がん患者さんに対して切れ目のない診療の継続をめざして

2015
4
Apr
12号
撮影協力:画像情報センター 畠山 正充
が ん 患 者 さ ん に 対 し て 切れ目のない診療の継続をめざして
~がん診療連携室のご紹介~
岩手医科大学附属病院は都道府県がん
診療連携拠点病院に指定されており、岩
手県内のがん医療の先導的な役割を担う
とともに、岩手県内の拠点病院間の連携
における中心的役割を担う病院です。今
回は岩手 医 科 大 学 附 属 病 院 腫 瘍(が ん)
センター内のがん診療連携室の活動内容
について紹介します。
がん診療連携室では、がん患者さんの
紹介(前方連携)ならびに逆紹介(後方
連携)が円滑に行えるようサポートして
おります。2014 年の一年間で前方連携は
1,895 名、後方連携は 2,679 名であり、前
方、後方連携ともに、乳がん、前立腺がん、
胃がん、肺がん、肝細胞がんの順に多い
結果でした。紹介いただいた患者さんに
対して当院で適切な診療が行われた後、
地域関連病院へ逆紹介となり、経過を観
察していただくという構図が読み取れま
す。一方、発生率が低いとされる希少が
ん(肉 腫、中皮腫、悪性黒色腫など)の
紹介もあり、当院ががん拠点病院として
十分に機能されていることが伺えます。
また、連携室ではセカンド・オピニオ
ンについても対応しています。セカンド・
オピニオンとは患者さんが検査や治療を
受けるに当たって主治医以外の医師に求
めた「意見」、または「意見を求める行為」
とされます。複数の専門家の意見を聞く
ことで、より適した治療法を患者自身が
選択していくべきという考え方に沿った
ものとされます。セカンド・オピニオン
を求める場合、まずは主治医に話して診
療情報提供書を作成してもらう必要があ
ります。なお、セカンド・オピニオンは「診
療」で は なく「相談」になるため、健康
保険給付の対象とはならず、全額自己負
担となることをご了承ください。
さらに、地域連携パスの普及も私たち
の 活 動 の ひとつです。地域連携パスは、
がん治療を施行した専門病院とかかりつ
けの医療機関が協力して専門的な医療と
総合的な診療をバランスよく提供する共
同診療体制を構築することを目的に作成
さ れ て い ま す。現 在 当 院 で は、乳 が ん、
大腸がん、胃がん、前立腺がんの連携パ
スが運用され、がん患者さんに対して切
れ目のない細やかな診療が継続して行わ
れています。
これからもこのような活動を通して、
がん患者さんやご家族が不安なく円滑に
診療を受けられるようサポートさせてい
ただきますのでご
理解のほどよろし
くお願いいたしま
す。
がん診療連携室長 小原 航
がん患者・家族サロンの目的
お 待 ちして いま
が
ち
す
私た
~専従スタッフより~
がん患者・家族サロンの機能
1.がん患者・家族同士の情報交換や親睦を
図ります
がん患者・家族サロンは「患者や家族同士で気
軽に不安や悩みを語り合い、元気になれる場が欲
しい」という患者さんの
“声”
から生まれました。
ボランティアの方々や専従スタッフが、利用さ
れる方のお話を伺い、気持ちに沿いながらアドバ
イスを交えて対応いたします。
不安や悩みを共有し合うことで、少しでも気持
ちが軽くなるようなサロンを目指しています。
2.がんに関する様々な情報収集ができます
がんに関する情報は、正しいものから
“?”
