンディショナは、各社の開発が一段落するとともに、電力
買取価格の値下げ等のマイナス要因があり、上半期は JET 認証の事前試験のご利用がほとんどな
い状況でした。下半期に、パワーコンディショナは、10kW 以上のものを含め、利用が伸びましたが、
計画まで挽回を図ることはできませんでした。また、EV 用急速充電器は、EMC 評価を含む
- 28 -
CHAdeMO 認証が平成 26 年 4 月から本格的に実施されましたが、車メーカの EV 拡販施策としての
EV 急速充電器の低価格化、EV 普及が低調であったこと、さらに従来は任意であった EMC 評価が
必須となったことによるノイズ対策の困難さ等の理由で EV 用急速充電器メーカの認証取得の動きが
低下したことにより、当初目論んでいました受注量に至りませんでした。電動アシスト自転車等の軽
車輌の EMC 評価が急増し、また、蓄電システム等の新エネルギー対応製品の EMC 評価が増加し
た等の増加要因もありましたが、計画を達成することができませんでした。
③ 医療分野は計画値 15 百万円に対し 5 百万円増の 20 百万円(計画比 130%、前年比 112%)となり
計画を達成しました。前年度に急増した主要会社 1 社の製品評価が継続し、計画を超える結果とな
りました。
④ 車載分野は計画値 233 百万円に対し 18 百万円増の 251 百万円(計画比 108%、前年比 120%)と
なり計画を達成しました。平成 26 年度も前年度に続き省エネ部品及び電動車両用部品の EMC 評
価が多かったこと、車載分野向けに優先的に設備予約を振り向け試験需要を取り込むことで AVC 分
野の受注減による電波暗室の稼働低下を車載分野に向ける効率的な運用を行ったこと、さらに、車
メーカと連携して部品メーカが作成した EMC テストプランを事前精査する仕組みを導入したことによ
り、試験需要を取り込むことで受注増加を図ることができました。
⑤ MIL 分野は計画値 58 百万円に対し 15 百万円減の 43 百万円(計画比 74%、前年比 52%)となり計
画未達でした。国産旅客機開発及び海外航空機関連の航空機搭載機器の EMC 試験が引続き好
調に推移する見込みでしたが、開発スケジュールの延期等が影響するとともに、前年度の大口顧客
の試験内製化による利用減が大きく影響しました。
⑥ 製品安全試験は計画値 8 百万円に対し 0.6 百万円減の 7.4 百万円(計画比 93%、前年比 130%)と
なり計画未達でした。LED 照明及び医療機器の安全試験、家電機器の電気用品安全法対応試験
が当初計画通りに実施できましたが、無線モジュール搭載機器の試験が減少したことで、計画を達
成することができませんでした。
表2.3-1 平成 26 年度 試験事業部利用 (単位:百万円)
AVC機器
新規分野
医療機器
車載機器
MIL機器
安全試験
その他
合計
H25
実績
83.5
14.2
6.6
47.2
5.6
5.7
計画
75
35
7
80
5
8
162.8
210
依頼試験
H26
実績
計画比 前年比
89.7
120%
107%
15.5
44%
109%
7.2
103%
109%
69.2
87%
147%
12.0
240%
214%
7.3
91%
128%
-
-
200.9
96%
123%
H25
実績
86.5
69.0
10.8
161.6
76.7
0.0
6.3
410.9
計画
76
90
8
153
53
0
380
- 29 -
自主測定
H26
実績
計画比 前年比
89.2
117%
103%
85.9
95%
124%
12.3
154%
114%
182.2
119%
113%
30.9
58%
40%
0.1
-
-
5.7
-
90%
406.3
107%
99%
合計
H25
実績
170.0
83.2
17.4
208.8
82.3
5.7
6.3
573.7
計画
151
125
15
233
58
8
590
H26
実績
計画比 前年比
178.9
118%
105%
101.4
81%
122%
19.5
130%
112%
251.4
108%
120%
42.9
74%
52%
7.4
93%
130%
5.7
-
-
607.2
103%
106%
2.3.2 施設整備
「新中期計画(平成 26 年度~28 年度)」の方針である、既存事業の強化・拡大(対象分野の拡大)と
新規事業構築を実現する初年度として、平成 26 年度施設整備は、無線モジュール付機器の欧州新
規格に対応するための無線機テスタ、電波暗室を有効活用するための試験装置、新規分野としての
鉄道分野の EMC 試験能力を強化するための GHz 帯電力増幅器・特殊波形発生器、車載機器や航
空機搭載機器の EMC 試験の能力を強化するための電力増幅器(更新)及び改訂規格に対応した試
験機、特定車メーカに対応した試験治具、安全試験事業の試験対象製品分野を広げるための中型
恒温槽等を導入しました。
通期の投資内容を表2.3-2に示します。年間投資計画80百万円に対して実績投資額は79百万円で
した。
- 30 -
表 2.3-2 平成 26 年度 試験事業部 施設整備状況(単位:百万円)
事業分野
AVC・医療
設備名称
内容
・無線機テスタ
・新規格対応
