イノベーション創発塾1期生 あゆみ - 高度イノベーション博士人財育成

援
円
en’
縁
Innovative Leaders Pl at form
東北大学
高度教養教育・学生支援機構 キャリア支援センター
高度イノベーション博士人財育成ユニット
〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-11 工学系総合研究棟13階
TEL:022-795-3231 FAX:022-795-3232
E-mail:[email protected] HP:http://www.ilp.tohoku.ac.jp/
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イノベーション創発塾
第1期生の歩み
【平成26年度活動報告】
東北大学 高度イノベーション博士人財育成ユニット
イノベーション
世に革新を生み出す博士人財へ
東北大学の高度技術経営塾は多くの博士人財を世に輩出してきた。
卒塾生は各々の専門知識に加え、課題解決能力、コミュニケーション能力、
リーダーシップを身に付け、今では社会の第一線で活躍している。
今年、高度技術経営塾はイノベーション創発塾として生まれ変わった。
発展したカリキュラムは、博士の持つ力を大いに飛躍させる。
塾生はチームを組み、ディスカッションとプレゼンテーションを重ねることで、
社会に潜む問題を見つけ、それを解決するアイデアを生み出していき、
そして実現する方策を学ぶことができる。
単なる専門家ではなく、世に変化をもたらす人財へ。
イノベーションを生み出す博士人財はここから生まれる。
目 次
機構長あいさつ
2
イノベーション創発人財育成プログラム
3
PBL実践−講義―
4
PBL実践「公開プレゼンテーション」
5
イノベーション特論「あるべき博士像」
6
イノベーション特論「R&Dマネジメント」
7
イノベーション特論「ベンチャー起業」
8
高度展開スキル「戦略立案」
9
高度展開スキル「課題形成・解決、知的財産」
10
高度展開スキル「プロジェクトマネジメント」
11
社会人基礎力「グローバルコミュニケーション」
「セルフマーケティングとビジネスマナー」
12
社会人基礎力「組織マネジメント」
「 合宿研修」
13
卒塾生の活動
14
キャリアパスフォーラム
15
卒塾を迎えて∼1期生の言葉∼
16
イノベーション創発塾第1期カリキュラム
18
講師紹介
19
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
1
イノベーション創発人財育成プログラム
高度イノベーション博士人財育成ユニット
イノベーション
創発塾
トランスファラブルスキル養成
高度展開スキル、社会人基礎力、
PBLによる課題形成・解決力
インターン
推進室
実践力養成
国内外企業・研究機関等での
中長期インターンシップ
キャリア支援室
博士キャリアパスフォーラム
博士人財データベース
キャリアパス支援
即戦力
博士人財
輩出
︵ 国 内 外 ︶企 業・研 究 機 関 等
ポ ス ド ク・博 士 学 生・一 部 修 士 学 生
東北大学イノベーション創発人財育成プログラム
イノベーション創発塾カリキュラム構成
本プログラムは、広い視野とマネジメントスキルやコミュニケーション力などの社会人基礎力、
PBLによる課題設定・解決力などを習得し、自ら起業家を目指す人財、産業界でイノベーション
イノベーション特論
あるべき
博士人財像
イノベーションと
R&D
ベンチャー起業と
その課題
毎週火曜日午前中
9カ月間
延べ100H程度
高度展開スキル養成
プロジェクト学習による
課題形成・解決力養成
社会人基礎力養成
戦略立案プロセス
ビジョン・ゴール
人間理解 1泊2日合宿
課題形成・問題解決に
役立つ手法
計画・目標設定
組織マネジメント
プロジェクトマネジメント
情報収集・課題解決策
セルフマーケティングと
ビジネスマナー
知的財産戦略
企画提案書の作成
異文化対応
コミュニケーション
公開
プレゼンテーション
創出を目指す人財など、研究室で培った高度専門知識・技術をベースとしたイノベーション創発
人財を育成すると共に、即戦力となる博士人財を社会に輩出するものである。(PBL:Project
Based Learning プロジェクト学習)
◀キャリアパス
フォーラムで
企業内の博士の
活躍状況を
熱心に聴く参加者
近年我が国の大学院教育において問題とされてきたことは、
イノベーションを自ら創成し、
グローバルに活躍
できる人材を育成してこなかったのではないかとの指摘です。
これらの課題を解決する方策として、
本学では博士後期課程の学生やポスドクの若手研究者を対象に、
大学
院教育で培った高度専門知識・技術に加えて、
それらを実務に展開する
「高度展開スキル」や、
「社会人基礎
力」、
「グローバルコミュニケーション力」などの養成をおこなう
「高度技術経営塾」
を平成18年度から実施して
きました。
多くのOB・OGが社会で活躍しております。
平成26年度からは、
さらなる社会ニーズに応える目的から、
Project Based Learningを取り入れて、
様々
東北大学教育・
学生支援担当理事
高度教養教育・学生支援機構
機構長
花輪 公雄
な問題を俯瞰した上で、自ら課題を設定し解決できる人材育成に取り組んでおります。
また、
そのような人材を
広く社会に輩出するための「キャリア支援活動」
と
「インターン推進活動」
も継続して実施しております。
平成26年4月1日に新設されました「高度教養教育・学生支援機構」の中の「キャリア支援センター」の業務
を拡充して、
これまでの学部学生や博士課程前期(修士)学生に加えて、後期課程(博士)学生やポスドクの
キャリアパス支援を行うワンストップサービス拠点としました。多くのポスドクや学生の皆さんが当ユニットの事
業に参加することで、社会ニーズに応えるスキル等を身につけ、
イノベーション創出を担う人材として、
アカデミ
ア・産業界をはじめとして各分野でグローバルに活躍されることを期待します。
また、
産業界からもこのような博
士人財を多く採用いただくことを念願しています。
2
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
▶プロジェクト
学習における
進 報告会での
白熱した議論と、
それを聴く受講者