(ク
エスチョンマーク)がつくものまで溢れている時
代です。
しかし、患者さんが医療関係者の説明だけでは
内容をよく理解できずに、情報不足のまま治療に
臨んでしまう場合も少なくないようです。
そこで、サロンで確かな情報を得て安心して治
療に専念していただくために、インターネット、
書籍、DVDや各種パンフレット等が利用できま
す。コピー機も備えていますので、サロンで得た
情報を印刷して持ち帰ることもできます。
3.がんに関する疑問に医療者が対応します
昨年12月下旬より、病院内はインフルエンザ感染対策の
ため、入院患者さんへの面会制限が強化されています。ボ
ランティアの皆さんや直接「がん患者・家族サロン」(以
下サロン)を来訪された患者さんやご家族に対しては、サ
ロン訪室時に体温測定とインフルエンザ問診票にてチェッ
クさせていただき「面会許可証」を発行するなどの感染防
止対策を行っております。(3月3日解除)
サロンを訪問したいが病棟外にでられない患者さんにつ
いては、各病棟の看護師や看護補助が代わってサロンに出
向き、希望された手作り帽子や図書などを患者さんに届け
ています。また、入院当日に病棟に入る前に、サロンに立
ち寄り、図書や必要な情報を準備して治療に望まれる患者
さんもおります。このように、どのような状況においても
サロンの存在をご存知の患者さんたちが工夫をしてご利用
いただいていることを大変嬉しく思います。
サロンの扉はいつも開け放たれていますが、自分から行
くことを躊躇される患者さんに対しては医療者やスタッフ
が声かけを行い、また同伴することにより、サロンの中に
第一歩を踏み入れ、サロンを身近に感じるようです。
専従スタッフは常時サロンにおり、患者さんご家族に寄
り添いどんなことでも一緒に考えながら、専門的なアドバ
イスや情報が必要なときは、よろず相談や看護外来、相談
支援センターと連携して対応しております。
少しでも悩みや不安を解決して安心し治療に望むことが大
切かと思います。
どうぞ、気兼ねなくサロンを利用して下さい。
患者会から「気軽に相談ができればいいな」と
いうご要望があり
“よろず相談”
の時間を設けてい
ます。
担当表にそって、薬剤師、看護師、栄養士、医療
相談員の4職種がそれぞれの専門領域を活かし、
薬のこと、病状のこと、食事のこと、経済・社会的
専従スタッフ 金丸 良子 佐々木 ルリ子
なこと等の相談に対応いたします。
「ちょっと聞きたいんだけど…」、「こんなこと
聞いてもいいのかしら…」といった相談でも、気軽
に声をおかけください。
温かいご支援ありがとうございました
岩手医科大学附属病院「がん患者・家族サロン」は、One world
プロジェクトより、東日本大震災被災直後から、医療用ウィッグ、
ケア防止、シャンプー、ウィッグ用スプレー、バンダナ、スカーフ
など多数の支援物資を送っていただき、多くのがん患者さんにお渡
ししています。
平成26年も引き続き、4月、11月と12月にあわせてウィッグ35
個と部分ウィッグ6個とクリスマスにはクリスマス飾り15個をお寄
せいただきました。大震災津波から4年間、かわらぬ温かいご支援
に対して、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。
One world プロジェクト
~東北のがん患者さんにケア用品を届けよう~
東北のがん患者さんに、医療用のカツラやケア帽子を届ける
プロジェクト。乳がんサバイバー、医療者の有志6名で
立ち上げ、たくさんのご支援を受けて頂いたケア用品を
被災地へ発送しています。
協賛:公益財団法人日本対がん協会
後援:J-CAN(Japan Cancer Action Network)
メッセージ
涙と共 に
生きていこう
芳賀 優子
