平成26年度企画提案型競技力向上対策事業 成果に関する報告書

平成26年度企画提案型競技力向上対策事業
成果に関する報告書
沖縄県ハンドボール協会は今年度で50周年を迎える。この50年の間に65回の全国制覇を
達成し、2014年度だけでも5回の全国制覇、また小・中・高とすべてのカテゴリーにおいて優
勝を達成した。
ハンドボール唯一の雑誌、「月刊ハンドボール」で特集を組まれるほど、本県の指導体制は
全国的な注目を浴びている。1987年に行われた海邦国体の遺産が引き継がれ、今日のよう
な発展を遂げたが、本格的な指導者の世代交代期を迎える時期になり、指導者養成が喫緊
の課題となっている。そこで、国体30位台定着に向け、貢献できるよう当協会は「優秀指導者
養成」に特化して事業を進めた。
ハンドボールの指導環境は、「選手の育成」→「選手の自立」→「指導への参加」という好循
環が形成されている。これは、スポーツ基本計画が目指す理想の全体像と合致しており、優
秀な指導者を育てる絶好の機会と考えられる。
本事業の具体的な数値目標は、ハンドボールを経験していない専門外の指導者への講習
を行ない、ハンドボールの指導者100名純増、それからハンドボール経験者に対してより専門
的な講習会を実施し、専門指導者200名達成を図る。最後に日本体育協会の公認資格を有
する指導者に、講習会講師や研修会参加などを通して、より高度な知識を身に着けさせ、ハ
ンドボールの優秀指導者30名育成を目指している。
今年度は、①指導者養成講習会の実施と②国内コーチ研修に特に力を入れて実施した。
①指導者養成講習会は年間で75回の講習会を開催した。これは1年間で換算すると5日に1
回、沖縄のどこかで講習会が開催されている計算となる。講習会もバラエティに富んでおり、
指導者が競技未経験者に実施する未経験者対象講習会、初心者・中級者・上級者というよう
に選手のレベルに合わせた指導を学ぶための講習会、小・中・高・一般とカテゴリーに分けた
講習会、審判講習会、トレーナー講習会、栄養講習会、その他には別予算では、公認指導者
対象研修会(義務研修)の開催をした。※詳細は添付のスライド資料をご覧ください。
今年度の全ての講習会の受講者数はのべ1207名であった。講習会によっては、県外から
優秀な指導者やレフェリーを講師として招聘し、最新のトピックスを取り上げられるよう配慮し
た(ハンガリープロリーグ今季得点王:銘苅淳氏、国内トップレフェリー:福島亮一氏、元全日
本選手および元全日本男子コーチ:佐藤壮一郎氏)。
講習会は通常のあるチームの練習を活用して開催した。練習の始まる前に受講生を集め、
当該チームの課題などを説明し、メニュー編成などの説明を行なう。そしてその指導を見て学
ぶ形式である。選手の休憩中あるいは練習終了後には質疑応答やディスカッションを行な
い、理解が深まるようにした。講習会あるいは研修会によっては県選抜の練習も対象となり、
選手の直接的な競技力向上にも寄与することができた。また、講習会の案内と報告は県協
会のホームページに講習会関連のコーナーを設けて随時更新をした。その他には、大会前
の代表者(監督)会議など当該カテゴリーが集まる機会などを有効に活用するなど工夫をし
た。今年度は八重山での講習会も開催した。次年度は宮古島など他の離島でも開催したいと
考えている。
②国内コーチ研修は、(1)中央での講習会等派遣と(2)県外大会でのコーチ研修を実施
した。
(1)国内コーチ研修では中央、主に東京などの大都市で開催される日本体育協会、ある
いは日本ハンドボール協会が開催する研修会などに有望な若手の指導者を派遣し、研鑽
を積ませた。7つの全国規模の講習会に、のべ10名の若手指導者を派遣した。指導者に
は講習会受講後、講習会の内容を伝達する伝達講習会の講師をした者もいる。それ以外
の者にも伝達講習会を次年度以降、開催する予定である。(派遣講習会等:日本体育協会
公認コーチ資格講習会【日本体育協会・日本ハンドボール協会】、全国U-12指導者研修会
【日本ハンドボール協会】、トップコーチセミナー【同】、コーチ・レフェリーシンポジウム
【同】)
(2)県外大会でのコーチ研修では、県外での全国あるいはブロック規模の大会にコーチ
の補助として帯同させ、県外遠征でのチームマネジメントなどを学ぶことを目的とし実施し
た。。離島県沖縄の課題として、選手と同じように指導者も遠征に慣れなければならない。
今年度は5大会に、のべ11名の若手指導者を派遣した。全国大会で上位に入賞、また優
勝した種目もあり非常に良い研修になったのではないかと考えている。(派遣大会:九州ブ
ロック国体・長崎国体・JOC九州・JOC全国・ピーチカップ)
次年度の取り組みは①講習会および研修会のさらなる充実である。沖縄県のベクトルを
まとめていくためにも、協会が持つポリシーにそってトップダウンで講習内容を決定するこ
とは重要なことである。それと加えてアンケートやヒヤリングを通して、指導者が抱えてい
る課題などを調査するニーズ分析をし、受講生の満足度が高まり向学意欲が高まる仕掛
けを考えている。前述したが、国内コーチ研修参加者を講師にした講習会も開催したい。
それから、今年度は達成できなかった国外講師の招聘も実現に向け準備を進めたいと考
えている。さらには、日体協上級コーチ養成講習会への派遣や、指導員養成講習会の開
催の検討も視野に入れている。
最後になりますが、沖縄県ハンドボール協会は50周年を迎えるにあたり、今後一層の発
展に向けて協会一同邁進する所存でございます。
今回、本事業の機会を与えていただいた沖縄県ならびに沖縄県体育協会に心から感謝
申し上げます。次年度以降も、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
文責:指導担当委員 仲田 好邦