2014 日本ユネスコ協会連盟 日本ユネスコ協会連盟 中部西ブロック活動

2014 日本ユネスコ協会連盟 中部西ブロック活動研究会
2014 年中部西ブロック活動研究会は、11 月 29 日(土)30 日(日)、福井市の響きのホー
ルで行われました。参加者は 94 名。基調講演や多くの発表がありました。
■第 1 日
(1)開会式
挨拶
日ユ協理事長 野口 昇氏
福井県教育長 林 雅則氏
福井市教育長 内田高義氏
福井ユ協会長 光野 稔氏
福井市副市長 山田義彦氏
(2)「わたしの町のたからもの」絵画展表彰式
(3)基調講演 持続可能な漁業を目指して─「日
本の魚はいつまで食べられる?」
講師 三重大学生物資源学部准教授、海の幸
を未来に残す会理事 勝川敏雄氏
海の魚を持続的に利用する「資源管
理」の研究で日本水産学会論文賞など
の受賞や著書多数。研究や政策提言の
(富山市立堀川小学校の事例発表)
傍ら、世界各地の漁業の現場に出向き
漁師さんと語らい、消費者に「日本の漁業の危機」について情報を発信してい
る。
衰退する日本の漁業・成長する世界の漁業
日本の漁業―燃油高・漁獲高の減少(漁業者の 9 割は漁獲高の減少を実感)、漁村での限
界集落も進行中。養殖ホタテが好調で後継者も順番待ちという北海道を除き、低い年収
で後継者が育たない。日本漁業生産量は天然ものの減少と養殖生産高の横ばい状態。一
網打尽に2歳にもならない魚も獲る、乱獲放置。サバ産地価格キロ 62 円(0 歳魚)。2 年
以上待てば 500 円にもなるのに。
世界の漁業―ヨーロッパでは親魚量を維持、小型魚の漁獲を抑制し 4 歳以上が半数以上。
高く売れる国を探す。ノルウェイは人口減もあり、ほとんど輸出に回る。2004~2007 年
にその金額が 70%、雇用が 10%アップした。稼ぎ頭は「サバ」であり、得意先は日本。
輸入価格はキロ 278 円ともなる。アイスランドやニュージーランドでも資源管理は厳し
く行われている。世界では天然資源の増加とともに、養殖による生産高が右肩上がり。
日本の漁業は一人負け状態。
失われていく日本の魚たち
日本のかつての豊かな水産資源は日本の独自の食文化を生み出したが、ウナギやマグ
ロに代表される持続性を無視した漁獲と消費、国内生産の減少を輸入で補う漁業の在り
ようはもう限界に来ている。消費者の責任も考えなければならない。
持続的な漁業の実現に向けて
国がやるべき規制をすれば、日本の漁業も必ず復活できることは、福島県沿岸で原発
事故以来の 3 年間の操業停止の結果、その周辺海域での魚量が大きく回復していること
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からも証明される。欧米では、持続的な漁業で獲られた水産物には、切り身であっても
エコラベルを貼ることによって、消費者の資源管理の大切さへの意識や応援意識を高め
ている。マクドナルドやロンドン以降のオリンピックではこのラベルが無い水産物は取
り扱わない方針を貫いている。日本では北海道のホタテだけがこのラベルを持つ。日本
も変わらなければならない。
(4)活動事例発表
①「村岡小学校の ESD」
勝山市立村岡(むろこ)小学校(ユネスコスクール)教諭 小林一与氏
・勝山市の ESD;平成 26 年より市内 12 の全小学校がユネスコスクールとなっているの
で、教師がどこに移動しても ESD が可能。コーディネーターとの連携により、教師の
負担も軽減されている。発達段階に応じ、「身近なものを見直す」「身近なものから考
える」ESD, 論理的思考やプレゼンの場の活用, 地域の持ち味を生かす活動も特徴。
・村岡小学校の取組の例
ア.ミチノフクジュソウの保全運動
イ.赤とんぼの生態調査 まだ研究されていなかった移動ルートの調査、羽化した幼虫
を田に放流、成虫にはマーク。結果、田から山地へ、山地から田への移動ルートが
証明されるという、大きな成果を上げた。
ウ.村岡山博物館をつくる 「もっと知りたい」意欲から、素晴らしい景観、歴史、地
質学的価値などについて専門家から主体的に聞き、プレゼン(スキルは育っている)
の工夫。子どもが自分で学び大人に教える充実感、教師の指導者から調整役へとい
う役割転換、教科教育との接続、地域とのつながりの強化 等々持続する大きな仕
組みが作られた。
②「農村力を未来へつなぐ~仲間たちとの地域活動から始まったコムニタの歩み~」
福井県池田町農事組合法人農村資源開発共同体ファームハウス・コムニタ
