質問：父から受け継いだ診療所に院院内技工室での技工物製作請負，開設・管理内技工室があります．私も院内技工で診療を行いたいので歯科技工士を雇い入れたいのですが，せっかくですので他の歯科医院の技工物製作も請け負おうかと思います．実施するにあたっては，法律上どのように進社会歯科学研究会日本歯科大学福田雅臣ふくだまさおみめればよいでしょうか？ ■医療法に基づく診療所内の技工室の設置特別区の区域にある場合は，市長ま告については，歯技法第26条で規たは区長）に届け出なければなりま定されていますので，これを遵守す診療所開設届出書の記載事項には，せん（歯技法第21条）．ることは忘れないでください．診療所に院内技工室を設置する場合届出の事項は，①開設者の住所お ■歯科技工指示書の保存は義務は，その概要を記載する項目がありよび氏名，②開設の年月日，③名称，歯科技工は，歯科技工指示書によます．そして，医療法施行規則第 ④開設の場所，⑤管理者の住所およって行うことが規定されています 16条第十三号には「歯科技工室にび氏名，⑥業務に従事する者の氏名，（歯技法第18条）．ただし，院内技は，防塵設備その他の必要な設備を ⑦構造設備の概要および平面図です工のように治療担当歯科医師の直接設けること」と記されています．具（歯技法施行規則第13条）．の指示で歯科技工を行う場合は，歯体的には防塵設備の他に技工台，モまた，歯科技工所の管理者は歯科科技工指示書は省略できます．すなデルトリマー，レジン重合器，鋳造医師または歯科技工士でなければなわち，他院の技工物製作を請け負う器，技工用エンジン等が設けられてりません（歯技法第22条）．歯科医場合は，院内技工とは異なり，歯科いるかの確認が必要となっています．師は歯科診療所開設者ですので，そ技工指示書にしたがって歯科技工をすなわち，ご質問にある「診療所ののまま歯科技工所の管理者として届行うことになります．また，歯科技院内技工室」は医療法に基づいて設出を出すことができますし，雇い入工所の管理者は，歯科技工指示書を置された，ということになります．れた歯科技工士を管理者にすること当該歯科技工が終了した日から２年 ■歯科技工所の開設は歯科技工士法も可能です．間保存する義務があります（歯技法では，「他の歯科医院の技工物製第19条）．作も請け負う」場合にはどのような ■歯科技工所の構造設備基準と広告の制限手続きが必要になるのでしょうか．院内技工室から歯科技工所に移行詳しくはヒョーロン社刊『歯科五この場合は，歯科技工士法（歯技する場合，歯科技工所の構造設備基法コンメンタール』の120・121・法）に基づく歯科技工所となり，そ準は，歯技法施行規則第13条の２ 125・227・228・247頁をご参照の開設の手続きを行うことになりまに順じることになります．そのため，ください．す．つまり，歯科技工所を開設した医療法に基づいて届出をした院内技者は，開設後10日以内に，歯科技工室の構造が，歯技法の構造設備基工所の所在地の都道府県知事（その準に合致しているかを確認する必要所在地が保健所を設置する市またはが生じます．また，歯科技工所の広 156 THE NIPPON Dental Review Vol.75 No.4（2015 -4）＊