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
3
PBL実践 − 講義 −
PBL実践「公開プレゼンテーション」
いま、求められていることは
提案すること、伝えること
生活や情報、
技術の多様化が進む現在、
我々はさまざまな問題に直面しています。
ですがその多くは自覚すらされ
講義で設定した課題の解決に向け、
フィールド調査やヒヤリングなどを行い、課題解決の方法を提案します。
る学生がグループを組み、
さまざまな専門分野のグループディスカッション視点からひとつの課題について解決方法
イスをいただきました。
ていない場合もあり、
まさにイノベーションの創発が求められています。
本講義では、
関心のある問題分野を同じくす
を模索します。
専門分野を実社会に生かすためにはどうするべきか、
実践的に学びます。
VOICE
塾 生の声
VOICE
●自らの研究に対してどのような利点があり、
どのように社会に貢献できるかと
いう位置づけを改めて考え、
文書化することによって、
研究の視野を拡げるこ
とができました。
新聞やネット記事を読み様々な情報に対してアンテナを張る
ようになったこと、
実際に人に会いに行くことの重要性を肌で感じることがで
きたことが座学だけでは学べない学習だったと思います。
(工学研究科 D1)
講師
シンクタンク未来教育ビジョン
代表 鈴木 敏恵
公開プレゼンテーションには多くの企業や社会人の方が見に来られ、提案を実現するために必要な意見やアドバ
●直接ビジネスには関係しない
(主にロマンで成り立っている)
研究を
しているので、全く知識が無いところから急にイノベーションの提案
をしろというのは無理難題だと感じました。
ただ、
異なる学問領域の
人間が集まって、
問題設定の段階から提案の内容を考えていくプロ
セスを体験できたのは非常によかったと思います。
科学的な知識や
センスに基づいて実現可能性を見極めたうえで問題設定を行い、
商
売として成り立つ解を提示できるかどうかが重要だったと理解して
います。今回はかなり困難な課題を選んでしまったので、問題設定
の前の段階の調査にもっと時間と労力を割くべきだったと反省して
いますが、
なんとなく同じ志向をもった博士学生の方々とあれこれ苦
労できたのは、
今となっては良い思い出です。
(理学研究科 D2)
●自分が関心のある社会問題について、漠然とした課題に対する具
体的な解決策を構想する良い機会でした。
同じ志を持つ人とチーム
を組むことで人それぞれ異なる多様な考え方を知ることが出来た
だけでなく、問題解決までに立ちはだかる困難をどのように乗り越
えていくかといった経験も得ることができました。
(理学研究科 D1)
●身の回りにあるニーズに目を向けること、潜在
的なニーズを掘り出すことの重要性を学び、
以
前よりも身の回りの情報
(ニュース、
新聞)
に興
味を持つようになりました。
自分の研究が役立
ちそうなものはないかというアンテナを以前よ
りも張るようになりました。
(工学研究科 D1)
塾 生の 声
●自分たちが考えた提案を実際に社会で活躍されている方々に見て頂き感想
をいただいたことで、普段学術分野に身を置いている自分たちと社会との
ギャップを実感すると共に、
それを埋めていくための手掛かりを得られたように
思い ます。
(工学研究科 D2)
●他分野の専門家が聴講する中でのプレゼン経験は普段の学会発表とは異な
り、
貴重な機会となったと感じました。
様々 な分野から有識者が集まり、
プレゼ
ンに対して真摯に意見を述べてくださったため、
異なる視点からの考え方を学
ぶ ことができました。
(工学研究科 D1)
●PBLで発表した内容に対して様々な方面の方から意見を頂いて、
新しく物事
を生み出し、
事業化していく難しさを学びました。
(理学研究科 D2)
●
「東北復興」
という壮大な問題に対して多様な観点からイノベーティブな解決
策を発表する貴重な場でした。聴講者には、東北経産局、企業の研究者・技
術者、看護師、教育関係者など様々な分野の方々がおり、私たちの提案の実
現化に向けての貴重な意見を頂きました。
イノベーション創発塾の活動の集
大成に相応しい充実した内容になりました。
(理学研究科 D1)
●多くの外部の人たちに自分たちのアイデアを評価し
ていただくことを通じて、社会の問題点を的確に洗
い出すことや、
その解決方法を導き出すことなど多く
のことが学べたと思います。
(農学研究科 D2)
●実際にベンチャー企業を訪問し、
社会の状況を理解
することができました。
こうした機会はなかなかない
ので、
貴重な体験となりました。
(理学研究科 D2)
●現在の日本社会の問題点に気づき、
自分たちなりのアプ
ローチを行うことで、
博士課程で日々磨いているデータ理
解力、
論理力を研究以外のことにもうまく応用させる経験
ができました。自分たちが博士課程で身に着けた能力を
いかにして社会に役立てていくか一つの方向性が見いだ
せたように思います。
(工学研究科 D2)
●現在の日本における問題はなにかを模索し、
設定した問題に関して分野の異なる者同士で
話し合いアイディアを出し合うことで自分の専門分野をどのように活かすことができ、
自分の
専門分野だけでは何が足りないのかということを考える機会となりました。
また、
チームを組
むことで仕事の分担やスケジュールの調整などの点でも実社会などで活かすことのできる貴
重な経験となりました。
(工学研究科 D1)
4
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
発表の様子
●限られた時間の中で素人が提案できるイノベーションはたかが知れ
ているはずなので、
あれほど多くの人に来てもらうのは申し訳ないと
感じました。
ただ鈴木先生のいう
「大人」
からの意見や主張を自分自
身の問題として聞けたのはよい経験でした。
(理学研究科 D2)
進捗報告
質疑応答
●学会とは異なり、専門分野の全く異なる方たちへの発表を行うにあ
たり、
興味や理解を頂けるような見せ方・表現方法を考える機会とな
りました。
見に来ていただいた方に
「面白い」
と言っていただけたとき
は、
自信が付きました。
(工学研究科 D1)
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
5
イノベーション特論「あるべき博士像」 イノベーション特論「R&Dマネジメント」
社会で輝く博士人財を目指して
イノベーションを生み出し続ける戦略とは
