Summer Intensive Seminar on Children with Special Educational Needs 2015 夏のセミナー2015 メインテーマ ニッコリ笑顔を 見たいから -発達障害のある子どもたちと特別支援教育・保育- LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥 / 多動性障害)、自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群等)などの発達障害をはじめ、 さまざまな課題をかかえる子どもたちの理解と支援について学びます。 この夏は、 「ニッコリ笑顔を 見たいから」をメインテーマに、子どもたちと真剣勝負のかかわり合い、子どもたち 同士の面白まじめな学び合いなどについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。そして、秋からの新学期に向けて、 ワクワクする楽しさと驚きのきっかけづくり、しかけづくりの一歩になることを願っています。 “ 楽しくなければ、学べない。楽しくなければ、 神奈川LD協会の研修会は、これまでも、そしてこれからも、 育たない。”にこだわった、じっくりと学ぶ研修プログラムです。この夏も、北は北海道、南は小笠原・九州・沖縄など 国内はもとより、海外の日本人学校や現地補習校など多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしています。 会場&時間 会場:ゆめおおおかオフィスタワー12階 ウィリング横浜 〒233-0002 横浜市港南区上大岡西1-6-1 (京浜急行線・市営地下鉄線上大岡駅直結の駅ビル内) ※ 地図は最終頁 時間:10:15~16:45 <午前の部> <午後の部> 講義・演習など●10:15~11:30 (休憩 15分) 講義・演習など●14:00~15:15 講義・演習など●11:45~13:00 (昼休み) 講義・演習など●15:30~16:45 (休憩 15分) ※時間配分は、当日の進行・内容により変更の場合があります。 資格更新ポイント(すでに資格をお持ちの方) 特別支援教育士・同SV:セミナーコードに★印がついているセミナーが、ポイント加算対象予定のセミナーです。 ポイント希望の方は、SENS番号の登録が必要です。お申込みの際にメール等でお知ら せ下さい。 なお、ポイント加算確定セミナーは、6月中旬頃に当協会ホームページにてご案内します。 学校心理士 :すべてのセミナーがポイント加算の対象です。 【主催】 神奈川LD協会(公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会) 「夜間ゼミ2015」のご案内も同時掲載(22~23ページ) 1 ■セミナー一覧 日程 キーワード / セミナーコード タイトル ・ 講師名(敬称略) 第Ⅰ期 「心からのごめんなさいへ」を解き明かす -少年院での実践から学ぶ- 7月25日 (土) 向井 義 (薫化舎グループ 代表) スキルアップ実践演習 ~ 101 細井保宏 (和歌山少年鑑別所 所長) (メタ認知・自己効力感) 7 月26日 井上 慎 (奈良少年刑務所 教育専門官) (日) 溝口慎二 (京都医療少年院 専門官) 第Ⅱ期 7月27日 子どもの学びを支える授業のアイディア!「国語・ビジョントレーニング活用編」 レクチャー&ワーク 201 (月) 7月28日 (学習指導・授業の工夫・国語) 杉本陽子 (福岡県飯塚市立飯塚小学校 通級指導教室教諭) 子どもの学びを支える授業のアイディア!「算数・不器用編」 レクチャー&ワーク 202 (火) 7月29日 (学習指導・授業の工夫・算数) 杉本陽子 (福岡県飯塚市立飯塚小学校 通級指導教室教諭) 子どもの攻撃性と親の不安へのかかわり 教育実践講演 203 (水) (脳科学・不安と攻撃性) 成田奈緒子 (文教大学教育学部特別支援教育専修 教授・小児科専門医) 第Ⅲ期 第Ⅲ期 7月31日 はじめての特別ではない特別支援教育 -子どもの特性を知るアセスメントと指導・支援- レクチャー&ワーク ★301★ (金) (子ども理解・学級経営) 8月1日 スキルアップ実践演習 中尾繁樹 (関西国際大学教育学部 教授) 一日まるごと「からだづくり」・「こころほぐし」 -学ぶ姿勢・ここちよい行動を整えるために- ★302★ (土) 8月2日 (不器用・アセスメント・こころ) 中尾繁樹 (関西国際大学教育学部 教授) 学びの土台となる感覚運動あそびの理論と体験 -感覚統合の考え方を用いた指導実践- スキルアップ実践演習 303 (日) 8月3日 (不器用・感覚統合・運動遊び) 松本政悦 (横浜市総合リハビリテーションセンター 作業療法士) 子どもが育つ「あそび」のしかけづくり -通級指導教室・特別支援学級での活動を中心に- スキルアップ実践演習 304 (月) 8月4日 (自立活動・学びのしかけ) 清岡憲二 (岡山県玉野市教育委員会 指導主事) つまずき場面から考えるアセスメントと教室や小集団の中で出来る支援プログラム レクチャー&ワーク 305 (火) 8月5日 (つまずき・支援プログラム) 霜田浩信 (群馬大学教育学部障害児教育講座 准教授) 基本から学ぶ発達障害 -発達障害って何?病気?個性? どちらでもありません- 教育実践講演 ★306★ (水) 8月6日 (発達障害理解・DSM-5) 宮本信也 (筑波大学人間系 教授・同大学特別支援教育研究センター長・小児科医) ことばや行動が気になる子どもの保育 -事例を通したかかわりのヒント- スキルアップ実践演習 307 (木) (幼児・統合保育・発達障害) 遠藤 愛 (星美学園短期大学幼児教育学科 専任講師) ★印がついているセミナー = 特別支援教育士資格更新ポイント 特別支援教育士資格更新ポイント加算対象予定 ポイント加算対象予定のセミナー 加算対象予定のセミナー <ポイント希望の方は、SENS 番号の登録が必要です。お申込みの際にメール等でお知らせ下さい。> 2 日程 キーワード / セミナーコード タイトル ・ 講師名(敬称略) 第Ⅳ期 8月8日 どの子も大切にされる授業づくり・学級経営 -通常学級での指導を中心に- レクチャー&ワーク ★401★ (土) 8月9日 (授業づくり・学校経営) 川上康則 (東京都立青山特別支援学校 主任教諭・特別支援教育コーディネーター) 事例検討から子どもとのかかわりを学ぶ (事例検討会) 事例検討会 402 (日) 8月10日 (子どものこころ・かかわり) 岡田 俊 (名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科 准教授) 保護者と上手にかかわるための 〇 〇 〇(マル・マル・マル) レクチャー&ワーク 403 (月) 8月11日 (保護者支援・コミュニケーション) 有川宏幸 (新潟大学教育学部教育科学講座 准教授) 発達障害のある子どもの行動問題への実践的対応 -通常学級における応用行動分析の活用- スキルアップ実践演習 ★404★ (火) 8月12日 (行動問題・応用行動分析) 井澤信三 (兵庫教育大学大学院特別支援教育専攻 教授) 子どもがワクワクする学級づくり -高知発・授業を組み立てるシミュレーションシートを用いて- スキルアップ実践演習 405 (水) 8月13日 (学級づくり・授業づくり・人づくり) 鹿嶋真弓 (高知大学教育学部 准教授) 「できる自分」を感じる授業をめざして -広げていこう!子どもの選択肢・教師の選択肢- レクチャー&ワーク 406 (木) 8月14日 (教材教具・学習指導・自尊感情) 井上賞子 (島根県松江市立意東小学校 自閉症・情緒障害 特別支援学級教諭) WISC-Ⅳの結果を学校現場で活かす -検査結果の解釈と支援- 教育実践講演 ★407★ (金) (知能検査・発達障害) 大六一志 (筑波大学人間系 教授) 子どものこころの育ちからみた発達障害 ‐乳幼児の心理発達から思春期心性まで- 8月15日 教育実践講演 408 (土) 氏家 武 (北海道こども心療内科氏家医院 院長) (子どものこころ・発達障害) 荒木章子 (北海道こども心療内科氏家医院 副院長) 8月16日 発達障害のみかた -子ども・ことば・くすりとのお付き合い- 教育実践講演 409 (日) (発達障害再考・診断・薬物療法) 広瀬宏之 (横須賀市療育相談センター 所長・小児精神神経科医) 第Ⅴ期 8月17日 はじめよう MIM 広げよう学びの支援 -2nd ステージ・3rd ステージ指導を中心に- スキルアップ実践演習 ★501★ (月) 8月18日 (MIM・読みのつまずき) 海津亜希子 (国立特別支援教育総合研究所 主任研究員) 虐待が子どもに与える影響をどう理解するか -トラウマとアタッチメント(愛着)の観点から- 教育実践講演 502 (火) 8月19日 (子ども虐待・トラウマ・アタッチメント) 西澤 哲 (山梨県立大学人間福祉学部福祉コミュニティ学科 教授) 学びにくい子への読み書きつまずきサポート -誤り分析の結果を指導に活かす- レクチャー&ワーク ★503★ (水) 8月20日 村井敏宏 (奈良県平群町立平群小学校 ことばの教室教諭) (読み書き指導・誤り分析) 見る力と学びの関係 -WAVES を活用したアセスメントと支援- スキルアップ実践演習 ★504★ (木) 8月21日 奥村智人 (大阪医科大学LDセンター オプトメトリスト) (ビジョントレーニング・視機能) 本当はあまり知られていないダウン症のはなし 教育実践講演 505 (金) 8月22日 (ダウン症・本人理解と支援) 玉井邦夫 (大正大学人間学部 教授・日本ダウン症協会代表理事) 子どもが「安心」できる集団づくりと共感からはじまる「わかる」授業づくり スキルアップ実践演習 ★506★ (土) 8月23日 (学級経営・授業改善・自尊心) 小田浩伸 (大阪大谷大学教育学部 教授・同大学附属特別支援教育実践研究センター長) 自閉スペクトラム支援のエッセンス -現場で起こっているナゾを解き明かす- 教育実践講演 507 (日) (自閉スペクトラムの臨床) 本田秀夫 (信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部 部長・診療教授) <キーワードの見方> 教育実践講演 = 最新のトピックや学問的知識、指導方法など実践力のアップグレードを目的とした講演・講義中心の研修です。 レクチャー&ワーク = 現場で活躍する実践家の講義(レクチャー)と参加者が実際に行う演習・実技(ワーク)を織り交ぜた研修です。 スキルアップ実践演習 = 参加者が実際に行う演習・実技(ワーク)の時間を多くとった研修です。適宜、講義の時間もあります。 3 ■お申込み方法 次の A B いずれかの方法でお申込み下さい。 A.銀行ATMからのお振込 次の①~⑦を明記したEメール Eメール([email protected]) Eメール([email protected])またはFAX ([email protected])またはFAX(045 またはFAX(045(045-981981-5054)にてお申込み下さい。 5054)にてお申込み下さい。 FAXの場合は、書式自由(任意)の用紙で送信して下さい。なお、Eメールでお申込みの場合、受領確認メー ルをお送りしております。 (携帯設定が「パソコンメール拒否」にされていると受信されません) ① セミナーコード(例. 101、201、202…) ② 氏名(ふりがな・漢字) ③ 一般・正会員(※1)・賛助会員(※2)・ユース(※3)の区分 ④ 所属(学校名など)と職種(通常学級担任、特別支援学級教諭、通級教諭など) ⑤ SENS 番号(特別支援教育士・同SVの方で資格更新ポイントを必要の方のみ) ⑥ 振込先銀行(三菱東京UFJ銀行 または 横浜銀行)と振込(予定)日 ⑦ 連絡先の郵便番号・住所・電話番号 ※1・※2 神奈川LD協会の正会員・賛助会員です。 ※3 受付にて「写真付の生年月日」がわかるもの(運転免許証・学生証など) 「写真付の生年月日」がわかるもの(運転免許証・学生証など)をご提示下さい。 「写真付の生年月日」がわかるもの(運転免許証・学生証など) <振 込 先> 三菱東京UFJ銀行 横浜中山支店 (普)0152883 または 横浜銀行 中山支店 (普)1402889 <口座名義人> 公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会 B.郵便局の郵便振替によるお振込 ※郵便局の郵便振替用紙(払込取扱票)のご利用 通信欄に上記①~⑤を明記し、お申込み下さい。 <口座番号> 00200-7-26501 <加入者名> 公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会 ■お知らせ <セミナー当日まで> ・ 空席情報は、ホームページ上で随時お知らせします。お電話での確認も承ります。 ・ 参加証はありません。当日、受付にてお名前をおっしゃっていただくことで入場できますが、念のために 郵便払込取扱票または 郵便払込取扱票または銀行振込票 または銀行振込票の 銀行振込票の控えをご持参されることをおすすめします。 ・ 参加費は返金致しかねますが、セミナー3日前まで他 他セミナーへの振替 セミナーへの振替を電話又はメールにて承ります。 振替 <セミナー当日> ・ 受付開始時刻は午前 午前9 午前9時30分 30分です。 ・ 悪天候により開催の可否が不明な場合、当協会 当協会フェイスブック 当協会フェイスブック及 フェイスブック及びツイッターにてお知らせします。また、同様に悪天 びツイッター 候によりセミナーが中止となった場合、返金又は振替の対応を致します。 <お支払関係> ・ 公費支払い等の関係で、事前 事前に 請求書などの などの会計書類 会計書類が 必要な 事前 に請求書 などの 会計書類 が必要 な方は、当協会までお知らせ下さい。 ・ 領収書をご希望の方は、セミナー当日に受付にてお渡ししております。 Information 「ユース(YOUTH)参加費」のお知らせ 若手の皆さんを全力&最大限に応援します! 新しく社会人になった皆さん、学生の皆さんを全力で応援する「ユース(YOUTH)参加費」がこの夏も登場です。今年も、 “参加費の限界”に挑戦し、最大限の応援をします。誕生日が 1989 年(昭和 64 年/平成元年) 平成元年)1 月 1 日以降の皆さん、 日以降の皆さん MOST Welcome です! 4 ■参 加 費 7/25・ 7/25・7/26 セミナーコード 101( 101(2 日間) 6月30日振込分まで 区分 7月1日以降 (ワンコイン早割) 一 般 20, 20,500円 21,000円 賛助会員 ※1 17, 17,500円 18,000円 正 会 員 ※1 10, 10,500円 11,000円 5,500円 ,500円 6,000円 6,000円 ユース ※2 7/27~ 7/27~8/23 セミナーコード 201~ 01~507( 507(一つのセミナーコードにつき 一つのセミナーコードにつき) につき) 6月30日振込分まで 区分 7月1日以降 (ワンコイン早割) 一 般 9,500円 10, 10,000円 賛助会員 ※1 8,400円 8,500円 正 会 員 ※1 4,900円 5,000円 ユース ※2 2,400円 2,500円 ※1 神奈川LD協会の正会員・賛助会員です。 ※2「ユース(YOUTH) ユース(YOUTH)」 (YOUTH)」は、誕生日が 1989 年(昭和 64 年/平成元年) 平成元年)1 月 1 日以降の方を対象にした若手応援型の区分です。 日以降の方 正会員限定パスポート サマーパスポート7(SP7) 全部のせパスポート(まるごと) <セミナー7つに参加可能> <すべてのセミナーに参加可能> 30,000円 90,000円 ※メール、通信欄余白等に「SP7」+参加希望の 「SP7」+参加希望の ※メール、通信欄余白等に 区分 正会員 7つのセミナーコードをご記入下さい。 7つのセミナーコード 「まるごと」とご記入下さい。 「まるごと」 Information 複数のセミナーに参加される方へ 正会員・賛助会員の会員割引参加費がお得です 神奈川LD協会 入会案内 <当協会の年会費は、一年度単位(当年4月~翌年3月)です> 正会員 初年度納入額 15,000 円(内訳:年会費 10,000 円、入会金 5,000 円) ※入会金は初年度のみ 賛助会員 〃 3,000 円(内訳:年会費 3,000 円、入会金なし) 入会方法 セミナー申込と同時に入会可能です「書式自由の申込用紙(銀行の場合)」又は「払込用紙の通信欄(郵便局の場合)」 に『正会員希望』又は『賛助希望』と記し、セミナー参加費と上記の初年度納入額をあわせてお振込み下さい。 正会員特典 正会員ポイントカードを受付にてお渡しします。セミナー1つにつき、1ポイントを差し上げます。10ポイントでセミナ ー1つ無料ご招待致します。詳しくは、当協会ホームページまたは会場で配布するパンフレットにてご確認下さい。 5 第Ⅰ期 <特別企画> 2015 年夏 2日間セミナー 7月25日(土)~26日( 7月25日(土)~26日(日 日(土)~26日(日) セミナーコード101 / 研修室124-127(12階) 「心からのごめんなさいへ 「心からのごめんなさいへ」を解き明かす-少年院での実践から学ぶ- Invited Facilitators Facilitators 向井 義先生(薫化舎グループ 代表) 細井保宏先生(和歌山少年鑑別所 所長) 井上 慎先生(奈良少年刑務所 教育専門官) 溝口慎二先生(京都医療少年院 専門官) 1 日目 7/25( 7/25(土) 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:30 15:45-17:15 17:30-18:30 講 義 非行少年への対応の理論的背景-概要説明- 講 義 非行の心理アセスメントの方法と実際 ワーク 足場づくり-集団行動訓練を通して学ぶ ワーク 参加-聴くスキルトレーニングなどの実際 イブニングレクチャー「学校を場として」学ぶ生活スキル 【ご参加に際して】 ・2日間通してのご参加となります。 ・動きやすい服装(ジャージ・スポーツ ウェア等)でご参加ください。 2日目 7/26( 7/26(日) 9:30-12:45 13:45-15:15 15:30-16:45 ワーク 講 義 講 義 委任・自治-対立から学ぶ(コンフリクト・リゾリューション)などの実際 家族とのかかわりの中で-保護者への働きかけの実際- 社会に適応するということ-まとめにかえて- 向井先生からのメッセージ 向井先生からのメッセージ 「心からのごめんなさいへ ~ 一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦」(品川裕香著 中央法規出版)を教材として、 その実践の意味や意義について皆さんと共に読み解きながら、プログラムを再現していきます。今回、皆さまから寄せられた多くのご要望 にお応えし実施するものです。このプログラムは、長い期間にわたる実践や研究の蓄積をベースとして、2000 年(平成 12 年)から宇治少 年院で実施、後に広島少年院で完成し、発達障害児者教育の世界的権威で全米ベスト心理学者に選ばれたペラム博士から「世界的に最 先端な指導」と言われました。発達上の課題を踏まえながら、改善更生や自立・社会参加をターゲットにした指導は、教育再生会議や文部 科学省にも強い影響を与え、現在でも研究者や実務家、作家など、さまざまなジャンルの方に興味関心を持っていただいています。 2 日間のセミナーでは、当時、実際に指導を行っていた元職員によるワークショップの実際を体験していただきます。また、さまざまな経 験談等を交えながら、その実践や理論的背景、考え方等についてお伝えできればと考えております。なお、当日は「心からのごめんなさ いへ」をご持参下さい。 細井先生からのメッセージ 細井先生からのメッセージ 私にとって、今回のテーマは実に感慨深いものがあります。それは、既に廃庁になった『宇治少年院』での実践がテーマだからです。宇 治少年院は、私にとってたった一度だけ勤務させてもらった少年院でした。その後繰り広げられた『数奇な展開』に、苦難もありましたが、 少年たちが確実に更生に向かっていることを、瞬間的にせよ実感できた時間でした。そして、まさに少年たちの自己認知の修正と、自分は 必要とされている存在であると実感させる体験、自己有能感を味わってもらえた瞬間の積み重ねだったように感じます。あの時の手ごたえ と感動は今も私の脳裏に鮮明に焼き付いています。今回は、この宇治少年院での実践やその後の知見等の正しい理解をお伝えするとと もに、非行を行った少年の更生に資するための取組の根幹を少しでも御理解いただけるよう努めたいと思います。 【向井 義先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】国家公務員Ⅰ種職員として法務省採用、東京矯正管区、大阪矯正管区、広島矯正管区の専門職、課長等、 多摩少年院、浪速少年院、宇治少年院等の少年院において、統括専門官、教育調査官、首席専門官、次長等を歴任。人事院法務教官採用試験 委員、北海道大学学外研究員等。失職後、薫化舎®グループ代表、特別支援学校専門委員、地方自治体事業団顧問、株式会社 MALCA 顧問。 【細井保宏先生 細井保宏先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】京都府生まれ。臨床心理士。北海道大学大学院文学研究科(心理)修了。1984 年、法務省札幌刑務所心理 技官として採用される。以後、旭川、福井、岐阜、さいたま、大阪、宮崎、津等の少年鑑別所、宇治少年院等で勤務、現在に至る。 【井上 慎先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】1970 年生まれ。大阪府出身。天理大学体育学部卒業。1992 年(平成 4 年) 宇治少年院拝命。主に新入時教 育過程の寮主任として、集団行動訓練、ラジオ体操、基本的生活習慣の体得に関する指導に携わる。 【溝口慎二先生 溝口慎二先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】1992 年(平成 4 年)4 月宇治少年院拝命。平成 17 年 4 月から加古川学園で勤務、平成 21 年 4 月から現在 の京都医療少年院で勤務。主に少年の生活指導に携わる。 6 第Ⅱ期 7月27日(月) セミナーコード201 / 研修室121-123(12階) 子どもの学びを支える授業のアイディア!「国語・ビジョントレーニング活用編」 -子どもたちに「読めた」の自信と「書けた」の笑顔を届けよう- 子どもたちに「読めた」の自信と「書けた」の笑顔を届けよう- 10:15-13:00 午前の部 読み書きの具体的な指導方法とビジョントレーニングの活用 14:00-16:45 午後の部 支援教具を活用した授業体験と教材を使った学習ゲーム体験 Invited Speaker 杉本陽子先生(福岡県飯塚市立飯塚小学校 通級指導教室教諭) 杉本先生からのメッセージ 読み書きが苦手な子どもに出会ったとき、「すらすらと読めるには?」「正しく書けるには?」「もっと楽しく覚えられるには?」と悩むことは ありませんか。このセミナーでは、読み書きが苦手な子どもたちがつまずいてしまう前にできる配慮や手立て、つまずいてしまってから行 える支援方法ついてお話します。「読めない」「書けない」と自信をなくしてしまった子どもたちの、意欲を支えながら学ばせる方法につい ても提案します。そして、一斉指導や個別学習で活用できる支援教具の紹介と活用体験を通して、先生方に日常の授業での具体的な指 導方法のアイディアをつかんでいただけたらと思います。 午前の部では、読み書きの具体的な指導方法や、読みつまずきの子どもが感じる切なさ辛さを感じる体験や、読み書きにかかわりのあ るビジョントレーニングについてもご紹介いたします。午後の部では、支援教具を活用した授業体験と、手作り教材や市販教材の活用方法 についてお話いたします。説明書どおりだけでなく、子どもの実態に応じたバリエーションのある活用方法を提案し、それをみなさんで一 緒に体験したいと思います。今年もみなさんと出会い、ともに過ごす一日を「ばさりか(筑豊弁で「とっても 「ばさりか(筑豊弁で「とっても」)」 「ばさりか(筑豊弁で「とっても」)」楽しみにしています。 」)」 7月28日(火) セミナーコード202 / 研修室121-123(12階) 子どもの学びを支える授業のアイディア!「算数・不器用編」 -子どもたちに「できた」の自信と「わかった」の笑顔を届けよう- 10:15-13:00 午前の部 数や計算の具体的な指導方法と操作しやすい算数用具の体験 14:00-16:45 午後の部 教材づくりと作った教材を活かした授業演習 Invited Speaker 杉本陽子先生(福岡県飯塚市立飯塚小学校 通級指導教室教諭) 杉本先生からのメッセージ 皆さんの周りには、数の概念が苦手、九九が覚えられない、操作活動が苦手な子どもはいませんか?みんなと同じスピードでは授業に 参加できなかったり、みんなと同じ学び方では理解が難しい子どもたちも、その子に応じた支援や指導方法があれば、どの子も「できた」 「わかった」を実感しながら学習することができるのではないかと思います。 このセミナーでは、「子どもの困難の背景に応じた手立て」をキーワードに、算数の授業で使える支援のアイデア、支援教材の体験と授 業演習、支援教材の作成を行います。午前の部では、数や九九の指導、計算に時間がかかる子や意味の理解につまずく子どもへの具体 的な指導方法やその子に応じた教具の活用についてお話します。不器用さのある子どもにとっての操作しやすい算数用具についての提 案もしたいと思います。午後の部では、くり下がりのひき算で活用する計算シートやかけ算の具体物教材を作成します。これらの教材を 実際に活用した授業場面の演習も行います。みなさんの教材づくりへのアイディアが広がり、教材づくりを心から楽しんでもらえるセミナー にしたいと思います。今年もみなさんと出会い、ともに過ごす一日が有意義な時間となるように「ちかっぱ(筑豊弁で「力いっぱい」)」 「ちかっぱ(筑豊弁で「力いっぱい」)」準備 「ちかっぱ(筑豊弁で「力いっぱい」)」 をしていきたいと思います。 7/28 集金のお知らせ:算数教材の材料費として500円 500円をセミナー当日に集めます。お忘れのないようご持参下さい。 【杉本陽子先生のプロフィール 杉本陽子先生のプロフィール】 のプロフィール】福岡県飯塚市生まれ。特別支援教育士。小学校の通常学級担任、特別支援学級担当を経て、平成 19 年度 から LD・AD/HD 通級指導教室担当。支援員さんや養護教諭の先生、教務主任、校長先生など素敵な校内リソース?に協力していただきながら、 今日も元気に通級指導教室で指導。周りからは教材づくりが好きなように見られているが、実は卒業生を中心とした教材づくりボランティアに 助けられている。著書は、『特別支援教育 はじめのいっぽ!』、『はじめのいっぽ! 算数のじかん』、『はじめのいっぽ! 国語のじかん』、『はじめ のいっぽ! 漢字のじかん』(学研)など。 