第7章 ごみ処理基本計画 第1節 1 排出抑制・再生利用に関する計画 ごみの排出抑制・再生利用に関する基本方針 ごみの排出抑制・再生利用の基本方針は、計画を推進するための施策の具体化に取り組み、 「第1章 第3節 計画の基本理念」で設定した基本方針である「ごみ減量化・資源化のより 一層の推進」を図ることとし、関係市町村、上伊那広域連合及び関係組合は、更に排出抑制に 係る目標及び再生利用に係る目標に向かってより一層努力することとする。 ごみの排出抑制・再生利用に関する基本方針を整理すると次のとおりである。 ○ごみ減量化・資源化のより一層の推進 ○「排出抑制に係る目標」及び「再生利用に係る目標」の遵守 ○計画を推進するための施策の具体化 2 排出抑制・再生利用の推進 排出抑制・再生利用の推進は次のとおりとする。 2-1 資源物の分別収集の継続 関係市町村においては、現在実施している分別収集を継続するとともに、分別精度の向上 を図る。分別収集の内容及び収集頻度は表7-1及び表7-2のとおりである。 表7-1 現在の分別収集の内容 分別区分 分別の内容 備考 容器包装リサイクル法の対象となる プラスチック容器類 指定袋(紫色文字) 資源物 ○古紙(新聞・広告、雑誌・古本、飲料用 紙パック、ダンボール、雑紙) ○衣類 ○缶(アルミ缶、スチール缶) ○びん(無色、茶色、その他色) ○ペットボトル 各市町村指定の収集方法による 燃やせるごみ 生ごみ、紙類、布類(資源物以外)など 指定袋(赤色文字) 金属類、ガラス類、陶器類、その他 指定袋(青色文字) 容器包装リサイクル法の対象外のプラ スチック類 指定袋(黒色文字) ※伊南行政組合のみ ※伊那市及び伊北環境行政組合では 燃やせないごみ (新ごみ中間処理施設稼働時に分別 区分を燃やせるごみに変更する) 粗大ごみ 粗大物 各市町村指定の収集方法による 廃食用油 廃食用油 各市町村指定の収集方法による 有害ごみ 蛍光管、乾電池(水銀含有)、体温計(水 銀含有)、血圧計(水銀含有)など 各市町村指定の収集方法による 資源プラスチック 燃やせないごみ 廃プラスチック 71 表7-2 収集回数 伊北環境行政組合 項目 伊那市 辰野町 箕輪町 南箕輪村 1回/週 2回/月 2回/月 2回/月 1回/月 1回/月 1回/月 1~2回/月 廃食用油 5~6回/年 1回/月 1回/月 1~2回/月 燃やせるごみ 2回/週 2回/週 2回/週 2回/週 燃やせないごみ 1回/週~2回/月 1回/月 1回/月 2回/月 粗大ごみ 戸別または 3~4回/年 3回/年 - - 有害ごみ 2回/年 2回/年 2回/年 2回/年 資源物 (資源プラ) 資源物 (その他) 伊南行政組合 項目 駒ヶ根市 飯島町 中川村 宮田村 1回/週 1回/週 1回/週 1回/週 1回/月 1回/月(地区) 1回/月 3~4回/月 廃食用油 1回/月 粉石けん原料 3回/年 - 3回/月 燃やせるごみ 2回/週 2回/週 2回/週 2回/週 燃やせないごみ 1回/週 1回/週 1回/週~2回/月 1回/週 廃プラスチック 1回/週 1回/週 1回/週 1回/週 粗大ごみ 4回/年 2回/年 2回/年 有害ごみ 蛍光管3回/年 乾電池1回/年 蛍光管3回/年 乾電池随時 3~4回/月 資源物 (資源プラ) 資源物 (その他) 2-2 9回(地区3回) /年 蛍光管3回/年 乾電池1回/年 収集ごみの有料制度の継続 平成15年度から開始したごみ処理費用有料制度を継続する。この有料制度は3年ごとに 見直しを行い、指定ごみ袋に上乗せするごみ処理手数料等(証紙代金等)の検討を行う。有料 制度の内容は次のとおりである。 1)有料制度の概要 ○ ごみ処理費用有料制度は、規定量までは負担を軽く、規定量を超えてごみを出す場合 は高額な負担となる二段階従量有料制である。 ○ 関係市町村で共通して使用できるごみ袋を指定し、その指定ごみ袋に上伊那広域連合 が発行する証紙を印刷して販売する[伊南地域についてはプラスチック用の袋(黒色文 字)を使用している]。 ○ 指定ごみ袋に上乗せするごみ処理手数料は、ごみ袋 1 枚につき 30 円。 ○ 指定ごみ袋は、指定ごみ袋購入チケットと引換えで購入する。このチケットは、毎年 度末に関係市町村から無料で配布するものと、関係市町村が 1,500 円を徴収して配布 する有料チケットの 2 種類がある。 ○ 指定ごみ袋購入チケット 1 枚で、証紙付指定ごみ袋 1 セット(燃やせるごみ用「小」の 袋については、2 セットまで購入可能)が購入できる。 72 2)ごみ袋の種類 ごみ袋の種類は次のとおりである。 表7-3 指定ごみ袋の種類 ごみ袋の種類 指定市町村 証紙印刷の有無 文字色 燃やせるごみ用(大・小) 全市町村 有り 赤色文字 燃やせないごみ用 全市町村 有り 青色文字 プラスチックごみ用 伊南地域 有り 黒色文字 資源プラスチック用 全市町村 無し 紫色文字 3)指定ごみ袋購入チケット回収事業について 平成22年度から、年度末に各家庭に残った指定ごみ袋購入チケット(未使用チケット) を回収している。このことにより、指定ごみ袋の不必要な購入を抑制し、上伊那圏域内の 住民のごみ減量化・資源化意識の高揚を図る。また、小学校関連団体がチケットの回収に あたることで、小学生の頃からごみ減量化・資源化の学習と実践に取り組む姿勢を培って いく。上伊那広域連合における事業の内容は次のとおりである。 ① 回収の主体は圏域内の小学校等の児童会等とPTA(以下「児童会等」という。 )とし、 関係市町村、関係組合及び各地区の衛生自治会等がこれに協力する。 ② 児童会等は、年度末に児童の家庭の未使用チケットを翌年度回収する。 ③ 上伊那広域連合は未使用チケットの回収に取り組む児童会等に奨励金を交付する。 2-3 生ごみの減量化及び資源化の推進 ○ 生ごみの減量化・資源化は、第一に各家庭で取り組むことが重要であることから、各市 町村が家庭において生ごみを減量するためのメニュー等を示し、啓発に努めるなどの支 援を行う。 ○ 生ごみ処理機・処理容器等の購入補助は各家庭の生ごみの自家処理の推進に一定の効果 が認められることから、補助制度を推進していく。 ○ 生ごみの堆肥化等の資源化施策については費用対効果の検討を十分行う。 2-4 資源化可能な紙ごみの資源化 資源化可能な紙ごみの資源化については、関係市町村で分別収集体制が整えられているが、 燃やせるごみには雑紙(その他の紙)などが混入しているため住民への分別排出方法の周知 の徹底を図る。 2-5 事業系ごみの減量化・資源化 上伊那広域連合のごみの焼却処理施設では、事業所から施設に直接持ち込まれる資源化可 能な古紙類の受入れを平成18年度に中止したが、今後もその徹底を図り、事業系ごみに含 まれる紙ごみの削減を図る。また、事業所に対して、減量化・資源化へ向けた啓発を進めてい く。 73 3 将来のごみ排出量 将来のごみ排出量は次のとおりである。 表7-4 将来のごみ排出量(上伊那広域連合全体) (単位:t/年) 実績 項目 燃やせるごみ 29,439 29,681 4,005 3,994 10,698 10,515 10,092 453 463 480 総計 44,253 44,422 44,247 燃やせるごみ 29,196 28,011 27,456 3,906 3,880 3,831 10,698 10,330 9,967 453 419 406 総計 44,253 42,640 41,660 燃やせるごみ 29,196 27,673 26,865 3,906 3,812 3,766 10,698 10,803 10,688 453 352 341 44,253 42,640 41,660 資源物 燃やせないごみ 資源物 粗大ごみ 燃やせないごみ 再生利用目標達成後の 排出量 H35 3,906 粗大ごみ 排出抑制目標達成後の 排出量 H30 29,196 燃やせないごみ 基本フレームの排出量 目標値 H24 資源物 粗大ごみ 総計 74 第2節 1 中間処理計画 中間処理に関する基本方針 中間処理に関する基本方針は、 「第 1 章第 3 節 計画の基本理念」で設定した基本方針と同一 とし、次のとおりとする。 