テンダーケア通信東京都中央区銀座 5-12-8 王子ホールディングス 1 号館編集・制作：株式会社ジェイ・キャスト発行人：取締役ケアサポート事業本部長笑う機会の少ない人たちに﹁元気と笑顔﹂を届けるために、自ら思い立って、介護施設や病院などを巡る﹁ボランティア落語﹂を始めた笑福亭鶴笑師匠。その活動に共感した日本フィランソロピー協会がサポートし、王子ネピアが協賛して、日本全国を巡る﹁ボランティア落語会﹂になりました。発行日：平成 27 年 6 月 15 日山下千晶 New! 笑福亭鶴笑師匠に聞くボランティアはライフワークだと熱く語る人間・鶴笑の志と、笑いの秘密に迫る号外をお届けします。 80 大阪のお笑いの殿堂﹁なんばグランド花月﹂のます。話芸とかテクニッ抜いてしまう鋭さがありしているのかを直感で見高座にあがり、８５０人クだけでは通用しない。ところがありますね﹂が成り立っていくような心と心が通じて初めて芸以上の観客を沸かせる。客層に合わせてネタと構成を調整会話する、手拍子をしそんな実力派の鶴笑さてもらうなど、参加してんが、年の東日本大震ことが起きる。介護施設では、不思議な笑福亭鶴笑さんが、ボランティア落語を催したでボランティア落語をし年間で１００カ所の施設明るくしたいと思い、１災後の重苦しいムードをがけているという。の空間をつくることを心もらいながら一緒に笑いようと決心。大阪中心に、笑いは人と人の壁人種の壁を越える両脚と片腕で操るゴジラえば、このパペット落語。です﹂きっかけになれば嬉しい昨年秋、鶴笑さんのもと、もう一方の腕で操るとに朗報が届いた。パモスラが、互いにパンチて帰ってしまう⋮⋮。会場に来た人が杖を忘れた人が笑う、杖をついて立ち上がる、笑わなかっより、その日集まっていの芸を単に見せるというもらえませんから。自分普通に落語しても笑って﹁最初は苦労しました。訪問を成し遂げた。ジック、パペット落語なその秘密は、紙切り、マちまち笑顔がこぼれる。さんの手にかかれば、たたときに捨て身で試すとボランティア落語や、谷間で落語人気が低迷し親子で楽しめる舞台﹁こ術の人形。漫才ブームの員時代に使っていた腹話パペット落語の原点と思われがちだが、鶴笑は、鶴笑さんの母親が教ども劇場おやこ劇場﹂な受けることになったのだ。が表彰される特別推薦をらに特に優れた作品だけたった一人で１００カ所﹁〝笑いの力〟がそうさせる人の年齢や、お年寄りど、芸の豊富さにある。大ウケに。オリジナルのど、これまでの多彩な活ずっと車椅子を利用していた人が笑った拍子にたんでしょうね。笑いにの病状などを観察し、ま﹁目が不自由でも紙切りパペット人形をこしらえ動が認められたのだ。ペット落語が厚生労働省は人を元気にする力があた反応を見極めながら、した作品を触ったり小咄て、独自のパペット落語﹁文化財だから〝拝観料〟を繰り出す大激闘を、迫りますから﹂話すスピードや、披露すを聞いたりすれば想像でをつくりあげた。社会保障審議会推薦の児そう語る鶴笑さんが、﹁笑いの力﹂に気づいたのるネタなど構成を少しずきるし、耳が不自由でも力満点で繰り広げる。は、１９９５年の阪神淡つ変えていきました。﹁人形はすべて手作りで童福祉文化財に認定、さ路大震災だった。ゴジラ対モスラをパペッ国に認められたことで、所属する吉本興業も功績を評価し、受賞記念公演を催す話もある。さ顔を届けたかったのでて、そういう子たちに笑つ子どもがたくさんい﹁世界には笑わないで育落語会を行ってきた。など、政情不安な国でもイラク、アフガニスタンミニカ共和国やハイチ、大地震の被災地を始めドパペット落語は海外でも人気を呼んだ。トルコ方、家内制手工業で作り作のゴジラ、モスラは両インしてくれてます。新の娘は、パソコンでデザり几帳面ですし、大学生す。嫁はんは僕なんかよと失礼やというわけでしたものをお見せしないなったんです。ちゃんとを手伝ってくれるように﹁嫁はんと娘が人形作りらに人形作りにも変化が。す。笑いというのは、人し、子どもが未来を見るる。笑えば夢がでてくるさん。今後も全国を巡る。ボランティア落語はラの壁を越えさせてくれイフワークだという鶴笑ました﹂実績が認められ児童福祉文化財にがこもるんです﹂いるの？