7 7月29日(水 7月29日(水) 日(水) セミナーコード203 / 研修室121-123(12階) 子どもの攻撃性と親の不安へのかかわり 子どもの攻撃性と親の不安へのかかわり 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2(演習含む) 講義3(演習含む) 講義4(まとめ) 攻撃性・不安が生じる脳のからくり 幼少期から「落ち着かせる」ことの危険さを知ろう まずは大人の不安を取り除く 大人は知恵者・一枚上手になろう Invited Speaker 成田奈緒子先生(文教大学教育学部特別支援教育専修 教授・小児科専門医) 成田先生からのメッセージ 最近、「攻撃的」な子どもをよく見かけます。我々支援者としては、「とにかくこの攻撃性をなんとかしなければ」と思ってしまいますよね? クールダウンの場と方法を一緒に考える、居場所を作る、話を聴くようにする、それでもどうにもならなければ、医療と連携して投薬治療を 考える…。どれもとても大事な対処法ですが、努力している割には、子どもには意外に効果がみられないことも多いのではないでしょうか。 それは、脳の育ちのメカニズムを理解することをしないで、子どもを促成栽培のように「早く・よく」育てようとする風潮や、年齢に相応した 「落ち着きのなさ」を大人が許容しなくなった社会全体の責任なのかもしれない、と私は考えます。 そこで、今年のセミナーでは、まずはみなさんに、こんな仮説を裏打ちする最新のデータをご紹介しつつ、子どもの脳の育ちについて 理解を深めていただきたいと思います。さらに、子どもの攻撃性と同時に存在する、子どもの不安や大人の不安を体感していただき、その 不安を取り去るための関わりのコツを理解するための演習を行いたいと思っています。 不安の裏返しとしての攻撃性を不適切な場面で出してしまうのは、子どもだけではなく大人にも見られます。こういう親子に対応していく ためには、「なぜ」「何に対して」不安を感じ、「どうして」今不安や攻撃の症状を出しているかを冷静に見極め、支援していくことが重要で す。そして、親は子どもより知恵者であり一枚上手(うわて)な存在であるべきだし、支援者は親よりさらに一枚上手であるべきだと私は考え ます。そんな方法論を学んでみましょう。この夏も、どうぞよろしくお願いいたします。 【成田奈緒子先生 成田奈緒子先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】1987 年神戸大学医学部卒業・医学博士・小児科専門医。1994 年~1998 年まで米国セントルイスワシント ン大学医学部留学。獨協医科大学小児科、筑波大学基礎医学系講師を経て 2005 年より現職。大学で教育・研究活動を行う傍ら、小児精神心理 外来医師・児童相談所嘱託医など兼任。2014 年より親支援のワークショップ・相談事業「子育て科学アクシス http://www.kk-axis.org/」開設。 「睡眠第一!ですべてがうまくいく」(双葉社)、「早起きリズムで脳を育てる」(芽ばえ社)など著書多数。 セミナー全日程 Information 今は使わない教材やおもちゃ大募集! オープン! 地上 12 階のミニフリマ(お試しバージョン) いらなくなった教材や課題あそびに使っていたおもちゃなど、捨てるに捨てられないものってありませんか?そんな 皆さんにうってつけ!この夏、セミナー会場後方の展示スペースで「地上 12 階のミニフリマ(お試しバージョン) 」 が特設フリーマーケットとしてオープンします。市販のもの以外でも、自作の教材やアイディアグッズも大歓迎~♪ ごあんない 持ち込み可能なもの、区画単位、出展価格等は次の通りです。 ・その日のセミナーに参加申込 セミナーに参加申込をされた方で、出展品を会場まで持参可能 持参可能な方 セミナーに参加申込 持参可能 ・出展品は、食品以外の教育 食品以外の教育・支援関連のもの 食品以外の教育・支援関連のものでテーブルに載せられるもの ・支援関連のもの ・お申込みは、個人 個人または団体 団体で、1セミナーごとに1区間 1区間または2区画 2区画 個人 団体 1区間 ・1区画の大きさ=長テーブル半分 長テーブル半分(タテ約60cm×ヨコ約75cm) 長テーブル半分 ※セミナー会場のテーブル1人分です。 ・1セミナー1区画 500 円(当日受付にてお支払い) ・出展品一つの設定価格上限は 500 円 お申込方法 ① ② ③ ① ② セミナー当日 当協会セミナー事務局宛てに、電話またはメールにて「ミニフリマ申込」 「ミニフリマ申込」とお知らせ下さい。 「ミニフリマ申込」 折り返し、「ミニフリマ出展についてのご案内」 「ミニフリマ出展についてのご案内」をお送り致します。 「ミニフリマ出展についてのご案内」 出展品リスト(任意の用紙・出展する物品や設定価格を明記)を 7 月 15 日(水)までに提出いただきます。 日(水)まで 受付にて区画代金をお支払い後、指定の場所に出展品を並べて下さい。集金箱・値札をお忘れなく。 集金箱の管理やセミナー終了後の撤収は、出展者各自が責任を持って行って下さい。 8 第Ⅲ期 第Ⅲ期 7月31日(金) ★セミナーコード301★ / 研修室121-123(12階) はじめての特別ではない特別支援教育-子どもの特性を知るアセスメントと指導・支援- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4 子ども理解のためのアセスメント① 子ども理解のためのアセスメント② 授業のユニバーサルデザイン化とは 特別支援教育の視点を取り入れた学級づくり Invited Speaker 中尾繁樹先生(関西国際大学教育学部 教授) 中尾先生からのメッセージ 「特別支援教育」とは、障害のあるなしにかかわらず、すべての子どもたちのためにすべての教師がかかわる教育です。決して特別な 教育ではなく、子どもの特性を理解し、子どものニーズに合った教育を進めることが、すべての子どもたちの学びにつながっていくと考え ています。そのためには、一人ひとり違う学び方をしている子どもたちを適切に理解し、楽しく「わかる・できる」ように工夫、配慮された授業 や環境設定を行う必要があります。通常の学級におけるユニバーサルな授業デザインの組み立てには、特別支援教育と教科教育の融合 がカギになります。そして、安心して過ごせる学級集団づくりが大切になります。すべての教師が特別支援教育を理解し、「わかる授業と楽 しい学級づくり」を形成することが、今求められています。 このセミナーでは、授業の組み立てや学級経営の基本になる子どもたちの理解について、誰でもできるインフォーマルなアセスメントの ノウハウをお伝えしていくことができればと願っています。さらに、その知見を取り入れた授業づくりや学級経営の工夫を一緒に考えたいと 思います。この夏も、全国からいらっしゃる皆さんと一緒に楽しく学んでいきましょう。 8月1日(土) 8月1日(土) ★セミナーコード302★ / 研修室121-123(12階) 一日まるごと「からだづくり」 ・ 「こころほぐし」-学ぶ姿勢・ここちよい行動を整えるために- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義と実技1 講義と実技2 講義と実技3 講義と実技4 不器用さを理解する 不器用さのアセスメント 不器用な子どもへの実際の指導①-実技- 不器用な子どもへの実際の指導②-実技- Invited Speaker 中尾繁樹先生(関西国際大学教育学部 教授) 中尾先生からのメッセージ 最近の子どもたちを見ていると、「ひらがなや漢字がうまく書けない」、「姿勢がすぐに崩れてしまう」、「休み時間からの切り替えができに くい」、「人の話が最後まで聞けずすぐに騒ぎ出す」など、学習や規律に関する問題も見られるようになってきました。 特に小学校低学年において、話を聞くための姿勢保持が難しい、鉛筆をうまく握れずに力の加減ができにくい、階段では手すりを使い、 靴はしゃがみ込んで履くといった、身体や運動発達の未熟さを感じる状態がよくあります。それらの背景として、子どもたちは乳幼児期から 便利なものが増え、身体の軸を作る学習が減少傾向にあります。また、小学生は塾や習い事も多く、帰宅時間が遅いことや、テレビやゲー ムの影響などから遊びそのものが成立していません。さらに幼児期から子ども部屋があったり、日本人全体が夜型の生活になり、生活リズ ムを親に合わせたりして、子どもたちが遅くまで起きていることも問題としてあげられます。結果的に、子どもたちの睡眠の不安定さが助長 され、脳の覚醒レベルを下げてしまうことにつながり、これらのことが、不器用な子どもたちが増えたり、行動抑制できなかったりということ の原因のひとつとして考えられるのです。 この夏も、皆さんと一緒に、楽しく体を動かす中で、体の軸作りや覚醒レベルをあげることで、不器用さの改善を図り、体をつくり、こころ をほぐす運動の紹介をしたいと思います。当日は、ご参加いただく皆さんご自身の体を動かしてもらいながら実技を行いますので、動きや 動きや すい靴・服装(スポーツウェア等)でお越しください。また、実技で浴用タオル(旅館でもらうような普通のタオル) 浴用タオル(旅館でもらうような普通のタオル)を使いますので、各自タ すい靴・服装(スポーツウェア等) 浴用タオル(旅館でもらうような普通のタオル) オル1本ご持参ください。 【中尾繁樹先生のプロフィール 中尾繁樹先生のプロフィール】 のプロフィール】特別支援教育士スーパーバイザー。大阪教育大学卒業後、神戸市立養護学校や小学校に勤務。その後、 神戸市教育委員会特別支援教育課指導主事、2004 年こうべ学びの支援センター指導主事兼務を経て、現在に至る。現職のほか、大阪教育大 学非常勤講師、神戸総合医療専門学校非常勤講師。文部科学省「学習指導要領改善のための調査研究」委員。日本小児科学会「学校保健と心 の問題委員会」専門委員など。 9 8月2日(日) 8月2日(日) セミナーコード303 / 研修室121-123(12階) 学びの土台となる感覚運動あそびの理論と体験-感覚統合の考え方を用いた指導実践- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:45 16:00-16:45 講義1 講義2 実技実習 講義3 子どもの困難さを感覚統合の視点から理解する 体験プログラムをとおして困難さに“共感”する 支援のためのアイディアと体験 -みんなであそんでみよう!- 寸劇で振り返る子どもとのかかわり・まとめ Invited Speaker 松本政悦先生(横浜市総合リハビリテーションセンター 作業療法士) 松本先生からのメッセージ 姿勢が悪い、じっと座っていられない、ハサミ・定規を上手に使えない、字をうまく書けない…。これらは、発達障害のある子どもにみら れる苦手さです。彼らの苦手さの原因を、どう考えればよいのでしょうか?ヒトの脳には、自動的に無意識で働いている部分があります。こ の脳の自動的な働きは脳の働き全体の 9 割以上を占めています。この「下支え」があるからこそ、読み書きや運動などの活動をうまく実行 できるのです。感覚統合の考え方によれば、この無意識の下支えの機能に未熟さがある場合「なぜかわからないけれどうまくできない」状 態になります。発達障害のある子どもを支援するためには、この無意識の働きを理解しなければなりません。どう指導するかという「How to」 を知るより、なぜ苦手になっているのかという「Why」の視点をもつことが大切です。 このセミナーでは、子どもたちの脳機能の問題についてわかりやすく解説します。そして「体験プログラム」を通して困難さを実体験して いただき、「共感的に理解する」ことを目的にします。また、保育や教育の現場で有効と考えられる支援のアイディアをいくつか紹介し、体 験していただきます。最後に、寸劇を通して、子どもたちへの関わり方について客観的に捉えなおしてみます。 なお、当日は、実技実習で体を動かしますので、動きやすい靴・服装(スポーツウェア等) 動きやすい靴・服装(スポーツウェア等)でご参加ください。 動きやすい靴・服装(スポーツウェア等) 【松本政悦先生のプロフィール 松本政悦先生のプロフィール】 のプロフィール】なぜか幼児期から運動や楽器演奏が苦手。大学は工学部に進学したが、(今考えてみると)周囲には発達 障害圏の学生が多かった。学生ボランティアで自閉症の子どもたちと関わり、思いがけず楽しい経験(自分の中の自閉症的な部分が共鳴?)。 その後電機メーカーに就職し 4年間研究開発に携わるも、機械相手の仕事に満足できず退職。作業療法士が障害のある子どもに関わる場面を たまたま目にして衝撃を受け、養成校に入り直す。以後 19 年間、障害のある子どもたちに関わり続け現在に至る。 8月3日(月) セミナーコード304 / 研修室121-123(12階) 子どもが育つ「あそび」のしかけづくり-通級指導教室 -通級指導教室・特別支援学級での活動を中心に- 指導教室・特別支援学級での活動を中心に- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:30 15:45-16:45 講義1とワーク1 講義2とワーク2 ワーク3 講義3 「ただ遊んでいるだけ」の活動のウラ側を考える 子どもと「あそび倒す」ために必要なアセスメント 「遊びマイスター」になって自立活動を計画してみる 通級指導でめざすもの Invited Speaker 清岡憲二先生(岡山県玉野市教育委員会 指導主事) 清岡先生からのメッセージ 清岡先生からのメッセージ 授業の中で、子どもと活動をしているとき、「勉強なのだから遊んではいけない」と思うことはありませんか?しかし、「遊び」には子どもを 育む不思議な力があると考えています。子どもと先生が一緒に力いっぱい遊ぶ中で、子どもは様々なことを学んでいるのです。