平成 26 年度 札幌国際大学「安心子育て応援倶楽部」活 動の記録 平野

平成 26 年度
開催初年度の平成 20 年から翌 21 年にか
札幌国際大学「安心子育て応援倶楽部」活
けては付属幼稚園在園児と入園前の乳幼児
動の記録
やそのお友だち、また近隣小中学生と親が
平野
良明
1、今年度の開催日と参加者数
(
月/日
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
5/10
6/7
7/5
10/18
11/29
12/20
1/30
2/28
合計
(昨年)
大人
コミで集っていた。その後、50 名を超える
)は昨年度数
子ども
付属幼稚園(年少児家庭)経由の案内と口
合計
活動適性数が集まるようになってからは継
続参加希望者を登録制とし、登録者への開
催案内配布によって実施している。
51
73
124
(28)
(46)
(74)
平成 27 年 3 月の登録者数は以下に示した
34
60
94
通りで、地元清田区が中心であるが手稲区
(20)
(37)
(57)
や遠くは千歳市、栗山町などにも拡がり、
37
74
111
東北震災による被災避難家族も登録会員と
(22)
(41)
(63)
なって今日も継続して参加している。
30
56
86
(25)
(41)
(66)
地域
39
57
96
清田区
92(68)
(30)
(44)
(74)
豊平区
9(8)
22
41
63
厚別区
8(6)
(21)
(35)
(56)
北広島市
8(2)
29
51
80
白石区
3(2)
(13)
(17)
(30)
29
59
88
(26)
(45)
(71)
271
471
742
( )内前年数
(185)
(306)
(491)
参加スタッフは子ども心理専攻教員と学
〈登録家族居住地域〉
世帯数
各 2(1/0)
西区・手稲区
各1(各 1)
南、東・栗山町・石狩市・千歳市
計
129(92)
生、心理学研究科大学院生、研究科教員、
地域の付属幼稚園を含む幼稚園・保育園・
参加者数前年比
大人 …46.5%増(前年 185 名)
小学校現職教員(OB・OG 含む)、現職臨
子ども…54.0%増(前年 306 名)
床心理士等、常時 20 名以上(多い時は 50
合計 …51.1%増(前年 491 名)
名を超える)が集まり、乳幼児期からの子
〈26 年度 登録会員数〉
(
どもと遊び、観察し、また親ともおしゃべ
)内前年
129(92) 世 帯 、 親 145(107) 名 、 子 ど も
りをし、相談を受けたり、心理相談研究所
235(166)名、合計 380(273)名(平成 27 年 3
への橋渡しをしたりしながら参加者の期待
月 31 日現在)
に応えている。
また、現代文化学科の学芸員資格取得希
2、参加者とスタッフについて
望学生や臨床心理専攻学生、さらには教職
課程で学ぶ学生の活動参加も受け入れてい
るが、ここ 2 年連続で関心を持った高校生
の参加も見えるようになってきている。
なお、案内発送、参加者受付、参加者加
入保険手続き等、活動全体の掌握、コント
ロールは心理相談研究所事務担当者にお手
伝いいただいている。
3、 今年度の活動の流れ
活動の流れは、定着し、準備、開会、諸
(学生による成果発表/人形劇)
活動、閉会、後片付けまで、スタッフのス
ムーズなリードのなかで円滑な運営が安定
的に為されるようになってきている。
《全 8 回の流れの様子》
08;30
ボランティア学生集合準備開始
09;40 頃 受付開始
10;00
開会
学生による成果発表(6 回)
日頃の学習成果や練習成果をゼミやグル
(学生による成果発表/劇)
ープで行う
特別プログラム(2 回)
秋には北海道公演に訪れている劇団バク
をゲストとして招き、楽しく劇を演じても
らうと同時に、学生に大道具、小道具など
の作成や活用の助言を頂く。年明けには弦
楽四重奏の生演奏を親子と共に楽しむ。
(特別プログラム 劇団バク「醜いアヒルの子」)
学生による開会式
(特別プログラム、親子のための音楽会)
特別プログラム以外の活動日は
10;30
子ども達は自由遊び
お散歩も、読み聞かせも、お兄さんお
姉さんが準備した遊びコーナー、工作など
の活動コーナーもあります。
父母はミニ講演・相談・お喋り、ミニ
講演の後には手芸コーナーも楽しめます。
小学生と上手に遊んでいます
子育てミニ講演
育児・子育てを取り巻く情報の中には誤
ったものも、お金儲けを前提としたものも
カプラは大人でも夢中になります
あり、多くの親の不安はその都度、増しま
す。ミニ講演は親の不安と向き合いながら、
子育てと「親育ち」を考えます。
