組合,都労委に不当労働行為救済命令を申し立て

支部ニュース
2015-1号
10/7
東京ユニオン・代ゼミ支部発行
組合,都労委に不当労働行為救済命令を申し立て
昨年 8 月に高宮学園が代々木ゼミナールの大規模な校舎集約・人員整理を表明してから早くも 1 年が
過ぎました。このリストラは代々木ゼミナールで働く職員・講師とその家族の生活,さらにはその後の
人生に大きな影響を及ぼす衝撃的なものでした。経営者は自らの口で今回の校舎の縮小や人員の削減に
ついて決断の経緯,経営責任,今後の事業展開に関するビジョンなどについて説明する責任を負ってい
る,と当然のことながら私たちは考えます。
組合はこの問題について団体交渉の開催を学園に求め,昨年の内に 3 回にわたり交渉を重ねました。
その経緯はすでにお伝えしたとおりです(『支部ニュース』2014‐1 号~3 号)。
しかし,学園は経営に関する決定権をもつ理事長・副理事長の団交出席を最後まで拒み,説明の求め
にも応じませんでした。組合は辛抱に辛抱を重ね,本年度の春闘交渉においても同様の要求を行いまし
たが,ここでも学園の態度に変化はありませんでした(支部ニュース 2015‐1 号~2 号)。
この不誠実な学園の対応について,組合は東京都労働委員会に 8 月 31 日付「不当労働行為救済命令
申立書」を提出しました。救済命令の内容を次に掲げておきます。ぜひ,目を通しておいてください。
請求する救済命令の内容
一 被申立人は申立人組合が申し入れた 2014 年 9 月 2 日団体交渉、2014 年 9 月 30 日団体交渉、2014
年 10 月 30 日団体交渉、2015 年 3 月 27 日団体交渉に誠意をもって応じなければならない
二 被申立人は、申立人組合との団体交渉に際して申立人組合に対して学校法人会計上の財務諸表 5
年分を申立人組合宛て提出したうえで、経営状態や財務状態、今後の経営方針などを誠意をもっ
て説明しなければならない。
三 被申立人は申立人組合との団体交渉において希望退職に至る経過の説明、来期以降予備校業務を
継続する7校の存続などにかかわる事業見通し、大学受験業務に関する今後の方針等の理事会方
針を、高宮英郎理事長または高宮敏郎副理事長を出席させたうえで誠意をもって申立人組合に説
明しなければならない。
四 被申立人会社は、労働委員会命令発令後1週間以内に下記謝罪文を縦 1.5 メートル、横 2 メート
ルの白紙に墨書して、被申立人において予備校業務を存続する7校舎の入口に一ヶ月掲示すると
ともに、同文の謝罪文を申立人に手交しなければならない。
また、命令発令後一ヶ月以内に朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞の全国版の朝刊に
同文の謝罪広告を掲載しなければならない。
記
謝 罪 文(省略)
労働組合東京ユニオン・代々木ゼミナールグループ支部は,1993 年に結成されました。支部はその直
後から組合を敵視する学園との間で争議状態に入り,組合員の解雇や団交拒否など数々の事件について,
労使紛争の公正な調整や不当労働行為の救済などを行う労働委員会の場でも闘いをくりひろげてきま
した。16 年におよぶ争議の末に,2009 年,先代理事長の死去を機に労使間の和解が成立し,正常な労
使関係のもとで誠実に交渉を行う約束が交わされました。しかし,今回の一件はその合意を反古とする
ものであり,事の重大性から鑑みて,決してゆるがせにすることはできません。
東京都労働委員会における調整の経緯は『支部ニュース』に掲載してお伝えし,救済命令が出た暁に
は学園の「謝罪文」についても掲載します。今後の展開にご注目ください。
GU
労働組合
東京ユニオン
☎ 03-5354-6251FAX03-5354-6252