と聞かれるけどいらないですよ︵笑︶﹂鶴笑落語の真骨頂といす。親しみも湧くし、魂か、本気で笑わせようとトでやれば楽しめます﹂被災者に笑わせてほしいと頼まれたんです。被災者が避難する体育館で落語をやらせてもらうと、地響きみたいな笑い声が湧いてきた。おばちゃんお年寄りというのは、﹁地震後しばらくして、落語家が嫌々来ているの一般的に、目や耳が不自由な方に落語は不向き稽古場には師匠手作りの手が入るものや全身を使って動かすもの、さまざまな人形があると人の壁や、言葉や人種半生を綴った師匠の著書『世界は広くてせまくて、やっぱり広い∼お笑い海外武者修行記 ∼』。笑って泣ける名著！から〝ありがとう〟と握手されたり、おっちゃんは前向きに行こうとみんなに声をかけているし、笑いにはすごい力があるのだと知りました。それ以来ボランティア落語をするようになったのです﹂鶴笑さんは、関西を中心に活動しているため、耳なじみがない人もいるかもしれないが、笑福亭仁鶴さん、鶴光さん、鶴瓶さんなどは松鶴一門の兄弟弟子になる。 ▼ 2014 年、アフガニスタンの難民キャンプで慰問公演。笑顔とともに支援物資も届けた ▼ 2010 年、イラクの難民キャンプで出前寄席。子どもにもわかりやすい紙切りやパペット落語で笑顔をひきだした発行元：王子ネピア株式会社ケアサポート事業本部笑福亭鶴笑／ 1960 年兵庫県生まれ。1984 年、６代目笑福亭松鶴最後の弟子として入門。1990 年から世界を笑かそうと武者修行に。オリジナルの﹁パペット落語﹂で日本人初、世界三大コメディフェスティバルを制覇。2000 年から家族と共にシンガポールとイギリスで８年間暮らし、世界カ国、都市で公演する。2008 年拠点を日本に移す。2010 年にイラクで慰問公演。チームお笑い国際便を結成し、 2014 年にアフガニスタンで慰問公演を実施。同年、﹁パペット落語﹂が厚生労働省推薦の児童福祉文化財に認定され、翌年には社会保障審議会児童福祉文化財の特別推薦に選ばれ表彰を受ける。 30 11 号外ボランティア落語は僕のライフワークです号外（2015 年 6 月 15 日発行）号外（2015 年 6 月 15 日発行）鶴笑さんのボランティア落語は日々進化している。小咄、南京玉すだれ、紙切り、マジック、パペッ高橋王子ネピアさんと協力して開催しているボランティア落語会も、３年目に入りましたね。清水お陰さまで、全国の施設の皆さまに大変喜がとう﹄とねぎらってく﹃ご苦労さま﹄とか﹃ありら。心と心のふれあいこ席では経験できませんかふれあいが嬉しくて。寄﹁こういう一つひとつのですね。高橋ネピアさんは社会貢献活動にとてもご熱心方と協力して会場設営と国の支店の社員が施設のら、取り入れてみてはどうでしょう。笑いというのは、立派なリハビリだなと思僕のマネしてくれていいんですよ、〝チャラいます。心のリハビリ、心のマッサージです。リ∼〟とか言うて。笑いが必要だとわかった公演の最初に声を出してもらったり、拍手ら、施設のテレビでお笑いの番組をみんなでしたり、体を動かしてもらうこともあります。見ようかということでもいいんです。大きな声を出したら発散できるのはもちろんデイサービスを利用している方のご家族にですが、実はこれ、笑うための準備体操なんは、笑いを家庭の中に取り入れてもらってもです。しばらく笑っていないと、なかなか笑いい。そうして笑いがリレーのようにどんどえないから体をほぐすんです。だから僕は、〝お笑い介護福祉士〟みたいなん広がっていくと嬉しいです。ボランティア落語をやることで、そういうものです。そんな資格ないけど、僕のやって〝笑いの種〟を全国各地にまいていけたらいい清水紀暁撤去を行い、師匠と一緒に頑張っています。高橋﹁笑い﹂の種を届ける現場に社員が立ち会うのは意義があります。清水開催希望をたくさんいただいているのに回りきれないのが現状ですが、鶴笑師匠の志を社員みんなでずっと支えてい検索ボランティア落語会王子ネピア株式会社代表取締役社長北海道地方 9カ所 2012 年スタートただ今 210カ所 ! きます。東北地方 11カ所近畿地方 112カ所清水はい。