・Xa 帯域プリアンプ
・GHz 帯試験対応
・電力増幅器
・更新
投資金額
計画
実績
28
29
16
16
25
23
2
2
9
9
80
79
(9kHz-250MHz/200W)
新規分野
・他
・計測用 PC 更新、GPIB 変換
・電力増幅器(2.5-6GHz/50W)
・鉄道 EMC、6GHz 対応
・送信用スタック LPDA
・鉄道 EMC、6GHz 対応
・第 10 電波暗室電源室改装
・産業ロボット対応
・リングウェーブ発生器
・IEC61000-4-12 対応
・三相 Y-Δ変換トランス
・安全対策(漏電防止)
・電力増幅器
・更新
(0.01-250MHz/2.5kW)
・電力増幅器(0.09-400MHz/100W) ・BCI イミュニティ試験増設
車載・MIL
品質保証
安全
・ピークパワーメータ
・レーダパルス試験対応
・オシロスコープ
・サージ試験の波形検証
・RTCA DO160G WF6 モジュール
・航空会社固有スペック対応
・アクティブ電流プローブ
・航空機 EMC 試験の二重化
・電源 400Hz 対応ラインフィルタ
・航空機 EMC 試験の二重化
・トランジェント試験機アップデート
・Windows 7 対応
・トランジェントエミッション測定治具
・試験規格変更対応
・光 GPIB(バスエクステンダ)
・電波照射イミュニティの効率化
・監視カメラ
・イミュニティ評価用
・ノート PC
・更新
・他
・技能試験用コムジェネ 他
・NWA ベリフィケーションキット
・N/3.5mm 型の校正レベル向
上
・中型恒温槽
・試験対象製品分野拡大
・交流電源装置
・蓄電システムの試験対応
合
- 31 -
計
2.3.3 重点取組みの推進状況
重点取組みとしては、「EMC 見える化測定手法の開発」を継続して進めるとともに、「無線機器認証
試験対応の取組み」、「車メーカとの連携強化と電波暗室の有効利用」、そして「新規分野の更なる拡
大に向けた取組み」を実施しました。
(1) 無線機器認証試験対応の取組み
デジタル家電機器の画像・音声・データ伝送による相互接続は、従来の有線から無線に移行する
ことに伴い無線機能搭載機器が増加し、それにより、従来の EMC 評価に加えて無線機能の電波法
規認証が必要となってきました。そこで、無線機器認証試験の対応力を強化することで、AVC 分野
の試験受注の落込みを最小限にとどめることを目指して取組みを行いました。
平成 26 年度は下記の取組みを重点的に進めました。
① 国内向けでは、電波法登録証明機関の資格の取得を目指して準備作業を進めていました
が、KEC の役員構成が電波法で定める登録証明機関としての資格要件を満たさないこと
が判明したため、資格の取得を断念し、代わって現登録証明機関との協業を進めました。
② 欧州向けでは、欧州電気通信規格(ETS)の新規格に対応する試験を実施可能としました。
その中で、具体的取組みとして下記の 2 点について実施しました。
国内向け:電波法特定小電力無線機の技術適合試験に対応する試験手順書を整備し、国内
の登録証明機関と協業し、KEC にて試験した結果を受け入れていただくための手
続きと業務体制を整えました。
欧州向け:欧州電気通信規格(ETS)の技術規定改訂にあわせ、無線機テスタを第 1 ステップと
して 7 月に 2.4GHz 帯を導入し、続いて 8 月に 5GHz 帯を導入し、システムとしての
導入を完了しました。それを活用して、ETSI EN300 328(V1.8.1)及び ETSI EN301
893(V1.7.1)の試験項目に対応する試験業務を開始しました。
(2) 車メーカとの連携強化と電波暗室の有効活用
車載分野の試験料収入確保の取組みとして、下記の 2 項目を実施しました。
① 車メーカとの連携強化
車メーカの要求する EMC 試験の技術的課題解決に積極的に関わり、KEC の EMC 技術力をア
ピールすることで、車業界において KEC のプレゼンスを高め、ひいては試験受注獲得増につな
げるために下記について取り組みました。
ⅰ)EMC テストプランの iNARTE 資格者による精査・確認
部品メーカが車メーカ向けの EMC 試験を実施する場合、通常は車メーカ独自の EMC 試験
要求に対応する EMC テストプランを作成し、それを車メーカに提出し承認を得て、社内試験ま
たは第三者試験機関(車メーカが認めた試験機関)にて試験を実施します。ところが、部品メー
カに EMC 専門家が必ず在籍しているとは限らないため、車メーカ独自規格が意図する要求や
EMC 試験の技術的要件を理解することなく EMC テストプランを作成することがあり、車メーカの
承認を得られず、修正や変更に時間を要し納入スケジュールに影響を及ぼしています。
- 32 -
KEC 試験事業部門にて EMC 実務試験に携わるエンジニアは、iNARTE 資格を有するととも
に、EMC 試験規格に精通し、多くの製品カテゴリの試験実績があります。このような EMC 試験
に関する知見を生かし、上記の部品メーカが作成したテストプランを精査し提言を行う、または、
テストプランの作成時点から関わることで、車メーカが意図する試験を実施することがてきるテス
トプラン作成をサポートすることで、EMC 性能の向上と納期短縮に貢献することを目指しまし