自由時間の活動の様子から
10 時半からの自由時間は学生たちが子
ども達と遊んだり、準備してきた遊びのプ
ログラムを子ども達に提供します。
子ども達の育ち合いを見守る学生にとっ
て、多くの気づきと発見の時です。
みんな大好き、木のプール
学生と小学生と赤ちゃんと
雨上がりには泥んこあそびも
スタッフ(ベテラン現職)に親も安心
上の子はお姉さん先生と遊んでいます
何か月かな
スタッフ(臨床心理士)とお母さん
蚕(かいこ)、繭玉もスタッフが持参しました
触れない学生を不思議そうに見つめる小学生(笑)
現代文化学生による砂絵コーナーも人気です
手芸コーナーは大人気の交流の場です
11:45 頃から閉会プログラムと閉会式
4
成果と課題
毎年、少しずつ参加者数が増えているこ
とは、参加者により本活動が評価されてい
ることの解りやすい評価と考えることがで
きる。また、活動が始まって 7 年を経過し、
当初参加の小学生は高校生になり、その年
代の子どもを持つ親からは、
「卒業」とか「親
だけ留年」などの声も聞かれる。
全員輪になって
「困ったことがあったらまたいらっしゃ
い」とのスタッフからの声を受け、参加者
が入れ替わっていくことは「安心子育て応
援倶楽部」の活動として、不思議を感じず
に受け止めることのできる事態である。
参加者に対する、活動後のアンケートや
最終回後の座談会では、本活動が
○ 親も子も楽しい時間
閉会式でご挨拶
○ 心から、ホッとできる時間
○ いつでも相談できる場
○ 専門家との相談の場への入り口
○ 学びの場
○ 交流の場
を提供してくれており、
「今後の継続や発
展を願う」という昨年同様の評価が多く、
年間 8 回以上の開催を望む声もある。
次回にまた(スタッフと若いパパと)
これらの点から、本活動は孤独になりが
ちと言われる今日の子育て環境下で、参加
者の子育てを豊かにまた、参加者同士の交
流を支える役割を担う活動となっていると
自己評価している。
一方、特に心理学科で保育者、相談者を
目指す学生、院生にとっては、ありのまま
の親子の姿に直接触れ合うことができ、ま
片付けの後には反省会です
た、乳幼児期からの子を持つ親の悩みが持
12;00 閉会(親子解散)
ち寄られる場に参加できることは、他大学
12;30
では体験し難い学びの場となっている。こ
片付けの後の反省会はスタッフの
教員や現職の先輩から助言も頂きます。
の点は本学におけるこの活動の大きな意義
と評価している。
今年度、学生の参加は心理学科子ども心
理専攻だけでなく、臨床心理研究科院生、
5
子育て「ミニ講演」
第1回「ただ事でない子育て状況」
現代文化学科学芸員資格取得希望学生、教
職課程所属生も含まれた。また、本活動に
関心を持ち、オープンキャンパス以降に参
柳田邦男『生きなおす力』よりメデ
ィアと子育て、絵本の力
第2回「生涯教育における乳幼児期、児童
加していた高校生が専攻に入学し、新年度
期の育ち」
に 3 年生になる生徒もボランティアとして
改めて、根っこを育てる幼児教育
参加していることも好ましい現状として受
け止めている。
活動が展開される過程で、保育音楽療育
士を目指し学んでいる学生が学びの成果を
第3回
「あと伸び脳」って何?
あと伸び脳の育て方
2,006 年、AERA4 月 10 日号記事より
第4回
「幼稚園の先生が選んだお勧め絵
確かめながら参加し、園芸療法士資格の取
本 BEST10」
得を目指す学生が、庭園で子ども達と花や
私の「読み聞かせの思い出・・・ベロ
実に触れる姿があった。
だしチョンマのこと」
次年度以降、さらに意欲ある学生の成果発
表の場として、また課題発見・深化の場と
し
第 5 回 劇団バクの「みにくいアヒルの子」
公演後、少し短めに
「学習、生活習慣と学力」
て、そして地域の親の安心と子の豊かな育
睡眠、食事、スマホ、ゲームそして学
ちを支え応援する場として、本活動の持続・
力
発展を企図していきたい。
第6回「
『個電』子育てを阻害するもの」
卒業生、市立認定こども園「にじいろ」
の保育士、大熊沙紀さんを招き、今日
の子ども部屋の考え方について平野と
コラボミニ講演
子どもの個室は引き籠りの温床か
第 7 回「家庭教育の基本」
家庭の教育力の低下について、政府も
文科省もマスコミも学校も、声をそろ
えています。では、家庭教育は何をす
るの。後姿の教育、改めて言葉と立ち
朝の受付: 研究科院生がお世話しています
居振る舞いの躾について考えます。
そして、お母さんの笑顔の力について
も話します。
第8回
弦楽四重奏を楽しんで「豊かな感
性の育ちと共感力」について、そして
前回に引き続き「家庭教育」
子どものメディア対策について。