宮原浄水場等運転管理業務委託仕様書 第1章 総則 (目的) 第1条 本仕様書は,呉市上下水道局(以下「委託者」という。)が管理する呉市宮原浄水 施設,広島県宮原浄水施設,呉市工業用水施設及び場外施設(以下「宮原浄水場等」と いう。)における施設の運転管理を円滑に行い,宮原浄水場等の機能を十分に発揮し, 維持管理の適正な運営を図るため,運転管理業務委託に係る仕様を定めることを目的と する。 (業務の履行) 第2条 本業務を受注する事業者(以下「受託者」という。)は,宮原浄水場等の機能を 十分達成できるよう,契約書,仕様書その他関係書類(現場説明を含む。)に基づき委 託者と協議し,能率的及び経済的かつ適切に業務を履行しなければならない。 2 受託者は,宮原浄水場等の構造,性能,系統及び関連施設の状況を熟知し,宮原浄水 場等の運転に精通するとともに,常に問題意識を持ち,創意工夫し,業務の履行に努め なければならない。 3 受託者は,施設の運転を停止させてはならないということを肝に銘じ,あらゆる事態 に対処出来る体制を整えなければならない。 (業務の履行場所) 第3条 業務は,呉市青山町5番2号の宮原浄水場において履行する。 (業務の範囲及び内容) 第4条 委託業務の範囲及び主な内容は,次のとおりとし,詳細は各種業務要領書による ものとする。 (1) 宮原浄水場等の運転監視及び運転管理業務(中央監視室での監視業務が対象) ア 場外施設監視及び運転操作 イ 場内施設監視及び運転操作 ウ 導水,送水ポンプ監視及び運転操作 エ 浄水処理施設監視及び運転操作 オ 排水処理施設監視及び運転操作 カ 魚類監視 キ 上記の記録及び報告書の作成 (2) 宮原浄水場等の維持管理業務(現場での維持管理業務が対象) ア 施設,設備等巡視点検業務 イ 水質検査業務 ウ 上記の記録及び報告書の作成 (3) 保安業務 ア ITV監視及び警報装置による保安業務 イ 門の開閉及び施錠等 (4) 緊急時対応業務 ア 水質異常時対応 イ 機械及び設備異常時対応 ウ 地震等災害時対応 1 (委託実施期間) 第5条 本業務の委託期間は,平成27年4月1日から平成30年3月31日までとする。 ただし,契約日から平成27年3月31日までの期間は習熟期間として,当該期間に要 する費用は,受託者の負担とします。 (法令の遵守) 第6条 受託者は,常に善良なる管理者の責任をもって,業務を履行しなければならない。 2 受託者は,労働関係法令の遵守はもとより本業務の履行に当たり,水道法,水質汚濁 防止法,電気事業法,消防法その他関係法令を遵守しなければならない。 (業務従事者の届出及び取消し) 第7条 受託者は,契約締結後,業務従事者の住所,氏名,年齢,経歴,職務分担及び資 格を書類にして委託者に提出しなければならない。また,異動がある場合も同様とする。 2 委託者は,受託者の業務従事者で業務上不適格と判断した場合は,理由を付して受託 者にその交代を要請することができる。この場合においては,委託者と受託者とで協議 を行い,その結果必要と見られる場合は,受託者は速やかに後任者を選任し,交代させ るものとする。 (総括責任者及び副総括責任者の選任) 第8条 受託者は,業務従事者の中から総括責任者及び副総括責任者を選任の上,経歴書 等の書類を委託者に提出しなければならない。また,異動等による変更の場合も同様と する。 2 受託者は総括責任者の退職等,委託者がやむを得ないと認める場合を除き,契約期間 において選任した総括責任者を変更することができない。 (総括責任者の職務) 第9条 総括責任者の職務は,次のとおりとする。 (1) 現場の最高責任者として,常に業務従事者の指導及び監督を行うこと。 (2) 契約書,仕様書その他関係書類(現場説明を含む。)により,業務の目的及び内容 を十分理解し,本業務を行うこと。 (3) 業務従事者に対して現場研修を行い,技能の向上及び事故の防止に努めること。 (4) 常に状況を的確に把握し,緊急時の対応を迅速に行うこと。 (5) 委託者との連絡を密にし,意思の疎通に努めること。 (6) その他本業務遂行のため必要な業務を適切に行うこと。 (総括責任者の要件) 第 10 条 総括責任者は,次の要件を全て満たす者とする。 (1) 地方公共団体又はそれに準ずる機関(公社,事業団体等。以下「地方公共団体等」 という。)の処理能力 20,000 ㎥/日以上の上水道の用に供する浄水施設(凝集沈澱急 速ろ過方式。以下同じ。)の運転管理業務に3年以上従事した経験を有し,かつ,責 任ある立場で従事者の指揮監督経験があり,運転管理について高度な技術力及び的確 な判断力を有すること。 (2) 水道技術管理者の資格を有する者であること。 (3) 水道浄水施設管理技士(2級以上)の資格を有すること。 (副総括責任者の要件) 第 11 条 副総括責任者は,次の要件を全て満たす者とする。 (1) 地方公共団体等の処理能力 20,000 ㎥/日以上の上水道の用に供する浄水施設の運 2 転管理業務に2年以上従事した経験を有し,かつ,責任ある立場で従事者の指揮監督 経験があり,運転管理について高度な技術力及び的確な判断力を有すること。 (2) 水道技術管理者又は水道浄水施設管理技士(3級以上)の資格を有すること。 (技術員の要件) 第 12 条 技術員は,上水道の用に供する浄水施設の運転管理業務に1年以上従事した経験 を有すること。なお,配置する技術員の2名以上は,水道浄水施設管理技士(3級以上) の資格を有すること。 (資格保有者の配置) 第 13 条 受託者は,業務を履行するため,次の資格保有者を1名以上配置しておかなけれ ばならない。 (1) 床上操作式クレーン運転技能者 (2) 玉掛技能者 (提出書類) 第 14 条 受託者は,業務の履行に当たり,次の書類を定められた期限までに委託者に提出 しなければならない。 (1) 委託開始までに提出する書類 ア 着手届 イ 組織表(現場管理及び安全管理) ウ 総括責任者及び副総括責任者選任届(経歴書添付) エ 業務従事者届出書 オ 業務履行計画書 カ 事務室等行政財産使用許可申請書 キ 水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)第16条第1項に規定する健康 診断結果報告書 ク その他委託者が必要とする書類 (2) 毎日提出する書類 ア 業務日誌 イ 日常点検日誌 ウ 毎日水質検査報告書 エ その他書類 (3) 毎月提出する書類 ア 月間業務実施計画書(前月の25日までに提出) イ 月間業務完了届(業務完了した日から起算して5日以内に提出) ウ 月間業務完了報告書(業務完了した日から起算して5日以内に提出) エ その他書類 (4) 毎年提出する書類 ア 年間業務実施計画書(前年度の1月末までに提出) イ 年間業務完了届(業務完了した日から起算して5日以内に提出) ウ 年間業務完了報告書(業務完了した日から起算して5日以内に提出) エ 水道法施行規則第16条第1項による健康診断結果報告書(6 月毎) (5) その他委託者が要求するもの (業務完了検査) 第 15 条 業務完了検査は,次の方法により行うものとする。 (1) 月間業務完了検査については,次のとおりとする。 3 ア 月間業務完了検査は,月間業務完了届の提出を受けた日から起算して10日以内 に,委託者と受託者とが立会いのもとに行うものとする。 イ 検査日及び場所については,委託者と受託者とが協議して定めるものとする。ま た,受託者は,業務完了した日から起算して5日以内に月間業務完了届を委託者に 提出すること。(業務の完了については,委託者の承認を受ける必要がある場合が ある。) ウ 検査は,月間業務実施計画書に基づき受託者が提出した月間業務完了報告書の内 容について照合・確認を行う。 (2) 年間業務完了検査は,次の方法により行うものとする。 ア 年間業務完了検査は,受託者から年間業務完了届が提出された以降に,委託者が 受託者立会いのもとに行うものとする。 イ 検査日及び場所については,委託者と受託者とが協議して定めるものとする。ま た,受託者は,業務完了した日から起算して5日以内に年間業務完了届を委託者に 提出すること。 ウ 検査は,年間業務実施計画書に基づき受託者が提出した年間業務完了報告書の内 容について照合・確認を行う。 (業務従事者の勤務体制) 第 16 条 受託者における業務従事者の勤務体制は表-1のとおりとする。 2 受託者は,事故,災害等の緊急時のために委託者と総括責任者とが常に連絡を取れる ような体制にしておかなければならない。また,概ね1時間以内に1名以上の業務従事 者が宮原浄水場等に出動できる体制を整えなければならない。 3 受託者は,常に統括責任者と勤務中の業務従事者が連絡をとれる体制を整えておかな ければならない。 表-1 業務従事者の勤務体制 勤務形態 毎日の夜勤業務 土・日及び休日の 日勤業務 勤務時間・体制 毎日 17時00分~翌9時00分 業務従事者 2名以上 8時30分~17時15分 業務従事者 2名以上 ※ 休日とは,国民の祝日に関する法律(昭和 23 年法律第 178 号)に規定 する休日(以下「祝日法による休日」という。)及び 12 月 29 日から翌年 1 月 3 日までの日(祝日法による休日を除く。)である。 (安全管理) 第 17 条 受託者は,業務の実施に当たり法令などに基づいて安全管理に関する事項を定め なければならない。 