宿泊・体験・料理責任者 沢崎美加子氏
足羽川源流の池田町、人口 3000 人弱、高齢化率 40%、大合併でも合併しなかった。
町の 90%を占める山林が資源。ユネスコ活動ではないが、農村や自然環境を活かし持
続する活動例としての発表だった。昭和 61 年、JA 青年部が「体験・ザ・百姓」年 2 回
(田植え・稲刈り、1 泊 2 日)、
「ザ・百姓チャレンジツァー、音楽演奏会、池田町観光
ツァー」などを企画・実施。平成 8 年、農家民宿ファームハウス・コムニタ農事組合
法人として出発。平成 10 年より県内小学生を対象として日大生が「ネイチャー冒険村」
を運営。現在、農業生産は減農薬で行い、農村交流では年間 3000 人が宿泊、農作業を
する。20 代女性 2 人が就職。自分が自分を変えることができる生活、先人の知恵を守
り伝える生活、自立した経営体…は新しい農村の姿が伝えられました。
③「ユネスコ子どもキャンプと ESD」
岐阜県ユネスコ協会 (日ユ協連 全国的青年連絡組織副会長) 石川 航氏
全国から青年と子供が参加している青少年活動。野外で集団生活、自然と人、人と
人とのつながりや大切さを学ぶ。キャンプでの活動を通じて、環境・エネルギー・地
域の文化・気候変動・生物の多様性…気づくこと、考えることがたくさんある。普段
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行っているユネスコ活動そのものが ESD ではないか。普段行っているユネスコ活動は、
巡り巡ってどこへ行くのか。例えば、募金…。巡り巡ってどこかへ行きつく活動=先
の先を考える=「持続可能性ではないか」
④「ユネスコ協会 ESD パスポートの活用―富山市立堀川小学校における実践事例」
富山市立堀川小学校 教諭 柴山秀範氏
パスポート活動への積極的な取り込みを行っている。
◉各学年の副主任を ESD 推進主務者とする ESD チームの立ち上げ ◉学校全体での取り組
み、各学年での共通理解 ◉本校独自の「ボラン」認定基準~単純に時間等で測れない
活動もあり、実態に即すことで意欲につなげる ◉自発的な委員会活動、近隣ファミリ
ー活動、堀小ちょボラ(ちょっとしたボランティア)活動、PTA 活動である資源回収へ
の協力、ユネスコ協会主催事業への参加等々「ボラン」の対象となる活動は多いが、
取り組む中で、パスポートが無くてもボランティアをする子ども、パスポートがある
ことによって取り組む意欲など継続する心の芽を育てたい。
■第 2 日
(1)「日本ユネスコ協会連盟 ESD パスポート事業の実践~ユネスコ協会 ESD パスポートプ
ロジェクト活動事例紹介」日本ユネスコ協会連盟理事 松波孝之氏
ユネスコ協会 ESD パスポート事業の意義や成果、注意点についての説明、富山ユネス
コ協会と県内のユネスコスクールとの連携方法などの紹介がされました。
(2)「日本ユネスコ協会連盟としての ESD の理念とビジョン」
日本ユネスコ協会連盟理事長 野口 昇氏
ESD10 年が終了したが、ユネスコ全体として平和に貢献できたと思う。「平和と文化の
国際年」は来年が 15 年、同じく 2015 年は、国連ユネスコ 70 周年、記念イベントとし
てネルソン・マンデラ追悼記念イベント」が持たれる予定。また 2017 年には民間ユネ
スコ 70 周年となる。一層の活動が望まれるだろう。
(3)「ESD の実践とビジョン」 福井大学准教授
前園 泰徳氏
ESD;重要な視点 ◉いつも ESD とは?という疑問を持つ。人類存続の課題である。
目標 ◉行動を変える、「幸せな生き方教育」を。
学校の ESD で重要なこと ◉子供が主体 ◉教師が子供とともに学ぶ ◉「考える、伝え
る、社会へ発信」までを組み込む。◉まとめない、子供に大人の考えをおしつけない、
ESD は中・高・大へと続くことである。
現状 ◉低い認知度、ほとんどイベント、教師に負担、教員養成課程での教育がない、
低いメディアの関心
ユ協の持続可能性にこれから必要なこと◉教委との連携強化、イベントから日常化へ、
基金創設と集中投入、投資による「プロ」の育成など
その他、▽参加者から ESD に関しての質疑応答▽各ユ協フリートーク▽国内委員会報告
▽日ユ協会連盟報告などがありました。2016中部西ブロック研究会は和歌山で行われ
ます。
(浮橋美頭)
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