書写部会 - 木更津市まなび支援センター

Ⅱ
木更津市教育研究会
書写部会
研究・研修記録
部会長
大胡利一
Ⅰ
研究主題
生きる力を育む書写教育のあり方
基礎・基本を大切にして,主体的に学ぶ書写学習を目指して
Ⅱ 研修の内容
1 研修の経過
(1)6月 7日(土)
於:君津市八重原公民館
○実技研修 篆刻講習会
講師
千葉県立国府台高等学校 後藤 浩教諭
(2)6月19日(木)
於:君津メディカルスポーツセンター(四市合同開催)
○レポート検討会
提案者
木更津市立岩根小学校
在原 義雄教諭
(3)8月 7日(木)
於:君津市八重原公民館(四市合同開催)
○実技研修 書写指導および実技講習会
講師
東京学芸大学
長野 秀章教授
(前文部科学省初等中等教育局教育課程教科調査官)
(4)8月22日(金)
於:君津市八重原公民館(四市合同開催)
○指導案検討会
袖ケ浦市立蔵波中学校
岡田 淳教諭
(5)11月 6日(木) 於:袖ケ浦市立蔵波中学校(四市合同開催)
○研究授業
第3学年「身のまわりの多様な文字に関心を持ち,効果的に文字を
書こう・年賀状」
授業者
袖ケ浦市立蔵波中学校
岡田 淳教諭
講師
前 君津市立周西中学校 能城 美恵子教諭
千葉県立上総高等学校
山口 英徳教諭
2 研修内容
(1)「篆刻作成講習会」は,ここ数年の恒例となった。氏名のひと文字を,白文印か朱
文印のいずれかで彫った。篆刻作成の手順を身につけ,わずかな時間で作成するこ
とができるようになった。
(2)1年間の実践をレポートにまとめ上げていった。
(3)長野先生による「実技研修会」も恒例となった。教科書にしめされた教材を実際に
書いてみた。指導する上でのポイントをわかりやすくご指導いただいた。
(4)11月の授業研究会に向けて,指導案検討を行った。全員で行うことにより,学習内
容や指導上のポイント等把握することができた。
3 研究授業
「身のまわりの多様な文字に関心を持ち,効果的に文字を書こう・年賀状」
袖ケ浦市立蔵波中学校 第3学年 国語科(書写)学習指導案 指導者 岡田 淳 教諭
(1)本時の指導(2/3)
目標
○目的に応じて,様々な書式を効果的に生かそうと興味・関心を持って取り組もうとする。
(関心・意欲・態度)
○目的に応じた形式や用具を効果的にいかそうと考え,日常書写との関連を意識して書く
ことができる。
(技能)
(2)展開
学
習
課題
時配
見
つ
け
る
5
学 習 活 動 と 内 容
○指導・支援の留意点
★評価
1.前時の学習を振り返る。 ○文字には伝達性と表現性があること
2.学習内容をつかむ。
を確認させる。
筆文字を使った年賀状の構成を考えよう。
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資料
Ⅱ
木更津市教育研究会
知
る
研究・研修記録
3.年賀状を鑑賞する。
5
4.自分が書きたい語句を選ぶ。
選択肢(賀詞)
・迎春 ・賀正 ・謹賀新年
必須(本文)
・今年もよろしくお願い致します。
15
5.構成を考える。
・手本と飾りを紙面に配置する。
と
ら
え
る
手本 台紙
手本
20
○ 実 際 に も ら っ た 年 賀 状 を 実 物 投 影 実物投影
機を用 い ,鑑賞させる。
機
○用意しておいた手本の中から,自分 年賀状
の書きたい語句を選ばせる。
○手本は,賀詞と本文を用意し,本文 手本
は行書を用いた漢字かな交じり文, (賀詞
賀詞の書体は指定せず,自分の工夫
本文)
を生かせる場とする。賀詞手本は,参考
として楷書・行書の両方を用意する。
○はがき大の紙面に手本を配置し,構 手 本 用
成を工夫させる。予め用意した折り の台紙
紙を切った物や,干支のイラストも 折 り 紙
同様に配置し,全体のイメージをつ 干 支 イ
かませる。
ラスト
練習用台紙
折り紙
6.練習用台紙を作成する。 ○筆ペンは全員に同じ物を配布して使 筆ペン
わせる。
○練習用台紙にフェルトペンで中心線 練 習 用
をとらせ,文字の中心を意識させる。 紙
書
く
ま
と
め
る
5
7.練習をする。
★筆文字を使った年賀状の構成を考え
・練習用台紙に半紙をはがき
ることができたか。
大に切った物を置き,練習
する。
8.次時の内容を知る。
○次回は,完成させることを知らせ,
9.後片付けをする。
意欲付けをする。
(3)研究協議
〔成果〕
丁寧な指導により,生徒一人ひとりが年賀状の構成を熱心に考えていた。賀詞の書体
は楷書でも行書でもよしとしていたので,それぞれが書いてみたい書体で工夫しながら
構成したり書いたりすることができた。また,普段から使用頻度の高い筆ペンを使用さ
せ練習させたことは,日常化につながるものであった。
〔課題〕
本時の授業は,構成することが主であったが,文字を練習したり,作品を見合ったり
する(自己批正や相互批正)時間が少なかったので設けることができればよかった。
Ⅲ 成果と課題
1 研修成果
(1)「自己課題を発見し,その課題を改善するための方策を考える。」という君津地方の
書写指導の形式に沿って授業研に取り組むことができたことは,日々の書写指導を充
実させるものであった。
(2)実技研修を通じて,教師一人ひとりの書写技能の向上を図ることができた。また,こ
れらの研修は児童生徒の書写指導に直結するものであり,貴重なものとなった。
2 今後の課題
(1)児童の実態を踏まえた上で,自己課題を解決させるための具体的な手だてや練習用紙
の活用等の工夫をし,書写部員のいない多くの学校に広め書写力を高めていく必要がある。
(2)文字を書く機会が少なくなっている中で,書写の日常化につながる書写授業の工夫を
していく。
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