2015 年 5 月4 日は、 GT-R の日となった。 この日、富士スピードウェイに集まった大観衆の目の前で、 NISSAN GT-R が GT500/GT300 の両クラスで 1-2 フィニッシュを遂げたからだ。 日産がダブル1-2 を果たしたのは、2001 年夏の R34 スカイライン GT-R/S15シルビア以来 、 他ブランドを含めても、ダブル1-2 はあと一度あるだけだ。 しかも、同一モデルでのダブル1-2 は、日本の GTレース史上初である。 2015 年 SUPER GT 第 2 戦 富士 500kmレースは、 GT-R の日としてヒストリーに刻まれることとなった。 67 4 2 0 15 S U P E R G T - G T 5 0 0 S E R I E S 上昇気流に乗って 10 G T 5 0 0 M A C H I N E 2 0 15 M O D E L 15 GT REVIEW from TEAM DIRECTOR 16 2 0 15 S U P E R G T - G T 3 0 0 S E R I E S 20 2 0 15 S U P E R T A I K Y U S E R I E S 21 SUPER TAIK Y U EN T RY PRO JEC T 22 JAPANESE FORMUL A 3 CHAMPIONSHIP 24 G T A C A D E M Y 2 0 15 25 M O T O R S P O R T J A P A N 2 0 15 26 MOTORSPORTS 28 Le Mans 24H 30 BL ANCPAIN ENDUR ANCE SERIES 31 WOR KS T UNING CIRCUI T DAY 32 NISMO PRODUCT 34 NISMO PERFORMANCE CENTER 35 王者は歩みを止めず 鈴木豊監督が教える「ここでしか言えない話」 その速さに疑いなし 目指すは連覇! 実戦でこそ学べる厳しさ 高星明誠が堂々の開幕勝利! ゲーム大国は、 レース大国になれるか。 10 年目も大盛況! PADDOCK TOPICS いよいよ実戦へ 最高峰クラスへの挑戦がスタート NISMO ロードカーをトコトン楽しもう! NISMO パーツ、続々発売中 サーキットを体感するキャンペーン展開! NISMO OWNER’S VOICE “NISMO” がついたクルマは特別感があります 36 THE PARTNER’S - MICHELIN 37 SUPPORTER’S PADDOCK ピットツアー参戦記/ピットツアー参加募集 CLUB NISMO 会員特典のご案内 プレミアムミーティング開催のお知らせ 読者プレゼント/ INFORMATION レース活動は信頼と安全のための試験なのです 3 SUPER GT 2015 SERIES - GT500 CLASS 上昇気流に乗って NISSAN GT- R NISMO GT500 1- 2 フィニッシュで富士を制覇! いよいよ開幕したSUPER GTの2015 年シーズン。 開幕戦の岡山国際サーキット、第2 戦の富士スピードウェイを終えて、 NISSAN GT-R NISMO GT500 の4台は好調を維持している。 2 年連続チャンピオンの獲得を目指し、 シーズン中盤以降も目の覚めるような戦いぶりを見せてくれるはずだ。 Text by Makoto Ogushi 4 5 迎えた 2 年目のシーズン 鍵はタイヤとのマッチング 6 また、公式練習では#12 カルソニック IMPUL ンを追うにつれ進んでいくに違いない。 GT-R が走行中に火災を起こして修復に時間が もっとも、決勝を想定したセッティングを優先 かかり、ぶっつけ本番で公式予選に臨まなけれ してセッションを進めていたこともあり、決 勝 新車両規定が導入されたSUPER GT GT500 ばならないという不運もあった。原因は共通部品 レースで GT-R 勢は生き返った。午前中に降った クラスは、今年2 年目のシーズンを迎えた。各メー である触媒のトラブルであった。 雨のため、濡れた路面でスタートするという難し カーは、昨年1年かけて積み重ねたデータや経 跳ね=ピッチングの抑制は、各社とも2015 年 いコンディションではあったが 、#1 GT-Rと#46 験を基に、2 年目のシーズンへ向けてマシンを進 モデルを開発するにあたっての大きな課題のひ S Road MOLA GT-R が 着実に順 位を上げて 化させた。その時にライバルたちの目標となった とつであり、それは GT-Rも例外ではなかった。 トップに攻め寄り、14 周目には#1 GT-R が 2 番 のは、2014 年シーズンのチャンピオンカーである GT500 クラスに4 台がエントリーしているGT-R 手 、#46 GT-R が 3 番手と順位を上げると、17 周 NISSAN GT-R NISMO GT500 だ。 は、チームによって3 種類のタイヤメーカーから 目には#1 GT-R がトップに立った。 特に空気抵抗の少ない 、優れた空力デザイ 供給されるタイヤを使用する。ピッチングを抑制 不安定な路面で GT-R 勢が見せた圧倒的な ンは 、各社とも強く意識することとなった。とは するためにはタイヤ特性に合わせたサスペンショ 速さは 、そのためのセッティングを整えていたこ 言え、ターボラグが少なく扱いやすいエンジン特 ンジオメトリーを設定しなければならないところ ともあるが 、2015 年型 NR20Aエンジンの改良 性と、伝統とも言える安定したブレーキ性能は だが 、新車両規定ではサスペンションジオメト が 効果を発揮したからである。2015 年型エン GT-R がなお優位にある。オフシーズンテストで リーの設定の範囲が規制されており、タイヤごと ジンは 、2014 年型よりもコーナーの立ち上がり 走り始めた各社の2015 年モデルのなかで、GT-R に最適なジオメトリーを決めることはできない。 でアクセルを踏んだ際の急激なトルク変動 、いわ 勢は今 年も好調を維持した。そのため2015 年 したがって、基本はどのタイヤにも合わせられる ゆるターボラグが生じないように、自然な特性を シーズンは、2014 年の流れに乗ったまま始まるか 設計とし 、実戦を通して詳細なセッティングを 追求している。 に思われていた。 行って対応する必要が生じた。 ところが GT-R 勢を不運が 襲った。22 周目 、 ところが、開幕戦が開催された岡山国際サー タイムアタックで限界の速さを追求するにあた トップの #1 GT-R は左後輪から白煙を上げて緊 キットで GT-R勢は予想外の苦戦を強いられた。 り、開幕戦岡山の予選で GT-R 勢がライバル車 急ピットイン、レースを終えてしまった。こうして 公式予選を走るGT-R勢は、路面の荒れや加減速 に遅れを取り、 Q1 通過が 2 台 、 Q2 で #1 GT-R が #1 GT-R は勝てるレースを失ってしまった。上位 といった外因を受けると車体が跳ね、タイムが伸 4 番手 、 #12 GT-R が 8 番手に留まったのは、 ピッ で奮闘を見せた#46 GT-Rも、路面が乾くにした び悩んだのだ。特にチャンピオンカーである#1 チング対策に時間を要したことが理由だった。 がってペースが落ち、後続車の先行を許してしま MOTUL AUTECH GT-Rは、 激しい跳ねを見せた。 最新のタイヤに合わせたセッティングは、シーズ う結果となった。
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