富山県支部設立の経緯

富山県支部設立の経緯
日本糖尿病協会富山県支部(以後日糖協県支部という)として組織的に活動することになっ
たのは昭和49年に遡る。当時の上市厚生病院の患者会が日糖協に加入したのが始まりです。
以下加入の経緯を「日本糖尿病協会20年史 別冊:支部史纂」より抜粋:平成 2 年発行
近年、糖尿病患者が非常に増加しているが、当上市厚生病院でも昭和48年ごろから、入
院・通院を問わず糖尿病患者が目立つようになった。そこでこれらの患者を組織的に管理しよ
うということになり、糖尿病カードを作成し、検査結果や食事療法の評価等を定期的にカード
に記入し病状把握の助けにした。その後病院なりのやり方を進めていたが、管理面や指導面で
疑問を生じたため、先進クリニックを視察しそこで、日糖協の存在を知り昭和49年に、日糖
協に入会し”日糖協富山県支部“を設立。
事務局を上市厚生病院に置く。
会員数
昭和48年
51人
会費
一人月額 100円
昭和49年
37人
〃
〃
昭和50年
43人
〃
〃
昭和51年
36人
〃
昭和52年
27人
〃
〃
昭和53年
34人
〃
〃
昭和54年
44人
〃
〃
150円
・
・
その後平成2年まで、富山県内に日糖協に加入した「患者会組織」がないため、
“日糖協県支
部=上市厚生病院の患者会の構図が続いた。
平成3年に、当時黒部市民病院院長の高桜先生が全県的な「糖尿病患者会の組織」を作りた
いとの思いで、上市厚生病院の患者会(りんどうの会)会長土肥外次に承諾をいただく。
平成3年12月4日(水)富山県医師会館において、
「仮称:富山県糖尿病友の会連絡会」が
開催された。
※ 富山県糖尿病友の会連絡会発起人一同
土肥外次・青島英而・澤井
実・柳原正雄・萩野
弘
片山正太郎・中瀬慎一・神谷貞子・高桜英輔
【連絡会主催の主旨】
全国的にみますと、各県において個々の「友の会」同志のコミュ二ケーションと糖尿病
克服の啓蒙を目的として年に1~2回多くは秋に糖尿病習慣に合わせて全県的に総会を開
催している。富山県も糖尿病友の会の合同総会を開催したらどうかと2~3の友の会代表
の方の意見があり、一度代表にお集まりいただき協議したい。
12の分会の出席あり。中瀬慎一上市厚生病院院長の挨拶で始まり、全員一致で「設立総会
開催」が承諾された。日時は平成4年10日24日か11月14日に決まりました。
平成4年2月に、吉田県厚生部長に患者会設立と県の支援をお願いした。その中で組織は、
患者だけでなく、医師、コメディカル、保健、県等広い分野で構成したほうが良いとアドバ
イスを受ける。
平成4年5月22日(金)に富山第一ホテルにて、「日糖協支部設立準備委員会」を開催する。
・総会の日程と総会までの準備事項を確認して、次回の理事会で詳細を決めることとする。
平成4年7月22日:日本糖尿病協会 富山県支部理事会(仮称)開催する。
・高桜先生の挨拶後、小林富山医科薬科大学教授の趣意書説明。以下の件決まる。
・県支部の定款
・役員の選出
・事務局の移管決定
事務局を何処が引き受けるかが最も難しいところでしたが、富山赤十字病院の平岩先生
が当時の院長を説得し、上市厚生病院から富山赤十字病院に移管することになり設立の準
備が整う。
【趣意書抜粋】
糖尿病は高血圧や高脂血症と共に成人病の一つとして重要な疾患と考えられています。
ことに最近は小児や若い人達の糖尿病(ヤング糖尿病)の増加も目立っています。
-省略―
しかし、早期から厳格な自己管理により血糖のコントロールを完全に行えば、普通の人
と変わりなく天寿を全うすることができることも明らかになっています。そこで糖尿病患
者さんの養生生活を支援し、国民の糖尿病への罹患を予防することを目的としてー省略―
県民の健康増進に寄与することを目的に日糖協富山県支部の結成に向け準備を進めてい
