さきがけ 大規模修繕工事などで情報交換

平成 27 年 4 月 (第 37 号)
NPO 日本住宅管理組合協議会
神奈川県支部ニュース
魁
NPO 日本住宅管理組合協議会
神奈川県支部
さきがけ
発行責任 支部長 川上 湛永
わ
横浜市青葉区すすき野
1-4-7-104
電話 045-902-4494
大規模修繕工事などで情報交換
厚木地区日住協交流会、20 余名が参加
厚木地区の管理組合が集まってマンション管理について情報交換する厚木地区日住協交流会が 4
月4日、厚木市鳶尾2丁目の鳶尾第2住宅管理組合集会所で開かれた。今回が19回目の交流会で、
5組合に、オブザーバー1組合、マンション管理士1名など 20 余名が参加し、主に大規模修繕の
取り組みなどを中心に活発に話し合った。
交流会では、最初に排水管更新工事の最中の厚木岡田団地管理組合(280 戸)の岩根理事長が報
告。工事は4月から始まり、8月に竣工の予定で、洗面所、浴室の排水管は、トイレの排水管に一
本化するスラブ上の工事となる。スラブ上配管は、効率的な方法だが、スラブ上の一定の空間が取
れないと実現できない。工事の関係上、1階段10軒が在宅していることが必要で、住民の協力が
条件となる、と岩根理事長が説明した。同団地では、次の大規模修繕として、サッシの交換、玄関
扉の交換の大規模修繕工事を予定しており、近く検討会を開くとしている。
昨年秋、日住協に再入会したグリ-ンタウン宮の里第一住宅管理組合(230 戸)は、数年前から
大規模修繕工事の準備を始め、今年4月に設計コンサルタントを公募、6月に決定し、来年2月ま
でに修繕計画案を作成、実際の工事は 29 年になる、という。黒沢修繕委員長は、スラブ上配管を
検討したいが、採否は未定、と話している。大規模修繕工事の時期に、オリンピックがらみなどで
仮設費はじめ工事費用の大幅アップが見込まれるのではないか、と懸念を示していた。
岡田住宅の川崎前理事は、築 48 年目、給排水管の更新工事を計画したいが、資金手当てが難し
いのが悩みだ、としていた。60 戸で5千万円の費用が見込まれるが、コンサルタントとも相談、
どうするか、検討したいとしている。
一方、ダイヤモンドマンション厚木第2(57 戸)の中田修繕委員長は、築 25 年目で2回目の大
規模修繕を計画、屋上防水、階段室に手すりを設置する工事などを予定しているが、コンサルタン
トに依頼すべきかどうか、などを検討しているとした。
ゴミ屋敷も出現
論議の中で、ゴミ屋敷となっている住戸があって、対応に慌てた、という話もあった。まさかと
思ったが、理事が訪ねてもなかなか会えない住戸がそうだったとした。山ほどのごみで、足の踏み
場もなく、処理費用に 100 万円かかった、という。他の団地のことと思っていたそうだが、日常的
に、チェックする方法もなく、対応が後手に回ることになるようだ。
-1-
12 年ご苦労さま
鳶尾第2住宅管理組合の近藤博隆理事長が、4 月 19 日の総会で、理事長を退任することになっ
た、という報告があった、副理事長1年、理事長 11 年、と長期にわたって管理組合のため、力を
尽くした。築 32 年目の電気設備改修工事、築
35 年の給排水管、給湯管更新工事が、特に印象
に残る工事と話していた。
現在 88.8 歳と自ら明かすように、超高齢での理
事長の長期経験は、ギネスブックものかもしれ
ません。後進に譲ると表明しましたが、
「この交
流会活動や日住協の諸行事にも参加させていた
だき、多くの力強い励ましをいただいたおかげ
で、今回を迎えられたと痛感し、心から皆様の
ご厚意に感謝申し上げます」と 11 年の理事長
厚木地区交流会、大規模修繕で話し合う 左から2人目が、
理事長 11 年、4月で退任する近藤理事長
経験を振りかえった。
また、岩根士良厚木岡田団地管理組合理事長も、5月総会で理事長を退任する。排水管更新工
事中での退任になるが、76 歳でも、会社務めを継続中で、元気印の理事長退任は惜しまれている。
理事長 29 年
小澤 忠二
回想録連載 -37
悪夢の不動産バブル
2.