産業界においては、
博士課程で培われる特定分野への深い知識と共に、
周辺分野への幅広い理解や、
社会ニー
現代社会では、しばしば既存の価値観にとらわれない新製品が社会を大きく変容する場面が見られます。こう
かにして対応すればよいか。
実際に博士課程修了後、
企業で活躍された講師からその秘訣を学びます。
な戦略に関して、講師陣から実例や演習を通し学びます。
ズへの柔軟な対応が求められます。
私たちの強みを生かしつつ、
目まぐるしく変化するイノベーションの最前線にい
VOICE
塾 生の 声
した革新的製品を絶えず創造するために、何が必要でしょうか。本講義では、イノベーションを起こすための緻密
VOICE
講師
●「××という社会的課題を解決したい→そのためには○○・△△・□
□といった技術や研究が必要だ」
といった多分野統合的な思考を
鍛えるためには、
社会的課題への強い関心、
およびあらゆる学問分
野への興味と理解が必要だと理解できました。
(農学研究科 D2)
公益社団法人 科学技術
国際交流センター 会長
日本工学会 前会長
柘植 綾夫
塾 生の 声
●講師の
「創発人材」
に対する考えが思い当たる節多く、
刺激を受け
ました。
最近は社会でも
「ダイバシティ」
が重要視されるようになりま
したが、
日本にいかに多様性を根付かせられるかが、
「創発人材」
を
活かせる風土にも求められることだと思います。
(理学研究科 D2)
●様々な分野で技術が進んだ結果、一つの分野に特化しているだ
けでなく、複数の分野を視野に入れることが、
これまでにない新し
いイノベーションにおいて必要であるという講師の提言が非常に
印象に残りました。今後の学生生活で強く意識してきたいです。
(理学研究科 D2)
●短期的利益を目指したアメリカと顧客の満足を目指した日本のタ
イヤメーカーの経営戦略の違いとその結果の話は非常に印象的で
した。顧客や社会が何を求めているのかという洞察力と、
それにこ
の技術が貢献できるという明確なビジョンの重要性は、分野に関
わらず重要なのだなと感じました。
(理学研究科 D2)
●博士課程後期に進むメリットや、社会で活きる人材になるため、
学生生活をどのように過ごしていくべきか。
また、産業界における
博士号研究者の立ち位置などを直接聞くことができ、今後の研究
生活のモチベーションがより一層高まる充実した講義でした。
(環
境科学研究科 D1)
●消費者の顕在ニーズと潜在ニーズを汲み取ることや、消費者に製
品を実際に使用してもらい評価してもらうこと。
そうした消費者との
コミュニケーションや、
消費者側の立場に立つことの重要性を、
様々
な企業の例を分析することで学びました。
(工学研究科 D1)
●企業でのイノベーションのためには、
既存の事業とイノベーションと
の両輪を大切にするという点が印象深かったです。現在の日本企
業は既存の事業にウェイトが偏りがちなので、今後必ず博士課程
のようなイノベーションを起こせる人材が必要とされるだろうという
内容も励みになりました。
(工学研究科 D2)
●博士が産業界から求められていること、特に修士と博士で求めら
れていることが異なることを知りました。博士の持つ、本質を見抜
く力を生かして、自身の専門外のことに関しても取り込む重要性
に気付きました。
(工学研究科 D2)
講 義
講師
一般社団法人 企業研究会
顧問 VOICE
講師
浦川 卓也
一般社団法人 企業研究会
研究アドバイザー 村井 啓一
塾 生の 声
●研究開発をしていった先にイノベーションがあるのではなく、
イノ
ベーションのための研究開発の方法や考え方を学び実践していく
必要があるということが自分にとっては新しい知識であり、非常に
重要に感じました。
(工学研究科 D1)
●
「だれに」
「
、どのような価値を」
提供しようとするのかを明確にするこ
との必要性を学びました。
なにかを生み出すとき、
伝えるとき
「who」
「what」
を明確にすることをこれから先において意識していく必要
を感じました。
(工学研究科 D2)
講 義
VOICE
塾 生の声
●実際に講師が博士課程を修了し、
企業に入った際に感じた博士課
程を経たことのメリット、
デメリットを聞くことができました。今後企
業で働くにあたり、
博士課程において伸ばすべきことと、
欠点となり
うるので意識してカバーすべきことを知ることができ、
参考になりま
した。
(工学研究科 D2)
●イノベーションを生み出すためには、
まず自社のできること
(強み、
ポテ
ンシャル)
を理解し、
その上で自社技術をどのような新規事業に拡げ
てくことができるかを、想像力を働かせて決めていかなければならな
いということが分かりました。富士フイルムなど実際の企業を例にとっ
て説明されていたのでとても興味深かったです。
(農学研究科 D2)
講 義
●産業力の低下が否めない企業側にとって、
将来にわたる持続的な
成長をもたらすイノベーション創出能力と、
それを牽引するリーダー
が必要であり、
私たちがその人財になり得る可能性を秘めているこ
とを意識させられました。
(環境科学研究科 D1)
質疑応答
6
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
●講師が博士課程中に得られた点として述べられた、
高い問題解決
能力と他分野への適応能力は、自分もぜひ博士課程の間に意識
して身に着けるようにしたいと考えています。
(工学研究科 D1)
講 義
質疑応答
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
7
イノベーション特論「ベンチャー起業」
高度展開スキル「戦略立案」
イノベーションを起こす博士人材になる
市場を分析し、経営戦略を立案する
修士課程在籍中に起業した経験を基に、
イノベーションとは何か、
研究者だからこそ起こせるイノベーションの
仕組み、
これからの博士課程の中で追究すべきことについて、
丸氏の考え方を情熱を込めて提示します。
新規事業を興して成功を収めるには、
事業を取り巻く環境の分析や市場の特性調査を行い、
独自の研究成果や
VOICE
技術である
「強み」
を活用した価値あるモノを生み出すことが求められます。本講座では、経営学の専門家を招き、
業界の魅力度を測る業界構造分析や競合相手との差別化といった競合優位性などの現状分析、
独自の能力を活用
塾 生の 声
●実際にイノベーションを起こし続けている方のお話は説得力があり、
