「短一・長一」一分銀の不思議

「短一・長一」一分銀の不思議
一 分 銀 の 表 面 に は、 一 両 の 四 分
の一である一分に相当する銀貨で
何十枚かの表面Cの中に一枚程度
一 〇 〇 枚 在 中 ) を 開 封 し ま す と、
表面Cの短一は比較的多く存在
し て お り、 二 十 五 両 包 み( 一 分 銀
が存在することを見つけています。
Eの中にも、「短一」と呼べるもの
が最も重視すべきであると考える
し か し、 文 字 の 大 き さ に は か な
り の バ ラ ツ キ が あ り ま す の で、 私
が考えられているようです。
応四ミリメートル以下という基準
字 の 大 き さ( 長 さ ) に 注 目 し、 一
と し て、 収 集 家 の 間 で は、 一 の 文
いことをおことわりしておきます。
この数値に限定されるものではな
な お、 別 表 の 数 値 は、 特 徴 的 な
個体について測定したものであり、
おりとなりました(写真は1〜8)。
桜野 鼓音
あ る こ と を 端 的 に 表 す、
「一分銀」
は 存 在 す る よ う な 感 じ で す が、 表
こ と は、 単 に 一 の 文 字 の 大 き さ だ
○「短一」一分銀
の三文字が打刻されています。
面 B、 D、 E の 短 一 は、 は る か に
け で な く、 他 の 二 文 字 に 比 べ て 不
次のような試みを行いました。
り、 こ れ を 数 値 と し て 表 す た め に
釣り合いに小さいということであ
形の巾に対する比では、〇・八一〜
六・一 ミ リ メ ー ト ル で、「 分 」 の 山
一般的な書体と思われるもので
は、「 一 」 の 文 字 の 長 さ は 五・二 〜
照 )、 別 表 の 番
ところ(図1参
比較してみた
を数値として
山の形の巾b
二画が形造る
こ の 中 で、 番 号 5 の 表 面 B の
ることが判ります。
べ て 不 釣 り 合 い に 短 い「 一 」 で あ
あ り、 明 ら か に 一 般 的 な 書 体 に 比
で は、 〇・五 七 〜 〇・六 八 の 範 囲 に
二ミリメートル、「分」に対する比
こ れ に 対 し て、 短 一 と 判 定 で き
るものは「一」の長さが三・七〜四・
〇・八八の範囲にあることが見てと
れます。
号1〜8のと
の第一画と第
すなわち、「一」の文字の長さa
と「分」の文字
○数値から見えるもの
安 政 一 分 銀 は、 表 面 に 打 刻 さ れ
た桜印によりA〜GとZの8種類
少ない稀少な存在と思われます。
○判定の基準
に 分 類 さ れ ま す が、 表 面 C の 中 に
「一」の文字が「分」
、
「銀」の文字
に比べて不釣り合いに小さなもの
a
が 存 在 す る こ と が 知 ら れ て お り、
短一であるか否かの判定の基準
図 1
「短一」と称されています。
○「短一」は表面C?
短一一分銀は表面Cにだけ存在
するように思われているようです
が、はたしてそうでしょうか。
私 は、 こ れ ま で 多 く の 一 分 銀 を
収 集、 観 察 し て き ま し た が、 そ の
中で、安政一分銀本座の表面B、D、
b
月刊「収集」2015 年5月号 Vol.40 No. 5 — 14 —