気づくと、最近息子のことで涙することがなくなっていた。
あの日から4年。様々な活動に一生懸命取り組んできた。それが、8歳で亡くなったあなたの親としてできる精
一杯のこと。私があなたのもとへ行くとき「お母さん、頑張ったよ!」って、笑顔で会いに行きたいから。目標が
ないと、生きる理由が見つけられないんだよ。
思えば本当にたくさん泣いてきた。
屋上では岩手山を眺めながら、ビル達を見つめながら。病棟トイレには何回もこもってしまった。給湯室では突然
の不安に襲われコップを洗うふりしながら必死にこらえた。付き添いのお母さんに挨拶され、笑顔でやり過ごそうと
顔を上げた瞬間、涙でぐちゃぐちゃに。ナースステーションでは望月師長の肩を借りて泣いた。遠藤先生、人を呼び
つけたらhappyな話してよね。悲しい話ばかりだと、すぐに病室に戻れないでしょ。
ある時、トモは院内学級の先生に「ママ、泣いたんだよね。」って言ったよね。「えっ!」先生の目が丸くなった。
それは地元の病院で最悪なMRIの結果を聞いた後のことだった。涙が溢れて止まらなかった。トモには花粉症が悪化し
たってごまかしたね。トモは花粉症の話題に、ただママが重症の花粉症だって教えたかっただけだったね。
そして4年前の9月13日、みんなで泣いた。私の目はウサギみたいに真っ赤になり、脳みそが熱をもっていつまで
も冷めなかった。ずっと、ずっとあなたと一緒にたたかってきたんだよ。涙しては気持を奮い立たせてね。でも、奮
い立たせるものが無くなってしまった。どうして?なんで?後ろばかり振り返って、生きる意味が分からなくなって
しまったんだ。
そんな時、同じ思いのお母さん達には本当に助けられました。話していると笑うこともできました。
重なり合う思いで、平成24年には小児がん遺族の会「いわて小児がん子どもと家族のぴあさぽーとしゃぼん玉」(以
下しゃぼん玉)を発足し、お話し会を開催しました。平成26年にはボランティアの会「pekko(ぺっこ) penko(ぺんこ)」
ができ、小児科病棟で子ども達やそのご家族の方とふれあう活動に取り組む中で、自分は順調に悲しみの淵から抜け
出すことができている様に感じていました。
でも昨年の「しゃぼん玉お話し会」でのこと、聞き役だった私が今回は聞いてもらおうと話し始めた時のことです。
入院当時の話になると急に頭が真っ白になり何も話せなくなってしまいました。「どうして?大切なあなたとの記憶を
失ってしまったの?」ショックでした。
思い起こせば、あなたのいなかったことに目を背けていたようです。仏壇を見るのも嫌で現実逃避状態。あなたと
向き合ってこなかったから、いつの間にか涙することが無くなってしまっていたんですね。
そうだ。これまで悲しみに蓋をして頑張ってきたけど、これからはあなたに向き合ってこの蓋を開けてみよう。そ
して、思い切り涙してみよう。西病棟であなたと頑張っていた時のように。
気持ちを奮い立たせ、明日を生きるために・・・。涙と共に生きていこう。
いわて小児がん子どもと家族の
ぴあさぽーと E‐mail:[email protected]
「しゃぼん玉」
代表:芳賀 優子
小児がんでお子さんを亡くされたご家族のための会です。
http://www.shabondama-iwate.jp
E-mail:[email protected]
「いわて小児がん子どもと家族のぴあさぽーと」は、小児がん
コミュニティとして、今を頑張っている子ども達やご家族を応
援しサポートしていきたいと考えています。
ぺっこ
ぺんこ
「pekko penko」
代表:沢田 紀美子 ボランティアグループ
岩手医科大学附属病院小児科病棟で
ボランティア活動をしています。
乳がん検診啓発活動および各種関連のイベントなどに使用する
岩手医科大学の可愛らしいキャラクター
A
お答えします
Q
ってな~に?