2 受託者は,感染症等に対して,平素から安全衛生管理を十分に行うとともに,重大か つ緊急事態に備え,連絡体制等について必要な準備をしておくものとする。 (教育及び訓練) 第 18 条 受託者は,業務従事者に対して,宮原浄水場等の必要な知識及び技能に関する 教育をしなければならない。 2 受託者は,業務従事者に対して,事故その他災害が発生したときの処置について,実 施指導及び訓練を行わなければならない。 4 (業務計画) 第 19 条 受託者は,第14条に定める計画書の作成に当たっては,委託者と協議しなけ ればならない。 2 受託者は,業務の実施についての協議事項等について協議録として記録し,処理した 協議事項等については,その結果を委託者に報告しなければならない。 (業務日報等の報告) 第 20 条 受託者は,業務完了後その報告を次に定める期日までに委託者に提出しなけれ ばならない。 (1) 業務日誌,日常点検日誌,毎日水質検査報告書等-翌朝 (2) 各種月報等報告書-翌月の5日(その日が休日等に当たるときは,その日後にお いてその日に最も近い休日等でない日)まで (3) 前2号以外-随時 (業務打ち合わせ記録) 第 21 条 受託者は,業務履行上の打合わせ,協議事項等については,その要旨等を記録し, 委託者の確認を得なければならない。 (機密の保持) 第 22 条 受託者は,業務の履行に際して知り得た事実を第三者に漏らしたり,他の用途に 使用してはならない。なお,この契約が終了した後においても同様とする。 5 第2章 作業要項 (運転管理) 第 23 条 受託者は,各種機器の役割,機能を十分に理解し,業務を適切に行わなければな らない。 2 宮原浄水場等について水量又は水質の異常が予測される場合又は認められた場合には, 委託者に通報するとともに安全で安定した水を供給出来るよう業務に努めなければなら ない。 3 受託者は,業務履行に当たり常に創意工夫を心がけ,運転の効率化を目指さなければ ならない。 4 受託者は,運転監視及び巡視点検中に不良箇所,事故又は故障の発生した破損箇所を 発見した場合は,委託者に報告しなければならない。また,簡易修理可能なものについ ては,委託者と協議し,承認を受けて処置しなければならない。ただし,緊急を要する 場合は,直ちに応急処置を行うとともに委託者に連絡するものとする。 5 受託者は,前項の処置を行った場合,委託者が必要と認めたときは,状況報告書を委 託者に提出しなければならない。 (運転管理マニュアルの整備) 第 24 条 受託者は,委託者が作成して使用している運転操作に関するマニュアル等を基本 とし,宮原浄水場等の「運転監視マニュアル」,「運転操作マニュアル」等を契約期間内 に作成するものとする。なお,各マニュアルの作成状況,内容については,適宜報告し, 委託者と受託者とで協議の上,修正又は作成するものとする。なお,作成されたマニュ アルの著作権は,委託者に帰属する。 (火災の防止) 第 25 条 受託者は,施設の火災を未然に防ぐため,火気の取扱いに細心の注意を払い,火 災の防止に努めなければならない。 (保安及び盗難の防止) 第 26 条 宮原浄水場等への侵入者並びに設備機器及び工具類の盗難の防止については,十 分監視に努め,委託業務場所の保安をしなければならない。特に夜間についての保安に 留意する。 6 第3章 その他 (事務室等の使用) 第 27 条 業務履行に必要な事務室,浴室,トイレ,備付器具等は,契約期間中,委託者が 受託者に無償で使用させるものとする。受託者は,常に善良なる管理者の責任をもって 管理し,き損,汚損等が生じた場合の弁償は,受託者の負担とする。 2 受託者は,事務室等の使用に伴う光熱水費については,負担を要しないものの節水及 び節電に努めなければならない。 3 受託者は,業務従事者に対し,火気の後始末を徹底させ,火災の防止に努めなければ ならない。 4 業務従事者は,業務に従事するときは,無料で場内の委託者の指定した駐車場所を使 用することができる。 (完成図書,工具等の貸与) 第 28 条 業務履行上必要と認めた完成図書,工具,試験器具その他備品類については,委 託者の許可又は指示により使用することができるものとする。業務従事者の安全衛生対 策用器具については,原則として受託者が備えるものとする。 2 受託者は,貸与品についての台帳を作成し,その保管状況を常に把握し,受託者の責 めによるき損,盗難,紛失等があった場合は,受託者が弁償するものとする。 (鍵の貸与) 第 29 条 業務履行上必要と認める宮原浄水場等(場外施設を除く。)の建屋入口扉等 の鍵を常時貸与するものとする。 