異文化に対する姿勢

異文化に対する姿勢
法学部 4 年 澤中夏希
ケルン大学
2013 年の 10 月から 2014 年の 7 月までドイツのケルン大学に派遣していただきました
澤中夏希と申します。このリポートでは私が授業と授業以外の体験から考えた「異文化
に対する姿勢」について書かせていただきたいと思います。
1
留学先の授業
留学先の授業で特に面白かったのは「The Political System of the EU」という EU の
政治に関する授業でした。25 名ほどの少人数授業で半数が留学生。毎回 1 つのテーマに
ついて担当のグループが発表を行った後に全体で議論を行う形式の授業でした。EU の主
要国であるドイツの学生や周辺国からの留学生は当事者意識をもっているため、議論に
も熱がありました。ただ、議論を通して見えてきたのは EU 加盟国同士の摩擦や加盟国の
国民のナショナリズムなど、まさにギリシャ危機以降加盟国に広がる EU に対する懐疑主
義でした。EU に対して未来への可能性を漠然と感じていた私は、EU 統合が難問だらけの
手探りの挑戦であるという現実を目の当たりにしました。
もうひとつ印象に残った授業に「Intercultural Communication in Business」という
授業があります。ビジネスにおいてどのように異文化圏の相手と円滑なコミュニケーシ
ョンを図るかということを学ぶ授業で、履修者は私とトルコ人の留学生 2 名とドイツ人
学生 14 名ほどでした。この授業では自身が留学やボランティア、旅行などを通じて異文
化に飛び込んだときの経験を発表し合う機会があり、私もドイツで感じた異文化の壁に
ついて伝えました。クラスのみなが興味を持って聞いてくれたことはうれしかったです。
そしてこの授業では「lack of interest: 相手の文化に関心をもたないこと」と
「prejudice:偏見」が異文化に属する個人間の円滑なコミュニケーションを阻むという
ことを教わりました。逆に言えば「相手の文化に関心をもち」「偏見をもたない」姿勢
が異文化間のコミュニケーションを円滑にする鍵ということになります。私は留学生活
全体を通じてこのような姿勢が重要であるということを実感しました。
2
ドイツ人にとっての日本
ケルンに到着したときは友達ゼロ。一人でやっていかなければならないのだと孤独を
噛みしめる日々もありました。しかし 1 年経ってみると別れにハンカチを濡らすことに
なる友人がたくさんできていました。彼らのことを思い返すと今でも出会えた喜びと別
れのせつなさに胸がいっぱいになります。そんな友人との出会いは様々でしたが、彼ら
が日本に対して示してくれた関心と根底にある異文化に対するオープンな姿勢は共通し
ていたように思います。
「子どもの頃に日本のアニメを見ていたよ」「実は空手をやって
いたの」
「日本のクリスマスは何をするの?」
・・・会話のきっかけに選んでくれただけ
かもしれませんが、このように話しかけてもらえると単に日本に関心をもってもらえて
うれしいというだけでなく「この人は異文化に関心のある人であり、それはすなわち異
文化に対してオープンな心の持ち主だ」という印象を受けます。すると自分が相手に合
わせるのではない対等なコミュニケーションが実現するように思うのです。
ちなみに、日本に興味をもつきっかけとして圧倒的なのはやはりマンガやアニメでし
た。しかし私はマンガやアニメに興味のないドイツ人に日本の伝統的な文化を知っても
らいたいと思いました。なぜなら東アジアに対しては「先進国」や「経済」のイメージ
が強く、ドイツ人にとって「異文化」としての魅力に欠けているように思えるからです。
私の周りのドイツ人は「異文化」を求めてインドや東南アジアへ旅行していました。
(近
くて安いからかもしれませんが。
)日本にも「異文化」としての魅力はたくさんあるので
少し惜し気がします。
3
異文化に対する姿勢
留学生に共通しているのは「異文化に対するオープンな姿勢」です。なぜなら自分自
身がまさに「異文化」に住み相手の文化を理解しなければならない状況にいるからです。
そして私が仲良くなったドイツ人に共通していたのもこの「異文化に対するオープンな
姿勢」です。この姿勢こそ「Intercultural Communication in Business」で学んだ「相
手の文化に関心をもち」
「偏見をもたない」姿勢であると思います。これから世界の様々
な異文化圏の人々とコミュニケーションをとっていく私達に必要な姿勢ではないでしょ
うか。
最後に留学前の手続きからお世話になりました国際課の皆様、青木先生、そして留学
の機会を与えてくださった如水会、明産株式会社、明治産業株式会社の皆様に心より御
礼申し上げます。
(写真説明 左 ドイツ語のクラスメイトと / 右
友人と)