第26回 父の日 似顔絵・作文コンクール入選作品 黄色いリボンキャンペーンの一環として毎年全国から募集している「お父さんの似顔絵」と 「お父さんへの作文」。お父さんへの感謝の気持ちや愛情がいっぱい詰まった、 本年度の入選作品をご紹介します。どれも心温まる作品ばかりです。 作文部門 「父 と 私の 秘 密」 狩野智子 歳/群馬県 肝 心の私の目の方は、 様々な検 査 をし、 視 力 回 復のトレーニングのよ て申し訳ない気持ちになった。父は、 いたと 同 時に、 私は 本 当に父に対し と 、 最 近になって母から 聞いた。 驚 うなこともしたけれど、 特に効 果は 「アイスでも 食べるか?」 父はニヤリと 笑って、 駄 菓 子 屋に 車を 停めた。そうして私に好きなア われる 度 、 私を 叩いたことを 思い出 友 人や親 戚に「よっちゃん( 父 )は して涙ぐんでしまうのだという。「そ 本 当に 穏 やかで 優 しいな あ。」 と 言 んなの、 私 が 悪かったんだから 気に 出なかった。「また視 力が下がった」 なった。 たぶん 父 は、 そ ういう どん たり 責められているような 気 持ちに しないでって、 父さんに言っておいて な ど と 医 師 に 言 わ れ れ ば、 父 と ふ よりした気 持ちを 少しでも 軽くする カのアイスを買う。私の小 学 生 当 時 、 これが父と 私の密かな楽しみだった。 ために、アイスを買ってくれたのだ。 もら うアイスがとても 贅 沢で格 別な 買ってくれなかった 為 、 父に 買って 家の 母 が 大 容 量のバニラアイスしか しているのだけれど、 父は 私に 手を た くさんあった。 だから 父には 感 謝 あの時 父に叩かれて、 私は 自 分を 省みることができ 、 気 づいたことも かった。 く軽やかに溶けていったアイスのよう いることを 悔やむ 私 。それでも、 甘 いる 父と 、 父にそんな 思いを させて 「四十一歳の男の子より」 佳作 「天国の父ちゃんへ」 佳作 「楽しみにしててねお父さん」 増田陽太 小学5年生/広島県 石原節子 69歳/岐阜県 イスを 選 ばせ、 自 分は 決 まってモナ 小 学 校の 入 学 前 健 診 で「 先 天 性 乱 視 」と 診 断された私は、六才で眼 そういうもんじゃないのよ。」 鏡をかけ始めた。 今でこそ眼 鏡の小 な優しさがあった。 親 子 の 関 係 は 近いよ う で 遠 く、 年 々 切 な さ が 増 し てゆ く。 子 が 親 よ。」 と わ ざ と 軽い口 調 で 言った 私 視 力 回 復は見 込めないと 両 親が判 断したのか、いつしか 眼 科 通いはな は、何て長い時間がかかるのだろう。 の気 持ちを 理 解できるようになるに 当 時の父は働き 盛り、 会 社を休むこ くなり、私は思 春 期と同時に反 抗 期 実 家の冷 蔵 庫には、もう 大 容 量タイ 学 生は 珍し くもないけれど、 当 時は を 迎えた。 父に 対しても八つ当たり プのアイスはな く、 父 が 変わら ず 好 目な顔で答えた。「 親っていうのは、 道二時 間の、『 ○ ○ 研 究 所 』と 名の 私の両 親は、この子の目を 何とか しようと 必 死だったと 思 う。 車で片 受 験 期 、一度だけ 父に 激し く 叩かれ し、ひどい言 葉をぶつけた。 中 三の き なモナカのアイスが 並 んでいる。 に、 母は 苦 笑いしながら、でも 真 面 付 くような 眼 科のパイオニアに、 月 たことがある。もうそれは、 父に暴 り 出したら、やっぱり 父は 泣いてし それをかじりながら 私が昔の話を 切 だろ うけれど、いつも 父には 穏やか に二回 程 父に 連れられ 私は 通ってい 言 を 吐いた 私 が百パーセント 悪 く、 とも 往 復四時 間の運 転も 負 担だった た。 診 察は平日なので、 私は学 校を 父には 何の 罪 も なかった。 叩かれて 少 数 派 。 学 校ではからかわれ、あだ 早 退し、 父は職 場に半 休を 取り 通っ まうのだろうか。 名を 付けられ、 牛 乳 瓶 底のような分 た。この眼 科の帰りに、父と 私はこっ ダイレクトに 伝 わって 来て、 心 が 痛 いる 体の痛みよりも 、 父の悲しみが 厚いレンズは、 私の 顔にも 心にも 重 そり 駄 菓 子 屋へ寄ってアイスを 買 う ものに 感じられた。 