その熱意が伝わってきました。
プレゼンが非常に上手であり、
スライド
の作成方法や見せ方、
話し方に学ぶべき点が多くありました。
人に自
らの研究の魅力を伝えるためにはどのように振る舞えばよいかを学
ぶことができました。
(工学研究科 D1)
●論旨が明確かつ端的で、
丸先生が主張したいことを一回の講義で
理解することができました。
また、
講義展開も受講者側が興味関心
を持つように考えられていて、
ベンチャー起業に無関心だった自分
でも、
興味を持つことができました。
(理学研究科 D3)
VOICE
塾 生の 声
●業界分析にあたっては対象業界の製造ルートや流通の仕組み、
●講義では
「情熱」
というキーワードがよく用いられて印象的でした。
新
たなことを始める際には多くのリスクが存在するため、
二の足を踏む
のが普通であると思います。
それでも自分のやりたいことに忠実でい
られるかということが、
イノベーションを起こすか否かの分かれ道にな
ると感じました。
(農学研究科 D2)
政治的な対策まで含め考慮する必要があることや、対象業界が
辿った歴史について、
その原因などから考察することも将来予測
に有用であることを学びました。
(工学研究科 D2)
講 義
●各業界を俯瞰して、
それらの特性や成長性を見極めるのに必要な
知識を学びました。具体的なビジネスモデルに数多く触れること
ができて良かったと思います。
(理学研究科 D2)
講師
株式会社リバネス
代表取締役CEO 丸 幸弘
自己アピール
して事業展開するコアコンピタンス経営などについて、
実例を用いた演習等を行い、
戦略立案の技法を習得します。
●実際の企業を例にとって分析を進めることで、
業界魅力度や各社
の戦略などについてとても深く理解できました。
また、
業界分析を
行うためには政治的な方向へもアンテナを張る必要があるという
ことも分かりました。
(農学研究科 D2)
ベンチャー起業
投資側の視点からベンチャー企業を評価しイノベーションの創発に欠くことのできない経済的な問題を講義します。
震災復興の要として東北地方に根ざしたベンチャー企業創生の重要性とその現状が説かれます。
VOICE
塾 生の 声
●東北発のベンチャー企業を設立するにあたっては、東北独自の資
源、
資産を活用することが有効な手段になり得るということを学びま
した。
例えば地域の特産品や、
大学が持つ知識・技術などが該当し
ますが、
それらを活用し、
組み合わせていくことでイノベーションが生
まれてくるかもしれないと深く感じました。
(工学研究科 D1)
大変興味
●ベンチャーキャピタルに関して本講義を通じて初めて知り、
深かったです。
ベンチャー企業を発掘し、
投資することでサポートが出
来る。
そして、
成功するか否かを見極めるスキルが重要ですが、
事業が
成功すれば双方にとって利益が得られる。
こうした企業形態に興味を
抱いたと同時に、
ベンチャー企業の成功を支えていくにはベンチャー
キャピタリストの活躍が、
今後もますます重要になるのではないかと思
いました。
(理学研究科 D2)
●ベンチャーを起業する場合は、
返す必要のないお金
(エクイティ・ファ
イナンス)
を調達する必要があるというのが、
印象的でした。
当たり前
のようですが、
失敗がつき物の起業に際しては、
重要なことだと思い
ます。
そのようなお金の出所の一つがベンチャーキャピタルで、
お金
は無いけど情熱と技術・アイデアはある、
という人の挑戦を支えてく
れるよいシステムだと感じました。
(理学研究科 D2)
講師
オフィス・N
VOICE
であり、攻め込む業界はどこが良いかを検討する必要がありま
す。ターゲットとする市場は成長するのか、既存業者等の他者と
競り合って勝つためにはどうしたらよいかなど実習を通して議論
して学びました。
(理学研究科 D1)
講師
●ある業界を客観的に様々な角度から見て、その業界の魅力度や
東北イノベーションキャピタル株式会社
8
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
塾 生の 声
●ベンチャー起業をするには十分なマーケティングリサーチが必要
質疑応答
講 義
代表 長島 牧人
代表取締役社長 熊谷 巧
グループディスカッション
企業の強みを考えることが中心の講義でしたが、こうした考え方
で業界や企業を見ることは新鮮でした。
(理学研究科 D2)
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
9
高度展開スキル「課題形成・解決、知的財産」
課題形成・解決
リーダーシップを発揮してフロンティアを開拓する人材になる
新規事業の企画推進にはゼロからの課題設定と目標達成が必要になります。
課題形成・解決の講座では、
課題
形成・問題解決の考え方について学び、
現状把握と課題の形成に役立つツールを用いてPBL講座での課題を整理
する演習を行います。
VOICE
高度展開スキル「プロジェクトマネジメント」
プロジェクトマネジメント講座では抽象的な命題を具体的な達成目標に落とし込み、
計画の立案や評価法などプロ
ジェクトの遂行に不可欠な知識を学びます。企業就職希望者は元よりアカデミック志向の方にも必須なスキルです。
VOICE
塾 生の 声
塾 生の 声
●プロジェクトマネジメントの内容が、
将来企業に進んだ際の大規模
なプロジェクトの進め方と共に、今私が行っているような小規模な
研究の方法論について多くの示唆を与えてくれ、
受講してよかった
なと感じています。
(理学研究科 D2)
●顧客第一主義による商品開発の大切さを学びました。
ともすれば
開発者や技術者は、
「自分の造りたいもの」
に執着しがちですが、
それが本当に消費者の欲しいものかというと、そうとは限らな
い。常に対象を意識してプロジェクトを進めていくことの重要性
を感じました。
またグループ演習では
「的確に」
課題をみつけると
いうことの難しさを痛感しました。課題形成の道具(PDPC法な
ど)について講義で見聞きしたときは、自分にもできそうだと
思ったのですが、実際に自分たちが行っているプロジェクトを当
てはめてみると、
なかなかスムーズにいかずやきもきしました。
(理学研究科 D2)
講 義
グループディスカッション
グループワーク
講師
講 義
高度イノベーション博士人財育成ユニット
事業統括主幹
インターンシップ推進室長 髙橋 富男
知的財産