しかし、先 生が「子どもとただ遊んでいるだけ」の活動になってしまうと、それでは学びの質が高まりにくいのです。本気で子どもと遊び倒しながらも、 子どもが遊んでいる姿が持つ「意味」、一つひとつの遊びそのものが持つ「意味」を分析していくと、その時間は子どもにとって大切な学び の時間になります。 このセミナーでは、子どもが育つ「あそび」のしかけづくり、そして、遊ぶ「意味」について皆さんと考えていきます。また、皆さんと一緒に 「遊びマイスター」となって、自立活動のアイディアを交流していきましょう。自立活動の授業づくりを「おもしろまじめ」にプランニングしてい きたいと思います。そして、私が通級指導をしていた頃、周囲からよく言われた「個別の指導で楽しいことばかりしていたら、通常学級に行 きたがらなくなるのではないか」という疑問についても、私なりの答えを皆さんにお伝えしながら、一日の学びを振り返りたいと考えていま す。夏休み明けに、子どもと会うのが楽しみになるような一日にしたいと思いますので、ぜひお越しください。心からお待ちしております。 【清岡憲二先生 清岡憲二先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】岡山県生まれ。臨床発達心理士。岡山大学教育学部卒業後、岡山大学教育学部附属教育工学センター 助手、岡山県玉野市立小学校教諭(通常学級・特別支援学級担任、通級指導教室担当)を経て、2013年より現職。指導主事として学校や幼稚園 などを訪問し、障害のある子どもへの先生の関わり方について相談・支援を行っている。『特別支援教育 ONE テーマブック 3 気になる子の将来 につなげる人間関係づくり』(学事出版)等に寄稿している。 10 8月4日 8月4日(火) (火) セミナーコード305 / 研修室121-123(12階) つまずき場面から考えるアセスメントと教室や小集団の中で出来る支援プログラム 10:15-11:15 11:30-13:00 14:00-14:50 15:00-15:50 16:00-16:45 講 義1 講 義2 講 義3 ワーク1 ワーク2 つまずきの原因に基づく支援の大切さ 発達障害児が抱える7つのつまずきパターン 教室における基本的な環境設定 「指示通りに活動できない」子どものアセスメントと支援 「離席をする」 「勝手なことをやり始める」子どものアセスメントと支援 Invited Speaker 霜田浩信先生(群馬大学教育学部障害児教育講座 准教授) 霜田先生からのメッセージ 子どもが抱えるつまずきへの支援は、周囲の大人がそのつまずきに気づくところからはじまります。そこで大切なのが、ただ表面的な困 難さに気づくだけではなく、「なぜつまずくのか」といったつまずきの原因を探ることです。 たとえば、「指示通りに行動ができない…」といった表面的なつまずきにのみ着目するのではなく、その原因を探していくことが大切で す。その原因は、「指示の内容が分からなかった」、「指示を聞き逃した」、「指示に従いたくない」などさまざまでしょう。つまずきの原因をア セスメントすることによって、適切な指導や具体的な支援の工夫につながります。 つまずきの原因を探るためには、標準化された検査がその1つの方法となります。しかし、このセミナーでは、そのような標準化された検 査結果からではなく、学習面や日常生活などで子どもが示すつまずき場面を見ていくことから、その原因をアセスメントする視点やポイント をお話していきます。そして、つまずきの原因に基づいた支援方法のいくつかをご紹介します。子どもたちの「できた!」、「わかった!」を 目指して、私たち自身の子どもを見る目を一緒に磨きましょう。 【霜田浩信先生のプロフィール 霜田浩信先生のプロフィール】 のプロフィール】長野県生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修了。東京都内知的障害児通所施設指導員、東京学芸 大学附属特別支援学校教諭、文教大学教育学部特別支援教育専修講師、准教授を経て、2009 年より現職。専門は、発達障害児者の自己管理 行動の形成・要求言語行動の形成。自閉症児者の心理・行動特性に基づいた指導など。著書は、『ちゃんと人とつきあいたい』(共著、エンパワ メント研究所)他。 8月5日(水) 8月5日(水) ★セミナーコード306★ / 研修室121-123(12階) 基本から学ぶ発達障害-発達障害って何?病気?個性? どちらでもありません- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4 発達障害とは DSM-5における変更 発達全般の問題を示す発達障害 発達の部分的問題を示す発達障害 Invited Speaker 宮本信也先生(筑波大学人間系 教授・筑波大学特別支援教育研究センター長・小児科医) 宮本先生からのメッセージ 発達障害、特に、知能障害のない発達障害が注目され、発達障害者支援法が施行され、教育領域でも特別支援教育体制が始まってか ら 10 年以上が経過しました。この間のいろいろな方々のご努力により、発達障害のある子どもへの理解と支援がかなり広まり、最近は、大 人の発達障害に対する理解と支援が始まりつつある状況となっています。 一方、それでは、発達障害に関する適切な理解が関係する方々に広く浸透したのかと見てみますと、必ずしもそうではないような印象 があります。発達障害は病気だ、発達障害は脳障害である、発達障害は一生変わらない、乱暴なのは発達障害だからだ…等々、明らかな 間違いとは言えないかもしれませんが、すべて正しいとも言えないイメージが、まだまだ残っているのではないでしょうか。 また、最近では、発達障害を医学モデル、生物モデルだけでとらえるのではなく、社会・環境との相互作用という社会的モデルの視点も 併せて考えることの重要性が以前よりも認識されるようになってきていると思われます。 今年の夏のセミナーでは、そもそも発達障害とは何なのかという基本に立ち返り、発達障害について解説していきます。 【宮本信也先生のプロフィール 宮本信也先生のプロフィール】 のプロフィール】青森県弘前市出身。金沢大学医学部卒業。医学博士。自治医科大学医学部小児科入局、同小児科助手、 講師を経て、筑波大学心身障害学系助教授、現在に至る。専門は、発達行動小児科学。子ども虐待への対応、高機能自閉症への対応、小児心 身症への対応の 3 つを中心に臨床研究活動を展開している。趣味は、山歩きと日本各地の銘酒巡り、特に沖縄の泡盛。『アスペルガー症候群・ 高機能自閉症の本-じょうずなつきあい方がわかる』(主婦の友社)など著書・論文多数。 11 8月6日(木) 8月6日(木) セミナーコード307 / 研修室121-123(12階) ことばや行動が気になる子どもの保育-事例を通したかかわりのヒント- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 ワーク 講義3 子どもの「気になる行動」を読み解く-発達障害の理解- 子どもの「見立て」から理解を深める-その子は発達障害?- 保育カンファレンス実践!-子どもを支える「語り合い」- 「保育」にしかできない子ども支援-工夫や発想が生まれる園になる- Invited Speaker 遠藤 愛先生(星美学園短期大学幼児保育学科 専任講師) 遠藤先生からのメッセージ 遠藤先生からのメッセージ 発達障害に関する知識や技術については、保育者にとって欠かせない実践技能となりました。しかし、ことばや行動の面で気になる子 どもと出会ったとき、実際の保育現場などでの話題は、その子どもが「発達障害なのか、そうでないのか」という議論に陥りがちです。 発達障害のあるなしにかかわらず、その子どもの様相や背景は一人ひとり違うものです。その子どもが感じている困った状況を解消し、 周囲の人たちとよりよい関係を作るための手立てを検討するにあたって、障害のあるなしよりも大切な情報がある場合も少なくないのです。 保育における子どものとらえ方は、大人の決めつけではない、その子ども一人ひとりの個性を見つめることが大切です。 このセミナーでは、そういった保育者が持っている本来の専門性や考え方をベースとしながらも、得られた情報から、具体的な支援方法 を捻出するための手立てについて学びを深めていきます。保育者同士で支え合いながら、子どもの支援を展開するにあたって、園内で できるよりよい話し合い(保育カンファレンス)の仕方を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 【遠藤 愛先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】臨床心理士。明星大学大学院人文学研究科修了。統合保育に向けた保育者養成プログラムの開発を行う 傍ら、幼稚園・保育所、小中学校の巡回相談を行う。研究分野は、特別支援教育、保育者養成、臨床心理学的地域支援。著書に『実践に生きる 特別支援教育』(明星大学出版部)、『学校コンサルテーション-統合モデルによる特別支援教育の推進―』(学苑社)などがある。 第Ⅳ期 8月8日(土) ★セミナーコード401★ / 研修室121-123(12階) どの子も大切にされる授業づくり・学級経営-通常学級での指導を中心に- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義と演習1 講義と演習2 講義と演習3 講義と演習4 「なぜ?どうして?」子どもの行動の背景を理解する 「こうすればよかったのか!」授業実践力を高める 「これだったらできそうだ!」どの子も大切にされる学級経営の極意を学ぶ 「やっぱり深い!」つまずきがある子どもの心をつかむ Invited Speaker 川上康則先生(東京都立青山特別支援学校 主任教諭・特別支援教育コーディネーター) 川上先生からのメッセージ どの学校にも、どのクラスにも、「気になる子」や「発達につまずきがある子」がいます。年々、増えているという話もよく耳にします。関わ り方のコツをつかむためには、まず、そのつまずきの背景を考えることが大切です。そこで、今年のセミナーでは、発達につまずきのある 子どもの具体的な姿から、その背景を学び、現場レベルで教師や支援員としてどう対応すればよいかを具体的に紹介します。 関わり方には、その子に特化した配慮を「個別的に行う」レベルから、クラス全体への指導を通して行われる「包み込む」ようなレベルま で、さまざまなレベルがあります。今回、特に、クラス全体への指導の工夫、授業づくりや学級経営等を通して「集団の中で個を育てる」と いう視点を大きく取り上げたいと思います。個に特化した配慮や支援はもちろん大切だと思いますが、通常学級における特別支援教育は、 集団としてのメカニズムを無視しては成り立たないからです。 また、それぞれの苦手さや失敗を認め合えるクラスにするには?どの子も大切にされるクラスにするには?より多くの子が「そうか、わか ったぞ」、「次もできそうだ」という気持ちになれる授業を続けていくには?どれも大切だと言われながら、具体的な方法論があまり語られて いない現実があります。「授業づくりと学級経営」をテーマに、すぐに取り組めるような“極意”や効果的な“技”を学びたい。そんなニーズに ダイレクトにお応えする内容です。2学期からの実践に役立つセミナーになることを期待しつつ、皆さんのご参加をお待ち申し上げます。 のプロフィール】 】東京都生まれ。臨床発達心理士、特別支援教育士スーパーバイザー。特別支援学校の地域支援コーディ 【川上康則先生 川上康則先生のプロフィール 先生のプロフィール ネーターとして、地域の相談支援に携わる。主な著書に『〈発達のつまずき〉から読み解く支援アプローチ』(学苑社、2010 年)、『授業のユニバ ーサルデザインを目指す「安心」「刺激」でつくる学級経営マニュアル』(共編著、東洋館出版社、2014年)、『通常学級でできる 発達障害のある 子の学習支援』(ミネルヴァ書房、2015 年)など多数。 12 【特別企画・真夏の事例検討会 in 上大岡】 <定員60人> 岡田俊先生の事例検討会は、いつも箱根での泊まり込みや夜遅い時間の開催ばかりで、日中の時間帯に上大岡 で企画してほしいという声が多くありました。そこで、この夏はセミナー期間中に、特別企画として事例検討会 を開催することに致しました。 8月9日(日) セミナーコード402 / 研修室121-123(12階) 事例検討から子どもとのかかわりを学ぶ(事例検討会) 事例検討から子どもとのかかわりを学ぶ(事例検討会) 10:15-10:20 10:20-10:40 10:40-12:10 13:10-14:40 15:00-16:30 16:30-16:45 オリエンテーション 事例検討に際して 事例1 事例2 事例3 おわりに-事例検討を子どものかかわりに活かす- Invited Speaker 岡田 俊先生(名古屋大学医学部附属病院 親と子どもの心療科 准教授) 岡田先生からのメッセージ 発達障害のある子どもたちと日々関わるなかで、私たちは発達障害についてのさまざまな知識と、これまでの自身の経験を動員 しています。しかし、うまくいくことばかりではありません。子どもとの関わりに悩みを抱えたとき、他の職種の人ならどう援助するの だろうか、あの人ならどう考えるんだろうか、と思うこともあるに違いありません。そうして得られた助言が、ご自身の新たな現場力と なっていることを実感されたこともあるでしょう。 幸いにも、神奈川LD協会のセミナーに参加されている皆さんは、さまざまな職種の視点から日々子どもたちと真剣に関わってい る皆さんです。そして、あなたと同じように、子どもとの関わりに人一倍、悩んでいる皆さんでもあります。 