岩手という名の起りが「岩に手形」ということはよく言われていますよね。
暴れる鬼を昔の人は、嵐や川の氾濫、災害に例えたとも言われています。自然の
猛威に 逆らうことができなかった昔の人々の願いは、日々が穏やかでお米や野
菜、農作物が豊かであって欲しいと言うことだったと思います。
そこで、荒ぶる鬼に「これからはもう暴れません」という誓いの手形を押しても
らった⋯それが岩手という名の起りとも言われています。そして喜んだ人々が踊
ったのが「さんさ」だと言われています。
岩手の名の起こりにちなんで、さんさ踊りのイメージで作りました。
発案した柏葉先生の希望はまず、愛らしいこと。患者さんの心が和むようなキャ
岩手の名の由来
ラクターであること。ピンクリボンがしっかり入っていること。
盛岡・名須川町にある三ツ石神社
最も気を配ったのはおっぱいのイメージをハートにしたところです。お母さんの
鬼の手形の由来の大きな岩がご神体です。
心はいつも家族を見守る温かい心です。赤ちゃんに“いないいないばあ”の両手
にも見えるようなふたつのハート。頭にはさんさ踊りのお花の傘を入れました。
いろいろなところで愛される さんさちゃんでありますように! 山崎文子
ブレストケアチームのさんさちゃんバッヂ連休明けに出来あがる予定です。
筆者自己紹介:
初めまして、盛岡でさまざまな商品やポスター等のデザインをしております。
グラフィックデザイナーの山崎文子と申します。
もともとは柏葉先生とのご縁でした。柏葉先生が
「この岩手医大のブレストケア
のチームをより一層心をひとつにするような、愛らしいキャラクターを欲しい!
みんなが胸にそのバッヂを付けて、団結していけるような、明るい夢のある、
そん
なデザインしてくれないかなあ!」
という希望をお聞きして、私も、
できることでお
役に立てればうれしい、
と思いました。 今後ともよろしくお願い致します。
「がん患者・家族サロン」の利用状況
平成21年4月から平成27年1月
平成 21 年4月8日から平成 27 年1月 30 日までの「がん患者・家族
サロン」の利用実績を図1、図2、図3に示しました。平成 26 年7月 31
日現在で、延べ来訪者数は 19,414 人(稼働日数は 1421 日、1日平均
13.7 人)でした。
平成 26 年度は、平成 26 年4月1日から平成 27 年1月 31 日(202 日)
現在、来訪者数は 3,174 人で 1 日平均 15.7 人でした。
昨年 12 月 15 日からは、インフルエンザ感染対策のため院内全面面会
制限が行われ、特に入院患者さんたちがサロンを利用することが難し
くなっています。しかし、サロンの存在が周知されてきているので、医
療スタッフを通して帽子・書籍等々をお手元にお届けしています。
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図1.利用者の内訳
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2月はバレンタインカード!
お家で待っているペットも描きましたよ。
ご家族に愛のメッセージを送りました。
とても喜んで頂けて。本当にうれしかったです。
ひと月に一度、こころほんわかアートしましょう!
岩手医科大学附属病院
がん患者・家族サロン
サロンで楽しく
毎月第二火曜日の1時半~3時まで
お茶とお菓子付きです!
自由に♥ 自由に♥
山崎文子のハートアートデイについて
たぶん,皆様の多くは、小学校、中学校の図画の時間で、「絵は
ニガテです。私は描けません。」という人が多いと思います。かく
言う私も大キライでした。だって、子どもの絵を「うまい」とか「へ
ただ」とか決めつけるんですからね!
実は私がわりと上手だったらしく、小学校の先生は「もっと子ど
もらしい絵を描くようにしなさい!」と指導されました。私は子ど
もながらそんなことできない!涙は筆をポキっと折りました!
大人になった私はある日ふと思いました。「絵ってほんとは、自
分自身を喜ばせるためにあるんじゃないか?」って。ホンモノのアー
トって自分の中から出て来る し。それがどんなものでもきっと素晴
らしくてワクワクするもので、身体にとってとてもリラックスする
ものじゃないの!と気づきました。
その時に、水だけあればいい、スイス性の無害なクレヨンと出逢
い、本当に 1000 人位の方と一緒にアートして来ました。最初 500
人の社会福祉の大会だったものですから…そして心身の病の方とも
出逢いました。
教えることでもなく、上手になることでもなく、誰もが自分の中
にあるアートという心からの声があって。それはもう千差万別で!
それに気づいてあげてると、きっとほっとするんだと思います。自
分が描いたんだこのステキなアート!と思うと嬉しくなりますよ!