た。
具体的には、部品メーカから受託した依頼試験におけるテストプランのチェックを業務に取り
込み、試験条件に関する疑問点や試験具現化が困難な内容については、提出されたテストプ
ランの修正や改訂を車メーカに提出するように、試験実施前に試験依頼者へ連絡・要望する
手順を試験業務に取り込みました。
ⅱ)技能試験(試験所間比較試験)の技術開発
ISO/IEC17025 による試験所認定を取得する際に、規格に従った試験の実施能力を評価す
るために技能試験(試験所間比較試験)への参加が義務付けられ、また、認定維持する際にも
認定範囲の試験項目の全てにわたり、少なくとも 4 年に 1 度の頻度で技能試験を実施しなけれ
ばなりません。ところが、自動車分野の EMC 試験は、試験方法が民生・産業機器と比べて特
殊であり、また周波数範囲が広く、試験項目が多岐にわたっているため、対応する技能試験の
開発が追いついていないのが現状です。
一方、車メーカは、納入部品の EMC 評価を実施する試験所の能力を評価する指標として
ISO/IEC17025 認定試験所であることを活用しており、また、認定を取得していない試験所に
対してはメーカ独自の技能試験を実施させていますが、全ての試験項目を網羅することができ
ていないのが現状です。
この状況を改善するため KEC が中核となり部品メーカと共同で技能試験の技術開発に取り
組むことにしました。平成 26 年度は放射エミッション測定の技能試験を開発し車メーカに提案
することを目指して活動しました。その実施内容は下記の通りです。
ア) 7 月末までに 3 社 14 暗室にて基礎実験を実施しました。
車載部品のエミッション測定に固有な技術的課題が予想通りに発生しましたが、性能良
否の判定フローを二重化(周波数特性を考慮するとともに規格に定められた判定を実施)
することでラウンドロビンテスト(RRT)試験結果の合否を判定できることがわかりました。こ
れを元に統計学的手法による判定方法と判定基準の作成に着手しました。
イ) 8 月に公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)の技能試験専門家をお招きして上記の
判定方法に関してのアドバイスをいただき、上記の判定基準の作成の基礎としました。
ウ) これらの結果を踏まえて技能試験実施手順を見直し、下半期に RRT 参加会社を募集し、
7 社にて、RRT を実施しました。
エ) その結果より、各試験室(電波暗室)の構造的特徴(テストベンチサイズ、グランドプレー
ン設置方法)が起因しているため追加実験も行い、分析結果を踏まえて、車メーカに対し
て、試験所間の相関性についての提案を平成 27 年 4 月に実施しました。
- 33 -
② 電波暗室の有効活用
試験事業部内の電波暗室は、試験対象機器に対応する試験規格に規定された仕様に基づき
構築されています。電波暗室のサイズ、電波吸収体の特性、テストベンチの構造、そして試験シ
ステムが試験規格通りとなっていますが、これらの使用目的毎の電波暗室仕様が、製品分野を超
えた利用の障害となっています。業界動向に応じた EMC 試験需要に素早く対応するために、電
波暗室の多用途化を進めています。平成 24 年度から新エネルギー分野に対応するために主力
電波暗室の改修と設備投資を実施してきましたが、平成 26 年度には以下の取組みを実施しまし
た。
まず、AVC 分野の受注量低下により稼働率が低下している第 12 電波暗室を車載機器 EMC
試験と共用するための設備投資と試験システムの配置適正化を実施しました。
また、第 6 電波暗室(生駒第 1 試験サイトの車載用電波暗室)の利用を強化するために、従来
エミッション測定でしか利用できませんでしたが、イミュニティ試験でも利用可能にしました。さらに、
車載充電器や車載エンターテイメント機器で供給電源が 2 系統必要な機器に対応すべく暗室内
供給電源系統の改修工事を実施しました。これにより、けいはんな車載用電波暗室を専有してい
た試験の一部を第 6 電波暗室へ移動することで試験受注キャパを増加させ、試験スケジュール
の調整が容易になりました。
上記の対応を行ったことにより、車載+MIL 分野トータルの試験受注キャパの増加を図ることが
できましたが、平成 26 年度は、車載分野の利用は増加しているものの MIL 分野の利用が減少し
たため、電波暗室の有効活用の効果を活かすことができませんでした。
(3) 新規分野の更なる拡大に向けた取組み
平成 25 年度までの「新生 KEC3 ヶ年計画」で新規分野の EMC 試験対応力の強化に取り組んで
きました。その成果として、太陽光発電用パワーコンディショナ及び EV 用急速充電器の EMC 試験
に対応可能となり、さらには新エネルギー関連の機器(蓄電システム、コジェネレーションシステム
等)の試験を受注することができました。
平成 26 年度からの「新中期計画」では、新規分野の更なる拡大策として、EMC 試験を拡大する
とともに、EMC 以外の製品評価にも目を向け、事業化に向けた調査を開始し、実現の目途が立つ
製品カテゴリから準備を進めることで KEC の事業基盤を強固にする活動を実施しました。
① 太陽光発電用パワーコンディショナ