事例検討を通して、私だったらどう考えるだろう、こんな関わり方があるんだ、自分たちが関わってきたことはこの子の育ちにこん な影響があるんだ、とさまざまな思いをなさるに違いありません。 事例検討という性質もあり、今回、やむを得ず参加いただく人数の上限を設定しています。それだけに、じっくりと皆さんと一緒に、 子どもとの関わりを考えることができると思います。日々子どもとかかわる皆さんのご参加をお待ちしております。 【岡田 俊先生のプロフィール 俊先生のプロフィール】 のプロフィール】 大阪府生まれ。児童精神科医。医学博士。臨床心理士。京都大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院 精神科神経科入局。その後、光愛病院、京都大学大学院医学研究科博士課程脳病態生理学講座(精神医学)、京都大学医学部精神医学教室 助手、院内講師、講師を経て、2011 年 4 月より名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科講師、2013 年 4 月より現職。専門は、児童精神 医学、認知神経科学、臨床精神薬理学。著書論文多数。 ご参加にあたって 1. このセミナー(事例検討会)への参加は、「守秘をお約束いただける方」に限らせていただきます。 2. 守秘義務厳守の理由により、当日受付にて、誓約書に署名していただきます。 3. 定員は先着 60 名です。 事例の募集 1. 2. 3. 4. 応募いただける方は、当協会の正会員・賛助会員(所属先登録のある会員)となります。 当日の事例検討会では、事例提供者は、所属先(施設名・学校名等)や地域を明らかにする必要はありません。 応募を希望される方は、当協会セミナー事務局までメール([email protected])にてお問合せ下さい。 事例受付数は、先着3名です。 13 8月10日(月) セミナーコード403 / 研修室121-123(12階) 保護者と上手にかかわるための〇〇〇(マル・マル・マル) 保護者と上手にかかわるための〇〇〇(マル・マル・マル) 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4 保護者の想いに○○○(マル・マル・マル) 大切にしたいあなたの○○○(マル・マル・マル) よい関係を○○○(マル・マル・マル) ココロを伝える○○○(マル・マル・マル) Invited Speaker 有川宏幸先生(新潟大学教育学部教育科学講座 准教授) 有川先生からのメッセージ 子どもたちが幸せに暮らしていくために、私たちは保護者と上手にかかわりながら、よい「話し合い」をしていくことが大切です。しかし、 最近では、学校や幼稚園、保育所において、保護者への対応が難しくなり、その結果、疲弊している先生方、保育士の皆さんの姿を目に するようになりました。私たち教育者、保育者も子どもの未来のことを真剣に考えています。ならば、その思いや考えを曲げてはいけないと 思うのです。それでは、どうしたらいいのでしょう。私たちがすべきことは、子どもの成長や発達に対する願いや思いを曲げることではなく、 保護者の方たちと、よい「話し合い」をするための立場の違いを認識することと、上手にかかわれる具体的な技術であると考えます。国連 の障害者権利条約批准後、さまざまな場面で障害のある子どもたち・人たちの権利を尊重する社会の在り方について議論され始めていま す。そして「合理的配慮」の重要性が言われています。この「合理的配慮」は、共に暮らしやすい社会をつくるために「話し合った」結果、生 まれてくるものだと思います。 このセミナーでは、保護者の方たちとよい「話し合い」をするために大切にすべき、4 つの「○○○」を考えていきましょう。一日を終える 時、どんなことばが皆さんの「○○○」に入っているでしょうか。この夏も、皆さんと一緒に楽しく学んでいきたいと思います。 【有川宏幸先生 有川宏幸先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】千葉県生まれ。筑波大学大学院修了後、1995 年 4 月より発達相談員として大阪府岸和田市保育課、同保 健センター勤務。乳幼児健診やその後の保護者対応、心理面のフォロー、療育・保育の助言やコーディネート、就学までの引継ぎ等幅広い業 務に携わる。2006年10月より現職。特別支援教育、障害児・者福祉、保護者支援など、広範囲に活動しているが、基本は「共生」社会の在り方に ついて日々研究している。著書『障害児保育』(分担執筆、建帛社)、DVD『DVD で学ぶ応用行動分析学入門』(監修、中島映像教材出版)など。 8月11日(火 8月11日(火) 日(火) ★セミナーコード404★ / 研修室121-123(12階) 発達障害のある子どもの行動問題への実践的対応-通常学級における応用行動分析の活用 (入門編) 入門編)- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 ワーク 講義3 行動問題をABCから理解する 行動問題へABCから支援する 支援のアイディアをひろげよう! 通常学級における支援のポイント Invited Speaker 井澤信三先生(兵庫教育大学大学院特別支援教育専攻 教授) 井澤先生からのメッセージ 井澤先生からのメッセージ 通常学級に在籍している気になる子どもたちが示す気になる行動は、本人も大変な思いをしていると思いますが、周りの先生や子ども たちも大変でしょう。誰もが何とかしたいという気持ちはあるのですが、実際には、何とかしようとすればするほどエスカレートしていくとい った悪循環に陥ってしまうことも多々あります。そのような時、ちょっと立ち止まって、いったん落ち着いて考えてみると、意外と道が開ける ことがあるのです。その際、役立つ考え方に応用行動分析(ABA)があります。 ABA では、行動を個人と環境の相互作用から紐解いていきます。支援する側のかかわり方や考え方を変更することにより、クラスでのや りとりは、よりよりサイクルに導かれていきます。その紐解きの基本的な枠組みは、ABC 分析と呼ばれています。ABC 分析の枠組みから、 「なぜ行動問題が生じているのか」、「では、どのように対応していけばよいのか」、さらに「多くの子どもがいる通常学級で、どのような工夫 が求められるのか」を皆さんと一緒に考えていけたらと思います。夏休み明けの「2 学期から、こうやってみよう!」と思えるような一日にな ればと願っています。この夏も、多くの皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。 【井澤信三先生 井澤信三先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】山形県生まれ。東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程)修了。博士(教育学)。臨床心理 士・特別支援教育士スーパーバイザー。2000 年、兵庫教育大学助手、講師、准教授を経て、2014 年より現職。専門は、自閉症・知的障害等の応 用行動分析に基づいた指導・支援方法。特に、社会的コミュニケーション行動、行動障害への支援アプローチに関する研究。著書には、『自閉 症支援−はじめて担任する先生と親のための特別支援教育−』(明治図書)等。 14 8月12日(水) セミナーコード405 / 研修室121-123(12階) 子どもがワクワクする学級づくり-高知発・授業を組み立てるシュミレーションシートを用いて- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 ワーク 達人たちの実践事例:学級づくり 達人たちの実践事例:授業づくり 達人たちの実践事例:人づくり 作成演習:シミュレーションシートでワクワク体験 Invited Speaker 鹿嶋真弓先生(高知大学教育学部 准教授) 鹿嶋先生からのメッセージ 老子の言葉で「授人以魚 不如授人以漁」があります。日本語では「魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えよ」と和訳されています。意 味として「魚を与えればその場の飢えはしのげる。しかし明日も同じ状態になる。つり方を教えれば、その後もずっと食べていける。」という ことです。でも、これはあくまでも『How to』です。方法論に則って行動するだけでは人はワクワクしません。ワクワクするには、単に『釣り方』 を学ぶのではなく、『釣り』の楽しさを味わうことが大切です。これまでの研修会では、『こんなことをしてみてはいかがですか?』『こんなこ とが効果的ですよ!』とたくさんの事例を紹介してきました。確かに事例から学べることもありますが、これは方法でしかありません。いい話 が聞けたので早速やってみようと思っても、なかなかうまくいかないときもあります。なぜでしょう。それは、集団がちがえばリーダーである 教師もちがうからです。人がやってうまくいったことを、そのままやってもうまくいくとは限りません。集団の成熟状態を見極め、自分の強み を活かしたアプローチをしてはじめてうまくいくのでしょう。 そこで、今回のセミナーではより多くの実践事例を紹介してほしいとの受講者の方々からのご要望にお応えし、なおかつ、『シミュレー ションシート』を用いて、教師も子どもも『ワクワク』する学級づくりを感じていただければと思っております。子どもたちはもちろん、教師もワ クワクする学級づくりができたら、教育現場の多くの課題はほとんど解決するでしょう。現場の教師に限らず、多くの教育関係者の皆さまに とって、より豊かな実践ができるようなヒントになる内容を準備しました。当日、お会いできるのを楽しみにしています。 【鹿嶋真弓先生のプロフィール 鹿嶋真弓先生のプロフィール】 のプロフィール】広島県生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。博士(カウンセリング科学)。都内中学校教諭、 逗子市教育委員会教育研究所所長を経て、2013 年 1 月より現職。専門は、カウンセリング心理学、教育相談、学級経営。学級づくり、授業づくり、 人づくりについて、ワークショップを行っている。著書は『中学生の自律を育てる学級づくり』(金子書房)、『学級経営ハンドブック』(図書文化)他。 8月13日(木) セミナーコード406 / 研修室121-123(12階) 「できる自分」 できる自分」を感じる授業をめざして-広げていこう! -広げていこう!子どもの選択肢・教師の選択肢- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4と演習 読み書きに困難を示す子への支援① -事例からその効果を考える- 一人ひとりにとっての「正しく・繰り返す」を考えよう 読み書きに困難を示す子への支援② -事例からその責任を考える- 困難を示している活動から、支援のポイントをしぼっていこう Invited Speaker 井上賞子先生(島根県松江市立意東小学校 自閉症・情緒障害 特別支援学級教諭) 井上先生からのメッセージ 井上先生からのメッセージ 「方法はきっとある!」特別支援教育に関わるようになって10年と少し経ちました。今まで、たくさんの子どもたちと学んでいく中で、年々 その思いが強くなってきました。 「できない」、「わからない」と話す子どもたちは、目の前にがらがらとシャッターを下ろされたような状態だと感じることがあります。どこへ 向かうのかもわからず、その場で立ち尽くしている…。これはとてもつらいことです。「読みや書き」に困難を示す子どもたちは、そのような 経験を毎日の授業の中で重ねてしまいがちです。「読めない」ということで学ぶことのスタートラインに立つことが出来ず、「書けない」という ことで学習の定着という機会を逃してしまったり、正当な評価を受けられずに来てしまっている子どもたちが実にたくさんいます。でも、そ の学習内容は、本当にその子にとって「できない」ものなのでしょうか? 個別の支援を必要としている子どもたちと関わってきて感じるのは、「その方法では難しい」というケースがとても多いということです。確 かに、みんなと同じ方法では「できない」、「わからない」という状況になってしまう子がいます。しかし、「別の方法ならできる」、「ここを支え てもらったらできる」というケースも少なくないと感じています。方法が変わることで、「できない」が「できる」に転じたケースを、これまでたく さん見てきました。みんなと同じ方法でできないことで、シャッターを下ろしてしまうのではなく、その子の「できる」につながる方法を探して いきたい、「自分はできない」ではなく、「こうしたらできる」、「これならわかる」を、毎日の授業の中で重ねていきたいと願っています。 15 そのために大切なことが、「多様な選択肢」ではないかと思います。アナログの教材教具の工夫はもとより、今は、iPad や Windows タブレ ットなど、デジタルな方法の選択肢も出てきました。 今回のセミナーでは、選択肢を広げていくことで、学びが広がっていった事例についてお話しながら、具体的なアナログ教材やデジタ ル教材の紹介もしていきたいと思います。また、子どもが示す姿から、「必要な支援を絞り込んでいく」ワークも予定しています。こちらも、 アナログのシートを使ったものと、デジタルでできるチャートがあります。 「選択肢が広がる」ことは、子どもたちを救うだけでなく、私たち支援者も支えます。今回のセミナーが、参加される皆さんと「この方法が あればあの子の『わかった』が広がるかも」という思いを共有できる時間になれば、嬉しいです。 【井上賞子先生のプロフィール 井上賞子先生のプロフィール】 のプロフィール】通常学級、通級指導教室を経て、現在に至る。特別支援教育士。