本改訂版では、解説する基準を米国会計基準から国際財務報告基準(IFRS)に全面移行しま した。2014 年度版から章立てや各章の構成を変更すると同時に、解説するトピックの削除 や追加、記述内容の調整を行っています。各章の主な変更点と内容は以下のとおりです。 Chapter 1 International Financial Reporting Standards and its Conceptual Framework (IFRS とその概念フレームワーク) 《旧 Chapter 1 について、IFRS に関する解説に改訂しました。》 IFRS の成立過程と米国基準および日本基準との関係、IFRS 財団、IASB といった IFRS に関わる組織について解説しています。また、概念フレームワークについては、財務報告 の目的、財務情報の質的特性と構成要素、構成要素の認識と測定などについて解説してい ます。 Chapter 2 Financial Statements(財務諸表) 《旧 Chapter 2 について、IFRS に基づく解説に改訂しました。》 完全な一組の財務諸表のうち、財政状態計算書、純損益およびその他の包括利益計算書、 資本変動計算書、注記において表示すべき項目を解説し、各計算書の表示イメージを掲載 しています。 Chapter 3 Fair Value Measurement(公正価値測定) 《旧 Chapter 20 について、記述内容を調整しました。》 公正価値の定義についての解説を調整し、用語の説明を追加しました。 Chapter 4 Cash and Trade Receivables(現金と売上債権) 《旧 Chapter 4,5 を統合し、IFRS に基づく解説に改訂しました。 》 現金および現金同等物に含まれるもの、および売上債権について解説しています。売上 債権に関しては、予想損失モデルによる貸倒引当金の処理を解説しています。 -1- Chapter 5 Inventories(棚卸資産) 《旧 Chapter 7 について、IFRS に基づく解説に改訂しました。》 棚卸資産の当初認識と測定、事後の測定について解説しています。事後の測定に関して は、LCNRV(lower of cost and net realisable value)による棚卸資産の評価を解説してい ます。 Chapter 6 Property, Plant and Equipment(有形固定資産) 《旧 Chapter 8 について、IFRS に基づく解説に改訂しました。》 有形固定資産の当初認識と測定、事後の測定について解説しています。事後の測定に関 して、再評価モデルによる測定の解説を追加しました。また、政府補助金の認識と表示に ついての解説を追加しました。 Chapter 7 Intangible Assets(無形資産) 《旧 Chapter 9 について、IFRS に基づく解説に改訂しました。》 無形資産の定義、当初認識と測定、事後の測定について解説しています。当初認識と測 定に関して、自己創設無形資産の研究局面と開発局面への分類についての解説を追加しま した。 Chapter 8 Impairment of Property, Plant and Equipment, and Intangible Assets(有形 固定資産および無形資産の減損) 《新しい章を作成しました。 》 固定資産の減損の兆候、回収可能価額の測定、減損損失の認識と測定、減損損失の戻入 れについて解説しています。減損損失の認識と測定に関しては、個別資産、資金生成単位、 全社資産の会計処理について解説しています。 -2- Chapter 9 Lease(リース) 《旧 Chapter 16 について、記述内容を調整しました。》 投資不動産についての解説を追加しました。 Chapter 10 Financial Assets(金融資産) 《新しい章を作成しました。 》 IFRS 9 に基づいた金融資産の分類、予想損失モデルによる金融資産の減損、金融資産の 譲渡、デリバティブ、ヘッジ会計について解説しています。 Chapter 11 Financial Liabilities(金融負債) 《旧 Chapter 11 について、記述内容を調整しました。》 IFRS 9 に基づいた金融負債の定義、認識および測定、社債の会計について解説していま す。 Chapter 12 Provisions, Contingent Liabilities and Contingent Assets(引当金、偶発負債 及び偶発資産) 《新しい章を作成しました。 》 引当金の認識と測定、偶発負債と偶発資産、引当金の認識と測定ルールの適用例(将来 の営業損失、不利な契約、リストラクチャリング引当金、資産除去債務)について解説し ています。 Chapter 13 Equity(資本) 《旧 Chapter 12 について、記述内容を調整しました。》 資本性金融商品の発行および複合金融商品についての解説を追加しました。 -3- Chapter 14 Revenue Recognition(収益認識) 《旧 Chapter 6 について、IFRS に基づく解説に改訂しました。》 収益の定義、認識と測定について、IAS 18 Revenue(収益)に基づいて解説しています。 工事進行基準に関しては、IAS 11 Construction Contracts(工事契約)に基づいて解説し ています。 Chapter 15 Employee Benefits(従業員給付) 《旧 Chapter 17 について、IFRS に基づく解説に改訂しました。》 従業員給付の 4 つの分類のうち、 短期従業員給付と退職後給付について解説しています。 また、株式報酬について解説しています。 Chapter 16 Income Taxes(法人所得税) 《旧 Chapter 13 について、記述内容を調整しました。》 当期税金負債と当期税金資産、および、繰延税金負債と繰延税金資産について解説して います。 Chapter 17 Statement of Cash Flows(キャッシュ・フロー計算書) 《旧 Chapter 14 について、記述内容を調整しました。》 利息と配当金の表示に関する解説を追加しました。 Chapter 18 Business Combinations / Consolidated Statements(企業結合と連結) 《旧 Chapter 18 について、記述内容を調整しました。》 取得法による合併の会計処理、および、連結財務諸表について解説しています。また、 関連会社による投資の会計処理として、持分法について解説しています。 -4- Chapter 19 The Effects of Changes in Foreign Exchange Rates(為替レート変動の影響) 《旧 Chapter 21 について、記述内容を調整しました。》 外貨建取引、および、外貨建財務諸表の換算について解説しています。 Chapter 20 Accounting Policies, Changes in Accounting Estimates and Errors(会計方 針、会計上の見積りの変更及び誤謬) 《旧 Chapter 15 について、記述内容を調整しました。》 会計方針の変更、会計上の見積りの変更、誤謬の訂正について解説しています。 Chapter 21 Earnings per Share(一株当たり利益) 《旧 Chapter 12 の一部について、記述内容を調整して独立した新章としました。 》 Basic EPS、および、Diluted EPS について解説しています。 Chapter 22 Interim Financial Reporting(期中財務報告) 《旧 Chapter 22 について、記述内容を調整しました。》 期中に開示される財務報告書について、収益、不規則に発生するコスト、主要な計画的 修繕・修理、法人税、会計方針の変更に関する概要を解説しています。 Chapter 23 Operating Segments(事業セグメント) 《旧 Chapter 22 の一部について、記述内容を調整して独立した新章としました。 》 報告セグメントの識別基準、および、セグメント情報の開示について解説しています。 -5-
© Copyright 2024 ExpyDoc