事業の安全性や優位性を確保するためには独自の研究成果・技術を特許などで保護することが重要です。
知的
財産の講座では、
特許制度について学び、
知的財産活動の意義を考えます。
VOICE
●プロジェクトにおいて的確な目標を設定するには、現状を正しく認
識し問題を洗い出すことが必要です。特性要因図の作成をとおし
て、問題を洗い出し現状を共有する技術を学ぶことができました。
また、目標設定や計画立案の方法については、
「シンポジウム
2014Aoba」
プロジェクトの実習で、
お金や時間の制約を設けて
具体的に学ぶことができました。
(工学研究科 D1)
●シンポジウムを開催するという例に目標マネジメントの実習を行
いました。
プロジェクトが成功したと言えるには何をどのくらい達
成すればよいか、目標設定が甘すぎないかなどに注意して取り組
みました。適切な目標を設定するにはある程度の経験が必要だと
感じました。
(理学研究科 D2)
VOICE
塾 生の 声
●プロジェクトの目標を立てたのちの作業である、
実際に必要な工程
を洗い出すと共に重要な事項を意識するという
「スコープマネジメ
ント」
の手法を学びました。
普段、
何か作業を行うとき全ての選択肢
を考えられていると思いがちですが、
案外できていないことに気づく
よい機会でした。
(工学研究科 D2)
●プロジェクトを遂行するには道筋を立ててそれに沿ってこなしていく
ことが基本であり、
その方法論としてプロジェクトマジメントがありま
す。
プロジェクトマジメントの各過程をこなす上で、何を重視すべき
か、何が不足しているかを考えながら、今後活用していきたいと思
います。
(工学研究科 D2)
塾 生の 声
● 特許とはそもそも何なのか?講義に参加する前は、
他社が発明を
模倣しないように守る権利というイメージを抱いていました。
しか
し、
特許の出願・登録・ライセンス契約・利益・新技術開発により、
知的創造のサイクルを生み出すために特許は重要であることを学
びました。
特許出願後には成果発表を行うことや、
特許が与えられ
る期間などの基本事項も学ぶことができ、
加えて、
企業で研究開
発していくためには研究スキル以外にも、知財戦略を組み立てる
スキルも重要であると感じました。
また、
社会全体の技術発展のた
織の役割が重要であり、非常に多くの人々に支えられて市場は成
長しているのだと考えました。
(環境科学研究科 D1)
講師
東北大学 産学連携推進本部
知的財産部長、
特任教授 塩谷 克彦
10
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
質疑応答
講 義
めには、
企業での研究開発だけでなく、
特許を公平に認可する組
講師
日本ユニシス株式会社
ビジネスアグリゲーション部
副部長
白井 久美子
講師
特定非営利活動法人
日本プロジェクトマネジメント協会
理事長 光藤 昭男
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
11
社会人基礎力「グローバルコミュニケーション」
「セルフマーケティングとビジネスマナー」
グローバルコミュニケーション
今日のグローバル社会において、英語スキルはコ
ミュニケーションを図る上での大前提のツールとなって
います。特に、博士は、自分たちが発信しようとするも
のを、
「グローバル社会で通用する英語」で、表現する
必要があります。
本講座では、実践的なプレゼンテーションを通して、
自分の意図を正確に伝えるためには、
文法だけではな
く、文化的背景や多様化した世界情勢への理解が必
要であることを学びます。
社会人基礎力「組織マネジメント」
「合宿研修」
組織マネジメント
VOICE
効率的かつ生産的な組織の運営に対して、博士人
塾 生の 声
●他分野の学生に対して英語で研究紹介をする機会はあまりないの
で、
とても良い刺激になりました。
また、
一人一人の学生に対して講
師の先生から適切なコメントをいただけるのも大変魅力的だと思
います。
(理学研究科 D3)
●短い時間ではありましたが、
英語での発表に対して具体的なアドバ
イスをいただけて非常にためになりました。
他の塾生の発表および
他の塾生に対するアドバイスも聞くことができ充実した講義でした。
(工学研究科 D1)
材に求められるスキルは、
いかにうまくリーダーシップ
を取り、組織として動かしていくかということです。
本講義では、組織や組織を牽引していくリーダーは
どのようにあるべきかという理想像を、大企業で人材
開発に長年携わってこられた講師の経験と理論、
さら
にはグループディスカッションを通して塾生個人の中で
描いていきます。
VOICE
塾 生の 声
●組織のリーダーには様々な役割が求められますが、最も重要なこ
とは
「組織の果たすべき目的と目標を設定すること」
だと分かりま
した。
そのために必要な洞察力、判断力を身に付ける必要性を強
く感じました。
(農学研究科 D2)
●「自分がどのような性格の人間で、
どのような人と相性がいいの
か」
など、組織マネジメントを行う上で根幹をなす人間理解につい
て学ぶことができました。今後自分が社会に出て、組織を動かす
立場になった時に、
この講義で学んだことを活かしたいです。
(理学研究科 D1)
ソニー株式会社
講師
講師
人事センター 人材開発部
HRDマネージャー 井上 多恵子
英語実践プレゼンテーション
東洋学園大学 現代経営学部 客員教授
株式会社東レ経営研究所 特別研究員
渕野 康一
グループディスカッション
セルフマーケティングとビジネスマナー
合宿研修(2014年6月20日(金)、21日(土))
ビジネスマナーは、
相手を敬う思いやりの心であり、
社
人間の活動は、相手とコミュニケーションを取ること
会人の必須のスキルです。
このスキルは、
自信を持って大
きなビジネスチャンスに挑戦できる原動力にもなります。
本講座は、
企業で長年にわたり人事を担当された経
験豊富な講師により、
実践的なビジネスマナーを修得し
ます。
さらに、
セルフマーケティングについても学ぶこと
が出来、
就職活動に活かすことが出来ます。
VOICE
塾 生の 声
●どんなに優れた研究を行い、理想的なマネジメントをこなしていて
も、社会人としての基本的なマナーができてなければ優れた社会
人とは言えません。
当たり前のことをしっかり、
丁寧に行うことの大
切さに改めて気づきました。
(理学研究科 D1)
●マナーに関する講義を初めて受講しましたが、