巧妙な手口の「民暴」
前号(36 号)では競売中の住戸にやくざが住み着き、暴れ回った事件のお話をしたが、その続き
をしましょう。
同町内でバブル景気に便乗して誕生した石油製品の訪問販売をするA社が、この団地(昭和 44 年
公団分譲、敷地 81,000 ㎡、戸当り 105 ㎡、全 780 戸、専有戸当り 46.27 ㎡、5階建て、EVなし)
に、将来性があると目をつけ、不動産バブル景気に煽られて 20 戸近くを買い占めたが、バブル景
気が弾け、資金繰りが不能となって破産を申し立て、それに伴うマンションの競売で発生した一戸
の話です。
当時、破産の申し立てが多数あったが、金額の大きいものは新聞でも公表しており、団地の住民
もそれを知って、
「あゝ、やっぱりね。社長が道楽者だからね」と噂となっていたが、競売につい
ては、大きな動揺もない中で、何故か1戸だけは手放したくなかったようで、いろいろ問題を起こ
す結果となりました。
そしてA社のダミーと思われる姉妹会社と称するB社を債権者に仕立て、やくざを住ませる一方、
B社の代理人弁護士と称する者から賃借権を主張する旨の通知を組合宛てに送ってきました。
そんな中で、この年は入居以来初めての女性理事が選出されました。それまでの 10 年間の好景気
の続く中では、組合役員など何の収入もない活動に参加する者はなく、専ら稼げ稼げと云った雰
-2-
囲気だったので、貴重な存在と期待もしました。ところが、或る日附近の街を歩いていたら、この
女性がB社で事務を執っているところをガラス窓越しに見てしまったのです。「何やこれ?」その
時は、それまでのいきさつを想い出し、大変驚きました。
早速組合役員会で、やくざ対策を検討していた最中だったので、秘密を洩らした者には背任罪で訴
えるとやったとっころ、この女性はあっさりと辞任してしまいました。
このように管理組合にスパイを送り込む行為までして、競売を妨害するものを体験したのは勿論初
めてですが、一般的には競売についての裏事情は知られていないので、少し述べましょう。
イ.
占有者のいる競売物件の価格
競売物件の所有者と正常な賃貸借契約をしていた居住者は、
借地借家法で居住権が保証されてい
るので、競売があっても直ちに出なければならないものではありません。従って、確実に家賃を支
払いそうな一流会社や公務員が居住するなら競売価格は上がることもあり、反対にやくざや身寄り
のない老人が居れば、
競売後に追い出すなどの手間と金がかかることから競売に参加する人は低く
見積ります。
ロ.
競売で売れない物件
違法建築や事故物件、共有物件などは全く買い手のつかない物件も多く、業者から見て価値のな
いものも売れ残りが多くなっています。又、バブル経済が破綻して不動産価格が下落傾向の時は、
競売申し立てが集中し(平成6年頃東京地裁は、1万件に達し、処理体制が間に合わず処理に8年
を要した。)滞積するため、順番が遅れたり、競売のやり直しなど、その都度価格は下がって、全
く売れない物件が多発したが、この傾向は東京より地方が物件の動きが少ないため、より多く発生
します。
ハ.
対処方法のない管理組合
執行官が来て、初めて競売の開始を知る訳ですが、既に大部分の管理費は滞納状況になっていま
す。そこで仮に裁判所に債権届をしたところで、前回に述べた通り、配当が税金と抵当権者が優先
するため、管理組合が配当を受けられるケースはほとんどなく、競売で落札した不動産業者や新た
に所有者になった者が滞納分を、区分所有法に従って納入する結果となっています。
尚、管理費の滞納は時効が5年であるから素早く督促する必要があるが、人情にからまれたりで
困難もある。又、新築での滞納は 1~2%位だが古いマンションでは、その 5 倍~10 倍にもなって、
より困難化している。更に競売が多発すると組合の財政にも影響するので、一日も早く正常な競売
が行われることを祈るばかりで、その間にも、火事や盗難、不法占拠などに気を配らなければなら
ないことも大きな負担となっている訳です。
ニ.