2 前項の鍵の保管及び使用に当たってはき損,紛失等しないように十分に注意し, 受託者の責めによるき損,紛失等があった場合は,直ちに委託者に報告し,受託者 が弁償するものとする。 (事務用品等) 第 30 条 業務履行に要する事務用品,什器,修繕等に必要な消耗品等については,受託者 の負担とする。 (支給品) 第 31 条 業務に必要とする次の物品は,委託者が支給するものとする。なお,その受渡し 及び取扱い上の注意事項については,委託者の指示に従うものとする。 (1) 電気,ガス,水道 (2) その他必要と認めた物品 (通信機器等) 第 32 条 受託者の事務室の電話は,受託者が受託者の費用負担で設置し,通信費用も受 託者が支払うものとする。ただし,宮原浄水場等の運転管理に際して必要な業務連絡を 行うに当たっては,委託者の場内電話設備を使用することができる。 (業務従事者の規律,服装等) 第 33 条 受託者は,業務従事者の衛生,風紀及び規律の保持に関し,一切の責任を負う ものとする。 2 受託者は,業務従事者に委託者の職員と明確に区別できる服装を着用させ,写真入り 胸章で区別できるようにしなければならない。 (事業実施におけるリスクマネージメント) 第 34 条 事業実施における宮原浄水場等の施設について,その水道法上の責任は委託者に あるものとし,本事業範囲における施設の運転・維持管理上の責任は原則として受託者 7 が負うものとする。ただし,委託者が責めを負うべき合理的な理由がある事項について は,この限りでない。 2 リスクの分担及びリスクマネージメントについては,表-2に基づき,その程度や具 体的内容については,別途リスク等協議書を委託者と受託者とで協議の上,作成するも のとする。 表-2 項 目 第三者賠償責任 住民問題 事故の発生 環境問題 不可抗力 債務不履行 事故,労災等 業務委託の 設計変更 委託者からの 賠償責任要求 施設等の損傷 リスク分担表 リスクの内容 リスク分担 委託者 運転管理業務による騒音・振動等の場合 ○ 運転管理業務に関する住民反対運動,訴訟等 ○ 運転管理業務をする上での事故発生等の対処 受託者の責めによる事故の対処 運転管理業務をする上での環境破壊等の対処 受託者の責めによる環境破壊の対処 ○ 天災等による業務内容の変更等 ○ 受託者 ○ ○ ○ 受託者の債務不履行による契約破棄等 ○ 運転管理業務における受託者の業務従事者の事故 (交通事故等を含む。)・労災等 ○ 条件提示・指示の不備及び変更 運転に際して受託者の責任で事故等が発生し,委 託者から賠償責任を追求されることにより,業務 が中断する場合 受託者の運転ミスによる施設等の損傷 上記以外の事故・災害・天災等による 施設等の損傷 ○ ○ ○ ○ (賠償責任) 第 35 条 契約期間中に生じた誤操作による機器等の破損,故障等は受託者の負担において 速やかに補修,改善又は取替え及び解決を行うものとする。ただし,受託者の責めに帰 さない場合は,この限りでない。 2 受託者は,受託者の責めに帰すべき事由により第三者に損害を与えた場合,第三者に 対しその損害を賠償する責めを負う。ただし,受託者の責めに帰さない場合は,この限 りでない。 3 受託者は,業務履行に当たり受託者の責めによる損害発生事故対応として,賠償責任 保険に加入していなければならない。ただし,契約書に記載する賠償責任保険に該当す るものとする。 4 受託者は,受託者が準備する車両に対し,必要な保険に加入するものとする。 (業務の引継) 第 36 条 受託者は,委託契約の日から業務履行開始日までの期間において委託者から業務 に関する技術指導を受け,業務の履行に支障を来すことのないようにしなければならな い。 2 受託者は,業務従事者の人事異動等により従事する者に変更が生じた場合,業務の履 8 行に支障のないようにしなければならない。 3 受託者は,業務履行期間中に,新たに業務に従事する者に対して第4条に規定する全 ての事柄について,業務に支障のないように技術指導を行わなければならない。 (雑則) 第 37 条 受託者は,維持管理上,当然必要な業務等は良識ある判断に基づいて行わなけれ ばならない。 2 業務等にかかる資料の提出を委託者が要求した場合は,速やかに応じなければならな い。ただし,受託者の機密に関する事項と判断した場合は,この限りでない。 (疑義) 第 38 条 この仕様書に定めのない事項又はこの仕様書に疑義が生じたときは,必要に応じ て委託者と受託者とで協議して定めるものとする。 9
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