(社)日本電機工業会 森下会長記者会見 要旨

News Release
2015 年 4 月 10 日
一般社団法人 日本電機工業会
平成27年度(第64回)「電機工業技術功績者表彰」 受賞者決定
一般社団法人 日本電機工業会(JEMA、会長:中西宏明)は、平成27年度(第64回)「電機工業
技術功績者表彰」の受賞者を決定いたしました。「電機工業技術功績者表彰」は、重電部門・家電
部門・ものづくり部門の各分野において、新製品・新技術開発などによって優れた成果を挙げ、電
機工業の進歩発達に貢献した方々を表彰するもので、昭和27年(1952年)以来、毎年1回実施し、
今回で64回目となります。平成16年(2004年)の第53回からは、当会の委員会活動に対する成果
に対しても表彰しています。
今年度は、正会員会社43社から102件・198名の推薦があり、最優秀賞:1件・2名、優秀賞:
3件・6名、優良賞:5件・10名、奨励賞:51件・99名の合計60件・117名の受賞を決定いたしま
した。
また、委員会活動については、2件・49名の推薦があり、優秀賞:1件・21名、優良賞:1件・
28名の受賞を決定いたしました。
最優秀賞には、
『世界初オールSiCモジュールを適用した太陽光発電用パワーコンディショナの開発』
富士電機株式会社
大島 雅文 氏、
能登 泰之 氏
が選ばれました。
以下に受賞概要を紹介します。
なお、詳細は、「平成 27 年度(第 64 回) 電機工業技術功績者表彰 受賞者及び功績概要」をご
覧ください。
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受賞概要
(正会員会社からの推薦)
【最優秀賞】(1件・2名)
『世界初オールSiCモジュールを適用した太陽光発電用パワーコンディショナの開発』
富士電機株式会社
大島 雅文 氏、 能登 泰之 氏
2012年に施工された電力固定買取制度(FIT)は制度の先行きが不透明になっていますが、設
備の稼働率は認定設備の20%以下であるため、機器の需要は今後も続く状況です。発電規模が
1MWを超えるメガソーラーでは、電力機器の価格低減、高効率化のためパワーコンディショナ
(PCS)の大容量化が進んでおりますが、このたび、富士電機は世界で初めてオールSiCモジュー
ルを適用した1MWのPCSを製品化しました。
このPCSでは、自社で開発したSiCのショットキーバリヤダイオード(SBD)とMOSFETを直流の
昇圧回路に適用し、直流-交流変換するインバータは従来の3レベル回路を適用しています。従
来、メガソーラー用PCSでは、電力変換を2回行うことに起因する損失の増大のため、昇圧回路を
用いない回路が一般的でした。しかし、昇圧回路を用いていないPCSでは、出力電圧が太陽電池
の下限電圧に依存するため、太陽電池電圧が高い秋~春にかけては、インバータの効率が低下
し(97%以下)、不経済な使用状態となっていました。
そこで、当社は変換効率が99%以上を実現できるオールSiCを用いた昇圧回路を適用するこ
とで、太陽電池の電圧変動を補正し、年間を通じてインバータの効率を高い状態(98%)で運転さ
せるPCSの開発に成功しました。また、出力電圧を従来の270Vから480Vまで上げることができた
ため、インバータ部のkwあたりのコストを約4割低減し、装置全体では従来並みのコストを実現し
ています。
今回のPCSは、屋内自立式であるため、海岸近傍の重耐塩地域などの環境が厳しい地域への
適用が可能です。今後は、より環境の厳しい地域への建設が増大するため、需要の増加が期待
されます。2014年8月より販売を開始し、9月に初号機を出荷しました。
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【優秀賞】(3件・6名)
■重電部門
『大型地熱蒸気タービン用ロータ材料の開発と実用化』
株式会社 東 芝