競売物件の結末
前述の物件の話に戻るが、1年後になってB社の弁護士から賃借権は放棄したとの通知があり、
いよいよ競売が済んで新しい所有者が入ったのかと思っていたが、何時まで経っても入居届がな
い。又、管理費も納入されないので、同じ階段の人に様子を聴くことにした。すると、夜遅く泊り、
早朝に出かける人が居るとのことで、何回も置き手紙をしたところ、やっとやって来て自分は所有
者ではないと云う。次に所有者に連絡するよう云うと、暫くしてそれらしい人が来て、この物件は、
-3-
売って管理費を支払うなどと、のらりくらり。仕方なく、訴訟も考慮しながら階段の人の意向を
尋ねると、余程やくざに痛めつけられたのか 、どうかそっとしておいて欲しいとの要望。
その後、役員も代わってしまい、月額2万円の分割払いの約束を取り付けたとのことだが、既
に 300 万円はあったと思うので、このような手の資産価値は零に近いため、多分回収は不能と思
う。一般に不動産屋が競売で入手した場合は、内装などの手入れをした上で売却しているが、本
件のようなケースではほとんど手入れされていないので、水廻り部分が使用不能となって居住は
困難になり、放置されてしまう。そして最後に相続放棄でもされたら、組合の荷物となってしま
う訳です。
A社またはその関係者がこの物件を利用し、破産を通して出来る限りの損出を防ぐ一方、競売に
至ったこの物件をより安く入手するための工作を演じたと考えられます。
そこで、やくざ(これは本物のやくざではなく、競売で買い手が出ないために騒ぎ立てる演技者)
を入れる。そして、自己落札に導く。少なくともやくざが居ると知れれば価格は安くなる可能性
がある訳で、車庫証明応諾などわざわざ大騒ぎをしてみせる。
更に、女スパイまで入れて、組合がどう出るかを探らせる。そして、安く競売で入手すれば、以
前の管理費と新たに発生するものも含めて、全て踏み倒すという企画が明確に読み取れる訳で、
こんな企画をまさか弁護士がしたとは思えないが、全く背徳的なもので、犯罪に近いものです。
現行マンション管理体制の中で、このような事態を防ぐ方策が難しいことも知って欲しい訳です。
(次回につづく)
鳶尾第二住宅管理組合の防犯パトロール活動
今から 10 年前頃、朝出勤のため駐車場に行ったら自分の車が見当たらない。車がコンクリート
ブロックの上で亀の子状態になっていて 4 本のタイヤが盗まれていた。ダシュボードに財布を入
れておいたら盗まれた、しかも 2 回たて続け被害に遭った。車の盗難、車上荒らしが頻繁に発生
しました。
誰もが被害者になりうる懸念が広がり、平成 17 年管理組
合のボランティア活動として“防犯パトロール”が始まり
ました。当初は 5~6 人が一つのチームを結成し 10 余チー
ムが誕生しました。駐車場・団地敷地内を各チームごとに
時間帯・パトロールコースを設定し運営をしてきました。
約 1 時間程度のパトロールを週 1 回程度の範囲で実施して
きました。
平成 27 年現在チーム数は 4 チームで(1チームは休眠中)実質 3 チームによる献身的な活動が
10 年目を迎えています。継続の秘訣は月 1 回程度に減らしたこと、歩くことによる健康の増進、
参加女性の熱意が止めたい欲望を防止していること、メンバーと歩きながらの会話によるコミュ
二ケーションの活性化をはかれることを挙げています。
今後の課題は階段に設置してある消火器のいたずらの噴射、玄関ドアの鍵穴に接着材の詰込,駐
輪場の壁にスプレー塗料のいたずら書きがあります。基本的に夜間のパトロールが中心ですが日
中のパトロールも検討が必要だと実感しています。
-4-
(記 永田康幸)
主な支部活動報告
支部会議 4 月 10 日(金) 18 時~ 県民センター 出席者: 川上、小澤、飯田、永田、片瀬、佐藤
