特許第3031538号

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(57)【特許請求の範囲】
のであるが、歌詞集を保管する必要から、該歌詞集を紛
1.表示器の画面に歌詞の文字を表示しておき、伴奏の
失したりすることがあり、またうろ覚えの曲等の場合に
進行に伴なってこの歌詞の歌うべき文字の色を変化させ
は歌い始めのタイミングがずれたりして、上手に歌うこ
ることを特徴とする歌唱個所指示方法。
とができなかった。
【発明の詳細な説明】
【0003】また一方で、ビデオテープレコーダの普及
【0001】
からカラオケビデオテープが市販されるようになった。
【発明の属する技術分野】本発明は、伴奏に合わせて歌
これは歌うべき曲の伴奏となる音声情報と、該曲の歌詞
詞を歌唱するのを容易にするための歌唱個所指示方法に
となる文字情報と、該曲の背景となる映像情報とが記録
関する。
されているもので、これを再生すれば、伴奏は勿論歌詞
【0002】
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およびその曲に合った背景がブラウン管上に映し出され
【従来の技術】最近磁気テープに録音された伴奏曲を再
る。
生し、それに合わせてその歌詞を歌ういわゆるカラオケ
【0004】したがって歌詞カードがなくとも歌うこと
装置が普及してきた。従来の斯かるカラオケ装置は、歌
ができ、歌詞カードの保管が不要で取扱い易く、また背
詞が印刷された歌詞集を用意し、該歌詞集から該当する
景から歌に情感がこもる等の利点は有するものの、歌詞
歌詞を探し出し、それを見ながら伴奏曲に合わせて歌う
は数小節分が表示されるので、現在の伴奏がどの歌詞で
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特許第3031538号
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あるのか判らなくなることがあり、特にうろ覚えの曲の
ープレコーダ等の記録再生装置7にて記録される。
場合には伴奏に対する歌詞の個所が判らず一人で練習す
【0013】このとき、文字情報は音声情報と同期する
るには適さないものであった。
ように記録される。例えば前述した曲「城ヶ島の雨」を
【0005】
記録する場合においては、「雨が降る降る城ヶ島の磯
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
に」という歌詞に対応する伴奏が始まる直前から終る直
況を解決するために、歌詞集を見ずに伴奏に合わせて歌
前(または直後)まで「雨が降る降る」という歌詞が映
うことができるようにすることを目的とする。
し出されるように混合されると共に、伴奏が進むにつれ
【0006】
て歌うべき歌詞の色が変化するように記録される。
【課題を解決するための手段】表示器の画面に歌詞の文
【0014】すなわち「雨が降る降る城ヶ島の磯に」と
字を表示しておき、伴奏の進行に伴なってこの表示され
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いう歌詞を示す文字が例えば白色で映し出され、伴奏の
ている歌詞の歌うべき文字の色を変化させるようにし
進行に伴なって最初は「雨」の文字が、次に「が」の文
た。
字が、さらに「降」の文字がと、以下順に「に」の文字
【0007】
まで順に赤くなるように記録される。
【実施例】第1図は本発明による歌唱個所指示方法によ
【0015】記録再生装置7より再生された信号は、分
る表示の例を示す図であって,歌詞Aを表示器D上に表
離器8により分離され、映像情報と文字情報との混合情
示しておき、この歌詞についての伴奏の進行にともなっ
報はブラウン管等の表示器9により表示されると共に、
て表示器D上に表示されている歌詞の歌うべき文字の色
音声情報は混合器10を介してスピーカ等の発音器11
を、例えば白から赤のように、変化させる。
により再生されるようになっている。またマイクロホン
【0008】第1図に示した「城ヶ島の雨」の曲を例に
とって具体的に説明すると、「雨が降る降る城ヶ島の磯
等の外部音声情報供給装置12から供給される音声情報
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も混合器10を介して発音器11から再生されるように
に」という歌詞に対応する伴奏が始まる直前から終る直
なっている。
前(又は直後)まで表示器Dに例えば白色の文字で「雨
【0016】したがって、記録再生装置7を再生状態に
が降る降る」という歌詞Aが映し出され、伴奏の進行に
すると、表示器Dの画面には、例えば第1図について前
合わせて、最初は「雨」の文字、次に「が」の文字、続
述したように、映像情報Aと文字情報Bが表示器9(第
いて「降」の文字というように、この歌詞Aの最後の
1図の表示器Dに相当する)によって表示されるととも
「に」の文字まで順次赤くなって表示される。
に、発音器11からは伴奏曲が再生される。
【0009】したがって、歌う人は、この歌詞が表示さ
【0017】この伴奏の進行につれて、文字情報Bは前
れている表示器Dを見ながら歌詞Aの色が変化した文字
記作用の項で説明したように、順次白色から赤色に変化
を順次歌って行くことによって、歌唱と伴奏とのタイミ
するから、使用者は表示器9を見ながら赤色になった文
ングを容易に合わせることができる。
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字を順次歌って行けば伴奏と歌唱のタイミングを合わせ
【0010】
ることができる。
【発明を実現するための手段】第2図を参照して、本発
【0018】
明による歌唱個所指示方法を実現するための手段の例を
【発明の効果】以上のように、本発明による歌唱個所指
説明する。
示方法によって、歌詞を示す文字がこの歌詞に対応する
【0011】第2図において、1は伴奏曲に適する背景
伴奏の始まる直前から終る直前または直後まで表示さ
となる映像情報を混合器2に供給する映像情報供給装置
れ、そして、伴奏の進行に伴ってこの歌詞を示す文字の
であり、3はその曲の歌詞を文字情報として混合器2に
内で歌うべき文字の色を伴奏のタイミングに合わせて順
供給する文字情報供給装置である。4は使用者が歌を歌
次変化させて行くことができるので、歌う人は歌詞集な
うに際し音楽的に補助をなすために文字情報に着色を行
う色調変化器である。この色調変化器としては、例えば
どから該当する歌詞を探し出したり、さらに、この歌詞
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を見たりしながら歌う必要がなくなるばかりでなく、伴
ビデオ編集などに通常用いられている色調調整器を用い
奏と歌唱とのタイミングのずれをなくすことが容易にで
ることができる。
きるという格別の効果が得られる。
【0012】これら映像情報と文字情報及び上記色調変
【図面の簡単な説明】
化器によって文字情報のうちの前記音声情報の進行に伴
【図1】本発明の歌唱個所指示方法による表示の例を示
なった歌うべき文字に着色された文字情報は、混合器2
す図である。
で混合された後、音声情報供給装置5が発生する伴奏曲
【図2】本発明の歌唱個所指示方法を実現するための手
としての音声情報と混合曲6により混合され、ビデオテ
段の例を示すブロック図である。
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(3)
【図1】
特許第3031538号
【図2】
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(56)参考文献
実開 昭57−40196(JP,U)
特公 昭52−28530(JP,B2)
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