ランチョンセミナー「がんサポーティブケアの新戦略」

Relief & Positive
自分らしく、
前 向きに 生きるために。
第20回 日本緩和医療学会学術大会
ランチョンセミナー
がんサポーティブケアの新戦略
日時
2015年 6 月19 日(金)
12:50∼13:50
会場
パシフィコ 横浜(横浜市)
会議センター 311∼ 315
●ランチョンセミナーの入場券情報については、学術大会HPをご参照下さい。
座長
講 演Ⅰ
加 賀 谷 肇 先生
明治薬科大学 臨床薬剤学教室 教授
がん症状緩和の実際
演 者
金 井 久 子 先生
聖路加国際病院 看護部 アシスタントナースマネジャー
がん性皮膚潰瘍臭改善薬メトロニダゾールゲル
の有用性
(ロゼックス® ゲル 0.75%)
講 演Ⅱ
演 者
渡部 一宏
先生 昭和薬科大学 医療薬学教育研究センター 准教授
共 催:第 20 回 日本緩和医療学会学術大会・ガルデルマ株式会社
講 演Ⅰ
がん症状緩和の実際
聖路加国際病院 看護部
金井 久子 先生
近年がん医療においては治療の 高度化・多様化が進み、がん看護の ニーズ は高まっている。現在がん対策
推進基本計画の重点課題の1つである「がんと診断された時から緩和ケアの推進」に関して、看護師への期待は
大きい。具体的 に看護師の役割として求められていることは、意思決定支援や苦痛緩和、専門家への橋渡し・
連携である。例えば苦痛緩和と言っても、がん患者の全人的苦痛や症状による苦痛があり、それらを包括的に
アセスメントして症状マネジメントしていくことが重要である。
その中 にがん性皮膚潰瘍が挙げられる。腫瘍の局所再発が体表面から近い部位に発生しやすく、乳がん、
頭頸部がん、肛門がんや子宮頸 がんの腟への 浸潤など がある。症状として、多量の滲出液 やがん性皮膚潰
瘍臭、出血や痛みなどである。多量の滲出液がある場合 は 1日に何度もガーゼ 交換を行う必要があり、臭気
があると周囲の人に気を遣い外出できなくなる人もいる。出血量 が 増えると貧血になり、痛 みが あると 薬物
によるコントロール が 必要 になり、がん性皮膚潰瘍があることで 患者のQOLは著しく低下する。抗がん剤投与
などで効果があれば潰瘍部分の縮小がみられるが進行すれば増大する。肉眼でみえることにより精神的負担も
大きい。そのため看護師が、より患者に合った負担の少ない創傷処置を患者とともに考え、ケアを提供して
いくことは大変重要であると考える。
がん性皮膚潰瘍臭改善薬 メトロニダゾールゲル
(ロゼックス ゲル0.75%)の有用性
講 演Ⅱ
Ⓡ
昭和薬科大学 医療薬学教育研究センター
渡部 一宏 先生
乳がんなどの終末期 に見られるがん性皮膚潰瘍は、その外観 、滲出液、痛 み、出血のみならず 強い不快な
臭い(がん性皮膚潰瘍臭)により、肉体的、精神的苦痛を強いられ、Qualityof life(QOL)を著しく低下させる危険
性がある。その原因には、潰瘍病変における嫌気性菌の感染並びに、がん病巣の壊死過程における代謝産物
である脂肪酸類 が関与していると考えられている。
がん性皮膚潰瘍臭を改善するためには メトロニダゾール(MTZ)の局所投与が 有効性 が あるとのエビデ
ンスは古くから 確立しており、世界保健機関(WHO)や米国臨床腫瘍学会(ASCO)においても 推奨されている。
しかしながら本邦では、MTZ外用剤は承認されておらず、各施設において独自に病院薬局製剤として調製し、
がん性皮膚潰瘍臭のある患者に適応しているのが現状であった。
2 010 年に、日本緩和医療学会及び日本緩和医療薬学会から、厚生労働省に設置された「 医療上の必要性の
高 い未承認薬・適応外薬検討会議 」に対して、がん性皮膚潰瘍臭の 軽減を目的とした M T Z 外用剤 の市販化
要望がだされ、その妥当性が評価された。その結果、2010 年 12月、厚生労働省よりがん性皮膚潰瘍臭の軽減
におけるMT Z 外用剤の開発が ガルデルマ(株)に要請された。その後、国内第Ⅲ相試験 を実施し、2014年
12月にロゼックス Ⓡ ゲル 0.75%として国内初の「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減」の効能・効果で承認
された。本セミナーでは、がん性皮膚潰瘍臭改善薬ロゼックス Ⓡ ゲル 0. 75% の有効性及び 使用上の注意を中心
にお話させていただく。
RZX-MA-1001-0415MA
2015年4月作成