1.本部報告
3 月 28 日、本部理事会。翌日 29 日の第 13 回通常総会の最終確認を中心に審議した。総
会は、役員改選はなく、前年の事業報告、本年の事業計画報告、会計報告など。
新規事業では昨年計画したが中止となった「マンション管理に関する出版」を再計画する。
また、6 年目に入る日住協独自の大規模修繕工事支援事業が順調で、14 件目の準備に入
る。更に、県内会員管理組合の大規模修繕では、現在着工した、霧が丘グリーンタウン第
一住宅の報告、2年後に着工する宮の里住宅管理組合の準備状況の報告などがあった。
2. 第 19 回 厚木地区日住協交流会
4 月 4 日(土) 、厚木市鳶尾第2住宅管理組合集会所で開催 20 数名参加
3. 支部ニュース「魁」第 37 号の検討
4. 横浜市マンション管理組合サポートセンター事業(交流会)
3 月 26 日に、県マンション管理士会、横浜マンション管理組合ネットワーク、建物ドク
ターズ横浜、そして、日住協神奈川県支部などが参加して、中区の神奈川労働プラザで、
平成 27 年度発足会議が開かれた。相談員 100 名が参加した。市内 18 区で毎月第一日曜に
一斉に開かれるが、来る 10 月で 10 年目に入る。
一方、3 月 1 日(日)、4 月 5 日(日)に各区の交流会があり、支部役員は相談員として出席し
た。
5. 神奈川マンション管理組合ネットワーク理事会
6. 次回支部会議 ;6月10日(水)
2 月 27 日、 3 月 27 日 開催
県民センター 9F
クリック(編集長から)
足 早 の さ く ら 満 開 !!
年明けから、厳しい寒さが続きました。この分では、桜の開花は4月にずれこむ、と思ってい
たら、3月28日ごろから、気温が急に上がって、桜満開。ちょうど29日は、日住協の第13
回通常総会。総会会場の中央区・浜町スポーツセンターに急ぐ途中、甘酒横丁商店会の甘酒祭り
が、開かれていました。甘酒横丁は、明治座劇場と地下鉄人形町駅の間に続く、下町らしい風情
のある商店街です。
「今朝、満開になりました」と商店会の役員さん。ふるまわれた甘酒は名前に恥じず、絶品
-5-
でした。桜の下で、味わう熱々の甘酒のおいしいこと。
わが団地の桜は、横浜市青葉区すすき野1丁目、黒須田川沿いです。32年前は、ささやかな
桜でしたが、ことしは、華やかに。この間に、毛虫
騒動やら台風による倒木があったりして、数本が引
退しました。それでも、川沿いの桜は、いいもので
す。10数年前、川向うのマンションに3本の桜が
植えられて、成長著しく、川を挟んで、競うように
咲き誇っています。
団地から車で5分の所に、地元では知られえた桜
並木があります。カリタス短期大学のわきから、市
道沿いに、1キロ余、桜トンネルが続いています。
2日の夜、車で通りましたが、そぞろ歩きの見物の
人が、楽しんでいました。
すすき野第三団地の桜
桜の寿命は 50 年前後と言われていますが、昨年、
道路を管理する横浜市では、数本を伐採しました。
代わりに、補植しましたので、10年後くらいには、
並木の仲間入りが期待できます。
桜は、手じかなところで、楽しむのが、いいかも
しれません。桜と生活感が調和する、その豊かさを
満喫できます。
10年ほど前、京都の桜を,愛でに行ったことがあ
ります。京都御所、清水寺、祇園、南禅寺など名所
あざみ野3丁目の桜並木
を巡り、写真を 500 枚撮ってきました。パソコンの
画面に取り込んだりしました。それはそれで、楽し
いのですが、やはり地元の団地の桜の方が、しっくり来る気がします。
(川上湛永)
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