総評 5 th C++テーブル ジャッジ:笹 (法市 4)、植松 (早稲田 4) 【テーブルメンバーと順位】 1位 市村(立教3) 2位 山本(上智3) 3位 大澤(UT3) 4位 椿(MESA3) 5位 寺澤(明治 3) 6位 森田(芝浦工業 3) 7位 桑江(明治 3) 8位 岸田(青山学院 3) 【ディスカッションの流れ】 テーブルメンバー全員がオピニオンプレゼンターに立候補したため 30 分ほど時 間はかかったが、最小限のコアを訊く質問などを経てオピニオンプレゼンター は市村(立教3)に決まった。 ASQにおいて特に混乱は生じず、医療問題で良く出る質問が出されたが、病 の治療、延命、生命を守ると行った「医療の目的」の定義の確認に多少時間を 費やした。 また、寺澤(明治3)がASQ終盤に提示した意見の検証を行った。脳死状態 の人間について議論すべきだという主張であり、脳死状態の人間を患者と捉え るか否か、また脳死を死と捉えるか否かによって議論や定義が変わっていくと いう内容であった。これを大澤(UT3)、山本(上智3)がQやCを用いてト リートしたが、最終的にオピニオンプレゼンターである市村の「脳死状態の人 間は患者に含む」という返答に寺澤が意見を取り下げる形で議論が消滅した。 その後 NFC、Solution において反論は起きず、スムーズに AD 立論に至った。 DA エリアにおいてはDAプレゼンターに6名が立候補した。各候補者への質問 が終わった後、コンパリソンでは ASQ で話題になった「医療の目的」も大きな 論点として話せるアイデアを選ぶべきというテーブルのスタンスから山本がD Aプレゼンターに選ばれた。しかしこの時点で病の治療、延命など複数存在す る「医療の目的」をどのようにコンパリソンに関連付けるか、どのように結論 に結びつけるか、make situation better との関係などが曖昧であったため、そ の方法論を巡って議論は紛糾した。理解が十分でないまま結論を急いで加速度 的に進んでいくテーブルの中で、大澤は唯一全体をまとめたプロシージャーを 出しサジェスチョンを打とうとしていた。しかしそれらにはテーブルを率いる ほどの浸透力や強気の姿勢が見られなかったため流れてしまい、混乱を収拾す るまでには至らなかった。m/s/b と「医療の目的」の繫がりを証明しよう、など といった議論の泥沼化が進む中、最終的には『「医療の目的」を用いたコンパリ ソンを検証することで自然とその論点に関する優位性と結論が出るからそれを 最初にやるべきだ』という大澤の的確かつシンプルなSが通り、病の治療とい う論点を用いた 1st ロジックを検証している途中で終了となった。 【全体への総評】 終始協力し合おうという姿勢が見られる雰囲気の良いテーブルであったが、内 容面においては幾つかの課題を残すこととなった。 第一に議論の質について。 今回のディスカッションでは「コンパリソンをやりたい」との序盤の総意に反 して 1st ロジックの検証の序盤に議論が終わってしまった。 ディスカッションは 3 時間という時間制限の中で何かしらの結論を得なければ いけない以上、話の取捨選択を行わざるを得ない。いくらコンパリソンの為の コンセンサスをとっても肝心要のコンパリソンに到達しなければ全て無駄に終 わるように、幾つも論点がでてもそれらを議論と結論に結びつけられなければ 実は得られない。時間を意識して、どの論点をどのような結論に結びつけるか、 どのような理由と優位性からそれを行えばいいかを常に考えてディスカッショ ンを行ってほしい。 また、アーギュメントが QA の中でいつの間にか流れている、Suggestion がい つの間にか消滅するなどおざなりに議論が進んでいる場面がいくつかあった。 混乱の原因にもなりうるため、堅実に話を積み重ねて欲しい。 第二に、姿勢について。 「最後まで自分の力を最大限発揮しよう」という意識が一部のパンツは薄いよ うに見受けられ、結果として本来の実力よりも大幅に落ちる評価を与えざるを 得なかったことが非常に残念である。最後まで折れず、投げず、真摯に議論の 質の向上に努めて欲しかったし、それが出来ていたならばより質の高いアウト プットをできていたテーブルであると思う。 アッセンブリーでの活躍を期待している。 【個人順位選定理由】 1位 市村(立教3) オピニオンプレゼンターとしてテーブルの土台を作り、テーブルにおいて唯一 終始落ち着いた態度で議論に向き合うことが出来ていた点を評価した。どうし たらこの議論が終わるか、次に進めるかということを常に意識出来ていたため、 市村の発言によりテーブルが進んだという局面が幾度か見受けられた。しかし、 終盤テーブルメンバー全員の意見を汲み取ろうとするあまり市村のスタンスが 決まりきらず大きな停滞をもたらしたことはしっかりと反省し、改善していっ てほしい。 2位 山本(上智3) 介入量の多さと主にカンファメーションによって議論の進行に大きく貢献した こと、DA プレゼンターとして DA を立論したことを評価した。コンスタントに 全ての話に介入しようとする意欲がこのテーブルにおいて最も高かった。しか し介入の多くがカンファメーションに止まっていたため、議論の終わりを意識 してサジェスチョンに繋げることが今後の課題であると感じた。 3位 大澤(UT3) 後半、混乱したテーブルにおいて的確なカンファメーション、非常に質の高い サジェスチョンを何度も行い議論を進めた点を評価した。しかし前半の介入が 限定的であり後半の質の高いSも流れてしまうことが多かったためこの順位と した。ジャッジの共通見解として大澤が最も議論の流れを掴めている存在であ ることは間違いなかった。今回その能力を十分に発揮できなかった原因を必ず 見つけ出し、アッセンブリーでは実力を大いにふるって欲しい。 4位 椿(MESA3) 随所で的確なCやQはしていたものの限定的であり、特に後半の議論への影響 力があまり見られなかったためこの順位とした。スキルは十分に持ち合わせて いてもテーブルに活かさないのでは意味が無くなってしまう。どんな環境、心 境においても実力を発揮できるように努力して欲しい。 5位 寺澤(明治3) 自分のアイデアをもち、また叩き台になる意見が無くテーブルが停滞した際に 自分の意見を率先して出した姿勢などを評価した。しかしそれらのアイデアは 最終的にどういった意図のものなのかといったイメージがしづらく、積極的に は検証されない流れが幾度か見受けられた。テーブルメンバーがより分かりや すく、興味を持ちやすいアーギュメントやアイデアをアウトプット出来るよう になっていって欲しい。 6位 森田(芝浦工業3) 浸透度の高いQやCを評価したが、独自のアイデアが見られなかったことから この順位とした。 また混乱して早くなったテーブルにつられる形で焦っていた ように感じたため、議論の流れを客観的に見てユニークネスのある介入を出来 るようになって欲しい。 7 位 桑江(明治3) 内容に関する素直な疑問をぶつけるQを評価したが、介入が限定的であった。 また自分の理解のためのQが多かったためにテーブルでのネセシティ感じづら かった。自分の介入が持つテーブルへの影響をしっかりと示せる介入をしてい って欲しい。 8位 岸田(青山学院3) 介入が非常に限定的であった。カンファメーションをしていたが二次的なもの が多く、効果的とはいえなかった。今後は一番早いカンファメをしてテーブル の理解度を促進できる存在になって欲しい。
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