EMC 試験に関しては、JET 認証と同等な試験が実現でき、その実績を国内パワーコンディシ
ョナメーカへ紹介していくことで、更なる受注拡大に努力しています。
次のステップとして EMC 試験以外の評価試験に対する取組みを進めています。太陽光発電
用パワーコンディショナを電力系統に接続して使用する際には、電力品質を劣化させないこと
を確認するために電力各社が要求する評価試験(電力品質等試験)に適合しなければなりませ
んが、それを JET 認証がカバーしています。KEC がようやく実現できた EMC 試験は評価試験
の一部分であり、パワーコンディショナメーカにとっては電力品質等試験の負担が大きくなって
おり、製品開発スケジュールに影響を及ぼしています。そこで、平成 26 年度は、JET 認証にお
ける電力品質等の試験内容を調査し、KEC で現在できる試験とできない試験を明確にし、でき
ない試験を実現するための設備投資や試験技術修得手法を検討し、さらに、KEC に対する試
- 34 -
験需要を見極めるために各企業を訪問し調査を実施しました。
EMC 以外の試験項目の内、電気安全に関わる試験のほとんどについては KEC で実施可能
で、また電力品質に関わる試験についても専用電源装置に投資することで実施可能であること
がわかりましたが、投資対効果や試験需要の確保可能性も含め、JET 認証同等試験の実現に
つなげる可能性について継続して調査を進めています。
② EV用急速充電器
EV用急速充電器の技術・性能仕様を定めて適合した充電器にプライベート認証を付与して
いる CHAdeMO 協議会に平成 24 年度にオブザーバーメンバーとして加入して以来、整備部会
にて EMC 規格動向、KEC 事業紹介、CHAdeMO 仕様による EMC 試験の紹介等のプレゼン活
動を継続しております。その効果もあって充電器の EMC 試験に関する要望が寄せられ試験の
実現に至っております。しかしながら、CHAdeMO 仕様 Ver.1【最新版】の適用が遅れてきたこと
も含め、当初見込んでいましたような試験受注に至っていない状況が続いてきました。
平成 26 年度は、これまで CHAdeMO 協議会の会員制度の制約で関わることができなかった
技術部会に対して、CHAdeMO 仕様書の EMC 要求を試験として実現する際の不明確な点の明
確化や、今まで実施した試験における技術的課題の解決策の提言等について、積極的に発言
することで KEC のプレゼンスを高め、試験需要を掘り起こすことを目指し、下記の活動を実施し
ました。
平成 26 年度 4 月から CHAdeMO 協議会のオブザーバーメンバーからレギュラーメンバーへ
登録を変更して本格的な活動への下準備を整えました。それにより CHAdeMO 仕様に関する
全技術文書を入手して EMC 試験技術に関する内容を精査し、試験方法を具現化するための
不明点や過去に実施した試験での技術的課題の解決策について、CHAdeMO 協議会技術委
員会の主要メンバーに対してプレゼンを実施し、KEC 活動をアピールしました。
また、CHAdeMO 検定機関である 3 機関の窓口を訪問して KEC における試験能力について
の PR を実施しました。しかしながら、CHAdeMO 仕様 Ver1.0 から要求された EMC 評価につい
ては製品のコストアップにつながることからメーカの新規製品開発意欲が低下していると思われ、
それが影響し、EMC 試験需要を伸ばすことができませんでした。EMC 技術や試験能力の PR
については今後も継続して進めていきます。さらに、平成 27 年度は CHAdeMO 仕様の EMC 以
外の安全試験等の可否についても調査する計画です。
③ スマートハウス
東日本大震災による原発事故に伴う電力供給の逼迫で、電力需給について情報通信技術を
駆使してモニタし、需給バランスをとることで地域的な電力不足を解消する取組みがなされてい
ます。さらに、住宅及び住宅地域のエネルギーマネジメントを実現するスマートグリッド構想が国
策として進められています。
そこで、住宅内のエネルギーマネジメントを実現するスマートハウスを対象とし、家電機器の
電力消費をモニタし、太陽光発電や蓄電システムとの需給バランスをとるためのホームネットワ
ーク、外出先からモニタリングできるモバイルネットワーク、家庭内のエネルギーネットワークと地
域をつなぐ機能を有するスマートメータの標準化動向をウオッチし、その通信性能の評価の可
能性について調査を進めています。
- 35 -
そういった中で、スマートメータに組み込まれた無線機能の性能評価(内蔵アンテナの放射
特性等)でのご要望や、HEMS(Home Energy Management System)の電磁波による誤作動を確
認するためのイミュニティ試験に関するご要望があり、実際に試験設備をご利用いただきまし
た。
さらに、スマートメータに無線機能を組み込み情報収集する取組みが電力・ガス会社により推
進され、実用化が近くなっています。この無線機能の認証試験について、前述の無線機器認証
試験対応の成果を次年度に生かしていきます。
④ 鉄道分野
国の成長戦略「パッケージ型インフラ海外展開」の 1 つである都市型鉄道システムの海外認
証を国内で担う認証機関との連携を強化し、また鉄道分野に固有な EMC 技術を習得するため
