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<足裏のアーチとの関連>
シンスプリントが起こるメカニズムと大きく関係しているのが、足裏
のアーチです。足裏には 3 つのアーチがあり、運動をするときはもち
ろん、普段の生活の中でもとても重要な役割を果たしています。
外側縦アーチ
小指球
かかと
母指球
横アーチ
新しい生活が始まり、しばらく休んでいた部活動をはりきって再開し
内側縦アーチ
(土踏まず)
足裏のアーチの役割
役割 体重を支える
たとたんに「スネ」に沿ってうずくような痛みが… シーズンの始めや
筋力不足の状態で過度な運動をしたときに起こりやすいとされるこの
石橋のアーチ構造と同じ原理で
大きな重量をしっかり支えます
スネの痛みは「シンスプリント」と呼ばれるスポーツ傷害です。始め
のうちは運動をやめると痛みは治まるため、我慢して無理を続けてし
役割
まう人も多いようですが、悪化すると日常生活動作の中でも痛みが出
バネの役割
重心の移動をスムーズにし
地面の蹴り出しをサポートします
てくることもあります。痛みが発生する原因や予防法を覚えて、新し
い環境での部活動を気持ちよくスタートさせましょう。
役割
クッションの役割
接地したときの衝撃を吸収・分散します
<シンスプリントとは>
けいこつかろうせいこつまくえん
ふくらはぎの内側や前外側に痛みが出る症状で、「脛骨過労性骨膜炎」
このアーチを支えているのが、足裏の筋肉や
「後頸骨筋」です。特に「後頸骨筋」は内側縦
回は後者を中心に説明していきます。陸上競技のトラック種目やサッ
アーチ(土踏まず)を形成するのに重要な筋
カー、バスケットボール、バレーボールなど、ランニングやジャンプを
肉で、アーチを持ち上げるように働いていま
繰り返す種目で多く見られます。また、運動をあまり行っていなかっ
す。これらの筋力が不足していると、アーチ
た新入生が急激に運動量を増やしたときや、合宿などで集中的にト
を持ち上げられなくなり、ランニングの接地
レーニングを行うときにも起こりやすいと言えるでしょう。
時に足関節が強く回内(かかとが内倒れする)
かいない
右足
といいます。中学生・高校生に多い慢性傷害で、ふくらはぎの前外側
が痛くなるものと、内側に痛みが出るものの 2 種類がありますが、今
回内足
正常な足
かいないそく
してしまうことがあります。これを「回内足」
<痛みが発生する原因>
かたいさんとうきん
と呼び、アーチと地面の接触頻度や度合いが
へんぺい
こうけいこつきん
高まった結果、アーチが落ちてしまう「扁平
スネの周りには「下腿三頭筋」「後頸骨筋」
そく
そくしくっきんぐん
足」の原因となります。
「足趾屈筋群※1」などさまざまな筋肉が付着
アーチが落ちると、後頸骨筋の起始部が下へ
しています。これらは、ランニングやジャ
引っ張られてしまい、そこに炎症が起きてし
ンプをする時に、地面を蹴ったり、接地時の
まいます。また、クッションがなくなること
衝撃を吸収するために働く筋肉で、この動
で衝撃が吸収できなくなり、筋肉や骨に大き
作をするたびに強く緊張し、スネの骨膜※2
なストレスがかかってしまうのです。
を引っ張ります。緊張が強く起こり、繰り
のです。
※1 足の指を曲げる筋群
※2 骨に付着している膜
扁平足
筋力不足、柔軟性不足、回内足や扁平足などの骨の配列の崩れ、または
返し筋肉が引っ張られると、付着部が微細
な損傷を繰り返して炎症を起こしてしまう
正常な足
ひふくきん
腓腹筋
ヒラメ筋
腓腹筋とヒラメ筋をあわせて
「下腿三頭筋」と呼びます
フォーム不良のように、身体に原因がある場合(身体的要因)とは別に、
練習環境や道具に原因がある場合(環境要因)も考えられます。硬い
グラウンドや、ソールの薄いシューズでランニングやジャンプを繰り
返すと、かかる衝撃は大きくなり、炎症も起こりやすくなります。また、
選手の体力に対して、運動量が多すぎる環境もシンスプリントの要因
となりうるため、新入生の運動量には特に配慮が必要です。
筋肉の柔軟性が不十分で、硬くなった状態