特性のある子どもたちの学びを支える方 法を模索しながら、教材開発を行っている。平成 23 年度より、東京大学先端科学技術研究センターとソフトバンクグループが実施する情報端 末の活用が障害を持つ子どもたちの生活や学習支援に役立つことを目指した実証研究「魔法のプロジェクト」に参加し、ICT を活用しての支援 にも取り組む。著書に、『特別支援教育 はじめのいっぽ!』、『はじめのいっぽ! 算数のじかん』、『はじめのいっぽ!国語の時間』(学研)などがある。 <8/13 セミナー終了後> 17:00-18:30 スペシャルワーク「iPad で教材作成を体験しよう」 (井上賞子先生から) セミナー終了後、「スペシャルワーク」 「スペシャルワーク」として、iPad での教材作成のワークショップを行います。実際に端末を操作 「スペシャルワーク」 してのワークになるため、フォローできるキャパを考えて、人数を先着20名までとさせていただきます。 セミナーとは別途申込が必要です。遅い時間にはなりますが、具体的な作成体験をしてみたいという皆さんは、是非ご参加ください。 セミナーとは別途申込が必要です。 なお、端末については、皆さんが手持ちの iPad をご持参いただくことになります。使用するアプリは、無料と有料のものがありますので、 「ご自分で iPad を持ってくることが出来て、有料アプリもインストールが可能な方」という前提で、お申込みをご検討下さい。 を持ってくることが出来て、有料アプリもインストールが可能な方」 参加条件 : ①406 にご参加の方、②iPad が持参できること、③事前に指定された有料と無料のアプリをインストールできること 申込方法 : 下記の件名と本文を明記の上、メール([email protected])にて当協会までお申込み下さい。 件名 「井上スペシャル」 本文 「①お名前(ふりがな)、②所属、③職種」 参 加 費 : 3,000円 ※申込受付の完了メール受信後、1週間以内にセミナー参加費と合わせてお振込み下さい。 8月14日(金) 8月14日(金) ★セミナーコード407★ / 研修室121-123(12階) WISCWISC-Ⅳの結果を学校現場で Ⅳの結果を学校現場で活かす 学校現場で活かす-検査結果の解釈と支援- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4 (1)知能検査を活用するための基本姿勢 (2)全検査IQの解釈 (3)言語理解(VCI)の解釈 (4)知覚推理(PRI)の解釈 (5)ワーキングメモリー(WMI)の解釈 (6)処理速度(PSI)の解釈 Invited Speaker 大六一志先生(筑波大学人間系 教授) 大六先生からのメッセージ WISC-Ⅳは、学齢児(5~16歳)に使用される代表的な知能検査であり世界中で使われています。知的能力の個人内差(得意不得意)の 特徴を把握できることから、知的障害、発達障害のアセスメントに広く活用されています。また、結果の解釈においては、全検査 IQ(FSIQ)、 および、言語理解(VCI)、知覚推理(PRI)、ワーキングメモリー(WMI)、処理速度(PSI)という4つの指標得点が中心になります。 知能検査というと数値が注目されがちですが、実際には数値だけでは正しい解釈にたどりつけないことが多く、観察や背景情報も収集 することが不可欠です。また、本来アセスメントというものは、問題(主訴)の原因および対応を明らかにするのが目的であり、WISC-Ⅳも例 外ではありません。したがって、得点が高いとか低いとかいうことを報告したり、それを教科書通りの何パターンかの解釈に置き換えたりす るだけでは、WISC-Ⅳを活用したとは言えないのです。WISC-Ⅳを活用するためには、得点が意味することを行動観察や背景情報に照ら して正確に読み取るとともに、各種能力のメカニズムや、その日常生活との関係、多くの支援法や補償法を知っている必要があるのです。 そこで、このセミナーでは、FSIQ および指標得点を中心に、典型的な解釈とそのメカニズム、日常での現れ、支援法・補償法をパッケー ジ化してお伝えしようと考えています。 【大六一志先生のプロフィール 大六一志先生のプロフィール】 のプロフィール】博士(心理学)。臨床心理士。臨床発達心理士。特別支援教育スーパーバイザー。東京大学大学院人文科 学研究科博士課程心理学専攻修了。東京大学大学院助手、武蔵野女子大学人間関係学部専任講師、助教授を経て、2004 年4 月から筑波大学 講師、准教授を経て、2012 年 7 月から現職。WISC-IV、WAIS-III では日本版刊行委員を務める。各地の教育委員会において、巡回相談員、特別支 援教育アドバイザー、顧問等。著書・論文多数。 16 8月15日(土) 8月15日(土) セミナーコード408 / 研修室121-123(12階) 子どものこころの育ちからみた発達障害 10:15-11:00 11:10-12:20 12:30-13:10 14:10-15:00 15:05-15:45 15:55-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4 講義5 講義6 Invited Speakers 乳幼児精神医学の世界-親子コミュニケーションのあり方と自己・他者理解(氏家) 自閉症の成り立ちと早期介入の可能性(氏家) 学童期の子どものこころと発達障害のある子どもの発達特性(荒木) ADHDのある子どもの特性理解と支援のあり方(荒木) 発達障害と不登校(荒木) 思春期心性の理解と自閉症児の思春期(氏家) 氏家 武先生(北海道こども心療内科氏家医院 院長 ・小児科医) 荒木章子先生(北海道こども心療内科氏家医院 副院長・小児科医) 氏家先生からのメッセージ 氏家先生からのメッセージ 私は定型発達の子どもが生後どのようにしてこころと言語認知機能を発達させていくのかという仕組みを理解した上で、自閉症の成り立 ちについて私自身の考えを皆さんにお話しします。 自閉症の主たる病因は、先天的な脳の器質的な障害と考えられていますが、臨床的に自閉症を強く疑うような特徴的な症状が認められ るようになるのは早くても生後4~10 ヵ月頃です。それは、自閉症を特徴づける症状や行動が形成されるまでに、生後数カ月の時間を要す るからです。 自閉症の基本的な問題は、出生と同時に潜在的に存在しているのですが、その問題が子どもの健常な精神発達を阻害し、自閉症に特 異的な症状を形成するまでにはなんらかの発達プロセスを要するものと考えられます。定型発達が予測される新生児には、生まれながら にして情動的にも感覚的にも人を求める対人指向性が備わっており、子どもと親との自然な交互作用による人間的な関係を発達させる基 点になっています。 ところが、自閉症の子どもは、この対人指向性に生得的な弱さがあり、子どもが主体的に親に関与できないために親子の健全な交互作 用が妨げられてしまうのです。その子どもは、自己や親を意識できず、常に自己世界の中だけで外界を認知するようになり、最終的には、 間主観性や共感性と呼ばれる親子の情緒的コミュニケーションの発達に障害が生じるのです。セミナーでは、このような観点に立って、自 閉症の早期療育のあり方について考えてみます。 後半は思春期の心理特性を明らかにし、自閉症の子ども達が思春期になった時に陥りやすい問題点について考え、その対応を明らか にします。日々臨床に携わる立場から、さまざまな点についてお話していきたいと思います。 【氏家 武先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】札幌生まれ。昭和 55 年札幌医科大学医学部卒。小児科と精神科で初期研修を受けた後、British Council Fellowship により 2 年間ロンドン大学附属精神医学研究所にて児童精神医学の卒後研修を受けた。帰国後は、重症心身障害者施設、総合療育セ ンターなどで障害児医療に携わり、平成 11 年に医療法人社団北海道こども心療内科氏家医院を開設し現在に至る。専攻は児童青年期精神医 学。最近、『新版児童青年精神医学』(監訳、明石書店、2015 年)を出版。 荒木先生からのメッセージ 発達障害は、先天的な脳の機能障害によるものですが、その症状は一律のものではなく多彩で生活環境の影響も大きく受けます。また、 見た目にわかりにくい症候が多いために、性格なのか症状なのかという点で悩まれる先生も多いと思います。 何をもって、支援が必要ではなく集団の中で“普通に”指導していくべきなのか、もしくは支援が必要な状況と考えるのかという点は、誰 が困っているのか・どう困っているのかという点に着目するということが重要です。さらに、発達障害を抱えたお子さんは、適切な時期に適 切な支援を受けることができなければ、不登校などの二次的な問題を抱えてお子さんはもとより家族の生活や人生にも大きな影響をもたら すことになります。 私の担当する時間では、発達障害を抱えたこども達の特性と、成長過程での課題に焦点を当て、特に注意欠如多動性障害を中心にし て、特性のとらえ方や支援の方法などについて具体的なお話しをしたいと思います。 【荒木章子先生 荒木章子先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】札幌生まれ。平成 3 年旭川医科大学医学部卒業。小児科専門医を取得したあと、平成 8 年より、サブスペ シャリティーとして小児神経学を専攻した。小児神経科専門医を取得後、平成 14 年より旭川医科大学に勤務し、平成 19 年より旭川医科大学病 院小児科子どもの発達診療センターにて副センター長、旭川医科大学医学部小児科講師を務めた。オホーツク沿岸などの道東地域でも小児 診療活動を実施。平成 27 年 4 月より、医療法人社団北海道こども心療内科氏家医院に勤務。 17 8月16日(日) セミナーコード409 / 研修室121-123(12階) 発達障害のみかた-子ども・ことば・くすりとのお付き合い- 10:15-11:15 11:30-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 質疑 発達障害は個性ですか? 発達精神病理学からみた発達障害 薬物療法を通じたかかわり 実際は? Invited Speaker 広瀬宏之先生(横須賀市療育相談センター 所長・小児精神神経科医) 広瀬先生からのメッセージ 発達障害は子どもの1割以上に及び、療育の概念も時代とともに拡がっています。最近では「家庭と地域のさまざまな機関が連携し、生 活の安定と発達の促進を目指す」という「地域全体での発達支援」が主流になりつつあります。一方、DSMなどの操作的診断基準の導入以 来、診断名の取り扱いに著しい混乱が生じています。見た目の現象のみにとらわれて、操作的に診断をつけては対応を誤ります。虐待に よる発達障害類似の状態が典型です。表に見えている症状の裏に潜む精神病理を読み解くこと、これが適切な支援に不可欠なのです。 操作的診断基準へのアンチテーゼとして、発達精神病理学を見直す機運が高まっています。発達精神病理学とは、「病因を特定せず、 現象のみで診断をする DSM のやり方に異議をとなえ、一人一人の発達に沿った臨床像の変化を追っていく科学」(杉山登志郎)です。難 しいことではありません。「発達に合わせて変化する子どもの状態像を丁寧に観察し、うまくいかない状況が生じた時に、その背後にある 原因をしっかりアセスメントして、支援をする必要がありますよ」ということです。 このセミナーの前半では、発達障害の概念を再確認し、診断名の意味も考えてみたいと思います。後半では薬物療法を取り上げながら、 子どもとの関わりについて考えてみたいと思います。なお、最後の4コマ目は、ご参加される皆さんとの質疑応答にあてたいと思います。 【広瀬宏之先生のプロフィール 広瀬宏之先生のプロフィール】 のプロフィール】医学博士、小児神経専門医、小児精神神経学会認定医。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病 院小児科・同大大学院、国立成育医療センターこころの診療部、米国ペンシルバニア州フィラデルフィア小児病院などを経て、2008 年より現職。 著書に『自閉症の DIR 治療プログラム』、『こころの病への発達論的アプローチ』、『発達障害とのかかわり』(神田橋條治氏との共著)など。 第Ⅴ期 第Ⅴ期 8月17日(月) 8月17日(月) ★セミナーコード501 ★/ 研修室121-123(12階) はじめようMIM 広げよう学びの支援-2nd ステージ・3rd ステージ・3rd ステージ指導を中心に- ステージ指導を中心に- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2と演習1 演習2 演習3と講義3 MIMとは① MIMとは②&1st ステージ指導の実際 (協力:栗原光世先生) 2nd ステージ指導の実際 (協力:杉本陽子先生) 3rd ステージ指導の実際と今日のポイント (協力: 〃 ) Invited Speaker 海津亜希子先生(国立特別支援教育総合研究所 主任研究員) 海津先生からのメッセージ 自治体として MIM に取り組んでくださるところも増えてきました。また、今春からの小学校国語の教科書(1 年生)にも MIM の指導法の一 部が採用され、より多くの子どもたちに MIM が届けられる環境が整ってきました。子どもたち一人ひとりの状態像を丁寧に把握し、それぞ れのニーズに応じた指導・支援を届けること。学習につまずく前に、子どもたちのニーズを的確に察知し、先回りの指導・支援を行うこと。 そして、子どもも、先生も、学ぶ楽しさや教える楽しさ、学びから得られる自信を実感すること。こうしたことを MIM では大切にしています。 