に、公益財団法人鉄道総合技術研究所との交流を深めるべく研究所の専門家を訪問して車両
本体の EMC 評価に関する考え方や KEC で試験を実施するために準備すべき内容についてご
指導いただく等の交流をスタートさせました。
また、鉄道関連企業の業界団体である一般社団法人日本鉄道車輌工業会(JARi)を訪問して
KEC における EMC 試験の取組みについて紹介し、JARi 会員企業への展開を依頼するなど、
新たな顧客獲得に結びつけるべく取組みを進めております。
EMC 試験業務においては、上記に述べた鉄道業界の海外展開に対応すべく、鉄道分野固
有の EMC 試験設備を導入し、さらに、海外向けの鉄道車両搭載機器や鉄道用信号機器の
EMC 試験に対応するための ISO/IEC17025 認定を取得(認定機関:公益財団法人日本適合性
認定協会(JAB))し、国内メーカからの試験受注への準備を完了しました。
⑤ 産業用ロボット
産業用ロボットの世界シェアでは日本は依然としてトップであり、中国での市場競争が激化し
ている中、製品開発は今後も増加傾向にあります。産業用ロボットは工場内で使用されるため、
供給される電源の品質は一般事務所と比較して劣化していることが想定され、EMC 試験の項
目にも品質の劣化した電源供給であっても機器が正常に動作することを確認することが含まれ
ています。この試験を実現するために、平成 25 年度までに導入した電源装置に必要な機能を
組み込み、さらに電波暗室付帯の電源室内にある電源装置を試験に使用するために電源室の
改装工事を実施して試験環境として整備しました。この結果、試験受入の準備がほぼ整った状
況となりましたので、認証機関を通じた顧客の需要取込みを図っていますが、平成 26 年度は試
験の受注に至りませんでした。
⑥ 生活支援ロボット
我が国では少子高齢化が急速に進んでおり、この影響で産業労働力の低下に加え、家庭内
での家事や介護等の労働力の不足が懸念され始めています。このため、日本の得意分野であ
るロボット技術は生産現場のみならず、介護・福祉・家事等の生活分野への応用が期待されて
おり、生産現場以上の安全・安心が求められています。これらが生活支援ロボットとして定義さ
れ、安全性に関する ISO 規格の標準化が日本発でなされました。それにより、生活支援ロボット
の製品化の過程での安全性評価に ISO 規格が適用されるようになってきており、また評価内容
- 36 -
の妥当性を検証し認証を与える仕組みが確立されてきています。
こういった中で、KEC においても評価試験の実現性について調査するため、平成 26 年 7 月
に独立行政法人産業技術総合研究所の基準策定・評価コンソーシアムから発表された「最低
限の安全の検証」の文書の入手、安全性評価の試験方法標準化のワーキンググループへの参
画や関連機関との交流による試験ノウハウの吸収を進めました。また、生活支援ロボットの国際
規格 ISO13482 認証を取得された企業やこれから認証を取得しようとしている企業を訪問してヒ
アリングを実施しました。その結果、国内では生活支援ロボットの安全性に関する法制度は存
在しないため、メーカは自社製品の安全性をアピールするために ISO13482 認証を有効な手段
として捉え、先行メーカが認証を順次取得しています(サイバーダイン社、パナソニック社等)。
近畿圏内のベンチャー企業においても介護施設と連携した介護機器(生活支援ロボット)の開
発が進行しており、一部企業では安全性を宣言するために ISO13482 認証取得の準備を進め
ています。今後、製品開発が進展するのに伴い安全性評価試験の需要の拡大が予想されま
す。
平成 26 年度は上述の「最低限の安全の検証」に関する電気安全試験の実施が可能であるこ
とを確認しました。平成 27 年度は、継続したメーカへのヒアリングを通じて、最低限の安全の検
証+αの電気安全試験項目の情報入手を行って、電気安全試験として必要な試験項目の体
系的な整理とその実現性の確認を進めていきます。また、平成 27 年度は、安全に関わるリスク
アセスメントをサポートするコンサルティング会社・認証機関との連携を進めていきます。
(4) EMC見える化測定手法の開発
新製品の規格適合評価のための暗室内での測定方法は、試験に適合するまで測定やノイズ対策
の繰返しで多くの時間が費やされており、新製品開発の遅れやコストアップの要因となっているのが
現状です。そこで、新製品開発の早期実現を支援するため、比較的稼働率の低い 3m電波暗室を
活用し、その結果を元に、規格測定で要求されている距離 10m の値を推定できる手法の開発を進め
ています。
平成 22 年度から、「EMC 見える化」手法の実証を試みました。その成果として、3m測定の振幅情
報から電磁界シミュレーションで 10m を推測、10m 推測値と 10m 実測値の差が約 4dB という結果が
得られました。そして平成 23 年度にはさらに精度を高める手法として、位相測定の重要性が判明し
ました。理論解析の結果、3m測定において振幅情報に加え位相情報を元に解析することで 10m推
測値と 10m実測値とが 0.5dB 程度で一致する可能性があることが解ってきました。そこで、位相測定
