アンケートにみる 県内うどん・そば店の現状と今後 - 群馬経済研究所

(2011 年6月号掲載)
アンケートにみる
県内うどん・そば店の現状と今後
一般財団法人群馬経済研究所
主任研究員
~要
松下
均
約~
1.県内のうどん・そば店は、2009年時点で1,006事業所あり、人口1万人当たりの事業所
数は全国平均の約2倍の5.0となるなど身近な飲食店である。一方で、1事業所当たりの
従業員数は4.7人と全国平均に比べ2.0人少なく、小規模である。
2.県内のうどん・そば店を対象にアンケート調査を実施したところ、回答先では、地場
資本で開業後30年以上経過した店舗が5割弱と最多であった。また、売上全体に占める
うどん・そばの割合を「70%以上」とした店舗が、6割強を占めた。
3.売り上げと客数、利益は、8割前後の店舗で3年前に比較し減少していた。客数減少
の理由として、「顧客の所得環境悪化」や「立地の悪化」などの外部環境要因が多く挙
がった。利益の減少理由に関しては、85%の店舗が「客数の減少」と回答し、「原材料
費の増加」、「客単価の低下」とは大きな開きがみられた。
4.経営課題では「客数の減少」が7割弱に達し、「売り上げの減少」、「原材料価格の
上昇」を半数以上が選択した。
5.今後、県内の地場うどん・そば店の経営においては、外食チェーンなどに対抗してい
くために、①うどん・そばの味向上や具材、提供方法の工夫等による話題づくり、②そ
ばの栄養価が高いことの積極的なPR、③立地に合わせたメニュー構成や営業形態の変
更、④接客の向上、⑤広告・宣伝の強化、などを自店の状況に合わせ実践し、個性を打
ち出していくことが重要となろう。