そして、 父とふ に、いつか父の心を溶かしたいと 思っ 「交かん日記と三つの約束」 大西賢 41歳/東京都 くのしかかった。 のが習 慣だった。 当 時 家では、 倹 約 昔 共 有した、ささやかで楽しい秘 密と 、各々が胸にしまっている秘密 。 たりだけの秘 密を 共 有しているよう 上 げたことを二十 年 経った 今でも 後 銀賞 銅賞 娘に手を 上 げたことを 悔やみ続けて でワクワクしたこと を、 よく 覚 えて 「父とオセロ」 大田真穂 10歳/三重県 山本由美子 年齢不明/大阪府 文部科学 大臣賞 ている。 金賞 中山沙香 小学3年生/東京都 34 悔していて、 思い出 すのも 辛いのだ いる。 BEST FATHER BOOK 29 「大好きなお父さん」 FDC 会頭賞 Essay Category その 他 の 受賞者 似顔絵部門 第27回 お父さんの似顔絵・ お父さんへの作文 コンクール募集要項 Portrait Category 応募資格 未就園児、保育・幼稚園児、 小学生、中学生、高校正、 大学生、社会人 ※どなたでもご応募いただけます 文部科学 大臣賞 「ちゃちゃっと ピラフを作る シェフのとと」 園田心海 応募形式 小学2年生/鹿児島県 ・ 「お父さんの似顔絵」 四つ切り画用紙(54cm×38cm)で、 クレヨンか水彩絵の具(原則として) 銀賞 ※注意点 作品は厚紙などで挟むなどして、 丸めずにお送りください。 「懐かしい父」 ・ 「お父さんへの作文」 400字詰め原稿用紙1枚以上。書式は自由です。 澤田智恵 76歳/高知県 ※似顔絵・作文ともに、作品には「題名」 「住所」 「電話番号」 「氏名とふりがな」 「年齢」 「性別」 「学校名・学年」を必ず明 記のうえお送りください。似顔絵は裏面に、作文は別紙にご 記載のうえ、作品と一緒に綴じてください。入賞のご連絡の 際に必要となります。 ※作品の返却はいたしませんのでご了承ください。 ※著作権につきましては当協会に帰属いたします。 応募期間 平成27年4月1日(水) 〜8月31日(月) ※当日消印有効 入選発表 平成28年4月下旬(予定) 表彰式 平成28年6月上旬(予定) 表彰式は、日本一のお 父さん『ベストファーザー・イエローリボン賞』発表・授 賞式とあわせて開催いたします。なお、 「似顔絵」 「作 文」において最高賞の【文部科学大臣賞】 を受賞され た方には、当日出席いただき「賞」が授与されます 賞 ≪文部科学大臣賞≫ 似顔絵・作文 各1点 ≪FDC会頭賞≫ 似顔絵・作文 各1点 ≪金賞≫ 似顔絵・作文 各1点 ≪銀賞≫ 似顔絵・作文 各1点 ≪銅賞≫ 似顔絵・作文 各1点 ≪佳作≫ 似顔絵・作文 該当者数による FDC 会頭賞 「若き日の父(戦争で断筆)」 松田まさる 78歳/千葉県 佳作 「ゴミだしにいくパパ」 ※いずれの賞も、賞状と図書カードが贈られます 加治舞子 年中/石川県 審査委員 江川達也(漫画家)、川津祐介(俳優・エッセイスト)、 「ロックンロールを おどるお父さん」 金賞 「いつも笑顔の優しいパパ」 西山怜来 年中/大阪府 柏紅緒 小学3年生/茨城県 篠沢秀夫(学習院大学名誉教授)、鈴木光司(作家)、 畑 正憲(作家)、松谷孝征(手塚プロダクション社長)、 山藤章二(イラストレーター) 銅賞 選考基準 お父さんへの気持ちが表れている作品なら、どのよう な作品もお受けいたします。作文の原稿数の多い・少 ないは、賞には関係ありません。似顔絵は、クレヨン、 水彩絵の具をお使い頂いたうえで、単色のみの作品 でもかまいません 後援 文部科学省 主催・応募先・お問い合わせ先 日本ファーザーズ・デイ委員会『似顔絵』 『 作文』係宛て 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-18-14 電話番号 03-5412-2330 URL http://www.fdc.gr.jp/ 31 BEST FATHER BOOK 佳作 「おとうさんの だっこでゲラゲラ」 内山みなも 年長/北海道 BEST FATHER BOOK 30
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