システムを計測器メーカやベンチャーのご協力を得て、確立してきました。
平成 24 年度は、位相測定システムで得られた位相情報の正しさを検証し、10m推測値の正しさを
検証しました。ただし、測定距離 3mの測定値から 10mの推定を行った場合に、10m測定における床
面反射成分を捕えることができないことが判明したため、測定距離 2m(EUT の高さ 2m)の測定値か
ら 10mの推定を行うことに変更しました。また、年度当初は妨害波発生源として液晶 TV を使用して
いましたが、放射レベルが不安定であるため、実証測定にも影響し不十分な結果となっていました。
そこで、放射発生源として EMC 専門委員会傘下の EMC 技術分科会が開発・製作した「擬似 EUT」
を使用することで放射レベルの不安定要因を排除し安定した実証測定を可能としました。その結果、
30MHz~1GHz の周波数範囲にわたり、2m測定から 10m推測した値と 10m実測値との差が 1.5dB
程度という良好な結果が得られました。ただし、30MHz の周波数においてのみ偏差が大きく、課題が
- 37 -
残りました。
平成 25 年度は、上記の課題解決と測定実務への導入を視野に入れた実証測定を実施しました。
その結果、前年度で課題として残りました周波数 30MHz について測定条件と解析手法を見直して
最適条件を見出しました。しかしながら、その新たな測定条件と解析手法は低周波領域(150MHz 以
下)に対してのみ適用可能となっており、低周波領域と高周波領域で 2 種類の測定条件と解析手法
を用いることになってしまうため、それを一本化できないか検討を進めてきましたが、その最適化に至
らず、平成 26 年度の検討課題となりました。
平成 26 年度は、30MHz~1GHz の周波数範囲を 2 つのバンドに区切った測定条件と推定手法を
一本化する方法の継続調査を進めました。推定手法である多重極展開については、低周波領域と
高周波領域において、それぞれ、中心を 1 点、中心を 2 点として展開を行うということに関しては、や
むを得ずと判断して、測定条件(EUT の高さ及び測定距離)に関しての共通化検討を進めました。測
定条件として EUT 高さを 10m 認証試験と同じ 0.8m に固定、測定距離を変化(2m、3m、5m)させた場
合の推定精度について検証測定を行いました。
まず、従来から発信源として使用している擬似 EUT を用いた 2m/3m 測定を実施して 10m 推定を
試みたところ、以前に課題となった幾何学的な位置関係での床面反射成分の欠落による推定精度
の低下が再現できず、原因不明ながら 10m 測定と比較的良い一致が得られました。この原因を探る
ために、放射パターンの異なる放射源による追加検証測定を実施したところ、10m 推定値の精度劣
化が確認されて、上述の床面反射成分の欠落による推定精度劣化の再現を確認しました。
次に、幾何学的に床面反射成分の欠落が少ない距離 5mでの検証測定を実施しました。測定条
件は全周波数帯域にわたって EUT 高さ 0.8m に固定し、解析手法は低周波領域と高周波領域にお
いて、それぞれ、中心を 1 点、中心を 2 点として展開して 10m 推定値を計算しました。その結果、5m
測定値から算出した 10m推定値と 10m 測定値との差が 2dB 以内となり良好な結果になりました。こ
れにより、EUT 高さ 0.8m、測定距離 5mの測定条件で、全周波数領域をカバー可能となる測定条件
が確立できたと判断しました。
今後は、この 5m測定を基本として実用化に向けた検討を進めていきます。
- 38 -
3.決算
3.1 貸借対照表
貸
借
対
照
表
平成27年3月31日現在
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
(単位:円)
科
目
Ⅰ 資産の部
1 流動資産
現 金 預 金
会費未収金
未
収
金
前
払
金
流動資産合計
2 固定資産
退職給付引当資産
減価償却引当資産
事業基盤強化引当資産
(1)特定資産合計
建物構築物
車両運搬具
機械測定器
器 具 ・ 什 器
保証預け金
(2)その他の固定資産合計
固定資産合計
資産合計
Ⅱ 負債の部
1 流動負債
未
払
金
未払消費税
前
受
金
預
り
金
流動負債合計
2 固定負債
長期借入金
退職給与引当金
固定負債合計
負債合計
Ⅲ 正味財産の部
1 指定正味財産
指定正味財産合計
2 一般正味財産
(うち基本財産への充当額)
(うち特定資産への充当額)
正味財産合計
負債及び正味財産合計
当 年 度
前 年 度
増 減
146,544,175
185,000
72,439,878
588,056
219,757,109
138,585,418
420,000
59,543,470
310,887
198,859,775
7,958,757
△ 235,000
12,896,408
277,169
20,897,334
118,776,700
442,303,000
165,000,000
726,079,700
607,752,497
2,672,658
165,617,060
6,824,901
14,324,280
797,191,396
1,523,271,096
1,743,028,205
