教科化の時代のための「道徳」教育の検討

教科化の時代のための「道徳」教育の検討
――国語教育におけるテクスト論を自主編成の手がかりとして――
Study of MoralEducation for the Subject of Moral
:Focused on the TextTheory in Language Educationby Independent Practices
香川 七海
Nanami KAGAWA
【要旨】
本研究の目的は,小学校「道徳」の時間における読み物資料の活用のあり方を検討する
ために,具体的に 1 編の既存資料に依拠して,授業実践例を考察することにある。その際,
これまでの国語教育の文脈のなかで議論されていたテクスト論を援用し,教材分析を進めた。
規格化された教科書の記述を児童生徒に伝達しようとすると,「道徳」の授業は,画一的な
価値観を注入するものとなりやすいとされている。こういった問題を解消し,教科書に記述
された価値観を批判的に検討しつつ,新しい「読み」の可能性を開くために,テクスト論の
視点から,教材の再検討を試みた。こうした教材解釈の方法論が深められれば,教科化の時
代を迎えた「道徳」教育も,多様な実践の機会を生むことが可能となるだろう。
【キーワード】
「道徳」の教科化,
「道徳」教育,国語教育,テクスト論,自主編成
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〔お詫び〕
査読後の校正中に加筆した部分について、
一部、「田近恂一」氏の表記が「田辺洵一」氏となってしまった部分がありました。
お詫びして訂正をさせていただきます。申し訳ありませんでした。
抜刷において、「訂正シール」による修正を行なう予定です。
今後はこのようなことのないよう、再発防止につとめさせていただきます。