閻 梁 氏、 和田 一宏 氏
■家電部門
『おしり揉ねつマッサージ機能を搭載したマッサージチェアの開発』
パナソニック株式会社
森田 芳年 氏、 渥美 将利 氏
■ものづくり部門
『重量物の組立・搬送工程の省人化を実現する油圧-電動ハイブリッド駆動型双腕ロボット
の開発』
株式会社 東 芝
高橋 宏昌 氏、 大賀 淳一郎 氏
【優良賞】(5件・10名)
・ 『Liイオン電池搭載電気自動車対応高容量EVリレーの開発』
パナソニック株式会社
榎本 英樹 氏、 池田 陽司 氏
・ 『高効率と省資源を両立するモータ用ネオジム磁石の高能率・高精度磁化評価技術の開発』
株式会社 日立製作所
株式会社 日立産機システム
田中 秀明 氏
相馬 憲一 氏
・ 『次世代シーケンサMELSEC iQ-Rシリーズの開発』
三菱電機株式会社
千波 保彦 氏、 鈴木 孝幸 氏
・ 『暖房能力の向上及び冷気カットによる省エネ改善を実現させたエアコン 霧ヶ峰Zシリーズ
の開発』
三菱電機株式会社
岡崎 淳一 氏、 池田 孟 氏
・ 『世界最小容積、世界最高効率を実現した電源回生機能付き高圧トランスレス5レベル』
株式会社 明電舎
長谷川 勇 氏、 迫 博巳 氏
【奨励賞】(51件・99名)
「平成27年度(第64回) 電機工業技術功績者表彰 受賞者及び功績概要」をご覧ください。
(委員会からの推薦)
【優秀賞】(1件・21名)
『太陽光発電用パワーコンディショナ直流側伝導妨害波の測定方法及び限度値の国
際規格(CISPR11)への反映』
分散型電源EMC検討委員会
【優良賞】(1件・28名)
『産業用モータの省エネ法トップランナー化,規格類の整備及び普及促進』
高効率モータ普及委員会,誘導機技術専門委員会
以
上
添付資料(裏面):過去10年間の「最優秀賞」受賞題目
本資料に関する弊会お問い合わせ先
TEL:03-3556-5884 FAX:03-3556-5892
URL: www.jema-net.or.jp/
技術部 技術企画課(井上)
トップページ → インフォメーション → 表彰事業
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で過去の受賞者などが閲覧できます
添付資料
過去10年間の「最優秀賞」受賞題目
表彰年度
平成26年度
(第63回)
平成25年度
(第62回)
(平成19年度以前の賞名は「会長賞」)
功績の題目
普及型重粒子線治療加速器の製品化
GCT サイリスタ変換器適用
世界最大級450MVA 自励式
STATCOM(スタットコム)の開発・製品化
受賞者の所属会社
三菱電機㈱
三菱電機㈱
平成24年度
(第61回)
トリプルフラッシュシステム採用による単機容量世界最大の地
熱発電設備(ニュージーランド国 ナ・アワ・プルア地熱発電所)
富士電機㈱
平成23年度
(第60回)
環境負荷を半減した世界初一体輸送可能な300kV-6000Aガス絶
縁開閉装置の開発
㈱東芝
電気自動車「i-MiEV」用モータ・インバータの開発製品化
㈱明電舎
平成21年度
(第58回)
高圧マトリックスコンバータFSDrive-MX1の開発
㈱安川電機
平成20年度
(第57回)
トリプル型薄膜太陽電池の量産技術の開発
シャープ㈱
平成19年度
(第56回)
自動車用永久磁石リラクタンスモータの開発
㈱東芝
回転電機用高熱伝導含浸絶縁システムの開発
㈱東芝
家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの開発
松下電器産業㈱
世界初の電子化強制減速機能付最高速度可変駆動技術の実用化
三菱電機㈱
世界最高性能(セル変換効率19.5%)を有する太陽電池モジュー
ルの開発
三洋電機㈱
過熱水蒸気技術による健康調理器の開発
シャープ㈱
平成22年度
(第59回)
平成18年度
(第55回)
平成17年度
(第54回)
※受賞の所属会社は、受賞当時の社名で記載