細 め で コ シ の あ る つ る つ る 麺 五 島 手 延 う ど ん︵ 国 内 産 小 麦

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平成
が高いほど酸化されにくいため品質
これら厳 選の原 材 料から、長 崎
が長持ちすることにも役だっている。
五島の伝 統 製 法で﹁五島 手 延 う ど
ん﹂はつく ら れていく。生 地 を 切
ら ずに、少 し ずつ延ばして細 く し
ていく 手 延 方 式で あ る。特 色 は、
うどんのコシのもとになる小麦のグ
ルテンをより 引 き 出 す ため、引 き
延ばしと熟成︵ねかし︶を繰り返
すのだが、生 地の熟 成 回 数 が 多い
時間については、毎日その日の天候・
ことがあ げ られる。各工 程の熟 成
気温・湿度を考慮してグルテン引き
出 しに 最 適 と な るよ う に 調 整 す
る。最初、団子状の塊だった生地が、
熟 成のたび絶 妙な力 加 減により 引
回のう ち
寄港地であり 両国文化の中継地点
ぶ五 島 列 島 は、かつて 遣 唐 使 船の
はるか奈 良 時 代。東シナ 海に浮か
ともある
﹁五島うどん﹂
の始まりは、
日 本三大 う どんに数 え られるこ
乾 麺で、五島 を 経 由した北 前 船の
される。秋田の稲 庭 う どんも 同 じ
ん、能登で輪島そうめんになったと
これが東に伝わって瀬戸内海そうめ
生 地 を 延 ばして干 す 乾 麺であ り、
た。五島 う どんは、生 麺ではな く
だった。遣 唐 使の渡 航
島 手 延 う どん﹂のルーツと 伝 え ら
と 製 法の発 展 を 経て、これが﹁五
﹁索 餅︵さ くへい︶﹂で あ り、時 代
島 に も た ら し たのが 唐 菓 子の一種
南路だったという。その遣唐使が五
あり、五島各地に広がり 昭和
島では、う どんは伝 統の祝 賀 食で
り、かつては貴 重 な 高 級 食だった。
藩で家 臣に下 賜された﹂記 録があ
代の寛 文 9︵1666︶年 に五 島
なお、五島藩政史料に﹁江戸時
航路に重なっている。
れている。﹁索 餅﹂とは 中 国 語で、
頃から﹁五島 手 延 う どん﹂と呼ば
後期の 回は五島列島を経由 する
﹁索﹂が縄、﹁餅﹂が小麦粉に水を
れ広く流通するようになった。
麺帯をつくる。
年
加えて練ったものの意味。形や製法
か ら、﹁五 島 手 延 う ど ん﹂だ け で
なく日本の麺の原形になったと考え
られている。
麺 食 文 化 史の観 点 か らは、﹁小
麦に 水 を 加 えて、手でひっぱ り な
がら延ばし、だんだん細長くする﹂
麺づく りの技 法は五島 列 島のう ち
の新 上五 島の各 地 域へ受 け 継 がれ
五島手延うどん 製造工程
②圧延
麺帯を渦巻き状に切る。
材料を混ぜる。
③切り廻し
椿油を塗り、
生地を直径
㎝に引き延ばす。
①混合・撹拌
④こなし
生地を直径
延ばす。
⑤熟成
⑥細目・小均
ひも状の生地を綾掛け
で巻き取る。
㎝に引き
⑦かけば
めるとまた新たな食感を味わえます。
* 特認者とは、当該地域に当該地域食品の伝統的・歴史的製法等を一者のみが受け継いでおり、それが関係者等によって明らかにされ、一般財団法人食品産業センターが特に認めた者をいいます。
年度 本 場 の 本 物 認 定 品︵ Ⅱ 種 ︶
さ く へ い
ルーツは千年以上前、遣唐使が伝えた﹁索餅﹂による
細めでコシのあるつるつる麺
上五島産の椿油と海水塩を使って
長めの乾燥で仕上げるつるつる麺
﹁五 島 手 延 う どん︵国 内 産 小 麦
使 用︶
﹂の原 料は、小麦粉・食塩・
椿油のみ。添加物は一切ない。現在、
主原料の小麦については、ほぼ輸入
にたよるなか、貴 重な国 産 小 麦 を
使 用 している。小 麦の品 種 は 麺の
食感を左右する重要な選択で、と
くに厳選して高タンパクの北海道産
を指定。高タンパクの小麦粉でつく
の﹁ななかまど﹂と九州産の﹁隼﹂
るう どんは、茹でのびしにくく鍋の
シメにも最適なのである。
塩は、五島 灘の海 水 を くみ上 げ
て完 全天日干した天日塩と、海 水
き 延 ば さ れて、ついに 乾 燥 後 は 直
シの強いこのうどんならではの豪快な
の塩 分を濃 縮し平 釜で結 晶化させ
ずそのまま食べる「地獄炊き」は、コ
径約2㎜になってできあがる。
熟成に合わせて長さを
調整する。
付きました。茹で上がりを水にさらさ
フードジャーナリスト
食文化研究家
エッセイスト
た釜 焚 き 塩の2種 を 使 用。手 延 製
⑧熟成
はた掛け・門干し
⑨小引き
⑩
で乾燥させると、
長さ約1
自給できる立地から、特産品として根
﹁小麦粉は島で採れないので国産
ですが、塩 も 椿 油 も 地 元 産 を 使っ
ての伝 統 製 法です。通 常のう どん
は2日の工程でつく り ま すが、﹁本
場の本 物﹂認 定 品は、茹で割れ防
%未 満とし、よ
止のために乾 燥 を1日 多 く して3
日を 要して水 分
干し道具に長さ約15
0㎝になるよう引き延
ばし掛ける。
約 ∼ 時間、 日がかり
うどんを延ばすときに塗る椿油が完全
法では欠かせない植物油については、
新上五島特産の椿の実を搾った10