だと引っ張られる力は強くなり、炎症も起
こりやすくなります。また、筋力が不足し
ている状態で過度に繰り返し動作を行って
しまうと、かかる衝撃を受け止められず、
筋肉と骨膜の間にストレスがかかり、炎症
が起きやすくなることが考えられます。
後頸骨筋
身体的要因
環境要因
筋力不足
柔軟性不足
骨の配列の崩れ
フォーム不良
硬いグラウンド(アスファルトなど)
ソールの薄いシューズ
運動量の過多(選手の体力に対して)
<筋力を高めるトレーニング>
「下腿三頭筋」はカーフレイズを行うことでトレーニングを行います。
「後脛骨筋」は足関節のチューブトレーニングを行い、「足趾屈筋群」
はタオルギャザーによって筋力を高めましょう。また、筋力トレーニ
ングだけでなく、それらを「使える筋肉」にすることが大切です。その
ためにも、ランニングフォームの見直しも行いましょう。
足関節の内返し
(足裏が内側を向く動き)
を
負荷をかけて行います
チューブを使ったトレーニング
足の指を使ってタオルを
手前にたぐり寄せます
シンスプリントになってしまったら、局所的な
アイシングを行って炎症を抑えましょう。痛み
カーフレイズ
(腓腹筋)
が強い時には練習は無理に行わず、痛みが引い
てきたら芝生や土のグラウンドなどでのジョギ
カーフレイズ
(ヒラメ筋)
タオルギャザー
<テーピング>
ングから始めます。
また、シンスプリントの身体的要因として挙げ
「下腿三頭筋」
「後脛骨筋」のサポートテープや、アーチを保持するテー
られたのが「筋力不足」と「柔軟性不足」です。
ピングは有効でしょう。ここではデニバンを使用したアーチサポート
これらを高め、シンスプリントを予防する方法をいくつか紹介します。
のテーピングをご紹介します。足裏の筋肉をテーピングでサポートす
ることで、アーチを引き上げ、低下を防ぎます。このテーピングは、シ
<柔軟性を高めるストレッチ>
ふくらはぎや足裏のストレッチを十分に行い、柔軟性を高めます。
腓腹筋のストレッチ
ヒラメ筋のストレッチ
ンスプリントだけでなく、足底筋膜炎※にも有効です。
※足の裏に膜のように張っている筋膜に炎症が起きる症状。
多くはかかとの骨の前あたりに痛みが発生する。
「シンスプリントがあまりにも長引いたので病院に行ったら疲労骨折
だった」という話はよくあります。痛みが長く続くようだったら我慢
せずに、必ず医師の診断を受けましょう。
どんなケガにも言えることですが、予防が一番大切です。自分の体と
ゴルフボール
対話しながら、ケガをしないための身体づくり、身体の使い方をマス
竹踏み
ターして新シーズンを迎えましょう。
<参考文献>
「ランニング障害」文光堂
「部位別 スポーツ外傷・障害 足・下腿」南江堂
「身体運動の機能解剖」医道の日本社
デニバンを使用したアーチサポートのテーピング
テープの準備
使用するデニバン
デニバン 50mm/75mm
テープの準備
テープの準備
親指の付け根から
外くるぶしまでの
長さを準備。
母指球(親指の付け根)
からかかとまでの長さ
を確認し、その長さの
約80%の長さを準備。
デニバン50mm
のテープの片側に
約4cmの縦の切り込み
を入れ、母指の根元に
巻きつける。
デニバン75mm
80%
残りの のテープを
足の側面に沿って
やや強く引きながら
貼りつける。
のテープ
1cm長い
テープ
テープの準備
テープの準備
のテープよりも
約1cm 長いテープを
準備。
足部を一周できるくらい
の長さのテープを準備。
デニバン75mm
のテープの端を母指球にしっかりと貼りつけ
てテープを抑え、かかとまで強く引きながら貼
りつける。
デニバン75mm
のテープを小指球
(小
指側)
からかかとまで強
く引きながら貼りつける。
発行:株式会社クレーマージャパン 〒360-0024 埼玉県熊谷市問屋町 4-2-2 TEL:048-527-1977 FAX:048-527-1978
足の甲を一周するように
のテープを巻きつけて
完成。
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