108,595,600
425,303,000
145,000,000
678,898,600
651,597,018
1,743,694
161,275,287
9,149,664
14,324,280
838,089,943
1,516,988,543
1,715,848,318
10,181,100
17,000,000
20,000,000
47,181,100
△ 43,844,521
928,964
4,341,773
△ 2,324,763
0
△ 40,898,547
6,282,553
27,179,887
63,960,089
17,327,200
2,542,000
1,326,852
85,156,141
62,967,551
4,496,000
2,153,000
1,243,243
70,859,794
992,538
12,831,200
389,000
83,609
14,296,347
24,940,000
118,776,700
143,716,700
228,872,841
58,300,000
108,595,600
166,895,600
237,755,394
△ 33,360,000
10,181,100
△ 23,178,900
△ 8,882,553
1,514,155,364
( 0)
( 607,303,000)
1,514,155,364
1,743,028,205
0
1,478,092,924
( 0)
( 570,303,000)
1,478,092,924
1,715,848,318
0
36,062,440
( 0)
( 37,000,000)
36,062,440
27,179,887
- 39 -
3.2 正味財産増減計算書
正味財産増減計算書
平成26年4月1日から 平成27年3月31日まで
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
(単位:円)
科
目
Ⅰ 一般正味財産増減の部
1 経常増減の部
(1) 経常収益
受取入会金
受取会費
事業収益
雑収益
経常収益計
(2) 経常費用
事業費
管理費
引当金繰入額
経常費用計
当期経常増減額
当 年 度
前 年 度
増 減
360,000
41,125,000
640,542,725
4,609,333
686,637,058
660,000
41,167,000
605,799,805
2,577,697
650,204,502
△ 300,000
△ 42,000
34,742,920
2,031,636
36,432,556
604,133,494
34,486,504
10,538,700
649,158,698
37,478,360
571,923,419
35,750,104
10,908,400
618,581,923
31,622,579
32,210,075
△ 1,263,600
△ 369,700
30,576,775
5,855,781
2 経常外増減の部
(1) 経常外収益
受取補助金
固定資産売却益
経常外収益計
(2) 経常外費用
固定資産売却損
除却損失
貸倒損失
経常外費用計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,415,920
0
1,415,920
0
128,335
0
128,335
0
1,287,585
0
1,287,585
当期経常外増減額
△ 1,415,920
△ 128,335
△ 1,287,585
36,062,440
31,494,244
4,568,196
1,478,092,924
1,514,155,364
1,446,598,680
1,478,092,924
31,494,244
36,062,440
0
0
0
0
0
0
0
1,514,155,364
1,478,092,924
36,062,440
当期一般正味財産増減額
一般正味財産期首残高
一般正味財産期末残高
Ⅱ 指定正味財産増減の部
当期指定正味財産増減額
指定正味財産期首残高
指定正味財産期末残高
Ⅲ 正味財産期末残高
- 40 -
3.3 財産目録
財
産
目
録
平成27年3月31日現在
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
(単位:円)
科
現
目
預
摘
要
金
現金
普通預金(三井住友銀行他3店)
未
収
払
金
特
定
資
産
退職給与引当預金
減価償却引当預金
事業基盤強化引当預金
その他の固定資産
建 物 構 築 物
車 両 運 搬 具
機 械 測 定 器
器 具 ・ 什 器
保 証 預 け 金
資
産
合
試験会場使用料他
146,544,175
14,002 )
146,530,173 )
(
(
(
(
72,624,878
185,000
71,993,802
366,876
79,200
588,056
普通預金(三井住友銀行他1店)
普通預金・定期預金(三井住友銀行他1店)
普通預金(三井住友銀行他1店)
118,776,700
442,303,000
165,000,000
けいはんな・生駒試験所施設
〃 用の自動車
〃 機械測定器
〃 用の器具什器
本部事務所賃借保証金及び試験所借地保証金
607,752,497