山崎文子
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図2.利用者の医療圏別内訳
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図3.専従スタッフの対応と
よろず相談の内訳(重複あり)
地域医療連携センター
た
ができまし
当院では、地域医療への貢献の理念の元、地域医療連携室の設置や地域連携パス稼働など、地域医
療機関との連携を進めてまいりましたが、院内の地域医療連携に関する組織が別々であることや、ベ
ッドコントロールが不十分であることなど課題も多いことから、平成26年10月、地域医療連携の更な
る推進を図るため外来棟3階に地域医療連携センターを設置いたしました。センターには、看護師・
MSW(医療相談員)・事務員の3職種を配置し、日々連携を図りながら業務を進めております。
センターの主な業務は以下のとおりとなります。
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(1)地域医療連携関係
① 紹介患者受付管理、返書管理
② 連携パスの整備
③ セカンドオピニオンの実施
④ 広報誌の発行、研修会等の企画・立案
⑤ 医療連携システムの構築 等
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(2)入退院調整関係
① 退院調整、転院調整
② ベッドコントロール
(27年度以降活動予定) 等
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(3)総合相談関係
① 一般、がん、難病、認知症、肝炎、
HIV、在宅療養等の相談(当面、
医療福祉相談室で対応)
② 受診、薬剤、栄養、看護相談
(27年度以降活動予定) 等
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また、がん診療連携室に係る部分については、巻頭言(1ページ)に記載のとおり地域連携クリティカ
ルパスやセカンドオピニオンの窓口を担当させていただきます。
今後、ますます進む高齢化社会に向けて、国は地域包括ケ
アを推し進めております。医療機関においては機能分化や介
護との連携が求められているなかで、当院においても、これ
まで以上に地域の医療機関や介護事業所との連携を進めてい
かなければなりません。その中心的な役割を担うため当セン
ターが設置されました。まだまだ人員体制が整っていないた
め、十分な対応ができないところもございますが、今後随時
業務を拡大していく予定ですので、ご理解とご協力の程よろ
しくお願いいたします。
地域医療連携センター事務室長 青木 慎也
12
現在、抗がん剤治療には、分子標的薬というお薬が増え
てきました。今までの抗がん剤ではがん以外の正常な細
胞まで影響するため、脱毛があり、骨髄抑制があり、吐き
気がある・・・といった症状が一般的でした。分子標的薬
は、がん細胞のみを標的としているので、先のような副作
用がない反面、ニキビ様の皮膚障害を生じる薬剤が少な
くありません。これには、分子標的薬ががんの増殖のみな
らず皮膚の成長にも関わっている作用点(上皮成長因子
受容体)を阻害するからです。
これら皮膚障害を防ぐには、外用剤(軟膏など)の使用
が必要不可欠です。外用剤を早期から適切に使用すれば、
症状は軽くすることが可能です。薬剤師は、軟膏使用の必
要性や軟膏の使い分けを指導していますが、”なかなか軟
膏が減らない”患者さんが多いのが実際です。飲み薬と違
い、忘れてしまう、ベトつくから控えるなどあるかと思い
ます。しかし、どんなに有効な軟膏もたっぷり塗らないと
期待する皮膚のケアはできません(図2)。
最近、軟膏は塗る範囲に応じて目安量(Finger-tip Unit
;FTU)が示されております。例えば、両手に塗る場合、チ
ューブの軟膏を人差し指の先から第1関節まで出した量を
1FTUとします。ローション剤などは、1円玉くらいの量で
す(だいたい1FTU=0.5g程度ですので5gの軟膏チューブ
知っとく、なっとく
食べ物情報
「軟膏の至適量」
なら10回分くらいです)
(図2)。 抗がん剤治療においては、たかだか皮膚障害と思われ