今回のセミナーでは、MIM の基本的な理解や、研究を通してみられた成果をお話しするとともに、実践されている先生方によるアセスメ ントや授業のデモンストレーションも用意しています。また、MIM を行っていく中で課題として挙げられることの多い「いかに効果的に 2nd ステージ指導や 3rd ステージ指導を行うか」についてもたっぷりと時間をとり、演習を交えて皆さんへご紹介していきたいと思います。 入門期をはじめとする基礎的な読みの指導にご関心のある方、通常の学級でいかに実際の支援を行っていくかについて思案されてい る方、この夏も多くの皆さんにご参加いただくことを願っています。 【海津亜希子先生 海津亜希子先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】東京都生まれ。博士(教育学)。特別支援教育士スーパーバイザー、臨床心理士、学校心理士。文部科 学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」協力者会議特別協力者。東京都教育委員会「発達障害の ある児童・生徒の指導方法の研究・開発事業」検討委員会委員。著書は『多層指導モデルMIM読みのアセスメント・指導パッケージ』(学研教育 みらい)、『個別の指導計画作成ハンドブック:LD 等、学習のつまずきへのハイクオリティーな支援-』(日本文化科学社)等。 18 8月18日(火 8月18日(火) 日(火) セミナーコード502 / 研修室121-123(12階) 虐待が子どもに与える影響をどう理解するか-トラウマとアタッチメント( トラウマとアタッチメント(愛着) 愛着)の観点から- の観点から- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4と討論 子ども虐待の現状と課題 虐待が子どもに与える心理的影響:トラウマとアタッチメント 虐待を受けた子どもの回復に向けた支援 まとめと討論 Invited Speaker 西澤 哲先生(山梨県立大学人間福祉学部福祉コミュニティ学科 教授) 西澤先生からのメッセージ 西澤先生からのメッセージ 子ども虐待にかかわる児童相談所への通告件数は、1990 年の 1,101 件から、2013 年度には 73,765 件と大幅に増加しています。この増 加は、児童虐待防止法の制定など関係者や市民の意識変化による部分もあると思われますが、それだけでこれほどの急増を説明すること は困難であり、虐待やネグレクトなどの不適切な養育を受ける子どもの数が実質上増加していると考えられます。 保護者による不適切な養育は、子どもにとって慢性的あるいは反復性のトラウマ(心的外傷)体験となり、子どもに、虐待的人間関係など 対人関係の歪み、感情調整障害、自傷行為、反社会性など、さまざまなトラウマ関連障害をもたらします。また、虐待及びネグレクトという養 育環境は、乳幼児期のもっとも重要な「精神的装置」であるアタッチメント(愛着)の形成に多大なる混乱をもたらします。アタッチメントに問 題を抱えた子どもは、いわるる ADHD や自閉症スペクトラム障害(とりわけ認知発達の遅滞を伴わない、いわゆるアスペルガー・タイプ)と の鑑別が非常に困難な臨床像を呈すると考えられます。このセミナーでは、トラウマとアタッチメントの観点から、虐待が子どもに与える影 響について具体的に解説をし、さらに実際に虐待を受けた子どもが回復していくために必要な支援についてもお話していく予定です。 【西澤 哲先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】大阪大学人間科学部行動学専攻卒業、サンフランシスコ州立大学大学院教育学研究科修士課程修了(カ ウンセリング専攻)。情緒障害児短期治療施設小松島子どもの家心理士、大阪府環境保健部精神保健室心理技師、大阪府立こころの健康総合 センター心理技師、日本社会事業大学社会福祉学部専任講師、大阪大学大学院人間科学研究科臨床心理学講座助教授を経て現職、専門領 域は臨床心理学、臨床福祉学。特に、虐待を受けた子どもの心理臨床及び生活臨床を専門とする。 8月19日(水) ★セミナーコード503★ / 研修室121-123(12階) 学びにくい子への読み書きつまずきサポート-誤り分析の結果を指導に活かす- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 演習1 演習2 読み書きのつまずき-かな文字を中心に- 読み書きのつまずき-漢字を中心に- 漢字の誤り分析にチャレンジ! 事例分析-誤り分析から具体的支援へ- Invited Speaker 村井敏宏先生(奈良県平群町立平群小学校ことばの教室 教諭) 村井先生からのメッセージ 読み書きのつまずきは、いろいろな段階で起こってきます。文字を覚えはじめる段階、ことばを読んだり書いたりする段階、読解・作文の 段階など…。また、かな文字と漢字でもつまずきの現れ方は違ってきます。読み書きのつまずきの背景にはいろいろな問題があります。 文字の読みの困難さ、注意集中の苦手さ、視覚的な弱さ…、その背景の問題を的確に捉える事が重要です。 心理検査をするにはハードルが高い…、日常の指導の中で実態把握がしたい…、そんなとき役立つのが「誤り分析」の視点です。日常 的な日記や作文を通しても「誤り分析」はできますが、もう少し客観的な視点を入れるとそれがより確かになります。 このセミナーでは、まず最初に講義形式で「読み書きのつまずきは、どうして起こってくるのか」、「読み書きのつまずきは、どのような形 で現れるのか」について、かな文字と漢字に分けてお話しします。午後の演習では、「誤り分析」を取り入れ、通常学級の中で行える簡便 なテストをご紹介し、実際に子どもの誤りを分析していく演習を通して、子どもの特性に応じた教材の選択や指導法を考えていきます。読 み書きの学習は、すべての子どもたちが日々行っていくものです。そのつまずきに対する支援を考えていくことは、どの子にもやさしいユ ニバーサルデザインの教育につながります。多くの方のご参加をお待ちしています。 【村井敏宏先生 村井敏宏先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】奈良県生まれ。広島大学教育学部卒。特別支援教育士スーパーバイザー・言語聴覚士。大阪教育大学特 別専攻科(竹田契一研究室)に内地留学後、1986 年度より「ことばの教室」を担当、現在に至る。読み書き障害(ディスレクシア)の指導と研究、 教材開発にあたる。『読み書きが苦手な子どもへの〈漢字〉支援ワーク』(明治図書)、『誤り分析で始める!学びにくい子への「国語・算数」つまず きサポート』(共著、明治図書)などの著書がある。 19 8月20日(木) 8月20日(木) ★セミナーコード504 ★/ 研修室121-123(12階) 見る力と学びの関係-WAVESを活用したアセスメントと支援 WAVESを活用したアセスメントと支援- を活用したアセスメントと支援- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4 視機能と視知覚・視覚認知 WAVES を活用した見る力のアセスメント アセスメントの結果を踏まえた合理的配慮と支援 事例紹介・事例検討 Invited Speaker 奥村智人先生(大阪医科大学LDセンター オプトメトリスト) 奥村先生からのメッセージ 学習や運動につまずきのある子どもは、感覚・知覚・認知や運動の問題を抱えていることが多く見られます。視覚に関する問題 である「見えにくさ」もそのひとつです。しかし、 「見えにくさ」といっても、発達障害のある子どもの「見えにくさ」は多種多様 です。例えば、 「遠近感がとらえにくい」 「視線をうまく移動できない」 「形を頭の中でイメージしにくい」 「形を記憶するのが苦手」 「位置や空間の感覚が捉えにくい」 「見本と同じように身体を動かせない」などの問題が見られます。しっかりものを「見る」ため には、視力が正常であること以外にも眼球運動、空間知覚・認知、目と手の協応など様々な視覚に関する能力が必要となります。 このセミナーでは、見る力に関する理論的な講義、実際に体験しながら楽しく学べる演習を行い、見る力を育てるビジョン・ア セスメント-WAVES(ウェーブス)-の活用例を中心に「見る力」のアセスメントと支援について解説します。なお、2016 年 4 月 か ら合理的配慮の不提供は違法となり、教育現場での取り組みが必須となります。また、ビジョントレーニングや個別の支援の手法 が書籍などで紹介され、発達障害への実践が広がりを見せています。合理的配慮、個別の支援、専門的なトレーニングは、 「子ども の特性を捉え、本当の意味で子どもに有益な支援を行う」という観点では一本の線でつながります。実際の教育場面で根拠のある 具体的な実践について、参加される皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 【奥村智人先生 奥村智人先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】三重県出身。オプトメトリスト。特別支援教育士 SV(SENS-SV)。American Academy of Optometry 認定(FAAO)。 米国パシフィック大学オプトメトリー修士および教育学修士課程修了後、現職。著書に『学習につまずく子どもの見る力-視力がよいのに見る 力が弱い原因とその支援-』(明治図書、2010 年)、『見る力を育てるビジョン・アセスメント-WAVES-』(学研、2014 年)など。 8月21日(金 8月21日(金) セミナーコード505 / 研修室121-123(12階) 本当はあまり知られていないダウン症のはなし 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 講義4 ダウン症-「知的障害」ではすまされないその「特性」- ダウン症支援の課題-青年期から成人期を見通して- ダウン症の家族支援 出生前診断をめぐって-近代科学と障害者観- Invited Speaker 玉井邦夫先生(大正大学人間学部臨床心理学科教授・日本ダウン症協会代表理事) 玉井先生からのメッセージ 近年、ダウン症を中心とした新しい出生前診断技術の登場が報道されました。その後、「ダウン症薬の治験開始」という報道もなされまし た。当事者にとって騒動としか言いようのないこの事態に対処する中、ダウン症がいかに知られていないかということを痛感させられました。 そして、それは決して一般市民の問題ではなく、実は支援者と呼ばれる方たちでも同様の実態があるのではないかとも思わされました。 ダウン症はその数の多さもあり、早くから早期療育が唱えられ、あたかも解明されたかのような印象を持たれています。しかし、この 10 年 ほどの間に、成人期を中心にあらためて「ダウン症は難しい」という声が現場から聞かれるようになりました。ダウン症はどうしても「知的障 害」という括りで語られてしまいますが、支援の実態を細かく検討していくと、決してそうではないことに気づきます。このセミナーでは、ダ ウン症についてさまざまな角度から見直す機会を提供したいと考えています。そのため、ダウン症を「知的障害」という括りから解き放って、 生涯発達の視点からさまざまな支援の糸口を検討します。また、常にダウン症が出生前診断の対象として取りざたされる背景に何があるの かについても私見を述べたいと思います。LD 協会のセミナーとしてはテーマが異質と思われるかもしれませんが、ダウン症ほど知られた 状態についてすら今も多くの誤解に囲まれているという発見を通じて、「発達障害」についても思いをはせていただきたいと思います。 【玉井邦夫先生 玉井邦夫先生のプロフィール 先生のプロフィール】 のプロフィール】1959 年生まれ。東北大学大学院修了後、情緒障害児短期治療施設にセラピストとして勤務。その後、山梨 大学教育人間科学部准教授のあと現職。公益財団法人日本ダウン症協会代表理事。著書に『学校現場で役立つ子ども虐待対応の手引き 子ど もと親への対応から専門機関との連携まで』(明石書店、2007 年)、『発達障害の子どもたちと保育現場の集団づくり 事例とロールプレイを通し て』(かもがわ出版、2009 年)、『ダウン症の子どもたちを正しく見守りながらサポートしよう』(日東書院本社、2012 年)など。 20 8月22日(土) 8月22日(土) ★セミナーコード506★ / 研修室121-123(12階) 子どもが 子どもが「安心」 安心」できる集団づくりと共感からはじまる「わかる」 できる集団づくりと共感からはじまる「わかる」授業づくり 共感からはじまる「わかる」授業づくり 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 ワーク まとめ 安心できるクラス・集団をつくるために 言語活動の充実を目指した授業づくり 授業場面でのかかわり方と言葉かけの工夫 笑顔のあふれる集団をめざして Invited Speaker 小田浩伸先生(大阪大谷大学教育学部 教授・同大学附属特別支援教育実践研究センター長) 小田先生からのメッセージ 通常の学級でのナチュラルサポートの展開が特別支援教育の根幹となる課題になっていますが、これは、様々なニーズのある子どもが 通常の学級で学んでいるという現状を理解する必要があります。特に、発達に何らかの課題がある子どもへの指導は、授業の中でいかに 自己肯定感を高めていくのかが重要であり、学級集団の中での工夫と取り組みがカギになるのです。もちろん、通級などでの個別的な指 導も大切ですが、そのような一人ひとりの合理的配慮を検討する前に、まずは学級全体への支援と配慮を十分に行う必要があります。 