ます。その事業内容として次の様な事が掲げられます。
① 糖尿病の患者及び家族に対する療育指導
② 糖尿病の予防及び治療に関する知識の普及啓蒙
③ ヤング糖尿病の集いの開催
④ 糖尿病の治療に従事するスタッフの研修会の開催
これらの事業を推進するために糖尿病患者、医師、看護婦、栄養士のみならず糖尿病の予
防と治療に深い関心を持つ多くの方々の力添えが是非とも必要です。
何卒、本事業へのご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。
平成4年10月24日(土)第1回 (社)日本糖尿病協会富山県支部総会が富山県医師会
館大ホールで午前10時より患者や医療関係者など約300人の参加で開催された。
役員の選出と事業計画が話し合われ、初代会長には富山医科薬科大学小林教授が選ばれた。
また、若い患者組織として、
“富山ヤング糖尿病委員会”(事務所 黒部市民病院)の設置が
決まる。
設立当初友の会は13団体、会員数は1150人でした。その後徐々に患者会の輪が広がり
現在は28分会を束ねる支部に成長した。
【設立当初】
友の会
医療機関
分会名
会員数
会 長
担当医
黒部市民病院
五葉会
205人
柳原正雄
高桜英輔
魚津保健所
糖友会
38人
武隈甚悦
梅沢良昭
上市厚生病院
糖尿病友の会
30人
土肥外次
中瀬慎一
富山県立中央病院
四ツ葉会
170人
清島英而
若栗宣人
富山赤十字病院
さわやか会
63人
蓑 憲作
平岩善雄
富山協立病院
きぼうの会
220人
斎藤茂男
黒部信也
60人
堀 正雄
吉田雅一
吉田内科クリニックあゆみ会
富山医薬大病院
糖友会
110人
村本順了
大角誠治
高岡市民病院
健友会
63人
尾西信長
太田正之
新湊市民病院
さざなみ会
30人
定塚和夫
斎藤善蔵
越野医院
糖友会
15人
大野太郎
大野太郎
公立井波総合病院
万歩会
90人
大野 弘
南 真司
福野町保健センター糖友会
60人
清嶋清三
竹本栄一
支部の活動は、年1回の総会とこれに伴い開催される「糖尿病シンポジウム」を始め、夏に
開催の「小児・ヤング糖尿病サマーキャンプ」
、秋には、ウオークラリー大会」
、冬には
「会員交流会」
「会長会議」そして年2回発行している機関誌「立山」等等多くの事業を活発
に行っている。
平成8年より実施している“ヤング糖尿病サマーキャンプ”は、平成11年から小児を加え
“富山小児・ヤング合同サマーキャンプ”と改称し、全国的にもユニークないわゆる富山方式
様変わりして活動している。毎年7月下旬に高原でキャンプを張り、仲間作りをテーマとして
幼児から青年までの患者と家族を加えてのキャンプです。他府県からの参加もあります。
特に毎年3月に開催の「会員交流会」は全県下の会員が集い、友の会どうしが交流を目的に
200人余が参加する大きなイベントです。
友の会代表が、年間の活動を報告し、それに就いて会員同士で意見や感想を自由に述べる時
間を設けて情報交換の場として大変好評です。・・・当日出される昼食の弁当も楽しみ!!!
(社)日本糖尿病協会の支部設立のあらまし
(※日本糖尿病協会 二十年史 別冊:支部史編より抜粋)
日本糖尿病協会は、はじめ糖尿病専門医を中心として全国的にできた「患者会」や「糖尿病
教室」の全国連合合体として、いわば下から上への方向で組織されたが、日本糖尿病協会創立
(昭和36年)とともに、各都道府県に支部を置く方針が決まり、各患者会は支部を構成する
一要素(単位組織と呼ばれる)として位置づけられた。現行の会則では、
「支部は、都道府県の
区域を単位とする。
」と定められている。会員4,902人
創立当初(初代理事長
清水金五郎)は10支部を以って発足し、昭和52年10月の沖縄
県支部設立で全都道府県に支部が設立された。