0%椿油を使っている。椿油は一般に
高品質といわれるオリーブオイルよ
り も 多 くのオレイン酸 を 含む最 高
級 油であ り、麺の引 き 延ばしにか
かわり、風味とともにオレイン酸値
り 麺 を 引 き 締めおいしく 仕 上 げて
います。1000年もの歴史とふる
⑪乾燥
50㎝、
直径約 ㎜になる。
麺長約 ㎝で裁断する。
40
審査専門委員
楽しみかたで、後半は冷水でめんを締
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⑫こわり
ます。生地に混ぜ込む良質な海水塩、
特認者
五島列島は、
中通島が中心の北東部
を
「上五島
(かみごとう)
」
、
福江島が
中心の「下五島(しもごとう)」に区
分される。
行政区では上五島が南松
浦郡新上五島町、
下五島が五島市に
属する。五島手延うどんの製法は、
新上五島町の各地域へ代々伝わっ
ていた。
法です。認定品には国内産小麦を用い
株式会社長崎五島うどん 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷 578-24
☎0959-42-1560
向笠 千恵子 氏
さとの産 物が力 を 合わせた五島 手
延うどんを全国に広めていきたいで
す﹂と株式会社長崎五島うどん代
表 取 締 役の山﨑泉さんは誇らしく
生地をだんだんに細く延ばしていく製
製法の特徴/伝統の手延製法によってつくる乾麺タイプのうどん。製麺の工程で何度も延
ばしと熟成を繰り返すため、
強いコシが生まれる。
五 島 列 島 は、長 崎 港 から 西 に 約
100km、東シナ海に浮かぶ五つの大
きな島を中心とした 140 もの島々からな
る。古代には中国に最も近い遣唐使船
の寄港地であり、大陸の食文化に接し
たことから、製法を発展させて手延うど
んとして伝承してきた。島には温暖を好
む藪椿が古くから自生し椿油がつくられ
るなど乾麺の原料があり、麺の自然乾
燥に適した海風が吹くことなどで、手延
うどん=乾麺づくりの伝統が大切に守ら
れてきた風土である。
五島手延うどん
(国産小麦粉)麺長25cm 量目200g
黒地に赤の大きな椿が印象的なパッケージだが、
これは椿油
を使用していることの象徴。椿油は最高級油の植物油であり、
風味よく、表面にコーティングされることで煮崩れしにくく、独特
のコシと喉ごしがよく、品質長持ちなどの特色を与えている。食
べ方は、釜揚げうどんのほかにも、煮込みうどん、冷やしうどん、
焼きうどん、
またパスタ代わりに使って各種洋風メニューも楽し
める。
遣唐使船の伝えた手延べ麺が始まりで、
名称の由来/新上五島では、古くから手延製法により地域等の呼称を付けたうどんが
つくられていたが、近年、その製法を学んだ職人によって列島各地に広がり
「五島手延
うどん」
と呼ばれるようになった。
日本の麺の原点、
手延製法が伝わる島々
商品情報
鍋で茹で上げたうどんをそのまま
アゴだしのつゆにつければ本場流
特認者*/株式会社長崎五島うどん
(長崎県南松浦郡新上五島町有川郷 578-24)
氏
山﨑 泉
特徴
が
ココ
語った。
2
2
品質と安全性/原材料は、国産小麦・海水塩・椿油のみで完全無添加。各製造工程
では、目視を含めた状態検査、個別包装工程では金属探知機検査ほか、除湿・温度対
策や健康管理を厳しい基準を設けて実施している。
株式会社長崎五島うどん
代表取締役
五島手延うどん
(国内産小麦使用)
五島手延うどん
︵国内産小麦使用︶
麺を引き延ばすときに最高級の
椿油を使用。
五島列島は、
「東の伊
豆大島、
西の五島列島」
と呼ばれ
る全国第2位の椿油の生産地で、
昔からの特産品となっている。
本場の本物 84
85 本場の本物
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長 崎 県
小麦粉に水を加えると麺の弾力=コシ
にかかわるグルテンができ、
少しずつ麺
を延ばすことでより強いコシが生まれ
る。
長くなればなるほど途中でからまな
いような麺さばきには熟練の技術が必
要になる。
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1
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原材料の特徴/主原料の小麦粉は「五島手延うどん」の特性に合う国産小麦。塩は新
上五島産のミネラル豊富な海水塩、乾麺製造に必要な植物性油は新上五島の名産で
ある最高級椿油を使っている。
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物
の本
場
本 認定
一般の食卓塩は精製されて成
分99%以上が塩化ナトリウム
だが、
新上五島産の食塩は海の
ミネラルを約20%も含んで、
ほんのり甘く麺の熟成や味に
関与している。
五島名物、
「地獄炊き」
。
コワイ名前の由来は、
うどんを鉄鍋
でぐつぐつ茹でるから。熱々のうどんを鍋から直接す
くってアゴ
(飛魚)
のだしか、
生卵にしょうゆを入れたタレ
にからめて食べる。
手延うどんのコシの強さやのどごし
のよさが、
存分に楽しめる。