中間処理施設の整備による安全・安定的な中間処理の実施 2 ① 中間処理施設による安全・安定的な中間処理の実施 ② 燃やせないごみ、粗大ごみ及び資源物の広域的処理施設の整備 中間処理計画 現在ある焼却施設の伊那中央清掃センター及クリーンセンターたつのの老朽化に伴い、平成 10年度策定のごみ処理広域化計画に基づき、可燃ごみの処理を一本化するため新ごみ中間処 理施設の整備を行う。 伊那市・伊南行政組合で処理を行っている燃やせないごみ、粗大ごみ及び一部資源物は伊北 環境行政組合のクリーンセンター八乙女に集約し、上伊那全体で処理の一本化を図る方針であ る。 3 ごみ処理施設 3-1 現焼却施設 新ごみ中間処理施設の稼働までの間は、現焼却施設による処理を継続して行う。改修計画 に基づく適切な維持管理を行い、安全・安定的な処理を続ける。 3-2 新ごみ中間処理施設 新ごみ中間処理施設の処理方式、処理対象物等については、平成24年度に策定した「上 伊那広域連合新ごみ中間処理施設整備基本計画」に基づき安全・安定的な処理を行う。 3-3 リサイクル施設 本圏域内では、燃やせないごみ、資源物及び粗大ごみの中間処理施設(リサイクル施設)と して 3 施設が稼働中である。 鳩吹クリーンセンター及び大田切不燃物処理場は施設の老朽化による機能低下が懸念され るため、本圏域内で発生する燃やせないごみ、粗大ごみ及び対象資源物の処理については、 クリーンセンター八乙女に集約し処理の一本化を図る方針である。 また、クリーンセンター八乙女が老朽化した際には、新たなリサイクル施設の整備を進め る。 75 第3節 1 最終処分計画 最終処分に関する基本方針 最終処分に関する基本方針は、 「第 1 章第 3 節 計画の基本理念」で設定した基本方針と同一 とし、次のとおりとする。 適正な最終処分場の確保 2 ① 既設のごみ焼却施設から出る焼却残渣等を適切に処分する最終処分場の確保 ② 圏域内から出た廃棄物を圏域内で最終処分まで行う完結型の廃棄物処理の構築 最終処分の方法 新ごみ中間処理施設の稼働までは、現状の委託処分による方法を継続し、適正な処分を行う ものとするが、新ごみ中間処理施設の稼動に合わせて圏域内で最終処分まで行う完結型の廃棄 物処理を目指す。 2-1 最終処分場の再生活用 新ごみ中間処理施設稼動後には、クリーンセンター八乙女の最終処分場の掘り起こし残渣 を新ごみ中間処理施設で減容することにより同最終処分場を再生し、同施設からの残渣を埋 立処分する。 76 第4節 広域ごみ処理体制の整備計画 新ごみ中間処理施設稼働時における上伊那広域連合のごみ処理体制を示すと図7-1のとおり である。 掘り起こし残渣 燃やせるごみ 新ごみ中間処理施設 残渣 燃やせないごみ クリーンセンター八乙女 (再生最終処分場) 資源プラスチック 最終処分場 古紙 家 庭 系 一 般 廃 棄 物 衣類 不燃・粗大処理残渣 資源物 缶類 びん類 ペットボトル 小型家電 粗大ごみ 有害ごみ 植物用油 事 業 系 一 般 廃 棄 物 独自資源化 クリーンセンター八乙女 大田切不燃物処理場 クリーンセンター八乙女に統合 燃やせるごみ 新しい リサイクル 施設 (整備時期は未定) 資源化 鳩吹クリーンセンター クリーンセンター八乙女に統合 リサイクル施設 直接資源化 図7-1 新ごみ中間処理施設稼働時における上伊那広域連合のごみ処理体制 77
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