基礎から丁寧に教え
ていただき非常に勉強になりました。
講義で学んだ正式なマナーで
で、豊かなものになっていきます。一方で、時に相手と
のコミュニケーションが上手く取れない、意図がうまく
通じないといった状況に遭遇することがあります。
本講座では専門家による講義と体験学習を通して、
人間理解や多面的な視野の習得に努め、
コミュニケー
ションの本質について学びます。
VOICE
塾 生の 声
●Face-to-Faceでは、
自分がどう見られているかを相手の目を見
て感じ取り、
それにより相手がどのような感情であるかを理解する
事のできるきっかけとなりました。
(工学研究科 D1)
●自分の性格を理解したり、
自分に対して周りがどんな印象を受けて
いるかを知ることが出来たりと、普段客観的に考えない内容で興
味深かったです。
言葉を用いない、
ノンバーバルなコミュニケーショ
ンの重要性に気付いた二日間でした。
(理学研究科 D2)
の名刺交換を早速実践しており、後輩にも同様のマナーについて
自信を持って伝えられています。
(工学研究科 D1)
講師
講師
高度イノベーション博士人財育成ユニット
名刺交換実習
12
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
人財開発主幹
キャリア支援室長
後藤 光
Face-to-Face
株式会社ヒューマン・ハーバー
代表取締役
山田 昭和
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
13
卒塾生の活動
キャリアパスフォーラム
博志会
業界を代表する企業の幹部が、
「求める博士人材像や自社での博士のキャリアパス」について熱く語ります
「わかる・できる・うごける」から更なる飛躍を目指して
博志会とは、
高度技術経営塾を卒塾後、
更なる
研鑽と成長を望む有志達が設立・参加し、
自主的
に活動している団体です(会員数約100名:
1-10期卒有志)。
会員皆が実社会で幅広く活躍
するために、高度な異分野専門知識の共有及び
期を越えた人的交流を軸に活動しています。
H26
年度は第6回博士博(異分野の博士による研究
発表会:約40名参加)・全国交流会、
及び複数回
の地区別交流(北海道・東北、関東・海外、西日
本)を実施しました。
活動を重ねる度に会員間の知的・人的交流が深くなり、
「わかる・できる・
うごける」の先へ歩みを進められていると実感しています。
(博志会会長:馬場耕一)
企業における研究部門や採用担当幹部との情報交換・交流を行う事により、企
業が求める博士人材情報を得て、キャリアパス選択の一助とするものです。ほとん
どの塾生に加えて後期課程進学を検討している前期課程学生も多く参加します。
東北PM研究会
日時
平成26年9月5日(金)
9期生
会場
東北大学工学研究科総合研究棟101講義室他
8期生
●久保田 伸彦
7期生
●大久保 敦史
6期生
講師 ●東條 充孝
5期生
4期生
縦 のつな がり
高度技術経営塾
卒塾生を中心に、
東北PM研究会という活動を行っています。
東北PM研究会では、
塾で学
んだP2Mを実践的に追究したいという志のもと、
「研究や学業においてP2Mを自在に活用で
きる実践力を身に付ける」
ということをミッションとして活動しています。
月1∼2回のペースで
集まり、
議論やオンジョブトレーニングを行っています。
今年度は、
PMAJジャーナルへの掲載
やPMシンポジウムでの発表、
さらに、
プロジェクトマネジメントの最前線でご活躍中の講師を
お招きした研修会の企画・運営など、
精力的に活動してきました。
卒塾にあたり、
「もっとP2M
を勉強してみたい!」
という方、
是非私たちと一緒にP2M実践力の向上を目指しませんか?
10期生
夢工学式発想法研修会の様子
●浅場 泰仁
理学研究科
今村 貴子
イノベーション創発塾第一期生の皆様、卒塾おめ
でとうございます。私は博士課程の二年生の終わり
から三年生にかけて塾でお世話になりました。現在
は博士研究員として研究活動を続けています。塾で
学んだこと、気づいたこと、どのようなことが印象に
残っていますか。時間の経過、職場環境の変化に
よっては、塾を終えた直後とは別の面が大切に思え
てくるかもしれません。困難なことに出会った時に
は、塾での経験を思い出して前進していきたいもの
です。また、塾の同期生は、皆博士課程を経験して
いる、ある意味で変わった集団です。細くても、長く
付き合いを続けて、お互いの変化・成長の過程で高
め合っていく仲間であり続けてほしいと思います。
皆様のこれからの活躍を祈念いたします。
14
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
高度技術経営塾
1期生
注)
イノベーション創発塾は、平成18年度から平
成25年度まで高付加価値博士人財育成を行っ
ていた高度技術経営塾を基盤にしております。
高度技術経営塾生は1期から10期にあたります。
高度技術経営塾
〈第10期生〉
蘇 敬夏
小林 拓生
皆様ご卒塾おめでとうございます。自分の研究活動と伴
いイノベーション創発塾を並行するのは大変だと思います
が、逆に、人材育成の観点では重要な項目の一つだと思い
ます。本塾ではプロジェクトマネジメント(PM)を基盤とし
て「高度専門知識・実務応用力・人間力」を講義、合宿、総
合演習などで学習しまして、単純な講義ではなく、様々な
分野の講師と学生さんとの交流を通じた討論も可能であ
り、複眼的思考と知識を揃えることができるきっかけにな
りました。さらに、学習した「わかる・できる・動ける」は今も
自身の時間管理・研究計画・コミュニケーションで活用して
研究を進行しています。卒塾生の皆様が社会の中心で多様
な活躍をする人材になるように心から応援しています。
株式会社日立製作所
横浜研究所 主任研究員
第一部
工学研究科
皆様、この度はご卒塾おめでとうございます。普段の研究
活動に加えて、毎週の講義、合宿、総合演習など、普通の博
士学生では得ることのできない経験を通じ、たくさんのこと
に気づき、学んだことと存じます。最後に行う総合演習にお
いて、私のグループでは、将来社会で活躍できる博士人財育
成プロジェクト(A.C.T.プロジェクト)を提案しました。グルー
プで議論する中で、本塾の3本柱である、
「わかる」、
「でき
る」、
「動ける」ができる博士こそ、今後活躍が期待できると
いう結論に達しました。卒塾後もこの3本柱を意識したキャ
