OFFICE HARA コンプラ・ニュース:ごぞんじですか? 2015 年 4 月 20 日 Vol. 2015-4 職場意識改善助成金(職場環境改善コース)について 今回のコンプラニュースでは、職場意識改善助成金(職場環境改善コース)をご紹介します。こ れは厚生労働省の事業で、所定外労働時間(残業)の削減や有給休暇の取得促進を図る中小企業 に対しそのために支出された費用の一部を助成しようというものです。 1. 対象となる事業主 助成金を受ける事業主は次の(1)から(3)までの要件のすべてを満たしている必要 があります。 (1) 労働災害補償保険(労災保険)の適用を受けていること。 (2) 次の条件を満たす事業主(すなわち中小企業の事業主)であること。 業種 資本又は出資の額 常時雇用する労働者数 小売業(飲食店を含む) 5 千万円以下 50 人以下 サービス業 5 千万円以下 100 人以下 卸売業 1 億円以下 100 人以下 その他の業種 3 億円以下 300 人以下 (3) 助成金対象事業の承認を申請する前の年度の年次有給休暇の平均取得日数が 1 年 あたり 13 日以下であり、かつ、月間平均所定外労働時間数(残業時間)が 10 時 間以上であること。 (4) 残業の削減や有給休暇の取得促進などの労働時間等の改善を目的とした職場にお ける意識の改善、又は労働時間管理の適正化に積極的に取組む意欲があり、かつ、 成果が期待できること。 2. 助成の対象となる取組(「助成対象事業」) 次のうちから 1 つ以上の取組を選んで実施する必要があります。 • 人事部門等の労務管理担当者に対する研修 • 労働者(従業員)に対する研修、周知・啓発 • 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士、経営コンサルタント、医師、保 健師、労働衛生コンサルタントなど)によるコンサルティング • 有給休暇の計画的取得等のための就業規則・労使協定等の作成・変更 Copyright © 2015 OFFICE HARA All Rights Reserved 1/4 OFFICE HARA コンプラ・ニュース:ごぞんじですか? 2015 年 4 月 20 日 • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新 • 労務管理用機器の導入・更新 • (運輸業における)デジタル・タコメーターの導入・更新 • テレワーク用通信機器の導入・更新 • 労働能率の増進に役立つ設備・機器等(小売業におけるPOSなど)の導入・更 新1 対象となる取組の選択は、実施承認申請の時点で行わなければなりませんが、承認後 に変更申請をすることは可能です(国の予算との関係で変更が承認されないこともあ ります。 ) 3. 取組(助成対象事業)の目的の設定 申請する事業主は、次のうちから取組の目標を設定しなければならず、その際に(a)及び (b)は必ず選ばなければなりません。 (a) 年次有給休暇の取得促進 (b) 所定外労働時間(残業)の削減 (c) 労働者の抱える多様な事情及び業務の態様に対応した労働時間の設定(変形労働 時間制やフレックスタイム制など) (d) 労働時間管理の適正化 (e) 産前・産後や子の養育、親等の介護を行う労働者等、厚生労働省の「労働時間等 見直しガイドライン」2の(2)に定められた特に配慮を必要とする労働者に対 する休暇の付与等 (f) ワークシェアリング、在宅勤務、テレワーク等の活用による多様な就労を可能と すること 4. 成果目標とその評価 上記3の内、(a)及び(b)については数値目標が設けられています。すなわち年次有給休 暇の平均取得日数については4 日以上増加させること、所定外労働時間の削減については 月間平均時間を 5 時間以上削減させることという数値目標が設けられています。そして 助成金の支給額はこれら(a)及び(b)の達成の有無により異なります。 成果目標達成の評価期間は対象事業の実施承認の日から平成 28 年 2 月 15 日までの間の 任意の 3 か月間を各事業主が選ぶことができます(繁忙期を避けることが可能です。 ) 1 これについては、3及び4で説明する成果目標(a)及び(b)の双方を達成した場合にのみ支給対象 となります。 Copyright © 2015 OFFICE HARA All Rights Reserved 2/4 OFFICE HARA コンプラ・ニュース:ごぞんじですか? 5. 2015 年 4 月 20 日 助成金の支給額 上記2で選択した取組の実施に要した経費の一部が、成果目標の達成に応じて支給され ます。 (1) 対象経費 助成の対象となる経費は次のものに限られます。 • 謝金(コンサルタントや研修講師に対する謝礼、就業規則変更のためのア ドバイスの報酬等) • 旅費(コンサルタント、研修講師等に支払った旅費、集合研修参加の労働 者の旅費等) • 借損料(研修会場賃料等) • 会議費(研修講師、コンサルタントに対する茶菓代等) • 雑役務費 • 印刷製本代(研修資料、啓発用パンフレット等) • 備品費 • 機械装置等購入費(出退管理用ICカードリーダー等) • 委託費 (2) 補助率及び上限金額 経費に対する助成金の割合(補助率)及び助成金の上限金額は成果目標の達成状 況により異なります。 達成状況 (a),(b)双方を達 どちらか一方を達成 どちらも未達成 成 補助率 4 分の 3 8 分の 5 2 分の 1 上限額 100 万円 83 万円 67 万円 なお、労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新の取組の場合は、(a) 及び(b)の双方を達成した場合にのみ必要経費の 4 分の 3(上限額 100 万円)が支 給されます。 6. 申請手続き 助成金を申請するためには、管轄の労働局あてに「職場意識改善助成金事業実施承認申 請書」を提出する必要があります。今年度の提出期限は平成 27 年 10 月 15 日です。事業 実施後に添付書類を添えて支給申請書を提出する必要があります。支給申請書の提出期 限は、事業主が選んだ成果目標の評価期間の最終日の翌日から起算して 1 か月を経過し Copyright © 2015 OFFICE HARA All Rights Reserved 3/4 OFFICE HARA コンプラ・ニュース:ごぞんじですか? 2015 年 4 月 20 日 た日、又は、平成 28 年 2 月末日のいずれか早い日となります。申請についての詳細につ いては、厚生労働省の下記のサイトをご参照ください。 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/shinsei2 015-1_2.pdf ※OFFICE HARAでは、ワークライフバランスの重要性の周知徹底等、職場環境改善のための研修を 実施しておりますので、お気軽にご相談ください。 以上 Copyright © 2015 OFFICE HARA All Rights Reserved 4/4
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