がちですが、顔の皮疹を理由に外出をためらうなど、社会
生活にも影響します。また、指先の皮膚障害は、日常生活
に大きな支障を生じます。分子標的薬の治療を成功させ
るには、皮膚障害が出てからの治療より、日頃からの予防
ケア(保湿する、清潔を保つ、傷つけない)そして、外用剤
の適正使用が肝心なのです。
がん専門薬剤師 佐藤 淳也
図1.軟膏剤の量が少ないと炎症部分に軟膏が乗らない。
図2.両手の面積を塗れる軟膏やローションの至適量
図1、図2の引用:
新版『よくわかるアトピー性皮膚炎』大矢幸弘(国立成育医療研究センター生体防御系内科部
アレルギー科医長) 発行:
(公財)日本アレルギー協会
No.12
■ 栄養価
グリーンアスパラと
鶏むね肉の中華煮
エネルギー:69kcal たんぱく質:10.9g 塩分:1.0g
One point
advice
■ 材料:(1人分)
・グリーンアスパラ 20g(約2本)
・人参 10g
・鶏むね肉 40g
・酒(下味用) 適宜
・片栗粉 2g
・顆粒スープの素(中華味) 3g
・酒 小さじ1
・こしょう 適宜
■ 作り方
1.鶏むね肉は削ぎ切りにし、酒で下味を付けて片栗粉をまぶしておく。
2.グリーンアスパラは、はかまを取りななめきりにし、人参は拍子切りにする。
3.鍋に水、酒、顆粒スープの素(中華味)、人参をいれる。
4.人参が軟らかくなったら片栗粉をまぶした鶏むね肉をいれる。鶏むね肉が白
くなり、煮汁にとろみがついたらグリーンアスパラを入れ、火が通ったらこし
ょうで味を調え盛り付ける。
平成
度
27年 「がん患者・家族サロン」
ボランティア研修会開催のお知らせ
【第1回】
日 時:平成27年8月1日
(土)9時~15時
場 所:エスポワールいわて
(岩手県盛岡市中央通一丁目1-38 Tel.019-623-6251)
対 象:
「がん患者・家族サロン」
または県内の拠点病院で
ボランティア活動を希望される方
【第2回】
詳細についてはホームページで
10月または11月の土曜日に開催予定 お知らせします。
グリーンアスパラは春
が旬の野菜です。
アミノ酸の一種である
アスパラギン酸を多く含むのが特徴で、
疲労回復や美肌に効果を発揮すると言わ
れ、アスパラガスの穂先に多く含まれて
います。また、栽培方法でグリーンとホ
ワイトの違いがありますが栄養価として
は変わりはありません。
たんぱく質が豊富な鶏むね肉は、片栗
粉をまぶすことで火が通っても硬くなら
ずに調理することができます。是非お試
しください。 管理栄養士 高橋 一枝
今回は、
「がん患者・家族サロン(以下サロ
ン)だより」11号2ページの「ブレストケア外
来」で掲載した“さんさちゃん”について、製作にあたっての
想いを生みの親である山崎文子氏に寄稿いただきました。
サロンは、4月8日で満6年を向かえます。この“さんさちゃ
ん”というキャラクターを通して、さらに皆さんにサロンを身
近に感じていただき、がんの早期発見・早期治療へ向けた啓
発活動につながっていくことを願っています。 堀口 真由子
がん患者支援・情報室
*相談内容についての秘密は厳守します。
*相談は無料です。
*面談でのご相談をご希望の方は、できれば事前に
お電話をいただき予約をお取りいただきますよう
お願いいたします。
(青木 慎也)
12号
当相談室では、がんと診断され治療を受けている
方や、がんかもしれないと言われ検査を受けている
方などの、がんに関する様々な不安や悩みについて、
専任のソーシャルワーカーがお話を伺い、認定看護
師も一緒に問題解決をしていくお手伝いをしており
ます。当院に通院・入院をしていない方のご相談も
お受けしておりますので、お気軽にご相談ください。
がん登録室
がん診療
連携室
◆場所:西病棟1階「医療福祉相談室内」
◆時間:月曜日~金曜日 9:00~16:00
第1、4土曜日 9:00~12:00 ◆受付:面談、電話での相談ができます。
◆ 直通電話
019-651-5677
(祝日は除く)
http://www.iwate-med.ac.jp/hospital/gancenter/salon
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上の橋