リアアップを目指して欲しいと思います。また、本塾を通して
共に学んだ友人を大切にして下さい。たくさんの人と話すこ
とは多様な価値観を知ることができ、自分の視野を広げるた
めに有効です。将来それぞれのフィールドにおいて、本塾で
学んだことを生かしたご活躍を心から願っております。
第二部
第三部
各企業からの情報提供
分科会
交流会
各企業の研究方針、
ビジョンの他、
企業
参加者が希望する企業(業界)の会場に
和やかな雰囲気で講師の方々と話を
博士のキャリアパスの事例について講
近い距離で直接質問ができる分科会は
が求める博士人材像や企業で活躍する
演して頂きます。
〈第9期生〉
農学研究科
第一三共株式会社
人事部 人事グループ主幹
●植松 裕
VOICE
高度技術経営塾
オムロンヘルスケア株式会社
経営統括部人事部グループリーダー代理 基幹職
2期生
後輩へ送る言葉
〈第9期生〉
旭化成株式会社 人財・労務部採用グループ課長
3期生
横 のつながり
東北PM研究会のメンバー
株式会社IHI
総合開発センター化学システム開発部 部長 第一部:参加者の声
●各企業が求める博士人材像につい
て具体的に知ることができた。
また、
自分なりに考えさせられ良い機会に
なった。
●企業名から想定できそうもない事業
が行われていることが分かった。
会社紹介
分かれ直接企業の講師に質問ができます。
例年好評です。
VOICE
第二部:参加者の声
●博士学生としての心構え、企業の選
び方、
企業内の異動やキャリアパスに
ついて聞くことができた。
●企業内での研究の進め方について
具体的に聞くことができた。
分科会
することができます。
また、普段は会う機会のない異分野博
士との交流の場となります。
VOICE
第三部:参加者の声
●名刺を交換し、先輩や人事の方から
生の話を聞くことができた。
●直接企業の方と話が出来て、
つなが
りもできた。
●本音の話を聞くことができた。
交流会
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
15
卒塾を迎えて ∼1期生の言葉∼
入塾式
普通に博士号を取得して卒業するだけでは考えもしなかっ
なによりも、異分野で活躍している博士学生の友人が出来
たであろうことを、真剣に考える機会となりました。また、
るという点でこの塾に参加して良かったです。就職活動へ
研究との両立は大変でしたが、限られた時間の中で答え
の不安が少しは消えるかなと考えて参加した塾ですが、こ
を導き出すことの難しさを痛感しました。さらに、この塾
こで得られるのはそういった短期的に意味の有る知識で
に入塾しなければ出会えなかった異分野の博士学生と講
はないのかもしれません。私にとってはここで出来た友人
義のことや将来のことについて話し合い、切磋琢磨できた
達がとても価値の有る財産となりました。また、塾で学ん
ことは非常にいい経験になり、価値観の多様性を感じまし
だ事はこれからの人生で生かしていけるのだと思います。
た。
(理学研究科 D2)
(理学研究科 D2)
イノベーション、ベンチャー、
マネジメント、
マナーといった
将来役に立つ有意義な講義が多かったと思います。今の
今まで自分が全く学んでこなかった講義を受講でき、当初
PBL 発表
抱いていた「視野を広げる」という目的のためには非常に
マネジメント方法を学ぶだけでなく、グループワークや発
有益でした。研究に活かせるような学びも多かったです。
表を通じて他のドクターの学生の研究への熱意や考え方
また、刺激になる同期の塾生が多く、自分の中にある博士
に触れることができたことがとても貴重な機会でした。狭
学生像が良い方向に変わりました。50人もの博士学生に
まりつつあった自らの考え方と視野を拡げることができま
会えたことは非常に貴重でした。ここで得た繋がりを大事
した。
(工学研究科 D1)
にしたいと思います。
(工学研究科 D1)
自分たちに足りないことを理解でき、そしてそれを身に付
けることができました。また、専門の異なる様々な人たち
と交流を持てたことで、自分の視野を広げることができま
興味がありながら、出席できなかったものも多く申し訳な
した。
(農学研究科 D2)
く思います。時間をつくりながらやりとげた塾生のみなさ
んに敬意を表します。
(環境科学研究科 D3)
他学科の人たちと授業・懇親会等を通して深くかかわって
みると、案外同じ博士であっても専門が違うと価値観まで
異なっている場合があることに気づかされました。博士課
程の学生にとって学部卒・修士卒といった他の人々とうま
く協調していくことは企業からも強く求められていること
と思います。その擬似的な体験をこの塾を通してできたこ
とがよかったです。
(工学研究科 D2)
卒塾式答辞
合宿
入塾当初は「イノベーションって何だ」と思うレベルでした
イノベーション創発塾を終えて、普段の研究とは異なる分
が、今となっては「あの分野に挑んでみるのも面白そうだ。
野に触れ、様々な物の考え方や視野を広げることが出来
こういうことすればイノベーションにつながりそうだ」とい
たことは、非常に良かったと思います。また、博士課程に
ろいろ思い浮かぶようになりました。他の博士学生との交
所属する多くの学生の皆さんと交流を深めることが出来、
流を行ったことで、多様な観点で物事を捉えることに努め
またともに異なる分野について議論を行うと、思いもかけ
るようになりました。独りよがりになりすぎず信頼できる
ない意見が得られるという点は、この塾に入塾しての一番
人に身を任せたり、時には手助けしたりすることで課題解
大きな収穫だったと思います。
(理学研究科 D1)
決が順調に進むことも実感できたので貴重な経験になり
ました。
(理学研究科 D1)
16
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
卒塾式
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
17
イノベーション創発塾第1期カリキュラム
講師紹介
平成26年度からイノベーション創発塾として発展し、PBLによる課題設定・解決を中心に据えたマネジメント
講師紹介
スキルやコミュニケーションスキルなどを習得するコースです。
高度展開スキル
行事&特別講座
2014
5
月
●入塾式
6
月
PBL 実践
●「パーソナルポート
フォリオ及び全体像」
●「準備」
●「ビジョン・ゴール・
計画の予告」
7
月
