SAMPLE - Club NISMO

2015 年 5 月4 日は、
GT-R の日となった。
この日、富士スピードウェイに集まった大観衆の目の前で、
NISSAN GT-R が GT500/GT300 の両クラスで 1-2 フィニッシュを遂げたからだ。
日産がダブル1-2 を果たしたのは、2001 年夏の R34 スカイライン GT-R/S15シルビア以来 、
他ブランドを含めても、ダブル1-2 はあと一度あるだけだ。
しかも、同一モデルでのダブル1-2 は、日本の GTレース史上初である。
2015 年 SUPER GT 第 2 戦 富士 500kmレースは、
GT-R の日としてヒストリーに刻まれることとなった。
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2 0 15 S U P E R G T - G T 5 0 0 S E R I E S
上昇気流に乗って
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G T 5 0 0 M A C H I N E 2 0 15 M O D E L
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GT REVIEW from TEAM DIRECTOR
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2 0 15 S U P E R G T - G T 3 0 0 S E R I E S
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2 0 15 S U P E R T A I K Y U S E R I E S
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SUPER TAIK Y U EN T RY PRO JEC T
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JAPANESE FORMUL A 3 CHAMPIONSHIP
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G T A C A D E M Y 2 0 15
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M O T O R S P O R T J A P A N 2 0 15
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MOTORSPORTS
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Le Mans 24H
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BL ANCPAIN ENDUR ANCE SERIES
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WOR KS T UNING CIRCUI T DAY
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NISMO PRODUCT
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NISMO PERFORMANCE CENTER
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王者は歩みを止めず
鈴木豊監督が教える「ここでしか言えない話」
その速さに疑いなし
目指すは連覇!
実戦でこそ学べる厳しさ
高星明誠が堂々の開幕勝利!
ゲーム大国は、
レース大国になれるか。
10 年目も大盛況!
PADDOCK TOPICS
いよいよ実戦へ
最高峰クラスへの挑戦がスタート
NISMO ロードカーをトコトン楽しもう!
NISMO パーツ、続々発売中
サーキットを体感するキャンペーン展開!
NISMO OWNER’S VOICE
“NISMO”
がついたクルマは特別感があります
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THE PARTNER’S - MICHELIN
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SUPPORTER’S PADDOCK
ピットツアー参戦記/ピットツアー参加募集
CLUB NISMO 会員特典のご案内
プレミアムミーティング開催のお知らせ
読者プレゼント/ INFORMATION
レース活動は信頼と安全のための試験なのです
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SUPER GT
2015 SERIES - GT500 CLASS
上昇気流に乗って
NISSAN GT- R NISMO GT500
1- 2 フィニッシュで富士を制覇!
いよいよ開幕したSUPER GTの2015 年シーズン。
開幕戦の岡山国際サーキット、第2 戦の富士スピードウェイを終えて、
NISSAN GT-R NISMO GT500 の4台は好調を維持している。
2 年連続チャンピオンの獲得を目指し、
シーズン中盤以降も目の覚めるような戦いぶりを見せてくれるはずだ。
Text by Makoto Ogushi
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迎えた 2 年目のシーズン
鍵はタイヤとのマッチング
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また、公式練習では#12 カルソニック IMPUL
ンを追うにつれ進んでいくに違いない。
GT-R が走行中に火災を起こして修復に時間が
もっとも、決勝を想定したセッティングを優先
かかり、ぶっつけ本番で公式予選に臨まなけれ
してセッションを進めていたこともあり、決 勝
新車両規定が導入されたSUPER GT GT500
ばならないという不運もあった。原因は共通部品
レースで GT-R 勢は生き返った。午前中に降った
クラスは、今年2 年目のシーズンを迎えた。各メー
である触媒のトラブルであった。
雨のため、濡れた路面でスタートするという難し
カーは、昨年1年かけて積み重ねたデータや経
跳ね=ピッチングの抑制は、各社とも2015 年
いコンディションではあったが 、#1 GT-Rと#46
験を基に、2 年目のシーズンへ向けてマシンを進
モデルを開発するにあたっての大きな課題のひ
S Road MOLA GT-R が 着実に順 位を上げて
化させた。その時にライバルたちの目標となった
とつであり、それは GT-Rも例外ではなかった。
トップに攻め寄り、14 周目には#1 GT-R が 2 番
のは、2014 年シーズンのチャンピオンカーである
GT500 クラスに4 台がエントリーしているGT-R
手 、#46 GT-R が 3 番手と順位を上げると、17 周
NISSAN GT-R NISMO GT500 だ。
は、チームによって3 種類のタイヤメーカーから
目には#1 GT-R がトップに立った。
特に空気抵抗の少ない 、優れた空力デザイ
供給されるタイヤを使用する。ピッチングを抑制
不安定な路面で GT-R 勢が見せた圧倒的な
ンは 、各社とも強く意識することとなった。とは
するためにはタイヤ特性に合わせたサスペンショ
速さは 、そのためのセッティングを整えていたこ
言え、ターボラグが少なく扱いやすいエンジン特
ンジオメトリーを設定しなければならないところ
ともあるが 、2015 年型 NR20Aエンジンの改良
性と、伝統とも言える安定したブレーキ性能は
だが 、新車両規定ではサスペンションジオメト
が 効果を発揮したからである。2015 年型エン
GT-R がなお優位にある。オフシーズンテストで
リーの設定の範囲が規制されており、タイヤごと
ジンは 、2014 年型よりもコーナーの立ち上がり
走り始めた各社の2015 年モデルのなかで、GT-R
に最適なジオメトリーを決めることはできない。
でアクセルを踏んだ際の急激なトルク変動 、いわ
勢は今 年も好調を維持した。そのため2015 年
したがって、基本はどのタイヤにも合わせられる
ゆるターボラグが生じないように、自然な特性を
シーズンは、2014 年の流れに乗ったまま始まるか
設計とし 、実戦を通して詳細なセッティングを
追求している。
に思われていた。
行って対応する必要が生じた。
ところが GT-R 勢を不運が 襲った。22 周目 、
ところが、開幕戦が開催された岡山国際サー
タイムアタックで限界の速さを追求するにあた
トップの #1 GT-R は左後輪から白煙を上げて緊
キットで GT-R勢は予想外の苦戦を強いられた。
り、開幕戦岡山の予選で GT-R 勢がライバル車
急ピットイン、レースを終えてしまった。こうして
公式予選を走るGT-R勢は、路面の荒れや加減速
に遅れを取り、
Q1 通過が 2 台 、
Q2 で #1 GT-R が
#1 GT-R は勝てるレースを失ってしまった。上位
といった外因を受けると車体が跳ね、タイムが伸
4 番手 、
#12 GT-R が 8 番手に留まったのは、
ピッ
で奮闘を見せた#46 GT-Rも、路面が乾くにした
び悩んだのだ。特にチャンピオンカーである#1
チング対策に時間を要したことが理由だった。
がってペースが落ち、後続車の先行を許してしま
MOTUL AUTECH GT-Rは、
激しい跳ねを見せた。
最新のタイヤに合わせたセッティングは、シーズ
う結果となった。