そして、授業の中で子どもたちが「わかった」「できた」「またやってみたい」という体験を積み重ねていけるように工夫をすることが、我々 教師が行う指導の基盤になります。そうすることで、子どもは人とかかわることの安心を理解し、子ども集団の中での安心を獲得することが できるのでしょう。安心できる集団であることが、その子どもの良さを伸ばす大きな原動力になります。そのためにも、我々教師は、自身の 人間力を高めること、専門的なスキルを身に付けることが重要になってきます。 今回のセミナーでは、まず安心できる集団づくりについてお話をします。その上で、授業づくりについては、構造化・視覚化のみならず、 言語活動をいかに充実させるかという協働化について主に解説をします。午後は、言語活動の工夫やグループ学習における話し合い方 や進め方などについて実際の授業場面を想定したワークを行います。この夏も、皆さんにお会いできることを楽しみにしています。 【小田浩伸先生のプロフィール 特別支援教育士SV、学校心理士SV。心理リハビリテイションSV、兵庫教育大学大学院学校教育研究科(障 小田浩伸先生のプロフィール】 のプロフィール】 害児教育)修了。大阪府立支援学校教諭に勤務。その後、大阪府教育センター指導主事を経て、現在は大阪大谷大学教育学部教授・特別支援教 育実践研究センター長。専門は、特別支援教育、発達障害、自立活動、授業改善。大阪府教育振興基本計画審議会委員、大阪府発達障がい児者 支援体制整備検討部会委員。大阪府内外の特別支援教育関連教員研修会及び学校巡回相談などの講師。 8月23日(日) 8月23日(日) セミナーコード507 / 研修室121-123(12階) 自閉スペクトラム支援のエッセンス-現場で起こっているナゾを解き明かす- 10:15-11:30 11:45-13:00 14:00-15:15 15:30-16:45 講義1 講義2 講義3 ワーク 変異として理解する自閉スペクトラム 自閉スペクトラムの発達プロセスと二次障害 自閉スペクトラムの人の育て方、つきあい方 こんなとき、どうする? Invited Speaker 本田秀夫先生(信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部 部長・診療教授) 本田先生からのメッセージ 自閉スペクトラムの人たちは、「臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向 が強い」という共通の心理的・行動的特性をもつヒトの変異(variant)と考えられます。自閉スペクトラムの人たちの物の考え方、感情の動き、 そして発達のプロセスを、従来の(非自閉スペクトラムの人たちを想定した)認知心理学や発達心理学の枠組みに当てはめて理解しようと すると、さまざまな不可解な現象に出会います。自閉スペクトラムの子どもたちをこうした既存の枠組みに当てはまるように育てることは二 次障害の原因となりますし、自閉スペクトラムの大人の人たちに非自閉スペクトラムの文化を押しつけることは重大な人権侵害です。自閉 スペクトラムの人たちに関わる皆さんが現場で漠然と感じる違和感は、自閉スペクトラムを「病気」ではなく「変異」と考えることによって解消 するかもしれません。このセミナーでは、変異としての自閉スペクトラムの特性を解説し、具体的な生活上のエピソードを挙げながら自閉ス ペクトラムの人たちの発達プロセスと認知および感情の特徴について理解を深めます。後半では、現場でよく遭遇する問題についてワー クを行いながら考えていきます。 【本田秀夫先生のプロフィール 本田秀夫先生のプロフィール】 のプロフィール】大阪府出身。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科および国立精神・神経センタ ー武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで約 20 年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。山梨県立こころの発達総合支援セ ンター所長を経て、2014年より現職。専門は発達精神医学。著書は、『自閉症スペクトラム-10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体-』(SB新書)、 『子どもから大人への発達精神医学-自閉症スペクトラム・ADHD・知的障害の基礎と実践-』(金剛出版)など。 21 Special Interest Group on Children with Special Educational Needs 2015 夜間ゼミ 夜間ゼミ 2015 2015 じっくりと本質を理解しながら学ぶことのできるのが「夜間ゼミ」です。少人数で事例検討を行ったり、発達障害 や特別支援教育に関する知識や技術を学んだりしながら、個々人のスキルアップを目指していきます。各ゼミの担 任は、当協会のセミナー講師陣です。ゼミの主宰者として、皆さんが、よりプロフェッショナルになるためのお手 伝いをします。 ■夜間ゼミ お申込み方法 次の A B いずれかの方法でお申込み下さい。 A.銀行ATMからのお振込 次の①~⑥を明記したEメール Eメール([email protected]) Eメール([email protected])またはFAX ([email protected])またはFAX(045 またはFAX(045(045-981981-5054)にてお申込み下さい。 5054)にてお申込み下さい。 FAXの場合は、書式自由(任意)の用紙で送信下さい。なお、Eメールでお申込みの場合、受信確認メールを お送りしております(携帯設定が「パソコンメール拒否」にされていると受信されません) 。 ① ゼミ名(例. 「広瀬ゼミ」など) ② 氏名(ふりがな・漢字) ③ 一般・正会員(※1)・賛助会員(※2)・ユース(※3)の区分 ④ 所属(学校名等)と職種(通常学級担任、特別支援学級教諭、通級教諭等) ⑤ 振込先銀行(三菱東京UFJ銀行または横浜銀行)と振込(予定)日 ⑥ 連絡先の郵便番号・住所・電話番号 ※1・※2 神奈川LD協会の正会員・賛助会員です。 ※3 受付にて「写真付の生年月日」がわかるもの(運転免許証・学生証など) 「写真付の生年月日」がわかるもの(運転免許証・学生証など)をご提示下さい。 「写真付の生年月日」がわかるもの(運転免許証・学生証など) <振 込 先> 三菱東京UFJ銀行 横浜中山支店 (普)0152883 または 横浜銀行 中山支店 (普)1402889 <口座名義人> 公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会 B.郵便局の郵便振替によるお振込 ※郵便局の郵便振替用紙(払込取扱票)のご利用 通信欄に上記①~④を明記し、お申込み下さい。 <口座番号> 00200-7-26501 <加入者名> 公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会 ■夜間ゼミ 参加費 通年 ※年間6回(各ゼミ共通) 単発1回ごと(各ゼミ共通) 般 27,000円 5,000円 賛助会員 22,500円 4,000円 正会員 18,000円 3,500円 ユース(YOUTH) 16,000円 3,000円 区分 一 ※「ユース(YOUTH) ユース(YOUTH)」 (YOUTH)」は、誕生日が 1989 年(昭和 64 年/平成元年) 平成元年)1 月 1 日以降の方を対象にした次世代応援型の参加区分です。 日以降の方 22 広瀬ゼミ 広瀬ゼミ 発達障害とのかかわりのコツ -レジュメのない事例検討会- ご案内:事例の発表とディスカッション、そして新たな気づきを与えてくれる広瀬先生のコメントにより構成されている広瀬ゼミで す。今年も、広瀬先生と真剣勝負で学びたいと思います。なお、広瀬ゼミは1回2ケースの事例検討を行います。 広瀬先生からのメッセージ: 臨床の現場は、永遠に答えのない迷路のようなものです。その瞬間、その相手に対し、どんな反応を返し、どんな言葉を 使っていくか、その練習を試みるのがレジュメのない事例検討会です。 通常の事例検討会では、レジュメに答えがあるので、先を考える楽しみがありません。この事例検討会では、耳から入る 情報だけが手がかりです。臨床の現場と同じように、得られた情報からケースのストーリーを推理し、クライアントの物語 を組み立てる練習をします。また、ほかにどんな情報が必要かを考え、全体を俯瞰しながら、実現可能な援助をしていくこ とも学んでいきます。何が出てくるか、当日のお楽しみです。 ライブ感あふれる事例検討を行います。皆さまの参加をお待ちしています。 ※職種・職場の事情等により事例を提出いただけない方のご参加も歓迎いたします 担 会 時 日 任:広瀬 宏之先生(横須賀市療育相談センター 所長・小児精神神経科医) 場:ウィリング横浜 ※研修室の部屋は、ゼミ当日にエレベーター横の案内板でご確認下さい 間:18:45~20:45 程:第1回 6月 5日(金) 第3回 9月 4日(金) 第5回 1月 8日(金) 第2回 7月 3日(金) 第4回12月11日(金) 第6回 2月12日(金) 松本ゼミ 松本ゼミ 姿勢や運動の苦手さ・手先の不器用さへのアプローチ -感覚統合の考え方をヒントにした事例検討会- ご案内:子どもの特徴が撮影されているビデオを使って苦手さの原因を解釈し、その子どもにあわせた支援を考える事例検討会 です。関わり方や学習支援のアイディアなども紹介し、それらを実際に使う実技も加え、楽しく学んでいきます。 松本先生からのメッセージ: 姿勢が崩れやすい、ペンやおはし・ハサミなど道具の操作が下手、体育が苦手など、感覚や姿勢・運動・操作の面で困難 さを抱えるお子さんがいます。一生懸命がんばっているのになぜかうまくできない体験から、このような子どもたちは自信 をなくしやすく、取り組む意欲を減退させてしまうこともあります。 保護者や担当の先生からは、不器用な子どもにどう支援すべきかという「How to」の質問をよく受けます。しかし、子 どもがなぜ不器用になっているのかその原因を考えることが大切です。子どもの苦しさの原因を理解することなしに行われ る指導は、無理な方法を強要することになる場合が多いからです。逆に原因が十分に把握できれば、子どもの特徴に合わせ て指導方法を柔軟に段階づけ調節することができます。さらに、子どもたちに対して余裕と思いやりを持った関わりができ ます。子どもの状態を正しく理解することは、子どもとの信頼関係の基礎をなし、子ども自身が発達する力を後押しします。 このゼミでは、幼稚園・保育園・小学校(特別支援学級や通級指導教室を含む) ・特別支援学校、療育機関や発達支援セ ンターなどで、上記のような不器用さがあるお子さんに関わっている方を対象とします。お子さんのビデオ映像や作成物・ 書いた文字などがら、子どもの苦手さの原因を解釈し、支援方法を考えていきます。1回のゼミで1事例を検討し、次回の ゼミで支援を行ってみた結果も報告していただき、効果を検証したいと思います。子ども自身が、自信を持って活き活きと 生きていくことができるよう支援したい皆さまのご参加をお待ちしています。 ※職種・職場の事情等により事例を提出いただけない方のご参加も歓迎いたします 担 会 時 日 任:松本 政悦先生(横浜市総合リハビリテーションセンター 作業療法士) 場:ウィリング横浜 ※研修室の部屋は、ゼミ当日にエレベーター横の案内板でご確認下さい 間:18:45~20:45 程:第1回 6月12日(金) 第3回 9月18日(金) 第5回 1月22日(金) 第2回 7月10日(金) 第4回12月18日(金) 第6回 2月19日(金) 23 セミナー ・ 夜間ゼミ 会場案内図 ゆめおおおかオフィスタワー内 ゆめおおおかオフィスタワー内 「ウィリング横浜」 ※京浜急行線・市営地下鉄線上大岡駅(横浜市港南区)直結の駅ビル内 Willing Yokohama Map 貨店 浜 京浜 浜 オフィスタワー4F~12F 京急百 至横 至横 ウィリング横浜 急行 横浜 線 上大 岡駅 ウィング 上 大岡 至横須 市営 賀 地下 鉄 上大 岡駅 鎌 倉 街 道 至 鎌 倉 至 塚 戸 LD協会から この夏も Coooool なお知らせ♪ セミナーの空 セミナーの空き状況や 状況や当日のご 当日のご案内 のご案内など 案内など、 など、リアルタイムな情報 リアルタイムな情報を 情報を フェイスブックとツイッターで発信 フェイスブックとツイッターで発信しています 発信しています。 しています。 検索サイトで 検索サイトで「神奈川LD協会」とキーワード入力 とキーワード入力 → アクセス~ アクセス~ (*^^)v フェイスブック: フェイスブック: http://www.facebook.com/kanagawald ツイッター: ツイッター: http://twitter.com/kanagawald お問い合わせは、お気軽にどうぞ 神奈川LD協会 (公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会) 〒226-0025 横浜市緑区十日市場町 801-8 ホーメストプラザ十日市場東館2階 TEL:045-984-7910 FAX:045-981-5054 E メール:[email protected] ホームページ: http://www.246.ne.jp/~kanald/ 業務時間 午前10時~午後5時(日曜・祝祭日はお休み) このパンフレットは当協会ホームページからダウンロードできます 24
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