特にこのボ皆さんを笑顔にしたい！髙橋陽子さんト落語など、３∼４人分の芸を一人で、テンポよく披露していく。﹁このほうが皆さん飽きないですね。１時間じっと人の話を聞くのは、おれる。施設によっては、そがボランティア落語なしうちの施設には笑いが足りないなと感じたも、すごく笑っていたと言います。んどの場合、カメラは利職員の方が気づいてくれたら嬉しいです。も表情が柔らかくなるんです。施設の職員さん用者に向けられている。て会話もはずみます。そういう笑いの効果に、そういう人に落語を聞いてもらうと、顔の笑顔と元気届ける落語会を支援ていたりします。ランティア落語会は、全握手したり、写真を一緒のでは。僕の心の栄養にんでいただいています。に撮ったりしてふれあっもなっています。だからしていたという話を聞いに出向いて、てきぱきとたりとか。落語を聞きにいの渦が巻き起こる。進める。来られなかった人を見舞続けられるんです﹂設営や撤収なども、ネピなったのは、全国を回らいに、お部屋に伺ったこわかってきたから、高座年寄りにはしんどいものせていただき場数を踏ま１時間前に着替えの入った小さなトランクをともありました﹂なんです。でもこうするせてもらったお陰です﹂持った鶴笑さんが会場にたことがある。王子ネピアが、鶴笑さんの全国キャラバンを支到着。羽織袴に着替えて、目標は１０００カ所。﹁１００歳になって、自﹁落語会が終わったら、援するようになったの分が介護施設に入ってもアの支店スタッフが施設る様子を見ていると面白は、たった一人で１００認知症の人が、鶴笑さ出囃子が流れたら本番のんが帰ってから、﹁鶴笑、で焦ったりしません。い。もちろん鶴笑さんもカ所の施設を回った活動始まり。多彩な芸がノンと反応がいいんです﹂撮っているのだが、ほとに共感したからだ。﹁寄席ストップで展開され、笑落語を聞いたら、元気になって笑顔になっ公演中、施設の職員がどんな施設に行ってもカメラを手に撮影してい動揺せずにできるように﹁面白いでしょ。利用者に行きたくても行けないような体操メニューを開発したいですね。いんです。そうすると、顔も表情も硬くなっ師匠の志をずっと支えたいが笑っているところをお年寄りに〝笑顔〟と〝元せん。これからは、声をだして笑えるというかのように、笑わなくなった人って意外と多笑いの渦に包まれあっという間の分撮って、ご家族に見せる気〟を届けたい﹂というお年寄りの中には、笑いを忘れてしまったやるつもりです！﹂らしいです。するとすご鶴笑さんの思いをバックその流れを紹介しよう。アップしたかった。若い人のように大きな笑い声が上がることはなボランティア落語がどのように開催されるか、くても、みんな笑顔になっているのだ。ジュール調整を行う。まず、施設の開催希望﹁声を出して笑えるのは日と鶴笑さんのスケ元気なお年寄りだけ。病気の方などは笑っていて落語会に必要な道具も声が出にくいんです。︵定式幕、座布団、ＣＤラジカセ、演者札など︶は、関東地方 32カ所中部地方 16カ所中国地方 12カ所四国地方 6カ所ですね。これが今後の大きな目標です。いるのはお笑い体操みたいなものかもしれま心では笑っているけど、表情が硬くてわかりにく事務局が用意し、会場の日本全国に笑いの種をまきたい！面白かったな﹂と繰り返く喜ばれるそうですよ﹂公益社団法人日本フィランソロピー協会理事長 C王 S子 Rネ活ピ動アはさ素ん晴のらしい 2015 年 5 月 31 日現在い人もいる。でもそれが（写真上）小噺で皆さんと目を合わせながらテンポなどを調整（下）笑いをとりつつ紙切りを披露。皆さんの感嘆の表情に師匠も笑顔王子ネピアが師匠の思いに賛同し、ボランティア落語会を支援して３年目。進化を続ける鶴笑落語の魅力をボランティア落語会（写真上）鶴笑ワールドに引き込まれ笑いすぎてしまう（中）いよいよクライマックス。パペット落語「時ゴジラ」を熱演（下）終わると「楽しんでもらえましたか？ありがとうございました」と声をかける 60 九州地方 12カ所目標は 1 0 0 0 カ所！ 1 0 0 歳になっても続けたい！亭笑福レポートします。主催：公益社団法人日本フィランソロピー協会協賛：王子ネピア株式会社