●
「計画」
8
月
●
「情報・解決策」
9
月
プロジェクト
マネジメント
戦略立案、課題形成・
解決、知的財産
人間理解と
組織マネジメント
グローバル
コミュニケーション
PBL実践
鈴 木 敏 恵: 文部科学省「確かな学力調査状況」
H22 採択団体 シンクタンク未来教育ビジョン 代表
イノベーション特論 ─R&Dマネジメント─
浦 川 卓 也: 一般社団法人 企業研究会 顧問 MOT研究室長
元㈱ブリヂストン 取締役 研究開発本部長
村 井 啓 一: 一般社団法人 企業研究会 研究アドバイザー
元キヤノン㈱ 材料技術研究所 所長
●「イノベーションを起こす
博士人材になる」
イノベーション特論 ─ベンチャー起業─
●「企業経営とR&D」
●「PM 概要」
●
「R&D戦略立案と
●「目標マネジメント
①,②」
計画化」
●「合宿研修」
●「国際化時代の多文
化対応マネジメント,
英語スキルアップ①」
●「戦略立案プロセス①」
●「戦略立案プロセス②」
●「組織マネジメント①」
●
「あるべき博士像」
●「戦略立案とテーマ、 ●「資源マネジメント、
●キャリアパスフォーラム
●プロジェクトマネジメント
(PMC)特別講座
10
月
イノベーション特論
社会人基礎力
企画、評価」
●「実施計画の推進と
マネジメント」
関係性マネジメント」
●「プロジェクト
マネジメントの応用」
●「英語スキルアップ②」
柘 植 綾 夫: 公益社団法人 科学技術国際交流センター会長
公益社団法人 日本工学会 前会長 三菱重工業(株)元代表取締役・常務取締役技術本部長
熊 谷 巧: 東北イノベーションキャピタル株式会社 代表取締役社長
丸 幸 弘: 株式会社リバネス 代表取締役CEO
高度展開スキル ─プロジェクトマネジメント−
光 藤 昭 男: 特定非営利活動法人
日本プロジェクトマネジメント協会 理事長
古 園 豊: 特定非営利活動法人
日本プロジェクトマネジメント協会 理事 兼 企画業務部長
白井 久美子: 日本ユニシス株式会社
ビジネスアグリゲーション部 副部長
濱 久 人: 株式会社NTTデータユニバーシティ
研修事業部 グループマネジャー
杉 浦 宏 実: イノベーションフレームワークテクノロジー・
プラニスウェア株式会社
ソリューションセールス部 シニアマネージャー
若 林 利 男: 高度イノベーション博士人財育成ユニット
ユニット長 イノベ―ション創発塾 塾長
高度展開スキル ─戦略立案、課題形成・解決、知的財産─
長 島 牧 人:オフィス・N 代表
髙 橋 富 男:高度イノベーション博士人財育成ユニット
事業統括主幹 インターンシップ推進室長
塩 谷 克 彦:東北大学 産学連携推進本部 知的財産部長、特任教授
社会人基礎力 ─人間理解と組織マネジメント─
渕 野 康 一:東洋学園大学 現代経営学部 客員教授
株式会社東レ経営研究所 特別研究員
後 藤 光:高度イノベーション博士人財育成ユニット
人財開発主幹 キャリア支援室長
山 田 昭 和:株式会社ヒューマン・ハーバー 代表取締役
北米牧会カウンセリング協会公認サイコセラピスト&
カウンセラー
社会人基礎力 ─グローバルコミュニケーション─
井上 多恵子:ソニー株式会社
人事センター 人材開発部HRDマネージャー
●「戦略立案プロセス③」
イノベーション創発塾教員
●「リスクマネジメント」
●「課題の形成と
●「プロジェクトマネジ
問題解決」
メントまとめ」
●
「制作」
(敬称略)
あゆみ編集員
イノベーション創発塾は、昨年までの高度技術経営塾の経験を
踏まえて、平成26年度より開講いたしました。将来、博士学生
11
月
●
「ベンチャー起業」
●「知財戦略の
必要性」
やポスドクが産業界やアカデミアで活躍するため実社会が求
●「組織マネジメント②」
●「セルフマーケティング
とビジネスマナー」
める課題形成・問題解決能力、社会人基礎力、
グローバルコ
ミュニケーション能力等を、講義、演習、体験学習を通じて、体
東北大学
イノベーション創発塾長
12
月
●「プレゼンテーション」
若林 利男
学生同士のコミュニケーションを通して、日々、成長していくとい
うことも実感として感じられました。本塾を出た学生は、深い人
間理解力、幅広いマネジメント力を備え、産業界やアカデミア
のリーダーになっていけると確信しております。今後ともご支援
2015
1
月
●卒塾評価
2
月
●卒塾式&懇親会
よろしくお願いします。
●
「再構築」
3
月
18
系的に取得できたと思っております。
そして、幅広い分野から集
まってきた塾生が、
これらの講義や演習だけでなく、異分野の
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
写真左上から荒井 雄太(理学研究科)、鎌田 翔(理学研究科)、
尾白 佳大(工学研究科)、渋谷 和樹(農学研究科)、
下段左から 盛田 暁子(工学研究科)、
兵頭 一茂(工学研究科)、横山 美沙(医学系研究科)
編 集 後 記
人々を
「支援」
し、
「円満」
に人との
「縁」
を取り持っていく……本表紙にある
「en’
(えん)」
の文字は
「イノベーション創発塾」
での学びと気づきから得た、
「目指すべき博士像」
と
いう意味を込めています。
今期から
「イノベーション創発塾」
と改名された本塾も一年のカリキュラムが終了し、
2月に1期生44名が卒塾を迎えることができました。
入塾当初は、
企業や社会で求められる
博士像が描けず、
漠然とした不安を持っていた人も多かったのではないでしょうか。
本塾での講義を通して、
博士人財として自身ができること、
努力を必要とする部分がだんだんと
明瞭化されていき、
不安が期待や目標に変わったように思います。
異分野の塾生や大学外部の人との交流から学ぶことも多く、
知識だけではなく、
人間的にも視野が広がったと感
じています。
多くの方との
「円満」
な
「支援」
と
「ご縁」
の場を与えてくださった塾長をはじめとするスタッフの皆様、
各講座の講師の方々に、
この場をお借りして深く御礼申し上げます。
最後になりますが、
本活動報告の作成に当たりご尽力してくださった、
塾長、
センタースタッフ、
卒塾生の皆様に感謝申し上げます。
また、
7名の編集委員をはじめ、
全塾生
のご協力に感謝致します。
イノベーション創発塾第1期生の歩み(平成26年度の活動報告)
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