2,672,658
165,617,060
6,824,901
14,324,280
計
未
払
金
未 払 消 費 税
前
受
金
預
り
金
長 期 借 入 金
退職給与引当金
額
(
(
金
会費未収金(4月回収見込み)
測定試験料未収金(4月回収見込み)
資料等未収金(4月回収見込み)
その他未収金(4月回収見込み)
前
金
1,743,028,205
3月購入設備他(4月支払い分)、未払法人税等
iNARTE資格更新料
3月分給与所得税、住民税他(4月支払い分)
京都銀行大阪中央支店(借入日平成17年12月27日)
平成27年3月末要支給相当額
63,960,089
17,327,200
2,542,000
1,326,852
24,940,000
118,776,700
負
債
合
計
228,872,841
正
味
財
産
1,514,155,364
- 41 -
)
)
)
)
3.4 平成26年度 計算書に対する注記
計算書類に対する注記
平成27年3月31日現在
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
1 重要な会計方針
(1)固定資産の減価償却について
固定資産の減価償却方法は、定額法で行っている。
(2)引当金の計上基準について
退職給付引当金・・…職員退職金支給規定により支給率B欄に基づく要支給額に相当する金額
(3)資金の範囲について
資金の範囲には、現金預金、会費未収金、未収金、前払金、未払金、未払消費税、預り金、
前受金を含めている。なお、前期末及び当期末残高は、下記2に記載するとおりである。
2 次期繰越収支差額の内容は次のとおりである。
科 目
(単位:円)
当期末残高
前期末残高
現金預金
会費未収金
未収金
前払金
138,585,418
420,000
59,543,470
310,887
146,544,175
185,000
72,439,878
588,056
合
計
未払金
未払消費税
前受金
預り金
198,859,775
62,967,551
4,496,000
2,153,000
1,243,243
219,757,109
63,960,089
17,327,200
2,542,000
1,326,852
70,859,794
85,156,141
127,999,981
134,600,968
合
計
次期繰越収支差額
3 特定資産の前期末及び当期末残高は次のとおりである。
科 目
特定資産
退職給付引当資産
減価償却引当資産
事業基盤強化
引当資産
合
計
前期末残高
(単位:円)
当期末残高
108,595,600
425,303,000
118,776,700
442,303,000
145,000,000
165,000,000
678,898,600
726,079,700
4 固定資産の取得価額、減価償却累計額及び当期末残高は次のとおりである。
科 目
その他の固定資産
建物構築物
車両運搬具
機械測定器
器具・什器
合
計
取得価額
減価償却累計額
(単位:円)
当期末残高
1,725,188,995
9,090,718
1,359,396,517
64,360,891
1,117,436,498
6,418,060
1,193,779,457
57,535,990
607,752,497
2,672,658
165,617,060
6,824,901
3,158,037,121
2,375,170,005
782,867,116
- 42 -
3.5 公益目的支出計画実施報告書
平成26年度 公益目的支出実績 [損益ベース]
(単位:千円)
科目
平成26年度
平成25年度
実績
計画
実績
計画比(%)
前年比(%)
-
-
Ⅰ一般正味財産増減の部
1.経常増減の部
(1) 経常収益
受取会費
0
0
29,040
30,614
28,054
0
0
0
29,040
30,614
28,054
92
97
人件費
43,889
50,992
52,099
102
119
会議費
11,921
13,367
10,779
81
90
旅費交通費
3,226
4,204
5,193
124
161
通信運搬費
1,217
1,274
1,257
99
103
消耗品費
1,513
1,348
2,602
193
172
印刷製本費
1,358
1,060
1,279
121
94
賃借料
2,411
2,605
2,574
99
107
諸謝金
4,502
5,549
4,886
88
109
支払手数料
279
299
361
121
129
委託費
628
1,806
495
27
79
14,311
14,119
13,482
95
94
3,972
2,985
4,447
149
112
89,227
99,608
99,454
100
111
△ 60,187
△ 68,994
△ 71,400
103
119
経常外収益
0
0
0
-
-
経常外費用
0
0
0
-
-
当期経常外増減額
0
0
0
-
-
△ 60,187
△ 68,994
△ 71,400
事業収益小計
雑収益
経常収益計
92
-
97
-
(2) 経常費用
試験更新料
その他
経常費用計
当期経常増減額
2.経常外増減の部
当期一般正味財産増減額
- 43 -
103
119